ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。
・原作のキャラやストーリーに愛がある方は、もしかすると受け入れ難い内容になっているかもしれないので閲覧注意です
これでOKという人はお楽しみください!
ナーガの転移は無事に終わった。
エクラたちが最初に向かうのはルネス王国だった。
一番戦力的に貧弱なエクラとフィヨルムのいるチームが、ルネスにいるなど本来は言語道断だが、エクラは他のチームの召喚英雄を呼び出すことができる。その上、オーブを装填すれば、また戦力を増強できるのもエクラの強みだ。
故に、緊急時には最も戦力を集められるエクラたちがルネス王国へと赴いたのだ。
しかし、これで呼び出せるということは、逆に言えば、終末世界で、同じ名前と見た目をした存在は死んでしまっているということ。
ヨシュアにその話をしたとき、
「それは興味深いな……俺はなぜ死んだのか。いい賭けの話題になりそうだ」
と、常人ではたどり着けない思考回路による返答が返ってきたのをよく覚えている。しかし、あまりいい顔はしていなかったのは確かだ。
もちろんルネスの城へとそのまま突撃をするのではない。しかし、アスク王国を襲撃したエフラムのいるルネスを調べれば、この終末世界がどのような世界なのかがいろいろとつかめるのではないかと考えたのだ。
よって城下街ではなく、郊外の町に飛ばすようにナーガに頼んでいたのだ。
ルネスとフレリアの国境付近に存在する町。望んだとおりの転移に成功した。
成功したのだが、目の前に剣を持った兵士が何人もいることで、現状を理解する。
「おいおい、運がねえな……」
ヨシュアにその言われようなのも仕方がない。
現在、この街は戦場と化していた。すでに血が飛び散った跡がそこら中に存在し、多くの金属がぶつかる音が響き渡る。
その場で戦っている人間には奇妙に映ったことだろう。
好きで入ってくるはずのない戦場に、急遽、装いもおかしな人間たちが現れたのだから。
エクラたちは、すでに一つの軍の戦士10人以上に囲まれている。まだ向こうは警戒からか手を出してこない者の、このままでは、殺されるか捕虜になるかしかない状況だ。
「まずいですね……全員が殺意を持ってこちらを」
向けられる恐ろしい視線にエクラは怯みながら神器を構える。もちろん戦うわけではないが、『奥義の刃』をセットし、味方の援護がすぐできるようにした。
そして、残りの3人はそれぞれ剣を構える。
「……ん? 馬鹿な……なぜ」
「あり得ない。ヨシュア様は遠征で命を落としたと、エフラム様は仰せになったはず」
ヨシュアをみた兵士数名がそんなことを呟き驚きの声をあげる。
エクラはそれを聞き逃さなかった。
(今の話……、やっぱり終末世界のヨシュアは死んでいる)
この前の出来事を思い出す。シャロンと一緒に少女を助けにいったとき、終末世界のヨシュアを自分は会っていた。そのヨシュアが死んだから、この場に味方で正史世界のヨシュアを呼び出すことができたのか。
「奴は偽物だ。エフラム様の言うことは絶対。不敬な偽物は殺せ!」
相手方の判断は、まさかの偽物扱い。本人は、ため息をついたものの、そこはさすが凄腕の傭兵。気持ちの切り替えは速く、アウドムラを構える。
殺せ。その命令と共に兵士が武器を構える。
「エクラ、和解は無理そうね」
レーギャルンの言葉で意を決し、エクラたちも武器を手に臨戦態勢をとった。
双方睨み合う。どちらかに動きがあればそれが開戦の合図だ。
そして、その合図はすぐに訪れた。頭をローブで多い、目を仮面で格隠した兵が一人突出して、襲い掛かってくる。狙いはフィヨルムだった。
見ると、その剣には血が滴っている。この場で多くの敵を殺してきた者であるのは間違いない。
迷いなく振り下ろされる一閃。
それをフィヨルムは、神器レイプトで受け止めた。
「なんなのです! いきなり!」
そして、押し込まれる剣を押し返し、フィヨルムは距離を取って、武器を構える。
「私たちは旅の者です。相手の素性も探らず急に襲い掛かられては、こちらも身を守るために必要な手段を取ります。どうか武器を収め、一度話を」
フィヨルムに襲い掛かったローブの剣士は、兵士が使っているものとは違う高位の武器のように見受けられるものを持っている。
剣士は何か思うところがあったのか、フィヨルムを見てしばらく黙り込んだが、すぐに再び剣を構え、襲い掛かってくる。
「ルネス軍の皆さん。エフラム様は、この街にいる武器を持つ者を皆殺しにせよという命令を下しました。それはどのような立場であっても関係なくです。さあ、目の前の敵を殺しなさい!」
周りに指示をしているのを見て、非常に立場の高い人間であることが伺える。
(あの剣……どこかで……)
エクラはそれに気づき、そのフードの人間を観察眼で視ようとした。
しかし、その余裕はなくなる。
今の号令で警戒状態だった兵士が一気に士気を高め、エクラたちに突撃してくる。
エクラはフードの兵士を視るのを諦め、味方の3人に『奥義の刃』を使用する。これにより、エクラの味方が持つ神器が力をより発現させやすくなった。そして、戦士である3人の調子も上がっていく。
「死ぬわけにはいかないの。悪く思って」
レーギャルンが早速神器の力を解放する。持っている剣からは炎が噴き出し、竜と共に宙を舞いながら敵を殺していく。
ムスペルの将軍の1人、その実力は本物で、奥義の刃で支援された今、奥義、烈火を使い、広範囲の敵を焼き、弱った敵を一人ずつ殺し始めている。
しかし、それは念のための退路を切り開くため。
ヨシュアはフィヨルムに一般兵が襲い掛からないようにサポートに徹していた。向こうの敵数が多く、エクラはヨシュアに特効薬を使い続けて、傷を回復させ続ける。
「はぁ!」
氷槍を思い切り振り、フードの騎士に挑むフィヨルム。
相手は、剣に蒼銀の光を宿した剣で、フィヨルムに猛攻を仕掛ける。
ヨシュアに挑む兵士たち以外は、その戦いを見て驚きを隠せない。
剣戟は、何度も積み上げられる。速く。速く。速く。
その中で、徐々に削り合う2人。
雷光と共に打ち出される神速の剣技。しかし、神器の力まで上乗せされたその剣技を受け止められるのは、アスク王国での日々があるからこそ。目の前で繰り広げられる剣舞は明らかに、聖魔の世界の英雄が使う剣技に通ずるもの。であれば、フィヨルムは既にそれを知っている。
ステータスの差はまだ歴然であり、躱しきれない攻撃もあるものの、それでも互角に戦い切れているのは、ただ経験があるからだった。
エクラは既に、その正体を隠す戦士の正体を見る。
蒼雷ジークリンデ、と名前は変わっているが間違いなく、マギ・ヴァルの双聖器。そしてそれを扱う人間は一人しかない。
そう。フィヨルムに刃を向け、民たちを殺すよう指示しているその戦士の正体は。
ルネス王国王女、エイリークだった。
1章 1節 『聖魔反転大陸』-4
明後日投稿予定