ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。
・原作のキャラやストーリーに愛がある方は、もしかすると受け入れ難い内容になっているかもしれないので閲覧注意です
これでOKという人はお楽しみください!
ネームレスは非常に呆れていた。
「あ、あの……その、師匠に稽古をつけてもらう予約をしようと思って」
「……お前、だからと言ってなぜあの部屋まで追いかけてくる。言ったはずだ。飛空城の上層部は危険だから入るなと。ルフィア、お前、これからどうする気だ」
「……ごめんなさい」
「……はあ」
怒っていたわけではない、ネームレスも遥か昔、このような無茶を何度もして、そのたびに、当時の相棒だった剣士と、親友に何度も助けられていた。
故に、今、彼らの代わりに、新たな世代の無茶を諫める役と言うのはやぶさかではない。しかし状況が状況だ。さすがに師匠として、未熟な弟子を戦場へ連れてきてしまったのは、たとえ自分が望まなかったことだとしても、ひどい失態である。
なにより、弟子に何かあってはならないことが起こるのは、師匠としてネームレスが最も恐れることだ。
「あの……」
ミルラが口を開く。
「私も、守ります」
頼もしい申し出は非常にありがたいことだったが、彼女は竜人族であり戦うときは竜に変身する。強力な反面、それは非情に目立つので、ネームレスとしては最終手段にとどめておきたいところだった。
「申し出感謝する。だが、俺が良いというまでは変身はなしで頼む。目立つからな。あと翼を隠して髪型も変えてほしい。しばらくはルフィアの相手になってやってくれ」
ネームレスの申し出に頷き、ミルラは快く了承する。
「師匠……」
「いいか。絶対に無茶はするな。平時であれば稽古をつけてやるが、お前は絶対に戦場では戦うな。それが俺についてくる条件だ」
「はい。ありがとうございます」
「……まあ戦場を2回は経験させる予定だった。その1回目と思うことする。俺から離れるな。悪いが宿の部屋も同じにする。お前を守らなければならない」
「私に何か」
「何も言うな。俺もお前に死なれては目覚めが悪すぎる。どんなことも反論は許さんし、勝手な行動も許さん、いいな」
「……はい」
ネームレスは歩き出す。
彼らの人数が少ない代わりに強力な2名を選んだのは、闇の樹海と呼ばれる地の捜索だった。
竜人族が守り、魔物との縁が深いこの地であれば、何かエフラムがあのような状態となっているヒントが得られるかもしれないという、エクラの考え乗ったのだ。
「……久しぶりの挑戦者気分とは。俺も浮かれているな、気を引き締めなければ」
その手にはどこから現れたのか、守りの薙刀が握られていた。
ルキナとマリカとレーヴァテインはジャハナに来ていた。
広大な砂漠が広がるこの王国は、傭兵を多く輩出する国で有名である。
ヨシュアが殺された原因を調査することが必要だ。
しかし、本人を呼ぶと、さすがに大ごとになってしまうためそれはためらわれたものの、ジャハナのことを少しは知っている人間に動向を願い出たかった。
故に適役はマリカとなり、いま行動を共にしている。
しかし、マリカは先ほどから妙に不機嫌だ。
「あの、私と一緒は嫌ですか」
ルキナが尋ねると、それはないと分かりやすく首を横に振る。
「なんか、違う」
「違う?」
「私の知っているところじゃないような」
現状まだ敵の襲撃は受けていない者の、嫌な予感に見舞われる。
(この先に何かあるのでしょうか……?)
ルキナは一抹の不安を感じつつ、ジャハナの王宮を目指す。
各チーム探索の初日は、目立った成果をあげられずに終了した。
1章 2節 『南へ』-3
8月9日投稿予定、少し空きます。