ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

50 / 70
50話 10人+1人?

 

 

【シャボンディ諸島】

 

 

 ホテルの一室を借りて、ルーミアは麦わらの一味たちと2年ぶりの再会を果たした。その後ルーミアが彼らと会話を少々した後、ルーミアと彼女の関係者を部屋に残してルフィたちが部屋から出ていった。彼らがいなくなったのを見計らってからルーミアは部屋に残ったうちの一人、テゾーロに声をかける。

 

 

「今さらだが…… 七武海、就任おめでとう、というべきかなー? わはははー!」

 

 

 七武海の一人であったクロコダイルがルフィに敗北し、彼が企てていた王国乗っ取りが明るみになったことでクロコダイルは七武海の称号を剥奪され、インペルダウンに収監。その結果、席が一つ空いた“王下七武海”。世界政府はその穴を埋めるべく海賊の選別を行っていたが、麦わらの一味が起こした数々の事件、続くマリンフォードでの頂上戦争等で欠けた七武海のメンバーの補充は後回しにされていた。

 

 

 そして戦争後、落ち着いた頃を見計らってテゾーロが名乗りを上げ、世界政府は問題無しと判断、テゾーロは無事に七武海の称号を得た。

 

 

「──元々は七武海になってからティーチを迎え入れ、七武海の庇護の下に天竜人から彼を守るつもりだったからね……」

 

 

 ルーミアから理由を問われるとそう自嘲気味に答えたテゾーロ。ルーミアは能面のように無表情を無理矢理作り、心を無にして平静を保たせてその場を乗り切ろうとする。幸いテゾーロに正体を気づかれていない。なおもテゾーロの話は続く。

 

 

「人造悪魔の実は本を正せば彼の、ティーチの論文に辿り着く。何も知らない人間からその論文が兵器作成のため……と思われるのは心外だからね。その前に手を打っておこうと思ったまでだよ」

 

 

 そう言って差し出したのは一冊の本。題名には「ティーチの奇妙な冒険」と書かれている。パラパラとルーミアが本を捲ると、コマ割りのある絵を主体とし、そこにセリフや擬音語がつけられている……いわゆる「マンガ」と言われるものに仕上がっていた。もっとも本に描かれている内容の中にはルーミアが知らないエピソードがあり、当の本人を困惑させていた。ついでに作者が「ステラ」と記されており、さらにルーミアを混乱させる。さらに付け加えて言うと少なくともルーミアの知る限り吸血鬼やら柱の男たちやらと戦った記憶はない。記憶はないが、まだティーチだったとき、もしも本を出すなら……とアイデアを出した覚えがルーミアにはあった。ちなみにまだ連載中らしくまだ続いているとのこと。

 

 

「きゃははは! B・W(バロック・ワークス)でも人気あるのよね、この本。最近じゃあ、劇場にもなってるみたいよ?」

 

 

 陽気に笑いながら喋るミキータ。彼女は肩から斜めにぶら下げているバッグから一枚の紙を取り出し……

 

 

「依頼の“ペローナ”のビブルカードよ」

 

 

 ……と言ってルーミアに手渡し、ペローナがいつでもモリアを探しに行けるのにわざわざ島に滞在していたのは、修行のたびにケガを負うゾロの治療や看病やらで島での滞在期間がずるずると延びていき、結果、今日(こんにち)までに至る羽目になったとペローナの言い分をミキータは語る。その間、ミキータはペローナの爪を採取、ビブルカードに加工させた。

 

 

「あと、あの娘、準備が終わり次第、本格的に探すみたいよ? モリアのところに行くのはもう少し先になるんじゃないかしら? きゃははは!」

 

 

 そう報告するミキータ。ルーミアの手元にあるビブルカードはある一定の方角、ペローナがいると思われる場所をぐいぐいと指し示していた。方角が気になる様子のルーミアにミキータはペローナがいると思われる場所を教える。麦わらの一味、というよりはゾロのあとをこっそりと尾行しているらしい。

 

 

「紙切れ一枚だと味気ないなー、少し飾り付けを頼む」

 

 

 そうミキータに頼みつつビブルカードを渡すルーミア。ビブルカードを受け取ったミキータはそのままバッグにしまいこむ。ルーミアがそれを見届けると七武海の一人であるハンコックに顔を向ける。彼女はルフィと一緒にいれば彼に迷惑がかかると思い、ここに残った一人である。

 

 

「そこの海賊女帝には戦争後のルフィの看病と覇気の修得で世話になったみたいだなー? わはははー」

 

 

