ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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注)パンクハザードはほとんどはしょった。


“ ドレスローザ王国 ” での騒動
55話 ドレスローザ王国に宵闇のルーミア


 

 

 海面の下、海の中を1隻の潜水艇が漂っている。その潜水艇から伸びている潜望鏡が前方にある島を捉えており、ちょうどその島から麦わらの一味を乗せた船・サニー号が出航していく様子を見ていた。それからしばらくして生身で空を舞うように滑空する長身の男──ドンキホーテ・ドフラミンゴがその島にある船着き場に降り立つのを確認すると、潜水艇は島を目指して静かに移動を始めた。

 

 

 

 

【パンクハザード】

 

 

 

 

 島の船着き場にて一方的にスモーカーを痛め付けているドフラミンゴ。周囲にいる海兵たちがやめるよう涙ながら懇願するがドフラミンゴは聞く耳を持たず、スモーカーを痛め続ける。そのドフラミンゴの近くには彼の部下である二人の男女──ベビー5とバッファローが彼が行う行為を静かに静観しつつも彼の邪魔にならないよう周囲を警戒していた。

 

 

「ぎゃはははは!! おい、アルビダ!! 見てみろよ!! 見覚えのある顔がド派手にやられてるぜ!!」

 

 

 海面を割って派手に水飛沫を撒き散らしながら浮上する潜水艇。そのハッチが開いて中から顔を覗かせたと思えばそんなことを宣うのはバギー。彼はスモーカーを指差しながらゲラゲラ笑う。名を言われたアルビダは出入口に居座るバギーを鬱陶しそうに押し退けて外にいるドフラミンゴと彼に足蹴にされて床に伏せられているスモーカーを見ると「あら、ホントだわ」と不機嫌な顔つきから一転して顔をにやけさせる。そんな彼らの出現にドフラミンゴは露骨に舌打ちを打ち、海兵たちは新手の海賊に緊張していたが相手が七武海のルーミアの手下と知って安堵の息を吐く。

 

 

「そいつを殺りたい気持ちはひっじょ~~~うに理解できるがよ~~~、そいつをど~~~しても生かしておきたいっていう物好きな連中がいてなあ? おれたちはわざわざテメェにそれを報せに来たってわけよ?」 

 

 

 そう言うと潜水艇から飛び降りてきれいに着地を決める……いや、床から僅かに宙に浮いて止まると懐から一匹の電伝虫を取り出してドフラミンゴに見せるように手のひらに載せる。その電伝虫の頭にはリボンが巻かれており、どこかルーミアを思わせる飾り付けが施されていた。

 

 

『──ドフラミンゴだなー? わははははー!』

 

 

 その装飾が施されている電伝虫からは期待を裏切らずルーミアの声が流れてきた。そしてルーミアがドフラミンゴと通話をした後、ドフラミンゴは苦虫を噛み潰したような険しい顔つきでベビー5と一緒にバッファローの背に乗って飛んで島から去っていった。

 

 

『──その島で手に入る「悪魔の実」はお前の好きにしていいぞー、ただし……』

 

「わ──ってるって、自分たちで使うか、身内に売れ、だろ?」

 

『……それとだなー……』

 

「心配性だなー、おめぇはよー、ちゃ──んと大会受付までには間に合わせるって! ぎゃはははは!!」

 

 

 何がおかしいのか一頻りに笑った後、一部始終見ていた人間たち──海兵と島の研究所を仕切っていたシーザーの元部下たちに振り返る。

 

 

「つーわけだ。この島の道案内をよろしく頼むぜ? 無論、いやとは言わねえよな~~~?」

 

 

 下卑た笑みを浮かべながら、ほとんど脅迫に近い形で彼らにそうお願いした。

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 海中を突き進む潜水艇の中、腕を組みつつイスにふんぞり反って座るバギー。彼の目の前にある机の上には小さな宝箱が二つ置かれていた。中身はともにパンクハザードで手に入れた悪魔の実が入っている。

 

 

「あとはドレスローザで行われるコロシアム、そこの景品に出される『グラグラの実』があれば、おれの「バギーズデリバリー」は安泰ってもんだぜ!」

 

 

 さして広くない潜水艇の中でバギーの如何にも上機嫌な笑い声が響く。

 

