「黄金帝」ギルド・テゾーロ。
彼が「マーシャル・D・ティーチ」死亡の報せを知った時、彼は酷く狼狽した。何しろ「マーシャル・D・ティーチ」はテゾーロが天竜人の奴隷にされるとこを救ってくれた恩人なのだから。……それにその強さも十分知っている。
ティーチはそう簡単に死ぬような人間ではない。もしや海軍や天竜人が関係しているのでは? ……と考えたテゾーロは事の真相を確かめるべく「白ひげ」の下へと向かうことを決意する。
……が、どういうわけかその頃にはすでに海軍が白ひげに頻繁にちょっかいをかけており、白ひげの周辺一帯は危険地帯と化していた。さらに間の悪いことに同じ四皇の一人「赤髪のシャンクス」も動き出しており、白ひげとの接触は困難を極まっていた。
「新世界の怪物」とも言われているテゾーロといえど、海軍を敵に回すことも、ましてやシャンクスの邪魔をしたいとも思わない。
そこで彼は白ひげの娘と言われている「エドワード・ルーミア」と、彼女と面識があり、なおかつティーチと同じく「D」の称号を持った「モンキー・D・ルフィ」に目をつけた。
「グラグラの実の能力を持った最強の男“白ひげ”が負ける光景は正直、思い浮かばない。……ならば、海軍との小競り合いが終わった後にでも会いに行けばいい」
……と考え、数名の部下とともにテゾーロはシャボンディ諸島へと向かうことにした。
【シャボンディ諸島──41番
島を構成する巨大なマングローブの根の一本に船を横付けにして停泊している「麦わらの一味」たち。意気揚々と島に降り立つ彼らの下に一人の男──テゾーロが近づき、警戒を露にする彼らに構わず一味の船長であるルフィに声をかける。
「──お前が『モンキー・D・ルフィ』か……?」
「ん? ああ、そうだけど?」
「白ひげの娘『エドワード・ルーミア』について聞きたいんだが……」
「ああ、いいぞ」
「……………………君はもう少し考えて行動した方がいい」
船員に一言も相談せずにあっさりと承諾するルフィにテゾーロは暫し絶句し、思わず額に掌を当てる。こんな船長でよくもまあ、
「無論、タダとは言わない。……そうだな、ここでの滞在費用はこちらで全額負担するし、腕のいいコーティング職人を手配しよう」
「いや、別にいいよ。職人はハチに頼むし、ルーミアのこともそれほど知ってるわけじゃねぇから」
「──だが、君たちは一時期ルーミアたちと一緒に“空島”に行ったのではないのか? 私はその情報が欲しいんだ」
「ん? なんでだ?」
「私の恩人である『マーシャル・D・ティーチ』は20年以上前から“空島”の存在を証明することで『モンブラン・ノーランド』の無実を晴らそうとしていた」
【シャボンディ諸島──13番
その後、サンジ、フランキー、ウソップの三人を船に残してタコの魚人であるハチの案内のもと、テゾーロを含む一同はシャッキーが経営しているバーへと移動、そこでテゾーロから『ティーチ』に関する詳しい話を聞かされ、ティーチがシャボンディ諸島で起こした一連の事件、天竜人に危害を加えたこと、さらにテゾーロ本人がその時の事件の当事者の一人ということに驚かされた。
「考えたものね。いくら海軍でもたった一人の人間のために“四皇”に手を出すわけにはいかないし、割に合わないものね。私もクロコダイルじゃなくて白ひげの傘下に入るべきだったかしら?」
語られるティーチの武勇伝に感嘆の声を上げるロビン。なおもテゾーロはティーチに関する話を語っていき、その当時からジャヤ島の一部が
「他にも賞金稼ぎをする傍ら論文なんてのも書いていたよ。私も何度か見させてもらった。その一つが……義手、義足に悪魔の実を食わせて限りなく生身に近い義肢を作る。そのための
そこで自嘲気味に語るテゾーロにゾロが口を挟む。
「それでお前は何がしたいんだ? まさかここで延々とすでに死んだ男の自慢話を聞かせるために俺たちに接触したわけじゃあるまい?」
「……ここ数日前に現れた『エドワード・ルーミア』は
天竜人とその名前を聞いて唖然とする一同。彼らはつい先ほど別の天竜人の横暴を目の当たりにしたからだ。
「天竜人が
( ´・ω・)にゃもし。
■朝の6時過ぎにできた。あぶねー。