ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~   作:femania

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GWにがんばるとはなんだったのか。

でも、コツコツ進めます。頑張ります。よろしくお願いします。


1章 5節 『最後の国グラド』-3

「グラド帝国は今、帝国の各地から魔物との戦いのために協力することに同意してくれた者どもを多く集めている。故に普段の城下街とは様相が違う」

 

デュッセルの言う通り、グラド城塞都市の幹道となると人の往来がかなり激しい。

 

そしてその誰もが、食料を運んだり、服を売ったり、今日を活発に過ごしている様子がうかがえる。

 

「魔物との戦いに協力……? 皆さん、お優しい方なのですね。すごいです」

 

「フィヨルム殿、決して優しいだけではない。ここにいる住民は皆、魔物に殺される覚悟を持つ者だ。この地に他の場所から来たものは、前線の兵士を支える仕事をすることになることをあらかじめ了承している。今、このグラドの地に居る多くの者は、各地を滅ぼし始めている魔物と、ともに戦う同士なのだ」

 

「そうなのですか。民が戦う……」

 

エクラも街の様子を見渡す。見る限りは普通に生活をしているように見えるが、確かに所々で兵士と何か重要な話をしている住民の姿が見受けられた。

 

「わー、しょうぐん!」

 

子供が駆け寄ってくる。まだ8歳くらいの男の子と女の子だ。

 

「おお。ミナ、ミオ」

 

「しょーぐんさま。ぼくらの名前、おぼえていてくれたの?」

 

「もちろんだとも。私の部下の子供だ。しっかり覚えているとも」

 

普段は厳めしい顔をしているデュッセルも子供と話をするときは穏やかな顔になる。

 

「将軍、申し訳ありません」

 

グラド帝国軍の兵士の1人がこの場へと現れる。

 

「デューク、今日は休みだったな。すまん、儂を見ると心が休まらんだろう」

 

「いえ。こちらこそ。将軍に覚えていただけて感激であります! ミナ、ミオ。挨拶しなさい」

 

「しょーぐんこんにちは!」

 

「はい。いい子だ」

 

「しょーぐん、うしろの人たちは?」

 

「お客さんだ。しばらくグラドに居るらしい。今お家に案内しているところだ」

 

「ええ! 新しいひと!」

 

ミナと呼ばれた女の子がエクラの元に駆け寄る。

 

「わぁ、へんなふくー。どこからきたの? でもおもしろそうなひと! いっしょにあそびましょう!」

 

エクラはすぐにというわけにはいかないと判断し、ここはできる限り大人な対応をすることに。

 

「いま将軍に案内をしてもらっているんだ。それを無視するのは失礼だよね。だから、今度落ち着いたら、必ず」

 

「そうね。ごめんなさい。やくそくよ!」

 

ミナはその場から離れた。嬉しそうにミオと約束を取り付けたことを喜び合っている。

 

「ほら、いくぞ。大変失礼いたしました。皆様」

 

グラド兵士のデュークは子供を連れてその場から離れていった。

 

「休みがあるのね」

 

レーギャルンが感心した様子で呟いた。

 

「魔物との戦いはこれからが本番。時間があるうちに特に家族を持つ者はふれあいの時間を設けるよう王が方針を出したのでな。これも任務のうち。決して浮かれているわけではないとも」

 

「いえ、別に呆れているわけではないわ、むしろさっき見たリオン王からすれば、厳しさを感じさせないものだったから」

 

 

 

居住区の片隅に建てられた一軒家。

 

「すまんな。今おぬしら達に使わせられる兵舎がない。寝泊りはしばらくここを使ってくれ」

 

「はい。むしろすみません。こんなところを用意してもらっちゃって」

 

「なに、陛下が面倒を見るよう指示したのだ。儂の融通が利くところは何とかするとも。まずは中を見て来るがいい。フィヨルム殿とレーギャルン殿は2階を使うがよろしかろう」

 

男は1階、女は2階ということか。それで2階建ての家を選んでくれたのなら非常にありがたいことだ。

 