 

「よ~し、テメェら巨人のハイルディンに連絡を入れておけ、ホントならウィーブルを参加させたかったんだが、ドフラミンゴの野郎が認めなかったからなぁ……、あんちきしょうめぇ……」

 

 

 そう愚痴るバギーにアルビダが「ハイルディンに入手させてウィーブルに食わせればいいんじゃないのかい?」と提案すると「なるほど」と一人納得し、案を出したアルビダをバギーは褒めちぎる。

 

 

 もっともその後、ドレスローザの受付にて「その場で食す」という条件が付け加えられたのを知ったバギーが地団駄を踏む彼の姿を見られることになる。

 

 

 

 

【ドレスローザ王国】

 

 

 偉大なる航路(グランドライン)「新世界」にある国家であり、王下七武海の一人である「ドンキホーテ・ドフラミンゴ」が治めている国である。今、その地にルーミア一行が滞在しており、そのせいもあってか国内は不穏な空気が漂っている。

 

 

 何しろ、ドンキホーテ・ドフラミンゴは戦争の引き金を引いた存在と言える人物であり、エドワード・ルーミアはその被害者の遺族といえる存在なのだから…… もっとも彼女はエドワード・ニューゲートとは血の繋がっている親子関係ではないが……

 

 

 その噂の渦中であるルーミアとその一行は今現在ドフラミンゴが手配したホテルに滞在しており、部屋にある大きな丸いテーブルを囲んで談話をしていた。

 

 

 その場にいる主な面子は……

 

 

・バギーズデリバリーの座長を務める「バギー」と、自称、白ひげの息子「エドワード・ウィーブル」

 

・白ひげ海賊団、船長代理「マルコ」

 

B・W(バロック・ワークス)のNo.2だが通称「Mr.3」

 

・アヴドゥルの名と姿を借りた「エース」

 

・戦う天竜人「ミョスガルド聖」

 

・そして宵闇ノ海賊団、提督「ルーミア」

 

 

 ──その気になれば一国を落とせるだけの戦力がその場にいた。

 

 

「一応、念のために聞くが本当に大丈夫なんだろうなあ?」

 

 

 訝しげに尋ねるバギー。彼を含めここにいるメンバーはこの島に来る船の中でドンキホーテ・ファミリーの中には遠くのものを見る千里眼の能力を持ち、さらに相手の目を覗き込むことで思考すらも読み取れる悪魔の実の能力者がいることを事前に知らされている。

 

 

「今もこうしている間にその女に覗き見されてるのは確かだなー、連中はここで行われていることについて話をしているぞ」

 

 

 両目を瞑り、空中に円を描くようにくるくる回しながら喋るルーミア。彼女はその間にもドレスローザ全土に電波を飛ばして人々の会話──主にドフラミンゴ・ファミリーの会話を盗み聞きしている。

 

 

「ボン・クレーが麦わらの一味と接触、コロシアムに出場させることに成功させたみたいだなー」 

 

 

 そう言って閉じていた瞳をうっすらと開け、テーブルに置かれているコロシアムの絵柄が描かれているカードを指でとんとんと軽く押す。

 

 

「こちらが何もしなくても麦わらの一味たちが勝手に動いて『ホビホビの実』でオモチャ化した人間たちを元の姿に戻してくれる」

 

 

 言って立ち上がるルーミアに他のメンバーも立ち上がる。ルーミアは一人一人の顔を見ながら声をかけていく。

 

 

「ハイルディンにはちゃんと説明したか?」

 

「ああ、ホビホビの実のことはちゃんと伝えておいたぜ」

 

 

 「抜かりはない!」と意気込みを見せるバギー。

 

 

「聖地マリージョアの事件を考えればドフラミンゴとは会わない方がいいと思うけどなー?」

 

「それでも彼とは一度話がしたいのでな」

 

 

 ルーミアが危険性を訴えるものの、それでもミョスガルドはドフラミンゴと会うことを決意する。

 

 

「アヴドゥル。ドレスローザのゴタゴタが終わったら麦わらの一味、ルフィとともに行動してもらう。海軍に目をつけられたくないからなー」

 

「ああ、わかっている。おれは元々、一人で海賊をしていたからな、船員とかいなかったし、荷物とか船とかの問題はないから安心してくれ」

 

