ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。
・原作のキャラやストーリーに愛がある方は、もしかすると受け入れ難い内容になっているかもしれないので閲覧注意です
これでOKという人はお楽しみください!
――セレフィユの街で出会ったデュッセルと共に、エクラのチーム一行はグラド王国へと進むこととなった。しかし、行軍中休みはほとんど与えられない。それはこの国に迫る敵影の脅威が故と老兵は語る。エクラはその存在をもうすぐ目の当たりにしようとしていた――
隣を歩く老兵を見ながら、その強さに驚きを隠せないエクラ。
エクラの戦略眼でその老兵の強さを数値的に分析できる。
HP86 攻 65 速 30 守 50 魔 35
もしもこの英雄を呼び出せていたらとても頼りになるだろうなーと、エクラが独り言を言うレベルだ。
ヴァイスブレイヴのエクラ、フィヨルム、そしてその味方をするレーギャルンとヨシュアは客人として扱われ、グラド兵の護衛を受けながら、帝都へと向かうことになった。
エクラとしては、どうして自分たちがここまで手厚い護衛を受けるのかが謎だったが、デュッセル曰く、
「この時世においてルネスと敵対している者を助けたら、必ずグラドへと向かえるように皇帝陛下のお達しである」
とのこと。
それ故か、自分達を守るように警戒度が高いグラド兵が自分達を囲っている状態で、行軍をしているのだった。
「大丈夫フィヨルム?」
「レーギャルン、その問いはもう3回目ですよ」
「あ、ごめんなさい。嫌だった?」
「いえ、そういうわけでは。……優しいのですね」
「う……本当ごめんなさい。いつもレーヴァテインと一緒で、その妹を心配する癖が出ちゃっているみたいね……」
「ふふふ、仲良しですね」
レーギャルンとフィヨルムはだいぶ仲良くなっているようでエクラは一安心だ。ここが軋轢を生まなければ人間関係でトラブルは起こらないだろう。
エクラはその微笑ましい会話を耳にしながらデュッセルに、なぜここまで余裕のない行軍をするのかを尋ねることに。
「将軍。随分と急いでいますね」
「仕方ないのだ。この辺りもいつ魔物の大軍が来るかどうか分からない状況故な」
「魔物かぁ」
この地に来る前にナーガに聞かされていた魔物の話。しかし、ヴァイスブレイヴで戦っている時には終ぞ出会うことはなかったその存在とこの世界では戦うことになるのだろうか。
「見たことは?」
「ないですね」
「では、心しておくがいい。連中の中には人間の本能で恐ろしいと感じる存在をいる」
「できれば出会う前にいろいろと話を聞いておきたいところです」
「そうか。まあよかろう。この先の通りに小さな集落がある。そこで少し休憩を取る予定だ。少し話をしようか」
「すみません。お手をおかけしますが」
「何、そなたらは陛下の言った特務機関というものだろう。この世界のために戦ってくれるかもしれない援軍ならば、それなりの配慮は必要だ。それに、いざ魔物と出会った時に、戦力になってくれればこちらとしてもありがたい。なにせ、最近は魔物も強くてな」
デュッセルは今もいかめしい顔をしているが、思いの外優しい人だとエクラは思った。
集落の中で休憩をはさむ。立ち寄った集落にはすでに人ひとりいない。ずいぶん昔にグラド帝国が救援を送り、帝都へ住民を避難させたとのことだった。
エクラは通常のグラド兵は休息をとっているが、エクラたち一行はデュッセルの配慮に甘え、魔物について教えてもらうことに。
「もっともこれなるは伝説上の存在だ。現れ始めたのはここ最近でな、まだ研究はそれほど進んでおらん。もしかすると新しい個体が現れるやもしれん」
見習いのアーマー兵が、兜を脱いだ状態でデュッセルが要望を出した道具を運んできた。
「あれ?」
ヨシュアも知っている顔なのか、目をいつもより微妙に開き反応している。
その見習いの少女は、エクラもよく知る英雄の1人。アメリアだったのだ。
「アメリア?」
「は? はい、グラド帝国軍見習兵のアメリアです。ですが、どうして私の名前を……」
向こうの方が思いっきり驚いている。エクラはしまったと、自分のミスを反省する。
この世界は聖魔の世界によく似た終末世界であり、自分たちの知る聖魔の英雄と同一人物に会う可能性は十分にある。先ほどのゼトだってそうだ。
当然自分達は正史世界の人間なので、終末世界の英雄と面識があるはずがない。そうなれば、知ったような口を利くのは、不自然なことのこの上ない。
この場は何とかレーギャルンが機転を利かせた。
「ごめんなさいね。この召喚師、たまにわけの分からないこと言うから、気にしないで?」
「いえ、私の方こそ不遜な態度、大変失礼しました。これで失礼いたします」
アメリアはグラド式と思われる敬礼をして、その場を後にする。
デュッセルは何かを感じ取ったかのようにその場を観察していた。
しかし、エクラに何かを言うわけでもなく、本題に入った。
「これは行軍の時に携帯を義務付けられている魔物の最新版の研究所だ。これに目を通してもらえるか?」
ヴァイスブレイヴの一行は誘導に従い、その研究書に目を通す。
そこには数々の魔物が描かれていた。
「ヨシュア、どう?」
魔物戦の経験者だろうヨシュアになにか違和感はないかエクラは尋ねる。ヨシュアはしばらく目を通して、答えた。
「……上位種しかいねえな。将軍、これがいま確認されているすべての魔物か?」
「そうだ。異界のヨシュア殿から見てなにかおかしいところがあるのか」
「ほう、俺を『異界』のとつけるんだな」
「当然だ。この世界のヨシュア殿は敵だった。おぬしらが予言の特務機関であればおのずと答えは出る」
「それもそうか。でだ、さっきの答えだが。俺が戦ってきた魔物の中でもここに書かれているのは、魔王の復活が間近に迫ったころにようやく沸いた上位種だ。本来であればもっと弱い連中もいるはずなんだが?」
「さて、そのような話は聞かぬな。しかし上位種という話を聞いて納得した。なるほど、道理で手強いわけだ。練度の低い兵では相手にならなくてな。それで納得がいった」
ヘルボーン、エルバダール、マグダイル。
これら3種の魔物が一般的に数の多い魔物らしい。その他にもアークピグルやデスガーゴイルなどの飛行する魔物がいるとの話だ。
「気をつけろよ召喚師。魔物と言っても、こいつらはなかなかだ。油断してたら死ぬ」
ありがたい知見をくれたヨシュアに感謝するエクラ。
そしてこの話が、このようにすぐ行われたことをエクラは感謝することになった。
突如、この場にアメリアが舞い戻ってくる。
「どうした?」
デュッセルの問いに、アメリアが応えた。
「報告です! 魔物が発生しました! 集落を包囲されています!」
「ふむ……」
いつも以上に厳しい顔になったデュッセル。それもそのはず、セレフィユの街で激闘を繰り広げたばかりの兵たちに連戦を強いることになるのだから。
「申し訳ないが、魔物の包囲を突破せねばならん。力を貸してくれ」
デュッセルの申し出を、エクラは快く了承した。
エクラと魔物との初対面となる戦いが始まる。
魔物の姿については、『聖魔の光石 魔物』という感じで検索しておくと今後の展開がより楽しめると思います。
次回 1章 4節 『皇帝リオン』-2