 待たされて不機嫌顔のハンコック。しかしルフィのことになると途端に頬を赤らめて機嫌が良くなる。そして誰も頼んでもいないのにルフィについて語っていき、そこに悪乗りしたミキータが加わり、話が弾む。

 

 

「ボンちゃんの方は最近どう?」

 

 

 ルーミアが他の人と会話してる間、暇を持て余せたのか、その場でぐるぐると回っていたボン・クレー。

 

 

「さすがのインペルダウンの凶悪犯たちも革命軍とオカマを敵に回すのが怖かったみたいで誰も寄って来なくてヒマだったわよ~~~う!」

 

 

 海賊島“ハチノス”襲撃後、敵対している海賊が企てていたボン・クレーとの入れ替わりを阻止したものの、その計画が再び敢行される可能性があることを視野に入れて、ルーミアはサンジの生存確認と保護を名目にボン・クレーの安全を確保するために彼をカマバッカ王国に送り込んだ。ついでに本人の努力でカマバッカ王国に伝わる拳法と覇気の修得、さらに島にいる達人たちを倒してレシピ集を全てかき集め、料理の腕を上げた。

 

 

 その後、名ばかりの会談になりつつあるホテルの一室とは別に件のルフィたちはというと……

 

 

 ルーミアが滞在しているホテルから“麦わらの一味”たちが続々と出てくる。彼らが次に向かう先は──今は名義の上では天竜人であるミョスガルド聖の物となっているが──彼らの船が停泊している港である。その道中で今回のルーミアとの会談や2年間の修行について麦わらの一行は歩きながら話し合った。そこでいの一番に口を開いたのはサンジ。彼はゾロとルフィを「ビシビシッ!」と順に指差しながら詰問する。ちなみに彼がホテルの部屋にいる間はハンコックを見た影響でずっと石化して固まって非情に静かだった。そして部屋を出る際はフランキーに運んでもらった経緯がある。

 

 

「おれの修行仲間であるボンちゃんから聞いたんだが、2年間の修行中、そこのマリモはお城で女二人両手に花で、ルフィに至っては“女ヶ島”に滞在していたそうじゃねえか? お前ら二人本当に修行していたんだろうな!?」

 

 

 今にも飛びかからん勢いでゾロに詰め寄るサンジ。その両目には嫉妬の炎がメラメラと渦巻いていた。そしてサンジは2年もの間、如何に過ごしてきたのか語っていく。カマバッカ王国にて達人相手に鍛練をし、ボン・クレーもまた一時期、海賊連合に命を狙われていたことを考え、己を鍛えるべくサンジと同様にカマバッカ王国にて鍛え、ついでに料理の腕を上げたことをサンジは血の涙を流しながら語った。

 

 

「それに比べてオレは右も左も上も下も前も後ろも全てがオカマのオカマの王国だぞ!? ボンちゃんが時々ナミさんに変身して膝枕して頭をナデナデしてくれてなかったら死んでいたんだぞ!? 物理的にも精神的にも!! だ!!」

 

 

 一気にそう捲し立てつつ、怒りと悲しみの表情を交互に顔に出して言い放つサンジにサンジを除く一同はかわいそうな目で彼を見る。ナミに至ってはゴミでも見るかのように彼を見ていた。

 

 

「エロコックのことはいったん脇に置いてだ。あのおかしな身なりをした……天竜人ってのはどうだった? 前に来た時とは随分とえらい変わりようだったんだが……」

 

 

 ゾロは来る途中に見かけた天竜人とその行動を話し、他のメンバーも島に滞在中に見かけた天竜人について語っていく。

 

 

「島にいる人たちから聞いたけど、あの(ルーミア)の言う通りB・W(バロック・ワークス)の幹部が「ヒューマン・ショップ」に招き入れて、そこで洗脳だか催眠術、強力な暗示を施しているみたいよ? へたに関わって元の天竜人に戻ると困るからあんまり関わるな、とも言っていたわ」

 

 

 ホテル内での会談時の時もルーミアと天竜人についての会話をして同じような回答をルーミアがしていたが、確認の意味を兼ねて事前に島の住民から聞き込みしていたらしいロビンがそう答え、複雑な表情を浮かべながらも一同は……そうでもしないと性格を変えられなかったんだろう、と納得し、よくもまあ天竜人相手にそんな真似ができたものだなあ、と呆れつつも感心する。

 

 

 そして話題はルーミアが膝に乗せていた九本の尻尾を持った“狐”に話が移る。複数の尻尾を持っているということもあってルフィたちはその“狐”についてルーミアに尋ねるとその時、彼女はこう答えた。

 

 

