ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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28話 この監獄に二人がいる。

 

 

【「LEVEL-5.5」ニューカマーランド】

 

 

 イワンコフが仕切っているニューカマーランドにはインペルダウン監獄内部の各エリアを映しているモニター室があり、そこでは今現在、ニューカマーランドの住人(オカマ)たちが監獄内で起こっている騒動を面白がって見ていた。

 

 その彼らの間に交ざって小さな少女──ルーミアが自身の体躯に合わない玉座のような大きな席に一人ちょこんと座って鎮座しており、映画でも鑑賞するかのごとくにポップコーンを膝の上に置いてもぐもぐと頬張りつつ、時折、肘掛けに置いてあるジュースをごきゅごきゅ飲みながら、はしゃぐオカマたちを尻目に画面に映っている映像──騒動を起こしている人物たちとその行動をつぶさに観察していた。その彼女の両隣にはビールを片手に大ぶりの肉を齧っているバージェスと腕を腰に当てて立っているイワンコフがいる。

 

 彼らが見ている画面にはいつもの格好のルフィと囚人服姿のバギーの二人が監獄内に大量にいるブルゴリ──髑髏の頭巾を被って監獄内を徘徊している海に生息しているゴリラ──を蹴散らしながら地下1階のフロアを駆け抜けていく姿が映っていた。

 

 その後、ルフィとバギーは階層を降りるたびに同行者を増やしていき、地下4階「LEVEL-4」“焦熱地獄”と呼ばれる超巨大な鉄釜があるフロアに辿り着く頃には元BW(バロックワークス)の社員であり、かつてルフィと敵対していた「ギャルディーノ」通称“Mr.3”と「ベンサム」通称“Mr.2ボン・クレー”の2名を加えた4名になっていた。

 

 しかし彼らの奮闘もそこで終わりを告げる。道中に現れたインペルダウンの監獄署長を務める男「マゼラン」が立ち塞がったのだ。マゼランの操る「毒」の前にルフィはあえなく敗北、他のメンバーも散り散りになり、そしてマゼランの毒を全身に浴びて倒れたルフィは地下5階「LEVEL-5」“極寒地獄”へと送られることとなる。

 

 

 

 

【地下5階「LEVEL-5」“極寒地獄”】

 

 

 そのフロアは雪と氷で覆われている極寒地帯であり、そのあまりの寒さに電伝虫が耐えられないために監視用の電伝虫が設置されておらず、そのせいで通信や映像が遮断される。また、牢屋の外には監獄内にいる動物(バジリスクやスフィンクス)にも襲い掛かって捕食してしまうほど狂暴な軍隊ウルフが群れで放し飼いにされており、監獄内にある林が軍隊ウルフの巣になっている。

 

 そんな危険地帯に毒で体を満足に動かせないルフィを乗せたソリを引き摺りながらボン・クレーがやって来た。毒に冒されたルフィを治療してもらうため“奇跡の人”と呼ばれている「イワンコフ」を探すためである。

 

 ──が、そんな場所に足を踏み入れれば、狼たちが襲い掛かるのは道理。ボン・クレーもまたその例に漏れず狼たちに襲われた。必死に抗戦するも、狼に脛や肩、頭部などを噛みつかれたびに傷を増やし、血を流し、最後には堪えきれず無数の狼に噛みつかれたまま雪原に倒れた。

 

 その時にルフィがゆらりと立ち上がって吼えた。

 

 

離れろォォ!!!!

 

 

 ルフィがそう力んで叫ぶと狼たちはたちまち目に見えて分かるほどに怯え、身を竦ませ……やがて口から泡を吹きながら意識を失い、その場に倒れ込んだ。そしてルフィもまた力を使い果たしたかその場で倒れ、何もしていないのに狼たちが気絶するその光景を不思議そうに見ながらボン・クレーもルフィと同様に意識を手放す。

 

 その後、倒れたルフィとボン・クレーの下に大小二つの影が近づく。厚手のコートを羽織ったバージェスとルーミアの二人である。ルーミアは傍らにいたバージェスに指示を下すと指示を受けたバージェスはボン・クレーを肩に担ぎ、ルフィを乗せたソリを片手で引き摺りながら林の奥へと消えていく。

 

 

「──死刑執行まであと“26時間”だったなー」

 

 

 去る間際、首からぶら下げた懐中時計を手に取ったルーミアがそんな言葉を漏らす。本来なら革命軍の幹部である「イナズマ」がルフィとボン・クレーを回収すべく現れた時に“26時間”というフレーズが出ていたのをルーミアは思い出したのだ。そして、ふと考える。

 

 

「今このインペルダウンに「エース」と「ルフィ」がいる。今なら……」

 

 

 何かを思い付いたのか、急ぎ足でニューカマーランドへと向かった。

 

 

 

 

【ニューカマーランド】

 

 

 重傷のルフィとボン・クレーを連れたルーミアたちがニューカマーランドに戻った時、いつの間にか意識を取り戻したルフィ。彼は待ち構えていたイワンコフにボン・クレーを助けてくれと懇願。イワンコフがその願いを聞き入れ、その次に洞窟の奥、隔離された独房でイワンコフが自身が持つ悪魔の実の能力を用いてルフィの治療に取り掛かかる。

 

 ほどなくして身が裂かれんばかりの絶叫がほとばしった。

 

 それから、10時間ほど経過した頃、ボン・クレーが意識を取り戻す。彼は現在の状況やルフィの現状をイワンコフやイナズマから聞かされ、ついでニューカマーランドにおいて異質な二人組のうちの一人、ルーミアからエースの救出と脱獄の話を聞かされる。

  

 

「署長の「マゼラン」はルフィとの戦闘で“毒”を使い過ぎてトイレに籠っている。副署長の「ハンニャバル」は()()()()()()()()()()()()()()。今、インペルダウンの戦力はかなり低下している。今ならエースを救出するのにさほど苦労はしないと思わない?」

 

 

 丸い円形のテーブルにある席についてそんなことを宣う。しかし、マゼランの実力を、毒の恐怖を間近で見せつけられたボン・クレーは救出した後のことを問うと……

 

 

「──エースを連行するため「LEVEL-6」にマゼランが訪れる。その「LEVEL-6」にマゼランを閉じ込める。無論、マゼランが来る前にエースを救出しておくけどなー、わははー」

 

 

 ルフィが思ったよりも早く、それにエースがマリンフォードに連れていかれる前、なおかつこのインペルダウンに二人がいるゆえに思い付いた急ごしらえの計画とルーミアは皮肉を込めて語り、何よりも「マゼラン」と戦わなくて済むと豪語する。

 

 

「マゼランが「LEVEL-6」、エースが入れられている牢屋の前に着き次第、二つある出入口を物理的に破壊して使えなくなるようにする。その後、集団脱獄を始める!! この好機をみすみす逃す必要はない!!」

 

 

 そしてルーミアとバージェスはエースの救出と脱獄の準備に取り掛かる。

 

 




ざわ…( ´・ω・)にゃもし。ざわ…

■朝の4時にデキタヨ。
 └おやすみ。

■いい意味でも悪い意味でも人の期待を裏切る。
 └二次小説とかで…

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 └毎度、ありがとうございます。
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