「じゃあ、お言葉に甘えます。フィヨルム、行きましょう?」

 

「はい」

 

レーギャルンとフィヨルムはすぐに家の上の階へと向かった。

 

「俺らは1階か。召喚師、俺の部屋は適当でいいぞ。俺は夜も結構歩きまわると思うしな」

 

「いいの?」

 

「まあ、俺は旅には慣れているからな。寝床さえあれば多少は耐えられる。お前はそうじゃないだろ。せめて自分に合う場所を見つけとけ」

 

ありがたい気遣いに感謝するエクラ。

 

中を見ると、さすがにアスクの自室よりは質素なものの、むしろ元々アスクに来る前にいた家を思い出すのでとても親しみ深い感じだった。

 

「どうだ?」

 

「将軍。気に入りました」

 

「そうか。それならば住人が久しくいなかったこの家も報われよう。良かった良かった」

 

家に新たな訪問者が訪れる。

 

「将軍!」

 

兜を外しているので今度は分かりやすい。終末世界のアメリアだ。

 

「来たか」

 

「遅れてしまい申し訳ありません」

 

「いや、むしろ急な呼び出しに良く応じてくれた。仕事の内容は把握しているな?」

 

「はい!」

 

デュッセルはアメリアに自分の横へと来ることを許し、アメリアはデュッセルの横に並ぶ。

 

「エクラ。おまえにはあらかじめ伝えておくが、おぬしらが良ければ、客将としてグラドと共に戦ってもらいたいと考えている。おそらくその方が、早く、そして堅実に、そして確実にエフラムと出会うことになるだろう」

 

確かに。リオン王はエフラムを悪だと断じていた。そして戦うと。グラド軍と行動を共にすればエフラムに接近できる可能性は高い。

 

しかし。

 

「リオン王は力を借りないと言っていたような」

 

明確に拒絶をされたのはついさっきのことだ。

 

しかし、デュッセルはその態度に違った解釈をしていたらしい。

 

「思うに、リオン様はおぬしたちに、憐れみや助力と言う体で手を貸されることを拒んだのではないだろうか。リオン様の言った、魔王エフラムとの戦いはグラドの誇りをもって行うものであるという意思は本物だろう。本当は、神器を持つそなたらの力はグラドを勝利させるために絶対に必要だろうに」

 

「なら……」

 

「国を侮るなというつまらない矜持ではない。きっと我らを案じてくださったのだ。命がけで戦う我らグラドの戦士、そしてその民、そのすべてが英雄であり、お前達がいかに崇高な使命を持っていたとしても特別な扱いをすることは、我らへの侮りとなると。故にリオン様は厳しい言葉をおかけになったのだろう」

 

加えて特別扱いをするほどの強さを持っていなければなおさらということ。リオンはそれを確かめるためにあえて自分で力を試し、自分の判断が正しいかどうかを裁定した。

 

そう考えればあの場でのリオンの動きはすべて納得するものになる。

 

「故に、おぬしらが客将として、グラドの皆と共に苦労を分かち合い、戦かえばリオン様は喜んでおぬしらの願いに配慮をしてくださるだろう」

 

そういうことならば反対する理由はない。

 

「はい、では、客将としてお世話になります。将軍」

 

「うむ。ではまずは皆の信頼を勝ち取るところからだ」

 

デュッセルが最初にヴァイスブレイヴに出した指示は意外なものだった。

 

「おぬしらはまず、このグラドを良く見回り、ともに仕事に励んでもらいたい。そうすればいざというときに、おぬしらに喜んで協力してくれる民や兵も現れることだろう。しばらくは出撃はなし。仕事は儂やこのアメリア。そして時には別の者から与えることにしよう」

 

アメリアが一礼する。

 

「よろしくお願いします」

 

意外な形でグラドに協力することになったエクラたちのグラド客将生活が始まる。

 




1章 5節 『最後の国グラド』-4

エクラ「誰と(支援)会話をしようか?」

  • フィヨルム
  • レーギャルン
  • ヨシュア
  • デュッセル
  • アメリア
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