ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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25話 悪巧み

 

 

 突然、現れた老人──レイリーの覇気で大勢の人間が気絶して静かになったオークション会場。そこでは、ドフラミンゴが電伝虫越しにルーミアを味方に引き入れようとしていた。

 

 その交渉の場から少し離れた場所には、レイリーの覇気を耐え、気絶から免れた者たちが事態の成り行きを見守るべく、二人のやり取りを静かに観察していた。

 

 しかし、建物の外を海軍が完全に包囲していることを知った麦わらの一味を始めとした海賊たちは、海軍の最高戦力である「大将」が到着する前に脱出することを決めて、表の出入口からオークション会場を出ていき、建物の外で待ち構えていた海軍と交戦を始める。一方、奴隷として連れてこられた人間たちもまた、表の出入口とは別の扉から巨人と一緒に出ていった。

 

 そして、あとに残ったのは事件に巻き込まれて一応、被害者になっている者たちである「ミョスガルド」「テゾーロ」といった“ルーミア”あるいは“ティーチ”と面識のある者たちと、ドフラミンゴとの通信が繋がったままの電伝虫を持ってきたディスコのみである。

 

 

『──ジャヤ島にいる奴から聞いたんだが、(ダイアル)とかいう不思議な貝を養殖しているんだろ? それを買い取りたい』

 

 

 会場内から人が減ったのを察したのか、そんなことを宣うドフラミンゴ。部下云々の話から貝の買い取りへと話が移行したことに不審に思われたことを感じ取ったのか、承諾を渋るルーミアにドフラミンゴはわけを話す。

 

 

『──俺の部下になれば身の安全は保障される。(ダイアル)の養殖は是非とも成功してほしいからな…… まあ、実験段階中に第三者からのつまらない横やりを入れられないための配慮ってやつだ。……部下がイヤなら「七武海」の称号はどうだ? 俺が推薦しよう。ちょうど今、空きが一つあることだしな、フッフッフッフッ』

 

 

 ──と、代案を出すドフラミンゴにルーミアは……

 

 

「『()()()()()()にちょっかいをかける命知らずなバカはいない。仮にそんなヤツがいたとしても、返り討ちにするだけの戦力も実力もある。それに「七武海」に関しては当てがある。……だけど、(ダイアル)の買い取りは悪くないな」

 

『……何も「今すぐに返事をよこせ」──なんて無茶は言わねェ。()()()()()()()()()()()()()…… 返信はそっちが落ち着いた後にでもくれればいい。期待して待つとしよう。フッフッフッフッフッ』

 

 

 そしてドフラミンゴとの通信が途切れ、それを見届けたディスコが(せき)を切ったようにルーミアに話しかける。

 

 

「Ms.ルーミア!! あんたにこの電伝虫と番号のメモを渡す!! こいつはMr.ドフラミンゴに繋がる番号だ!! Mr.ドフラミンゴから渡すよう言われたからな!!!」

 

 

 そう言って電伝虫と番号の羅列が書かれた紙切れをルーミアに手渡すと、ディスコはそそくさと急ぎ足でステージの裏を通っていずこへと去っていった。

 

 

「お嬢! めぼしい物はほとんどあのじいさんに持っていかれてるぜ!! 帳簿とか書類関係の物しか残ってねぇ!!」

 

 

 それからほどなくして、ディスコと入れ替わるように片手に紙の束を持ったバージェスたちが戻ってくる。

 

 

……だが、()()()()を手に入れたのは不幸中の幸いだ……

 

「ホホホホホ、それにドフラミンゴが過去に出品した“悪魔の実”。その悪魔の実の名前とそれらを落札した人間の名を知ったのは大きな収穫かと……」

 

「ああ、()()()()()()()()()のほとんどが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。落札者のほとんどは雇われたサクラか、ドフラミンゴの関係者なのだろう」

 

「ウィ~~~ハッハッハッハァー!! いわゆる“()()()()()()”ってやつだぜ!! 当てが外れたな、お嬢!!」

 

 

 ドフラミンゴがオークション会場でやっていた行為に驚いているのか、目を丸くするミョスガルド。テゾーロの方は彼ならやりかねないと思っていたのか、深く頷いていた。

 

 やがて外の騒ぎが収まったのか、会場内へ海軍がなだれ込み、天竜人である「ミョスガルド」とその関係者とおぼしき「テゾーロ」と「ルーミア一味」を目敏く見つけると、安全のためか建物の外へと彼らを避難誘導する。

 

 

「……『麦わらの一味』の跡を追わなくていいのかなー? 連中と一緒にここに来たみたいだけど?」

 

「ああ、欲しい情報はすでに手に入れている。あとは君から『ティーチ』のことについて聞きたいとこだが…… 今はハチ──タコの魚人の容体が気になる。すまないが、彼がいる所まで移動してもらっても構わないか?」

 

「そうだな、私からも是非とも頼みたい」

 

「『黄金帝』と天竜人である『ミョスガルド聖』からも頼まれたら行かざるを得ないなー、わははははー」

 

 

 

 

【シャボンディ諸島──13番GR(グローブ)

 

 

 13番GR(グローブ)の片隅にあるバー『シャッキー'S ぼったくりBAR』。そこへ辿り着いたルーミア一行。閉店を意味する「CLOSED」の札が下げられているが、ルーミアはそんなのは関係ないとばかしに扉を開けてしまう。

 

 その店内にはベッドの上で横たわってチョッパーから治療を施されているハチと、思い思いに寛いでいる麦わらの一味、さらにカウンター席に座るレイリーの姿があった。

 

 扉が何の前触れもなく開かれたことで店内にいたルフィたちは一瞬身構えるが、それが顔見知りである「テゾーロ」や「ルーミア」と分かるや否、すぐに警戒を解く。……しかし、最後に現れた天竜人──ミョスガルドを見て警戒心を強める。

 

 

「安心しろ、こちらにいる『ミョスガルド聖』は話の通じる人物だ。そこにいる人魚なら、過去に『魚人島』を訪れたことのある天竜人といえば、誰だか分かるかなー?」

 

 

 ルーミアに問われるが、キョトンとするケイミー。何のことかさっぱり分からないと言った様子の彼女に傍らにいた喋るヒトデ──パッパグが耳打ちして教える。

 

 

オトヒメ王妃の署名に賛同した天竜人!?

 

 

 そこでようやく思い出したのか「ハハー」と恭しくひれ伏すケイミー。

 

 

「もうあれから8年も時間が経っている。忘れるのも仕方のないことなのだろう。それよりも彼の容体はどうだね?」

 

 

 包帯を巻かれて横たわっているハチを見てそう尋ねるミョスガルド。診察していたチョッパーから命に別状がないことを知らされると安堵の溜め息を漏らす。

 

 

「どうでもいいけど何でお前らがここに来たんだ?」

 

 

 その様子をじっと見ていたルフィが突然そんなことを喋り出す。店内にいた一同も同じことを思ったのか、ルーミアたちをじっと見据える。その視線に晒されながらもルーミアは微笑を浮かべながら答えた。

 

 

「ここにいる全員、私と手を組む気はないか?」

 

   




ざわ…( ´・ω・)にゃもし。ざわ…

■朝6時に一応、完成。

■おかしな表現があれば報告をお願いします。


 -追記-

■次回以降は思いっきりはしょろうと思う。
 ぶっちゃけ、最初の頃の方が個人的にも面白いと思うんよ。
 
■最近は文字数稼がねば、週一投稿せねばと、自ら追い込んでやってるせいかなー。

■送られたメッセージにそのようなこと書かれてたので…

■前みたいにはしょることを心掛けながら書くよん。

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