ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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24話 俺の部下になる気はないか?

 

 

 そして場面はテゾーロがオークション会場に入った時に戻る。

 

 テゾーロがオークション会場に現れた時、会場内はざわついた。彼の黄金帝が今、話題になっている海賊の一味と一緒に現れたせいだろう。……それゆえにか、そこかしこから彼らの関係性について憶測を立てる声が否応なしに耳に入ってくる。

 

 周囲のその声からこのオークション会場に『麦わらの一味』だけでなく『テゾーロ』もやって来たのを察知したルーミアは護衛として船員たちをミョスガルドのもとに残して『麦わらの一味』がいる会場入り口へ一人で向かう。

 

 

「──『新世界の怪物』が『麦わらの一味』と一緒? 船員が奴隷にでもされたのかなー?」

 

 

 「ごきげんよう」とドレスの両端を指で摘まんでにこやかに挨拶を交わした後、そんな質問を遠慮なくぶつけるルーミア。小憎らしい笑みを浮かべるルーミアにテゾーロは皮肉気味に答える。

  

 

「一応、私は彼らに警告をしたのだがな…… 聞き入れてもらえなかった挙げ句に『私が持っている情報が欲しければ協力しろ』と、ご覧の通りの有り様さ」

 

 

 ……と肩を竦めて答えるテゾーロに、さも興味がなさそうにルーミアは「ふーん」と応える。そこへ、

 

 

「それよりもルーミアちゃん、天竜人なんかと一緒にいて大丈夫なのかい? 連中、美少女や美女を奴隷として連れていくんだぜ?」

 

 

 ルーミアの身を案じてそう声をかけるサンジ。他の面々もここへ来る途中で見かけた天竜人の傍若無人な態度を見ていたこともあってか、天竜人との距離を置くよう薦めてくるが……

 

 

「海軍の中にろくでもない悪党がいるように…

 海賊の中にどうしようもないお人好しがいるように…

 天竜人の中にはマトモな価値観を持っているのがいる。

 私と一緒にいる天竜人はそーゆー人物なのさ。……それに天竜人の持つ強大で強力な権力が魅力的だからなー、わはははー」

 

 

 天竜人が近くにいるにも関わらずそう宣うルーミアに一同は言い知れぬ感情を抱いたのか、言葉を濁して返事を返し、あるいは無口になる。

 

 それからオークションは途中で商品である人間が舌を噛んで倒れるというハプニングに見舞われるも滞りなく進んでいき、やがて司会の語る「目玉商品」──巨大な金魚鉢に入れられた人魚のケイミーが舞台会場へと運ばれた。

 

 

5億ベリーィ~~~!!! 5億で買うえ~~!!!

 

 

 そしてオークションにかけるやいな、天竜人の一人──チャルロスが5億という落札価格を掲げて会場内を黙らせた。そのあまりの高額な値段に会場内にいる参加者たちは早くも落胆し、諦めの境地に至っている。

 

 

10億、出そう

 

 

 そんな折、テゾーロが倍の値段を出して周囲を驚かせ、麦わらの一味もまた彼の行動に驚き「ケイミーを奪い返せる」と希望を見出だし、司会を勤める男は大金に歓声を上げる。一方で5億を提示したチャルロスは「下々のくせに…」と露骨に不快感を露にする。

 

 

50億ベリー

 

 

 そんな中、チャルロスの父であるロズワードがテゾーロの落札価格を上回る50億を提示、会場内は再びシンと静まり返る。

 

 

「値段がつり上がるたびに50億追加するえ、天竜人たる者、下々に負けたとなっては一生の恥だからな」

 

 

 静まり返った会場内をロズワードの声が通る。これにはさしものテゾーロも黙らざるを得ず、これ以降、価格の値が上がることはなく時間だけが過ぎていき……

 

 

「50億ベリーにて──」

 

 

 司会が打ち止めを知らすハンマーを叩いたその時に、悲鳴とも雄叫びとも聞こえる大声を上げながらオークション会場の出入口を破壊して会場内に何者かが突っ込んできた。

 

 その突然の出来事にオークションは一時中断。突っ込んだ際にもうもうと煙が舞い上がり、煙が晴れるとそこにいたのは、目を回して気絶している巨大なトビウオと麦わらの一味のゾロとルフィだった。

 

 金魚鉢に入れられたケイミーを見た途端、ケイミーを取り戻すべく舞台へと駆け寄るルフィ。ハチが数本の腕で引き止めようとするも、その時に魚人であることがバレてルフィを放してしまい、一人立っているとこをチャルロスに銃で撃たれ、床に倒れてしまった。

 

 そして、ハチが撃たれたことに気づいたルフィはハチを撃ってはしゃいでいるチャルロスを殴り飛ばす。……そのあまりな光景に会場内の人間たちは唖然とした。

 

 

「殴りやがった!! 『麦わらのルフィ』が天竜人を!! 大将が来て、ここは戦場になるぞ!! 巻き込まれたくねェ奴はとっとと逃げちまいな!! ウィ~~~ハッハッハァ───!!!!」

 

 

 そこへ静観していたバージェスが状況を説明するように大声を上げて逃げるように促し、会場内にいた人間たちは我先にと出口へ殺到、オークション関係者もまた麦わらの一味を捕らえるべく屈強な男たちを差し向け、会場内はさらに騒がしくなる。

 

 

「ウィ~~~ハッハッハァ───!!!! こいつはえれぇことになったな!!! お嬢!!! 乗っ取りは無理なんじゃねェか!?」

 

「我々がどう動こうともこのオークション会場がこうなるのは必然的なのだろう」

 

……この場にいる連中は運がないな……

 

「わはははー、せっかくだ。どさくさに紛れて帳簿と宝、金を手に入れておこうかなー?」

 

「ホホホホホ。そうですね、それでは……」

 

 

 ラフェットがそう言うと出入口付近にいるルーミアを残して船員全員が席を立って舞台裏へと移動を始める。会場内で暴れる麦わらの一味をよそにテゾーロの隣に立つルーミアにミョスガルドが近づく。

 

 

「信じられん。海賊が天竜人に手をかけるとは…… それに君の目的はここを乗っ取ることではなかったのか?」

 

「さすがにここまで騒がれるとは思わなかったからなー。それに本命は帳簿と宝と金。戦力になりそうな奴隷の確保。乗っ取りはオマケだなー」

 

 

 そして正史通りに巨人とレイリーが現れ、覇気で会場を鎮め、ケイミーを始めとした奴隷たちが解放される。

 

 そこへ司会の男──ディスコが電伝虫を携えてルーミアの下へやって来た。

 

 

「『エドワード・ルーミア』だな!? Mr.ドフラミンゴがあんたに話があるそうだ!!」

 

 

 そう言って電伝虫を向けると、電伝虫の口から男の声──ドフラミンゴの声が流れてくる。

 

 

『──フッフッフッフッフッ。「エドワード・ルーミア」だな……?』

 

 

 独特な笑い声を上げて尋ねるドフラミンゴ。ルーミアの存在を電伝虫越しに確認した後、ドフラミンゴはルーミアを勧誘する。

 

 

『──俺の部下になる気はないか?』

 

 

 ……と、

 

 




( ´・ω・)にゃもし。

■朝の6時にできた。
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