ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~   作:femania

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注意事項

・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。

・原作のキャラやストーリーに愛がある方は、もしかすると受け入れ難い内容になっているかもしれないので閲覧注意です

これでOKという人はお楽しみください!





序章 7節 王女が憧れる英雄(1)

レーヴァテインは剣を収め、姉の近くへと寄った。

 

アルフォンスが悩んだ結果、エクラの方を見る。あの顔は軍師としてのエクラに意見を求める顔であることはこれまでの付き合いでエクラは承知している。

 

エクラは彼女ら2人を見る。以前戦争の相手として戦ったときと違いは見られない。

 

だからと言って違いがないわけではない。雰囲気がどうも柔らかい気がする。何より敵意を全く向けていない。あのレーヴァテインがアスクの王族を前にしても剣を鞘に戻しているのが良い証拠だ。

 

何かの目的があることは確かだろう。特にレーギャルンはこの世界の彼女ではないことは間違いない。後で裏切る可能性もなくはないが、それ以上に利用できるものはすべて利用してでも今は生きなければならない状況なのは確かである。

 

「アルフォンス。信じよう」

 

エクラの声を聞き、アルフォンスは目の前の2人に向け、

 

「信じる。そしてどうか手を貸してほしい。生き残った民たちを救うために」

 

アルフォンスは手を差し出す。

 

「アスク流の信頼の誓いね。握手と言ったかしら」

 

レーギャルンは差し出された手をしっかりと握った。それも本気で、力強く。まるで裏切りに等微塵も考えていないかのように。

 

「姉上、また気配。ここにきてる」

 

「これ以上は人を庇いながら戦うのは難しいわ。アルフォンス王子、すぐに逃げましょう」

 

アルフォンスはその提案に頷くと、シャロンが守っていた民たちに近づき。

 

「逃げましょう」

 

と、震えて声が出なくなっている民たちに優しく語り掛けた。

 

一応の脅威が去り、自分たちが助かる可能性を見いだした民たちはそのアルフォンス王子の誘いに乗り少しづつ歩き出した。

 

「さ、君も」

 

しかし、たった1人、ある少女は拒んだ。

 

「嫌だ」

 

「ここは危ない」

 

「お前らなんて信用できるか。裏切りもの!」

 

「え……」

 

アルフォンスは自国の民に、正面向かい合ってその言葉を向けられた。初めての経験だった。いつも国の安全のために命を賭けて戦ってきた自覚があったからこそ、疎まれはしないだろうとどこかで信じていた。

 

しかし、そんなことはなかった。

 

その少女の言葉を大人は誰も諫めなかったのだ。

 

「今は――」

 

逃げるのが先だ、とアルフォンスが言おうとしたが。

 

「触るな。消えろ。英雄なんて他の世界の奴にすがらないと自分の民も守れない無能な王族に、あたしは守られたくない!」

 

と、アルフォンスの差し伸べた手を振り切って、街の方に逃げていった。

 

それはアルフォンスにとっても、シャロンにとっても初めての経験だった。

 

自分達がやってきたことは間違いじゃないと信じていた。

 

しかし、その少女に同情こそして、アルフォンスやシャロンを庇う声は、民たちの中からあがらない。それが現実だ。

 

「……そんな」

 

アルフォンスにとってはよほどショックだったのだろう。動こうとしない。少女を助けるために引き返すことも、民たちを逃がそうともできずただ、今の言葉を頭の中で反芻させていた。

 

エクラはその様子を見て、言葉をかける。

 

「アルフォンス! アンナ隊長との約束忘れた?」

 

血反吐を吐いて、泥をすすってでも今は生きろ。

 

その言葉を、思いを、ここで途切れさせるわけにはいかない。少女の言葉にショックを受けたのはエクラも同じだった。しかし、エクラはその言葉を忘れはしなかった。

 

「……ああ。そうだね」

 

アルフォンスは、震える声で、

 

「こっちへ。街の外へ逃げます!」

 

救出した民たちを誘導し、剣を持ち警戒をしながら少しずつ移動を始める。

 

そう。何もかも、落ち込むのは後だ。

 

一方シャロンは、迷っている。先ほどの少年を追うべきだという気持ちと、一緒に行くべきだという気持ち。

 

エクラはアルフォンスと一緒に行ってもらい、自分は先ほどの少女を追うつもりだった。

 

しかし、自分1人では不安だったエクラは、やはりシャロンだけでも一緒について行ってもらうべきかと考えを改める。

 

「シャロン」

 

「はい」

 

「一緒に、さっきの子を探しに行こう!」

 

「あ……はい。もちろんです!」

 

エクラはシャロンと共に、逃げていった少女を追いかける。

 

 

 

 

 

一方、レーギャルンとレーヴァテインと共に街の外を目指すアルフォンスは、今後の方針を考え始めた。

 

「レーギャルン王女、街を出た後はいったい?」

 

「レーギャルン。王女づけはいらないわ。今後は一緒に戦う仲間として」

 

「一緒に……?」

 

「街を出たらニフルとの境界へ向かう。そこにナーガ様が砦を用意してくださっているの」

 

「ナーガ様と言えば、異界の伝承に出てくる……?」

 

「ええ。今の私は大きくそのナーガ様と関係する存在なのだけれど。その話はまたいずれ。とにかく、その砦、まあ、城みたいな見た目なのだけれど、そこに行けば、エンブラの侵攻は及ばない」

 

見えた一縷の希望。そこに何があるかは把握できない。しかし、先ほどのエクラの声にしっかりと答えなければと決意を新たににする。

 

アンナ隊長との約束。アスク王国を守るために、今は生きるのだ。

 

「行きましょう。どんな希望でも、今は縋って見せます」

 

アルフォンスはもうすぐ街の出口へとたどり着こうとしていた。

 




この話の中では、エンブラ帝国の襲撃の際、街の護衛のために英雄召喚という機密の一部を一般市民に公開している設定です。なので一般市民は異界の英雄が、アスク王族の魔法でアスク王国を助けに来ている事だけを知っています。

もしかしたら本編と矛盾が出るかもしれませんが、ストーリー上このような設定で今回は続けていきたいと思います

次回 王女が憧れた英雄(2)

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