ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

49 / 70
3D2Y 麦わらの一味 再集結 →
49話 集結と再会


 

 

【シャボンディ諸島】

 

 

 シャボンディ諸島のさまざまな場所で一枚のチラシが否応なしにも目に入る。島に滞在している“麦わらの一味”を名乗る一団が偉大なる航路(グランドライン)、後半の海、“新世界”と呼ばれている海を航海するために配っている船員募集のチラシである。彼らは今現在、真昼間から酒場の一つを貸切状態にして好き放題やっていた。そんな彼らの下に一人の男が訪ねる。

 

  

「君たちが“麦わらの一味”を騙る連中カネ?」

 

 

 開け放たれた扉に立ち尽くし、メガネに手を添えながらそう尋ねる男は逆光で顔が陰になっていて見えにくいが、頭部にある「3」の形をした髷が彼をどこの誰かを特定できる。Mr.3の通称で知られている“闇金ギャルディーノ”である。

 

 

 酒場の外にて、“麦わらの一味”を騙る一団がいる酒場にMr.3が入っていくのを見物していた野次馬たちがいる。彼らは酒場を遠巻きに眺めながら、さまざまなウワサを立てている。さらにその建物を含む周辺の様子を人目のつかない目立たない場所、建物と建物の間の隙間や建物の陰など、要所要所からいつでも酒場内に駆け込み、酒場内を武力制圧できるように配置されている海兵たちが監視していた。時折、電伝虫で上層部らしき人物との小声での会話のやり取りを目にする。彼らの表情は真剣そのもので、相手が大物ということもあって非常に緊張しており、彼らの中を緊迫した空気が漂っている。

 

 

 その折、建物の内側から盛大に扉をぶち破って麦わらを被った一人の大男が吹っ飛び、大の字になって地面に倒れた。件の“麦わらの一味”を騙る連中を束ねる船長である。今は強烈な一撃でも喰らったのか、白目を剥いて気絶しており、ぴくりとも動かないでいる。

 

 

 その直後、堰を切ったように壊れた扉から人が次々と飛び出す。どの人物も“麦わらの一味”の特徴をしているが、知る人が知ればすぐにニセモノと判別してしまう大変お粗末な変装をしている。

 

 

 その彼らの足下を建物の中から勢いよく流れ出る蝋が捕らえて瞬く間に硬化、彼らの動きを止める。

 

 

「すまないがそこにいる“麦わらの一味”を騙るニセモノたちを連行してくれないガネ? 視界に入れるのも勿論、そいつらの声を聞くだけでも至極、不愉快になるのでね?」

 

 

 酒場の出入口を塞ぐように立つMr.3が、心底、不快そうに顔を歪ませながら海兵たちに一方的にそうお願いすると、困惑する海兵たちを余所にその場を立ち去った。

 

 

 後に残った海兵たちは一応、事の顛末を電伝虫で上層部に伝えた後、ニセモノたちを連行。ニセモノに関する情報はその日のうちに島中に通達され、船員募集のチラシで集まった海賊たちはニセモノごときに自分たちが顎で使われるところだったと憤慨、彼らに報復すべく島中を探しているところを数体のパシフィスタを連れた戦桃丸の手によって鎮圧され、ほぼ全員が連行された。

 

 

 そして大量の海賊を連れて大勢の海軍が島から出ていった後を見計らって、ルーミアたちの手引きで本物の“麦わらの一味”がシャボンディ諸島にやって来た。

 

 

 

 

 大通りを大勢のお供を引き連れた天竜人が横行している。頭部に三本の角を持った四足歩行の恐竜、二体で引く馬車には天竜人であるチャルロス聖が乗っており、非常に機嫌が良いのか、鼻唄をしていた。彼が行く道の両端には天竜人一行の通行の邪魔にならないように道を空けた観衆たちで溢れかえっている。皆一様に引きつった笑顔でチャルロスに手を振って彼を見送っていた。

 

 

 その光景が気になっているのか、人だかりの外側を通っていた本物の“麦わらの一味”であるゾロが足を止め、つられて先を歩いてゾロを先導していたミキータとペローナも動きを止める。ペローナが足を止めているゾロを急かせるものの気の抜けた返事をするばかりで一向に動く素振りを見せない。

 

 

「天竜人に関わっても、ろくなことにならないわよ? キャハハハ!」

 

「そうだぞ。それよりも私はとっととB・W(バロック・ワークス)デパートってとこにあるファンシーグッズ売り場に行きたいんだ! 早くしろ!」

 

 

 二人に顔を横に向けたまま「ああ」と返事するゾロ。彼の視線の先には怪我人を担架に乗せた一行が天竜人の前を横切ろうとしていた。

 

 

「ふん、ここで怪我人を死なせたら、わちきと父上の顔に泥がつくぞえ。おい、そこの人間ども、そいつらを手伝ってやれぞえ」

 

