ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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注意)俺TUEEEEというよりは
  俺のサポートSUGEEEE ……って感じ?


58話 王国の崩壊

 

 

「冗談じゃねえ! あれで3億なんて割が合わなすぎるだろ!」

「ちきしょう、せっかく5億が目の前にいるっていうのに……」

「やっぱりダメだったじゃねえか!! くそ! 誰だよ!? 全員で襲いかかれば『ゴッド・ウソップ』を拉致できるって言ったのは!?」

 

「「 お前だよ!! 」」

 

 

 観客のいないコロシアムの観客席にて、ドフラミンゴが提示する賞金に目が眩み、何をとち狂ったのかルーミア一行に襲いかかったコロシアムの選手の一団。どさくさ紛れにゴッド・ウソップを拉致し、厄介なルーミア一味は海軍かドフラミンゴ・ファミリーに任せるつもりだったようだが……

 

 

 無論、彼らがルーミア一味に敵うはずがなく、誰一人してウソップにたどり着くことなく、モノの数秒足らずで全員、打ちのめされ…… 今は全員仲良く床に這いつくばった体勢でそんなことを愚痴り合う。さらに念のためにと身動きが取れないようにMr.3の蝋を体の上から覆い被せるようにかけられ、拘束された。

 

 

「当然だろ。何せルーミアは凶悪なヤミヤミの実と自然(ロギア)系、最強と謳われているゴロゴロの実、二つの悪魔の実を食った能力者、さらにここにはおれたちもいるんだぞ? ギャハハハハ!」

 

「座長は大して何もしていないのに何でそんなに偉そうなんだガネ?」

 

「こいつは昔からこんな感じだよい」

 

 

 襲撃者たちを無力化したルーミア一味は彼らを前にして、のんきにそんなことを述べる。

 

 

 

 

 ことの始まりは

 

 

 コロシアムに空いた穴からウソップを担いだ小人の集団にロビン、さらに革命軍の一味が出てきてルーミア一行と鉢合わせし、その後に彼らのあとを追うように賞金首目当ての集団が現れ、その集団をルーミア一行が一掃、現在に至った。

 

 

「ここは騒がしいから移動するかなー」

 

 

 その後も散発的にやって来る襲撃者に辟易していたのか、ルーミアが移動を提案、その場に居合わせた一同、特にウソップが激しく了承し、彼らはすぐそばにある王宮があった高台へと能力者たちの能力で即席の階段を作って移動。もっとも全員一緒にではなく正体を晒したサボのみ「やることがある」と言ってコロシアムにとどまり、ルーミアたちは彼と別れた。その高台に移動した彼らはそこで王宮で暴れていたルフィとロー、王宮まで二人を道案内したヴィオラ王女に王宮で囚われていたリク王たちと合流する。

 

 

「あ、3!」

 

 

 合流した直後、Mr.3を目敏く見つけたルフィがローの腕に嵌められている錠の解除を依頼、Mr.3は言われるままに蝋でカギを生成し、解除。そして解除するや否や、ドフラミンゴがいるであろう王宮を目指してローを連れて高台から飛び降りた。続けてその二人をサポートすべく小人の集団とロビン、バルトロメオが無数のカブトムシにヒモをくくりつけ、それにぶら下がって滑空する、という危なっかしい方法で目指す。

 

 

 そうして麦わらの一味たちは王族たちをルーミアたちに半ば押し付ける形でいなくなった。

 

 

「記憶が戻った時、真っ先にドフラミンゴに向かっていきそうだったけどなー」

 

 

 安全を確保したのを確認して、Mr.3に蝋で玉座を作ってもらい、そこに腰掛けながら未だ変装をしているエースにそう声をかけるルーミア。対してエースは「正直、いろんなことが起こりすぎて頭が混乱している。それに親父の時で思い知ったからな……」と気落ちした様子でエースは言った。

 

 

「ドフラミンゴからヤツにお前の捕縛の指示を出した人物を聞き出す。それまでは──」

 

「わかっている」

 

 

(……まあ少なくとも、激昂してドフラミンゴに殴りかかって正体を晒すよりはマシだなー……)

 

 

 内心そんなことを思いながらもルーミアは情報を得るためにドレスローザ王国の隅々に電波を飛ばし、やがて王宮内を駆け抜けるルフィと、彼らに近づく存在を察知する。

 

 

「シュガーが目覚めてルフィのところへ向かうみたいだなー」

 

 