『──こいつの名は“ラン”。……お前たちには“方舟マキシム”と言った方が分かりやすいかなー? わはははー!』

 

 

 ルーミアは自分の腕に抱えられている狐の正体をあっさりと明かす。もっともルフィたちは空島で見た空飛ぶ船と目の前にいる狐が同一の存在とは半信半疑で判断に迷っていたが…… それゆえ真偽を確かめるために方舟に変化するようルーミアに頼み込むが彼女はこれを断り、代わりに違う動物に変化させて能力者だということを証明させた。ついでに元の持ち主がボンちゃんの命を狙おうとしたのでその人物を殺害して悪魔の実を奪取したことを彼女は語る。その後はそれ以上の話はされず、その狐の件はそこで半ば強引に打ち切られた。

 

 

「本人たっての希望でミョスガルド聖が“魚人島”に行きたいそうだ」

 

 

 最後にルーミアは傍らにいるミョスガルドを目配せつつルフィたちにそう言う。その後、ミョスガルドはルーミアと話がしたいから……と、その場に残り、未だ納得しかねるルフィたちを追い出して……

 

 

 そして現在に至る。

 

   

 島を歩くことしばらく、ルフィたちは島に新たに作られた港、その一角にある「海獣屋」と書かれた看板を掲げている店舗に到着する。遥か深い深海にある“魚人島”へ向かう船のために海獣を貸している店である。

 

 

 ……のだが、今は魚人島で起きている事件のせいで利用する客がいないせいか、出入口近くにあるカウンターでは暇を持て余している数人の屈強な魚人や見目麗しい人魚が雑談などして過ごして店番をしていた。

 

 

 ──対して、その店の隣にあるタコの魚人であるハチが船を改造して作ったタコ焼き屋は繁盛しており、店のカウンターにもなっている船の甲板ではハチが数名の客相手に切り盛りしていた。

 

 

 その客の中にはどう見ても堅気の人間には見えない──海賊団の一味などが交ざっている。もっとも彼らが特に何か問題を起こすわけでもなく普通に一般人に交ざってタコ焼きを「ほふほふ」と頬張っていた。

 

 

 そこにタコ焼きの匂いからハチの存在に気づいたルフィがハチに「おーい!」と声をかける。

 

 

 

 

「……にゅ~~~。“魚人島”では今“新魚人海賊団”を名乗っている連中が戦闘奴隷として人間の海賊とかを狩ってるんだ。それで今すぐに船が出せないし、海獣も貸せないんだ。悪いな麦わら。ここを仕切っているB・Wかそいつらのボスをやっている七武海のルーミア本人か幹部、そいつらの許可さえ、あれば出せなくもないけどな~~~」

 

 

 「お前たちなら魚人相手でも倒しちまうだろうしな」とタコ焼きを焼く手を休むことなく動かしながらそんなことを述べるハチ。ルフィは口を動かして何かを喋るが、タコ焼きを目一杯、口の中に詰めて「ふごふご」と話しているため何を言っているのか分からない。

 

 

「その点は心配ない」

 

 

 そこへルーミアたちとの会談を終えたのか、ミョスガルドがやって来た。

 

 

「なぜなら私がここに来た」

 

 




 
 
( ´・ω・)にゃもし。

****の攻撃!
にゃもし。「いたーい。
にゃもし。は スゴい ダメージ を 受けた!


▪️気がつけば日曜の朝4時を過ぎていた。

▪️毎度、誤字脱字報告ありがとうございます。

▪️頭がパラッパーの状態の時に書いているせいか、何を書いているのか分からん時がある。

▪️誤字脱字、おかしな表現、矛盾点ありましたら報告をお願いします。

▪️オリ主がルフィたちとともに行動していないだけでルフィたちはほとんど原作沿いなのよね。

▪️ボンちゃんが好き。

▪️次は魚人島なんだけど、ほとんど書かずに終わるかも

▪️今回のM:TG

 おれは《呪われた狩人、ガラク》[ELD]を使うぜ!

1)青黒で手札捨てられまくる。
  《屋敷の踊り》でエンチャント、アーティファクトを
  大量に4/4クリーチャー化→負けた。
  
2)《創案の火》からの《願いのフェイ》でBW召喚
  BWを《サルカン》のドラゴン化でやられて負けた。

3)《ガラク》+《トルシミール》で勝った。

 

ルーミアの懸賞金、どれくらいが妥当? ちなみに私は15億にしようかと思っている。

  • ルフィがエニエス脱出した時の4億
  • ルフィが新世界突入した時5億
  • ルフィがカタクリ吹っ飛ばして15億
  • 黒ひげがつけられたのは22億4,760万

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