ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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30話 脱獄

 

 

【地下5階「LEVEL-5」“極寒地獄”】

 

 

 「LEVEL-6」の囚人たちを“闇”に飲み込ませて「LEVEL-5」に戻ってきたルーミア。いくら凶悪犯といえど──

 

 

「お嬢、いくら連中でも“闇”の中にずっと入れっぱなしじゃあ、使い物にならなくなるんじゃねェのか……?」

 

 

 ……というバージェスの進言と「ニューカマーランド」の存在を知られるのはイワンコフにとってはいい顔をしないだろう、というルーミア自身の考えもあり、凍てつく極寒の中にて彼らを解放されることとなった。

 

 

──“解放(リベレイション)

 

 

 両腕を左右に広げたルーミアの足下を中心に、紙に水墨を垂らしたように“闇”が広がっていく。やがて、その黒い水面(みなも)から幾重もの波紋が広がり、そのたびに波紋の中央から囚人服を着た人間がせり上がってくる。「LEVEL-6」の囚人たちである。

 

 

 解放された彼らは当初、自由の身となったことに喜んでいたが、すぐに極寒地獄のあまりの寒さに身と歯をガチガチと震わせ、今はエースが作った焚き火に身を寄せあって、愚痴を言いながら寒さを凌いでいる。かくいうルーミアとバージェスも最前列に陣取り掌を前にかざして体を温めている。

 

 

 もっとも少数ではあるが寒さをものともせず離れたところで思い思いに過ごしている者もいる。元七武海の「サー・クロコダイル」を始めとした国家転覆を目論んだ政治犯や正史では黒ひげの船員になる者たち、他にもルーミアが知らない顔ぶれもその中に若干交ざっている。

 

 

 ルーミアは彼らをこそこそと観察していたが、途中で中断することになる。「ニューカマーランド」の人間たちとマゼランの“毒”に打ち勝った「麦わら」を連れたイワンコフが現れたのだ。

 

 

 そして到着するや否やクロコダイルを目敏く見つけたルフィが彼に突っ掛かり、次にクロコダイルを出したルーミアに問いつめるが、イワンコフが件の元七武海の“弱み”を握っていることとエースの助力もあってルフィは渋々だが大人しくなった。

 

 

 そんな状況の最中(さなか)でインペルダウンの脱獄が始まる。動かない彼らに業を煮やしたシリュウが発破をかけたせいである。

 

 

やつ(マゼラン)のことだ、ナメクジのように壁を這って登ってくるか、瓦礫をどかしながらでも追っかけてくる。追いつかれる前に距離を取った方がいいだろ。あいつには“毒の道(ベノム・ロード)”とかいう移動技があることだしな……。全く忌々しい野郎だ」

 

 

 ついでにマゼランが有利になる3階、4階での戦闘を避けたいとつけ加え、ほどなくしてニューカマーランドの住人と「LEVEL-6」の囚人たち総出による脱走劇が彼らが発する雄叫びとともに始まった。

 

 

 

 

 「LEVEL-6」最下層から始まった囚人たちの暴動に対して各階の看守たちは果敢に応戦するもマゼランが欠けたのも要因の一つではあるが何よりも数が多いこともあって彼らでは囚人たちを止めることをできず順に倒されて突破されていく。

 

 

 さらに同時期、他の場所──バギーとMr.3がいる「LEVEL-2」フロアでも二人が煽動して起こした暴動が発生しており、そのことも副署長であるハンニャバルの頭を悩ましている。

 

 

 おまけにルーミアたちは行く先々で連絡が取れないように各階の看守室を襲っては徹底的に破壊、フロア内にいる電伝虫を回収し通信を遮断させては囚人たちを解放、階層を上るごとに戦力を増加させていく。

 

 

 やがてハンニャバルはマゼランが来るのを見越して地下2階の階段付近と階段にインペルダウン内の戦力を集結させた。もはや自分たちではこの暴動を止められず、マゼランにしか止められないと判断、マゼランが来るまで自分たちは囚人たちの足止めに徹することにしたのである。