 それを聞いたウソップがシュガーをもう一度気絶させるために狙撃の準備を始め、ヴィオラ王女がウソップの目となってサポートをする。

 

 

 そこに「ワノ国」の侍二人が高台に到着、おまけに賞金首のリストに載っている人間を捕まえに来た王国の住民を引き連れて……

 

 

「Mr.3」

 

「仰せのままに」

 

 

 玉座に腰掛けたままルーミアがMr.3に命令を下す前に彼は即座に行動に出る。床に向けた両腕から大量の蝋を放出、あっという間にくるぶしまで浸かるほどの蝋を床一面に満たし、襲いかかってきた住民たちの足を止めてみせる。

 

 

 そうして足を止めている間にウソップが狙撃に成功、シュガーを再び気絶させる。もっともその場でシュガーが気絶したかどうかを確認できるのは悪魔の実の能力で千里眼を持ったヴィオラと王国全土に電波を飛ばせるルーミアの二人のみだが……

 

 

「すまないが彼らを解放してやってくれんか?」

 

 

 相手をオモチャ化させる能力者──シュガーが再起不能に陥ったことを知って声をかけたのだろう。リク王がルーミアたちに頭を下げてそう頼み込んできた。すぐさまバギーが「また襲ってきたらどうするんだ!?」と反対してきたが、Mr.3が「私の蝋でまた止めればいいだけの話だガネ」と窘め、バギーはしぶしぶ承諾、彼らは解放されるものの、バギーが恐れるような事態は起こらず、それどころか彼らはリク王に向かって膝を床につけて(こうべ)を垂れた。「我々はどうすればいいのか?」と……

 

 

「もう少し待ってみよう。それからでも遅くはない」

 

 

 跪く彼らにリク王はそう言葉をかける。真っ直ぐに見つめる王の視線の先を追うと玉座に腰かけるルーミアに当たる。彼女を当てにしていると考えたのか、数名の人間がリク王に苦言を呈する。

 

 

「待ってください、リク王!!」

「そいつはドフラミンゴと同じ海賊で『七武海』です!! 信用できません!!」

「ドフラミンゴを倒したあと、ここを支配するつもりかもしれませんよ!?」

 

 

 必死に説得を試みるドレスローザ王国の人間たちにルーミア側の人間、バギーとウィーブルが「ドフラミンゴと一緒にするな!」「ねーたんはそんなことしない!」と反論するも騒ぎはおさまらず、天竜人ということもあるのだろう、ミョスガルド聖が宥めることでようやく落ち着きを取り戻す。そして当の本人はというと……

 

 

「海賊相手なら当然の反応だなー、わはははー」

 

 

 ……と他人事のように笑っていた。

 

 

「ここで仲違いしても喜ぶのはドフラミンゴファミリーだけだよい。親しい人間をオモチャに変え、無理矢理に働かせ、この国を嘲笑っていた男の益になるような行動をする必要もあるまい?」

 

 

 マルコからそう言われて押し黙る王国の住民たち。そんな中、ヴィオラ王女が短い悲鳴を上げる。彼女は彼女の義兄に当たる人物──キュロスがドフラミンゴファミリーの幹部であるディアマンテと交戦しているのを千里眼で見ていたのだがキュロスが窮地に追いやられたらしく短い悲鳴を上げた。リク王が尋ねるとヴィオラは状況を教えつつ、両者が戦っていると思われる場所の上空を指差す。そこには無数の棘付き鉄球が滞空していた。

 

 

「「 ええっ!? 」」

 

 

 ……のだが、その全てがルーミアが放った雷で消し炭にされてしまった。

 

 

「余計なお世話だったかな?」

 

 

 幾条もの電気が帯電している左手をヒラヒラさせて問う。キュロスの窮地を救ったことでルーミアに「感謝する」と礼を述べるリク王。その後、キュロスがディアマンテを破ったことを知ると王国の人間たちは歓喜を上げた。

 

 

 だがそう思ったのも束の間、今度は巨大な石人間と化したピーカが現れて、リク王たちがいる高台へと向かってきた。

 

 

「ちょっとルーミアさん!? 無敵の雷であれをどうにかしてくれませんか!?」

 

 

 これには慌てたウソップが涙やら鼻水でぐちゃぐちゃになった顔でルーミアに懇願するも……

 

 

「ゾロがいるではないか。 もう少し仲間を信用してみたらどうだ?」

 

 

 ピーカが拳を振り下ろす直前になってからそう言うルーミア。直後、遠くから飛来してきたゾロが山ほどの大きさと化したピーカを上半身と下半身、二つに分断させた。

 

