ふわりと腕を左右に広げた格好で氷上に爪先から器用に降り立つルーミア。降り立つ際、真下からの風に煽られてスカートが膨らみ、膝から下──普段スカートによって隠された部分が露になってしまうが彼女は恥じらうどころか気にする素振りは見せない。ちなみに一部の囚人はその光景を余すことなく映像電伝虫におさめて、シャボンディ諸島にその映像を送信している。黄猿も送信先が気になるのかルーミアに尋ねてみると彼女は答える。
「せっかくだからこの戦争の光景をシャボンディ諸島にいる連中にも見せようと思ってなー?」
「それは困るねぇ……。わっしがお嬢ちゃんを倒すとこを見られちゃあ、わっしや海軍に対する心証が悪くなるねぇ……」
「安心しろ、私は負けるつもりはないからなー、わははは」
ルーミアが左腕を前に突き出すと袖の裏から分銅のついた鎖が黄猿を目掛けて飛んでいく。もっとも直進で飛んでいくだけの鎖では黄猿を捉えることは難しく、黄猿が横に一歩、体をずらすだけであっさりと避けられてしまい、その後ろにいたパシフィスタの一体に先端の分銅が突き刺さると同時に体内に直接、電気を送り込まれて感電。ぷすぷすと口から煙を吐きながら氷の上に倒れた。
あっさりと倒されるパシフィスタの1体を見ながら黄猿は非難がましくルーミアに言う。
「知ってるかい? パシフィスタ1体作るのに軍艦1隻かかるらしいんだよねぇ……」
「避けずに食らえば安く済むかもなー?」
そう言って左腕の力だけで鎖を引いてパシフィスタに刺さっていた分銅を引き抜いた後、鎖に再度電気を流し込むルーミア。電流を流し込まれた鎖が鎌首をもたげた蛇のように動き出す。次いでルーミアが左腕を縦に振って長い鎖を縦に波打たせ、鎖の先にある先端部分の分銅で黄猿を砕かんばかりにと上空から頭上へと落としていく。
Mr.3が作り出した蝋を壁にして、その向こう側にいる囚人の一団が映像電伝虫で二人の戦いを映像におさめていた。
シャボンディ諸島。マリンフォードの光景を映している巨大モニターの前には黒地に白の十字架をあしらったマークをつけた──ルーミアの配下と様々な海賊旗を掲げている集団、あるいは一目で軍関係者とわかる集団がその場所を占拠してモニター前の場所を陣取っていた。その中には懸賞金が億を超える海賊たちもちらほらと見受けられる。
「……ほう、これが
「悪魔の実は強力だが数が少ない上に高価になる。おまけに弱点もある。その点、これは養殖さえ成功すれば安く済むな……」
「失敗しても安全に空島へ行けるやつがいれば問題はねぇ。それにあの『ルーミア』とかいう小娘は空を飛べる。調達は可能なんだろ?」
黒塗りの豪奢な造りのテーブルの上にはこれまた高価そうな木箱があり、その木箱一個につき一つの
一般人たちは彼らの存在を戦々恐々しながら遠巻きに眺めていた。そんな彼らとは離れた場所にテゾーロや天竜人であるミョスガルド、さらに天竜人であるミョスガルドの要請で彼の護衛をやらされていることになっている七武海の一人である「暴君」がおり、静かにモニターを凝視していた。そんな暴君にミョスガルドは声をかける。
「世界政府と取引をすると言っているが本気なのか?」
「……元国王として責務を果たすためだ」
尋ねるミョスガルドに対して暴君はモニターから視線を外さずにそう答える。
「おい、お前らモニターを見てみろよ。動きがあるぞ。バギーが復活したぜ」
海賊の一人がモニターを指差す。黄猿の光線を、ルーミアは左腕を雷に変えて防ぎ、ルーミアの雷や覇気を纏った鎖を黄猿は受けることなく高速で避ける。そんな戦いを繰り返す両者にバギーが空から割って入ってきた。
「おいっ!! こら!! てめぇ~!! さっきはよくもやりやがったなァァ~~~っっああ!?」
現れるや否や、上空から強襲。右拳を前にして突撃を試みるバギー。だが当たる寸前で黄猿の光の剣で輪切りにされて、あえなく失敗。輪切りにされたバギーの体が宙にとどまる。
「かかったな!! マヌケがァァァ~~~っっ!!」