 

 アヴドゥルと呼ばれているエースがそう答える。

 

 

「ウィーブル。グラグラの実が他のやつのものになるけどいいのかなー?」

 

「バギーが言ってた!! グラグラの実を食べたら『グラグラの実のおかげで強くなった』と言われてバカにされるから、悪魔の実を食べないで最強を証明した方がいい。その方がとーたんが喜ぶだろうって!!」

 

 

 大粒の涙を流しながら語るウィーブル。彼の背後では得意気な顔で親指を立てて見せるバギーの姿が見えた。

 

 

「マルコは今回のことについてどうだ?」

 

「オモチャ化した人間を戻すのは賛成だよい。……だが麦わら一人でドフラミンゴと戦わせるのは賛同できんよい」

 

「海賊王を目指す男がドフラミンゴぐらい倒せないようでは困る。それに麦わらは過去にクロコダイルとモリアを撃破しているぞ? 案外、倒せるかもなー?」

 

 

 複雑な表情を見せるマルコに対し……

 

 

「戦争のことと2年間の失踪を考えれば麦わらの実力を疑うのももっともだなー。……なら、この事件で見極めればいい。それで判断しろ」

 

「そうだったな、われながら軽率だったよい」

 

 

 全員に話しかけた後、「わはははー」そう笑い声を上げながら腕を左右に広げた格好で部屋を出ていくルーミア。他のメンバーも彼女の後に続いて出ていき、やがて部屋の中には誰もいなくなった。

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

【コリーダコロシアム】

 

 

 ルーミアを提督とした海賊団。その規模は大きく。「四皇」に匹敵する戦力を持ち合わせている。ルーミアの実力もあり、そのため彼女のことを「王下七武海」の一人でありながら「四皇」の一人として数えられることもある。

 

 

 その人物が「グラグラの実」をコロシアムの景品として提示してみせた。

 

 

 事前に告知はされていたが、扱うモノがモノだけに懐疑的な声もあった。……だが相手は七武海、かつ白ひげの娘と認知されていることもあり信用度は高かった。それゆえにその悪魔の実を入手せんがためにさまざまな理由で闘技場に参加する者も多い。それでも疑うものはいた。

 

 

“──その悪魔の実が本当に「グラグラの実」なのか!?”

 

 

 観客席の一角を陣取るルーミアの一団。そこに大声で問いただす者がいた。

 

 

 返答を待ち望んでいるのか、水を打ったように静まる会場。

 

 

 彼女のために用意されたイスに腰掛け、片腕で頬杖を突くルーミア。静まり返った会場を見た彼女はたっぷりと間を置いてから答えた。

 

 

その場で食べれば分かる。

 

 もしも、それが「グラグラの実」じゃなければ……

 

 エドワード・ルーミアは「王下七武海」を脱退し、

 

 エドワードの家名を捨てた上に

 

 今後一切エドワードを名乗らないことを誓おう

 

 

 ルーミアが言い終えてしばらく経ってからコロシアムが歓声に包まれた。

 

 




 
( ´・ω・)にゃもし。
にゃもし。「あけおめー。
    この小説の更新がクリスマス・プレゼント兼お年玉じゃ。
    ふぉっふぉっふぉっふぉ。


▪️あけおめー。

▪️朝の4時だと!?

▪️パンクハザードは思い切りはしょった。
 でもちょっとだけ書いた。

▪️誤字脱字、おかしな表現、矛盾点等の指摘、ありんす。

▪️ONE PIECE二次新作増えると嬉しいネ。
 更新が途絶えると悲しいZE。
 なんかいつの間にかに削除されてるのあるよね。

▪️正直、この作品がここまで続くとは思わんかった……

▪️次回もドレスローザ王国だなー。

▪️M:TG

 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》使って勝利よ。

▪️あとは活動報告にでも書くべ。

▪️さあ、寝るかー。おやすみー。(。-ω-)zzz

ルーミアの懸賞金、どれくらいが妥当? ちなみに私は15億にしようかと思っている。

  • ルフィがエニエス脱出した時の4億
  • ルフィが新世界突入した時5億
  • ルフィがカタクリ吹っ飛ばして15億
  • 黒ひげがつけられたのは22億4,760万

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