 

 言われて数名の人間が慌てて救護の手伝いをし、そのまま病院へと向かっていく。やがて天竜人の一行は何事もなかったように行進を再開する。

 

 

 ゾロはそれを見届けた後、止めていた歩を進ませる。

 

 

 その出来事とほぼ同時刻、ルーミアの命によりB・Wの手によって作られた港にて……

 

 

 「B・W」の看板が掲げられている港に停泊している船から異様なオカマの一団が降り立つ。言い様のないそのあまりの風体に誰一人近寄ろうとせず、道行く通行人、あるいは港で働いている人間たちの誰もが目すらも合わせようとはしない。その一団の先頭に立つサンジは感慨深げに言った。

 

 

「ボンちゃんが時々“ナミさん”に変身してくれなかったら、途中で心が折れるところだった……」

 

 

 目を瞑り、顔を天に向けながらそんなことを述べるサンジ。その様はまるで天に祈りを捧げるかのようである。一通り天に仰いだ後、サンジはボン・クレーの案内の下、ルーミアがいる場所へと向かう。背後から聞こえてくる野太い声援を背に受けながら……

 

 

 

 

 “ソウルキング”の異名を持つブルック。彼のために行われているといっても過言ではない世界ツアー。その最終日が行われるのがシャボンディ諸島であり、その島の広場には即席のライブ会場が設けられていた。会場は満員であり、会場の外にすらも人だかりができており、警備として配置されていたB・Wの社員だけでは足りず海軍の手を借りるほど盛況であった。

 

  

『──みなさんに言わなければならないことがあります……』

 

 

 舞台上に立つブルックが観客に向かって告げていく。自分がとある海賊団の一員であることを、このライブで引退することを…… そして最後の音楽を披露し会場を沸かせた。

 

 

 一方で他の麦わらの一味の船員もまた動き出す。

 

 

 トリノ王国に滞在しているB・W社員の連絡により事前に巨大な怪鳥に乗ったチョッパーが来ることを察知した港の職員によりチョッパーを港へ誘導、B・Wの社員に連れられていく。

 

 

 またB・Wが経営しているデパートではB・W社員を顎でこき使っているナミが大量の買い物袋を社員に持たせて出ていく。(ちなみに費用はなぜかルーミア持ちになっている)

 

 

 麦わらの一味が所有している船──サウザンド・サニー号の点検を終えたフランキーが大工道具片手に移動を始め、デパート内の本屋で時間を潰していたロビンは他の船員が島に来たことを、報せに来たB・Wの社員に知らされ、同様にデパート内にある(ダイアル)売り場を見て回っていたウソップにもその報がくる。

 

 

 そして最後の一人、船長であるルフィがハンコックとともにシャボンディ諸島に入る。

 

 

 

 

 シャボンディ諸島に建てられたB・Wが経営しているホテルの一室。ホテル内でも最も豪華に作られたその部屋にルーミアがいた。その彼女にMr.3から直接“麦わらの一味”全員が集結したことを伝えられ、すぐさま麦わらの一味とその関係者をここへ連れてくるようルーミアからMr.3を経由してシャボンディ諸島全域に通達された。まもなくしてルーミアの下に麦わらの一味がやって来た。

 

 

「ようこそ、ワルガキども。わははははー」

 

 

 よく好んで着用している黒のドレスを身に纏い、愛用している、しかし身の丈に合っていない玉座に腰をおろして麦わらの一味をそう言って出迎えるルーミア。その彼女の膝の上には尻尾がたくさん生えているキツネが丸くなって陣取っており、ルーミアに背中や頭を撫でられるたびに気持ち良さそうに目を細める。

 

 

「女を2年も待たせたんだ。期待に添えるほどの実力をつけたと考えていーんだなー?」

 

 

 不敵な笑みを浮かべると居並ぶ麦わらの一味に向けてそんなことを宣う。

 

  




▶️たたかう
  ぼうぎょ
  どうぐ
  にげる


( ´・ω・)にゃもし。
**「ぷるぷる。僕は悪い にゃもし。 じゃないよ。


▪️土曜日にほぼ出来上がったが何か物足りなさを感じたので仕事の合間に修正とかしたが、ほぼ変わらなかった。いとおかし。予定ではいろんなキャラが出るはずだったんだが…

▪️誤字脱字報告、毎度ありがとうございます。

▪️なんやかんやで次で50話だわ。

▪️朝の4時だ。おやすみー。

▪️感想の返信しないとだわ。

ルーミアの懸賞金、どれくらいが妥当? ちなみに私は15億にしようかと思っている。

  • ルフィがエニエス脱出した時の4億
  • ルフィが新世界突入した時5億
  • ルフィがカタクリ吹っ飛ばして15億
  • 黒ひげがつけられたのは22億4,760万
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。