 

「「 !!!? 」」

 

 

 石巨人が二つに分断されるその光景に敵味方問わず声にならない驚きを見せる。さらにゾロの斬撃はそれで終わらず、空中にいる間に上半身をさらに縦に斬り、石の中に潜ったピーカがいる石人形を輪切りに斬って、石人間の破片へとピーカを追い込ませる。最後には、逃げる先を失ったピーカが石人形を捨て飛び出す。全身に覇気を纏って黒く変色させてゾロに襲いかかるも、ゾロの覇気を纏った刀には敵わず、一刀の下で斬り捨てられてピーカは敗北。……気を失ったピーカがそのまま地面に落下した。

 

 

 しかし、ピーカを倒したものの、石人形の残骸は残っていた。……だが高台の上にとどまっていたその残骸はルーミアの「闇」に全て呑み込まれ、一欠片とて人々の頭上に降り注ぐことはなかった。

 

 

「おれたちをドフラミンゴにぶつけるんだ。それぐらい働いてもバチは当たらないだろ?」

 

 

 ピーカを斬り捨て、刀を構えたまま地面に不時着したゾロ。彼は不敵な笑みを浮かべて高台に向かってそう一方的に告げるとどこかへと移動した。

 

 

「七武海を瓦礫の撤去作業に利用するとはなー?」

 

 

 ピーカが討ち取られたことで先ほどよりも大きな歓声が上がる。そしてほどなくしてヴィオラの口から最後まで残った幹部トレーボルがルフィとローの手によって再起不能にさせられ、あとはドフラミンゴのみになったことを知らされるとますます歓声の声が大きくなった。

 

 

「──それでも『海軍』は動かない……」

 

 

 その時、ぼそりと言ったルーミアに水を打ったように場は静かになる。バギーもまたそこに便乗して海軍に対して悪態をつく。それもあってか徐々にだが海軍に対して不満の声が上がっていった。この時、何名かの人間がおずおずとヴィオラ王女に尋ねる。「海軍は何をしているのか?」と……

 

 

「革命軍の一員と戦闘しています」

 

 

 正直に話すヴィオラ。海軍がドフラミンゴよりも麦わらの一味とローの捕縛を優先していることを知った彼らはここにはいない海軍に向けて憤りをぶつける。

 

 

「海軍はおれたちよりもそっちの方が優先なのかよ!」

「ドフラミンゴを野放しにするつもりなの!?」

「麦わらとローはドフラミンゴを倒そうとしているんだぞ!?」

「なんで彼らの邪魔をする必要があるんだ!?」

 

 

 そこにバギーが加わり、彼の話術もあってか、徐々に過熱化していく。リク王が彼らを宥めようとするが、しばらくは熱が収まりそうにない。

 

 

「ルーミア、お前は何がしたいんだ……?」

 

 

 石仮面を被ったままのエースが困惑した声でルーミアに問う。

 

 

「……親父が敗北した時、親父が死んだ時、親父の敗北を、親父の死を喜んでいたやつらがいる。そいつらに対して思うところがないわけではない。……仕返しにやつらに対して少し『毒』を流そうと思ってな?」

 

 

 淡々と無表情で語っていくルーミア。近くにいたエースたちは静かに聞き流していく。やがて……

 

 

「やつらが王国を守ることよりもルフィ捕縛を優先しているのは……」──と述べた後、もったいぶるように間を置いてから……

 

 

“──事実だろ?”

 

 

 そう告げたのであった。 

 

 




ざわ…( ´・ω・)にゃもし。ざわ…


最終回「勇者が現れた日、魔神が敗北した日」

勇者
「俺の目を…
 たとえ相手がドブスLv99のドブスでも
 年齢相応の美少女もしくは美女に
 見えるようにしてください。あと質感と肌触りも…」

魔神にゃもし。
「………………………………」


 世界は少しだけ平和になった。


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▪️更新、遅れたスマン。
 テーロス発売で浮かれた。
 神話レアの巨人揃ってさらに浮かれた。

▪️いきおいで書いた。

▪️次回はドレスローザ王国の終わり部分かなー?

ルーミアの懸賞金、どれくらいが妥当? ちなみに私は15億にしようかと思っている。

  • ルフィがエニエス脱出した時の4億
  • ルフィが新世界突入した時5億
  • ルフィがカタクリ吹っ飛ばして15億
  • 黒ひげがつけられたのは22億4,760万

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