ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。
・原作のキャラやストーリーに愛がある方は、もしかすると受け入れ難い内容になっているかもしれないので閲覧注意です
これでOKという人はお楽しみください!
騎馬兵の音がする。
エクラは再び奥義の刃をフィヨルムに使い、次の攻撃に備えた。
まだ来たばかりなのに、ものすごい勢いでアイテムを使ってしまっているのには少し焦りを感じるが、フィヨルムが死なないことが第一優先だ。
「魔道兵! 放て!」
ローブの剣士、エイリークだろう人物が襲どいたように後ろを向く。
そこにはゼト将軍がいた。ルネスの中でも指折りの騎士である彼は、この戦場も騎馬に乗り、剣を持っている。
彼が連れてきた魔道騎馬兵、マージナイトが一斉に魔法をこちらへと撃ち放つ。
全員がファイアーという威力低めの攻撃なのは助かった。さすがに一斉に50発も打たれていて油断はできないが、これがボルガノン等であれば、さすがに耐えきれない。
「お任せください。皆さんは目の前の敵に集中を」
フィヨルムが、魔法を迎え撃つ。
ローブの剣士は、
「何を……!」
自殺行為とも思えるその行為に、唖然とする。
しかし、当然自殺行為などではない。
フィヨルムの奥義『氷の聖鏡』
鑑のごとく清らかな氷の盾を目の前に創り出し、相手の遠距離攻撃を受け止める。氷が受ける衝撃がフィヨルムに少しフィードバックされるものの、同時に受けた衝撃や魔力をレイプトの力へと変換する力も持っている。
炎の猛攻にも氷の盾は負けなかった。
「ぐ、ぅううう!」
すべての攻撃を受け来たレイプトは、敵に向かって、己が魔力を爆発させる。
直線に放たれたレイプトの氷の力は、相手の騎馬兵を的確に狙い、人は失墜していく。
「……只者ではないようだな。将軍! 一度お下がりください! ここは私が!」
ローブの剣士に向かって、ゼト将軍は叫ぶ。
なぜかは知らないが、エイリークは今は身分を隠して戦っているらしい。
ローブの剣士は今の反撃に見入っていた。
自分達は殺すはずの敵なのに。
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初めてだった。
神器を前にしても一歩も引かぬ戦いぶり。
そして猛攻を防ぐ氷の盾。
その他の人間も一人一人がすさまじい強さを誇っている。
こんな強い人を見るのは初めてだった。
ここでは死んではいけないと思った。
私はルネスの王女だから、王国を裏切れない。しかし、こんなことは間違っているのは分かっている。
人々の平和な暮らしを守るのが騎士の、貴族の務めだ。
ならば、私はだめでもこの人たちなら。
きっと、南で戦っているリオンの力になってくれる。
そう思った。
私は必死に目の前の氷の戦士に迫り、ゼトには聞こえないように小声で、聞こえるように祈ってこの言葉を口にする。
「グラドに逃げてください。そこでリオンの力になってください」
「え……?」
「お願いします」
相手は、今自分が聞いたことが信じられなかったようだ。
無理もない。今さっき、殺せと命令した将たる私は、逃げてくれと言ったのだから。
しかし、これでいい。
私はあまりに罪を重ね続けた。この身はいつか、裁かるのを待つしか未来はない。正しい生き方をできなかったのだから。
しかし、リオンには死んでほしくなかった。ルネスの暴挙で命を消すことはしてほしくなかった。
彼らがリオンの力になってくれるのならば、そうならないで済むかもしれない。ジークリンデをもってしても倒しきれない強い人ならば、その可能性はあるかもしれない。
ならば、これが自分にできるせめてものことだった。
後はゼトの目を何とかしなければならない。
ジークリンデを上へと掲げる。
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フィヨルムの一瞬の動揺をエクラは見逃さなかった。
しかし、直後、相手の持つジークリンデが、これまでにない強い光を放つのを目撃する。
一瞬で理解できる。これはヤバいということ。
相手の神器から耳を貫くのではと思ってしまうほどの音が響き渡り、その力を解放しようとする雷剣は、徐々に閃光を迸らせ始める。
「逃げよう、みんな」
エクラはすぐに退却を提案する。
それに反対したものはいなかった。
「よし、召喚士、俺が時間を稼ぐ。適当なところで俺を呼び戻せよ」
レーギャルンの働きにより、すでに退路はできている。そして、神器の英雄を呼び出す力を早速活用するときが来た。
「行こう、みんな。ヨシュアさんお願いします」
迷いはしない。ここで死ぬわけにはいかないからだ。
「乗りなさい、召喚士! フィヨルム!」
天より訪れるレーギャルンの竜に乗り、3人は離脱する。
「追うぞ!」
ゼト将軍は逃がそうとはしないものの、エイリークはそれを制止する。
「……敵前で背中を見せる者で、貴女の誇り高き刃を汚す必要はありません。私が焼き払います」
しかし、ゼト将軍は、
「いいえ、私はルネス騎士。私は使命を全うしなければなりません。どうかあなたはここでお待ちを」
と、多くの騎士が神器の魔力開放を恐れる中、単騎でレーギャルンを追い始める。
ヨシュアは、なんとそれを見のがした。
「なぜ、ゼトを通すのですか? 正史世界のヨシュア殿。あなたにとって、彼は敵です」
「まあ、あいつ一人なら何とかするだろう。それよりも気になるのは、あんた、正史世界とか終末世界とか、そういう難しい言葉を知ってる奴か」
「ええ。これでもルネスの幹部ですので」
「そうか。なら聞くが、エイリーク」
フードの剣士は、名を呼ばれ動揺する。
「賭けないか。コインを投げて表か裏か。お前が勝てば、このまま戦いを始める。だが、お前が負けたなら、一つ教えてくれ」
「何をです?」
ヨシュアはにやりと笑い。
「どうしてお前は、俺達を本気で殺そうとしていない?」
「どういうことですか?」
「力を解放すれば俺達を一掃できるその双聖器。それほどの武器を持っているのなら、お前は真っ先に、俺らを神器の最大火力で殺すべきだろう。お前が本当に、部下たちに命令した皆殺しをするのなら」
ヨシュアはコインを取り出した。
すこし遅れてすみません。
1章 2節 『南へ』-1
明後日投稿予定