 

 

 しかし、ルーミアはそこに待ち構えていたハンニャバルたちを有無を言わせずに“闇”に呑み込ませて無力化、走る速度を緩ませることなく上へと続く階段を駆け上っていく。

 

 

 このまま何事もなく地上へと出られると囚人たちの間でそんな空気が流れていた時、突然、リフトから大量の毒液が噴出、避けきれずにまともに浴びてしまう者が続出した。そしてその毒液が引いた後のその場所には囚人たちを睨むマゼランが立っていた。

 

 

「“毒竜(ヒドラ)”」

 

 

 こちらを見るや否、毒でできた三つ首の竜を囚人たちに放つも、すんでのところでMr.3が“蝋”でできた巨大な壁を生み出してこれを防ぐ。

 

 

 自身の“毒竜”を防いだMr.3に対して警戒を強めるマゼラン。ルーミアたちもまたマゼラン相手に無視するわけにもいかず、ルーミアとバージェスにMr.3がマゼランの足止めを請け負い、「正義の門」を開かせるためにボン・クレーとシリュウが動力室へと向かい、ルフィを含む後の人間たちは船を手に入れるために桟橋へと急ぐ。

 

 

 去っていくルフィの後ろ姿を見送りつつ目前に立つルーミアの腕を広げたポーズを見てマゼランが尋ねると彼女は得意気に答える。

 

 

「“聖人が十字架に磔られました”って言っているように見える?」

 

「──“白ひげ”のシンボルマークを表しているのかと思ったがな……。それよりも俺の部下たちはどうした?」

 

 

 尋ねるマゼランにルーミアは右腕に“闇”を纏わせながら、笑みを弧の形にして答える。

 

 

「今、会わせてやる」

 

 

 

 

 ルーミアたちとマゼランが相対している中、ルフィたちは桟橋に辿り着いた。……だが、桟橋に停泊しているであろう海軍の軍艦、エースを護送するために用意された船を強奪する手筈であったが、どういうわけか船が1隻も泊まっていなかった。

 

 

 それはマゼランが万が一に備えて海軍に指示を出していた故である。──桟橋から離れろ……と、

 

 

 この光景に囚人たちが絶望する中、魚人であるジンベエを筆頭に軍艦を奪う段取りをする。ジンベエが巨大な扉を背負い、その上に軍艦を奪うための戦力を乗せて軍艦まで泳いでいくのである。

 

 

 いつマゼランが来るかも分からないこともあり、すぐに実行に移された。途中、奪うための船を1隻破壊してしまうが、のちに強奪に成功。その後、ジンベエが呼び寄せたジンベエザメの背に乗って軍艦に乗り込み、海軍の軍艦から砲撃が飛び交う中、「正義の門」へと船を進ませる。

 

 

 海軍たちは「正義の門」がインペルダウン内部で開閉されることを知っており、「正義の門」の前で立ち往生するであろうと考え、脱獄囚たちが乗っている軍艦を沈めるべく後を追う。

 

 

 その「正義の門」が開く。 

 

 

 インペルダウン内部、動力室にマゼランに化けたボン・クレーが看守たちに指示を出したせいである。看守たちは疑問に思いつつも「正義の門」を開いて脱獄囚を逃し、彼らが扉をくぐった後、すぐに閉じた。そんな看守たちにシリュウは愛用の刀に手をかけて声をかける。

 

 

「ご苦労。それじゃあ、あばよ」

 

 

 そうシリュウが呟くとその場にいた看守たちを一人残らず切り捨てた。

 

 




 

( ´・ω・)にゃもし。


■土曜日、ちょっと寝たら、スゲェ寝た。


■なので日曜日に執筆。朝の5時を過ぎた…
 └寝よう。

■誤字脱字とか、よろすこ。


■あとは活動報告にでも書くべ。
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