ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。
・原作のキャラやストーリーに愛がある方は、もしかすると受け入れ難い内容になっているかもしれないので閲覧注意です
これでOKという人はお楽しみください!
集落で耐えることに意味はない。行うべきことはただ1つ。集落から出て魔物の軍を突破すること。全滅させるか、逃げるかは戦いの状況を見て判断すべきことだが、いずれにせよ厳しい戦いになりそうだった。
「デュッセル様」
「語らずともよい、我々を包囲したまま動かないのだろう。おそらく出てきたところを一斉に襲い掛かるつもりだ。我々は集落を出た後の猛攻を耐えられるように守りを徹底するように」
「はっ」
セレフィユでの疲弊を感じさせない気概を見せているグラド兵だったが、戦場での疲労は戦っている間にいきなり足を引っ張りやすいものだ。
エクラも軍師として、デュッセルに届けられる報告を見ながら、今後の方針を立てる。
しかし自分で決断するのは未だなれない。エンブラとの開戦、ムスペルとの戦い、どちらも特務機関がどのように動くかの決定をしていたのはアルフォンスだった。
戦場でどのように動くかを決め、さらに仲間を動かすことの重責。それを今エクラは、フィヨルムやレーギャルン、ヨシュアを自分の指示で誘導していることを経てよく分かった。
「エクラ?」
「うーん」
「そう頭を抱えないで。軍師でしょうあなたは」
「魔物が相手と言うのは初めてだからなぁ……」
これまでの経験が通じない相手かもしれないことは、エクラもフィヨルムも十分に承知しているつもりだ。だからこそ、相手と接触するときの最初の一手が肝心だと、エクラは頭を悩ませていた。
「敵に飛行兵は……」
「報告によるといないようだな。それがせめてもの救いだ。飛行兵が居れば今も空から攻撃されていた恐れがある」
「なるほど」
「敵の種類は圧倒的にヘルボーンが多いな」
魔力で色が変化した赤い骨のガイコツ兵、ヘルボーン。数が多く連携されると非情に厄介だという。人型なので人間が使う武器を扱うこともでき、強力な武器を持っているヘルボーンはたとえ雑魚兵でも厄介になるとか。
「後はマグダイルが奥の方に3匹程度。奴らは堅い。本来は魔法兵を当てる必要があるのだが。隊に魔法兵は少なくてな、回復用の司祭が『ディバイン』の光魔法を使えるくらいだ」
無視はできないのは分かっている。ヘルボーンの動きは鈍いがマグダイルはそうはいかない。騎馬や飛竜がない今、脚力はマグダイルが遥かに上回る。ヘルボーンはほどほどにしてもその魔物だけは絶対に倒さなければいけないのだ。
エクラはしばらく考えて、最初の方針を自分の仲間3人に伝える。
「レーギャルン、飛んでほしい」
「囮?」
「最初、上から『烈火』を放って入り口付近の敵を攻撃。たとえ倒せなくても奴らが怯んだうちに可能な限り兵を出そう。危険が伴うけれど」
「まあ、それがいいわね。用心はしておくに越したことはないわ。仮にだめでもそう易々私は死なない。いい使い方」
フィヨルムは危険ではないかと主張しようとしたのは動きで分かったが、本院がやるという主張をしたため、主張を中断。
代わりに、エクラに尋ねる。
「エクラさんも戦場に?」
「ブレイザブリクでサポートしていかないといけないからね」
「なら、せめて私の近くに。あなたは必ず守りますから」
フィヨルムのありがたい申し出に、エクラはいつも通り甘えることに。
――深き森の遭遇戦――
:勝利条件 敵将マグダイルの撃破:
:敗北条件 エクラの死亡:
集落から飛竜が一匹飛び立つ。
そしてその上に乗る1人の人間を見て、ガイコツ兵は狂喜した。
人を殺せると。
しかし、侮るなかれ、それはただの人間ではない。
上空から飛竜が急降下してくる。そしてその騎乗者が持っている剣に炎を宿した。
奥義『烈火』は、武器に魔力を宿して激しい炎を広範囲に放出する。
地面にいる魔物に向けてレーギャルンは、炎と相性のいい己の神器が膨大な炎波を繰り出した。
ここは森の中、炎を受ければ燃えるのは道理だ。
圧倒的な炎の奔流が骸の姿の体を焼き、本来は命がないはずの骨の魔物の形を奪い始める。
やはりヨシュアが上位種と言った通り、たったそれだけではそのガイコツ兵は死ななかったが、注意を逸らすことができた。
「重装兵前へ! 進軍!」
開戦の合図とともに、重装兵を中心とするグラド兵が集落から一斉に飛び出す。
炎がいたるところで上がっている場所に容赦なく突撃する重装兵。その中に杖の使い手が混じっているのは、すぐに発生するだろう火傷を杖の力で治療し、炎による被害を軽減するため。
そして先陣をきった重装兵舞台とヘルボーン軍団との競り合いが始まる。
その中にエクラとフィヨルム、そしてヨシュアの姿が。
「召喚師、いいか? 珍しく丁寧に教えてやるからよく聞けよ? 魔物はタフだからな、俺みたいに慣れるまでは、攻めは2人、守りは1人を心掛けろ。連中はタフだからな、人間と違って、急所に攻撃を当ててもすぐに死なない。予想外の反撃にも対処できるようにな」
エクラはその忠告を耳に入れながらヨシュアの言う通り、フィヨルムと『烈火』を放ち終え合流したレーギャルンは2人で前衛のヘルボーンを相手どる。
ガイコツが動く。エクラは戦っている2人に『ブーツ』のアイテムオーブを使って機動力をサポートする一方で、その屍の兵を目に焼き付ける。
エクラが最初に思ったことは、気味が悪い、という感想だった。
キシリキシリと耳障りな音を響かせながら、筋肉がないから動かないはずの体を器用に動かしている。まさに、邪道な存在だ。
それが、ケタケタと口を動かしながら、器用に武器を振るっている。
フィヨルムの槍の刺突をはじき、反撃の槍の突き。
さすがにそれで死ぬようなフィヨルムではないが、ガイコツ兵が想像以上に武器の扱いに卓越していて、フィヨルムは30秒全力で攻めても、まだ傷一つ入らない。
周りのグラド兵も、攻略に難儀している様子だった。
「せあ!」
フィヨルムが武器を大きく弾く。そしてあえて声にしたその言葉がきっかけとなりレーギャルンが生まれた隙に切り込む。
この連携でようやく一匹を仕留めた。
ヨシュアはさすがに討伐に慣れているのか、1人ですでに3人を仕留めて次に言っている。
「しかし……これでは」
マグダイルを討伐するのが主な目的だったが、とてもではないがこのままでは到達はできない。
魔物はそれぞれ1個体がエクラの想像以上の強さを誇っていた。
1章 4節 『皇帝リオン』-3