21話 ドンキホーテ・ミョスガルド聖
「 無理だ 」
魚人島の住民全員の奴隷化を提案するルーミアにミョスガルドは力強く否定する。
「──他の天竜人、それに世界政府が黙っているわけがない。必ず何らかの措置を講じてくる」
キッパリとそう言い放つミョスガルド。しかし、ルーミアにとってその回答は予想の範疇だったのか、即座に次の質問に移る。
「──それじゃあー、一部の王族が特定の場所、例えば『
問われるミョスガルド。その質問は予想外だったのだろうか返答に窮する。それでもたどたどしくも言葉を返す。
「不可能ではない。……しかし、前例がない。正直どうなるのか、予測がつかない」
「……ふむふむ。じゃあ、海軍と相談してみるのは? 連中だって『
腕を組みつつ、こくこくと頷くルーミア。それからも対話は滞りなく進み、やがて……
(──彼の魚人島は『白ひげ』の縄張り。その娘が魚人島を気にかけるのは分かる。しかし……)
「エドワード・ルーミア。君の目的は一体……? いや、何を欲している?」
王族の身の安全。魚人島に利益になる話だが、話を持ってきたルーミアにとってメリットになる要素が思い浮かばないゆえにミョスガルドは尋ねた。
「
「
「んー、あとで伝えるよ。今は七武海の称号は邪魔にしかならないと思うからなー。七武海に関しては無理そうなら、やらなくてもいいよ。ドンキホーテ・ミョスガルド聖──
ドンキホーテ・ミョスガルド。奴隷を一人も持っていないことから他の天竜人から奇人扱いされている。
そのことからミョスガルドはルーミアが他の奴隷を持つ天竜人よりは幾分話の通じる奴隷を持たない自分の下にラフィットを送り、こうして話し合いの場を設けたのだろう、と考えた。何しろ奴隷を一人も持っていないのだから、問答無用で捕まって奴隷にされる可能性はない、と断定できないがそれでも低いと言えよう。
そして『王下七武海』への推奨も天竜人が持つ“権力”ならば不可能ではない。ルーミアがそれを欲しているのならば、こうして対面する機会を作ったのにも納得できる。問題は実力があるかどうかだが……
(──見た目と実年齢が合っていない。なんともやりにくい相手だ……)
向かい合って座っているルーミアを見てそんなことを思っているミョスガルド。やがてルーミアは思い出したかのように胸の前で柏手を打ち……
「……そうそう、そろそろこのシャボンディ諸島に海賊たちが集まって来る頃だし、どうせだから見に行かない? 今回、億越えの海賊が11人もいるからなー。それに
目をキラキラに輝かせてそんなことを述べるルーミアにミョスガルドは苦笑いを浮かべた。何しろ今この場には奴隷を持たないせいで奇人と言われているが、天竜人の一人がここにいるのだから……
そして、シャボンディ諸島に、後の世に“最悪の世代”と呼ばれる海賊たちが集まり始め、その中には麦わらのルフィを船長とした『麦わらの一味』の姿があった。
( ´・ω・)にゃもし。
■すまねぇ、今回は短かった。
■GW10連勤務の疲れが1日で消えるわけがねぇ……