ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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41話 白ヤギさんからお手紙着いた。

 

 

女ヶ島(にょうがしま) アマゾン・リリー】

 

 

 マリンフォードで事件──16点鐘を起こしたルフィたちはその後、女ヶ島に戻っていた。そこでルフィはレイリーが提案する覇気の修得による自身の強化に賛同し、島に残ることを決め、対してジンベエは白ひげと彼とともにいるであろうルーミアに会いに行くために島を出ていくことを決意。ボン・クレーもまたインペルダウン脱獄の際、協力してもらった恩を返すために島を出ていくことを告げる。

 

 

 そして二人が出ていく当日、島の沿岸にてルフィが二人を見送っていた。

 

 

「……そっか、ボンちゃんが仲間になってくれたら面白かったのになあー」

 

「ゴメンね、麦ちゃん。先約があるのよぉ~」

 

 

 ボン・クレーの言う先約というのはルーミアのことである。彼女は自分の配下に加わることを条件に、先のインペルダウンの脱獄とイワンコフの救助に協力したのである。それはボン・クレーだけではなく他に脱獄した数名のメンバーにも脱獄を条件にルーミアは勧誘していた。ボン・クレーはそのこととルーミアの目的をルフィに伝える。

 

 

B・W(バロック・ワークス)を復活させるつもりなのよ」

 

 

 その言葉を聞いて表情を引き締めるルフィ。七武海の一人──サー・クロコダイルが立ち上げた組織がその名であり、ルフィたちは過去にアラバスタという名の砂漠の王国で国家転覆を目論んでいた彼らと死闘を繰り広げたことがあるのだ。

 

 

 当時、ルフィたちはその国の王女であるビビとともに行動をしており、アラバスタ王国の味方をしていた。そのこともありクロコダイルと彼の手足で動いていたB・Wに対して良い感情を抱いていない。

 

 

 ……のだが元B・Wの幹部であったボン・クレーに対しては海軍に包囲されていたアラバスタから脱出する際、ボン・クレー自身がルフィたちを逃すために自ら囮になったこともあり、わりと友好な関係を築いている。

 

 

 B・Wに対して危惧の念を抱いているであろうルフィに対してボン・クレーは「麦ちゃん。大丈夫よ」安心させるように語りかける。

 

 

「あちしがついてるわ」

 

 

 親指を立てながら笑顔でそんなことを言い、傍らにいたジンベエも厳つい顔つきのまま……

 

 

「──ルフィ君が懸念するのも分かるが、クロコダイルのいないB・Wに以前ほどの影響力は出るまい。……たとえ、あったとしても白ひげの娘、ルーミアを頂点とした組織になる。以前とは中身が違うものになるだろう」

 

 

 「それにいざという時はワシが体を張ってでも止める」そう言い残して彼らは女ヶ島を出ていき、ルフィもまた覇気を身につけるためレイリーとともに目的の島へと向かう。

 

 

 

 

【マリンフォード】

 

 

 室内で二人の男、赤犬ことサカズキとセンゴクが机を間に挟んで激しく言い争っている。その周囲には黄猿ボルサリーノと青雉クザン、他の大将の姿も確認できる。

 

 

「何故、無断で艦隊を出撃させた!!!? いずれは白ひげは死ぬ!! いたずらに海兵たちを特攻させて死なすつもりか!? サカズキ!!」

 

「殲滅させてこそ意味がある!! やつらが疲弊している千載一遇の機を逃すつもりですかい!?」

 

「だが現実は連中に逃げられただろう!?」

 

 

 それからしばらくして、お互いにこれ以上の不毛な話し合いは無駄と悟ったか、どちらからともなく話を切り上げ、サカズキは部屋を出ていく。

 

 

「やつが、サカズキが万が一にでも『元帥』になればろくでもないことが起きかねない。……やはりクザン、お前が『元帥』になるべきだろう。オハラの件もあることだしな……」

 

「……しかし、納得できますかね。アイツが?」

 

「それでも納得させねばならん。でなければやつの正義で犠牲になる者が増えるだけだ」

 

 

 元帥候補の問題に対して早々に見切りをつけたセンゴク。彼は次に自らではないとはいえ、潰してしまった赤髪海賊団の面子をどうするべきか悩む。悩んだ末に……

 

 

「……“七武海”加入で矛をおさめられればよいが……」

 

 

 手元の書類には天竜人の一人、ミョスガルド聖が直筆したルーミアの七武海加入の嘆願書が握られていた。

 

 

 

 

【旧ドラム王国】

 

 

 年中を通して雪で覆われている冬島。医療大国と謳われているその島には今現在、白ひげ海賊団とルーミアたちが負傷者の治療のため、赤犬が率いる海軍の襲撃以降、彼らはそこに滞在していた。

 

 

 そして頂上戦争からずっと意識不明の状態だったエースが遂に目覚め、彼を看護していた看護婦がルーミアたちにそのことを報せた。

 

 

 やがてエースが寝かされているベッドにルーミアが現れる。その両手にそれぞれ一個の音貝(トーン・ダイアル)と一つの悪魔の実を携えて……

 

 

「……親父は?」

 

 

 横になった状態から顔だけを横に向けてそう尋ねるエース。ルーミアは答える代わりに音貝(トーン・ダイアル)と悪魔の実をエースの枕元に置く。

 

 

「その音貝(トーン・ダイアル)に親父殿がお前に向けたメッセージが録音されている。使い方は知っているか? あとその悪魔の実はお前が認めるやつにくれてやれ」

 

 

 短いながらも返事が返ったのを確認してからルーミアは病室を出て扉の横の壁に腕を組んで身を預ける。まもなく扉の向こう側から嗚咽による泣き声が扉の外に漏れてルーミアの耳に届いた。

 

 

 その後、ルーミアの下に伝書バットを連れた白ひげ海賊団のメンバー、マルコやジョズがやって来る。伝書バットが持ってきた封書には七武海への勧誘。マルコたちは白ひげが所有していたシマを襲撃する者、海賊、犯罪者等が現れるようになったため、その迎撃と防衛のためにここを離れることを彼女に告げた。そしてシマを守るためルーミアが七武海に入るというなら傘下に下ることも…… 

 

 

「スクアードと連絡が取れる?」

 

 

 白ひげ海賊団が離れること、傘下に入るのを了承するルーミア。それから出航の準備をするべく背を見せる彼らにルーミアはそう声をかけ、彼らは何故そこでスクアードの名が出てくるのか、疑問を口にする。ルーミアは短く、その疑問に対して無表情で一言で答えた。

 

 

敵討ち

 

 




ざわ…( ´・ω・)ざわ…

▪️朝の4時にできたよ。

▪️26日、27日に「ヤミヤミ」と「マンモス」2作品がランク入りしたよ。
 モチベは上がったが執筆速度は変わらなかった。

▪️毎度、誤字脱字の報告ありがとうございます。

▪️バーが赤に戻った。ギリギリ。

▪️眠いのでおやすみ。

※サカズキさんのセリフをちょっと変えたよ。

ルーミアの懸賞金、どれくらいが妥当? ちなみに私は15億にしようかと思っている。

  • ルフィがエニエス脱出した時の4億
  • ルフィが新世界突入した時5億
  • ルフィがカタクリ吹っ飛ばして15億
  • 黒ひげがつけられたのは22億4,760万

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