しかし、バラバラの実の能力のおかげで点や線による攻撃は無効化できるバギー。体が修復する傍ら、バギーは真っ正面から黄猿の胴体を両足で挟んで抱きつく。
「……やられたねぇ~。靴の底に“海楼石”を仕込んでいたのかい……」
「そういうこった。あとはテメぇにこの“
そう言って右手の掌に仕込まれている
「──だが、しか~~~し!! こうやって腕を切り離せば反動など関係なくなる!!!!」
バギーが
拘束が解かれ、海楼石による脱力感が軽くなったのを感じた黄猿。そう感じたのも束の間、再度、海楼石による虚脱感が再び彼を襲うとともに左手で首の裏を掴まれる感触を感じ取る。
「──正直、バギーがここまでやってくれるとは思わなかったけど、この機を逃すほど私はあまくないなー」
“ 1億
背中越しにルーミアの声を聞いた直後、黄猿は雷に打たれて意識を刈り取られた。
その後、ルーミアは囚人たちに命じてインペルダウンから持ってきた海楼石の枷で黄猿を拘束。ついでに戦桃丸もバージェスと囚人たちの手によって捕らえられていた。それからルーミアは黄猿を連れて撤退するよう囚人たちに指示を出し、彼女自身は戦場に残った。
どうやら彼女たちが戦っている間に動いていたらしく辺り一帯に海軍の姿は見えない。マリンフォードのある方角から戦闘の音が聞こえてくる。その道中には戦闘の跡がちらほらと見受けられる。
そこでふと空を見上げるルーミア。空には背景に溶け込むような色合いをした複数の気球が黒い雲を空に撒き散らしながら空を飛んでいる。ルーミアが手配したものだ。黒い雲は広範囲に渡って散布されており、まもなくマリンフォード全域を覆うことになるだろう。
空に浮かんでいた気球が突然、人が乗っているゴンドラ部分からライトで赤い点滅を繰り返す。ルーミアの一味にだけ伝わる合図である。それを見たルーミアは舌打ちを一つ打ち、激しい戦闘が行われている場所──海軍と白ひげがぶつかっている地──へと向かうべく、逃げようとしたMr.3の首根っこを掴んで肩に担いだバージェスとともに氷上を滑るようにして移動を開始、バージェスの能力を使って目的の場所に辿り着いた時は──
ちょうど、エースが白ひげを庇ったために赤犬の右腕で背中から体を貫かれた頃だった。
怒り狂った白ひげが能力が込もった左腕を振り下ろして赤犬の頭部を殴打、次に薙刀の柄の部分を腹に叩き込んで弾き飛ばす。
赤犬との距離が離れている間にMr.3が合鍵を作ってマルコの手錠を外し、ルーミアが氷漬けのジョズを雷の熱で解凍させ、バージェスが電伝虫で仲間と連絡を取る。その間にエースを始めとした重傷者などの一人では動けない者たちを一ヶ所に集めた後にルーミアの闇で回収。そして足場の氷を割ってバージェスが呼び寄せた3隻の巨大船が現れる。その周囲には巨大なトビウオに跨がった多数の人間たちの存在も確認できる。
「船に乗れ!! もしくはトビウオにしがみつけ!! 殿は私がやる!!」
ルーミアの一声で動き出す海賊たち。無論、海軍が彼らを逃すはずもなく追撃をかけるが、船に乗っている船員たちが彼らが進軍する通り道に向かって
上空の気球からの信号で海賊たちが戦域から離脱したことを確認したルーミアは左腕を雷化させて上空に漂う雷雲に突き刺す。
“
千を優に超えて万に届く雷がその地に降り注いだ。
ざわ…( ´・ω・)ざわ…
■古明地さとりになった私はMTGというカードゲームの一種を始める。心が読める私の前に戦略など意味は無し。無双する私。
そんな私の前に予知能力の一種を持った紅魔館の主レミリア・スカーレットが立ちはだかる。かくして
テレパシーvs予知能力
(白黒デッキ)(赤単色ゴブリンデッキ)
による戦いが始まった。
※そんな夢を見た。
■朝の4時にできた。
■とりあえず文字を埋めた。そんな感じ。
あと毎回毎回、戦闘描写を省略するのも味気なかったので
■毎度、誤字脱字報告ありがとうございます。
■マンモスマンも書いているけどアクセス数が少ないネ。