ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
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「カルチノ迎撃戦」
勝利条件 10ターンの生存
敗北条件 ターナ、ヒーニアスの死亡
ネームレス、ルフィアの敗走
防衛ラインを突破した敵が1ターン以上生存
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魔物の活性化と魔王再誕の可能性をかねてより察していたヒーニアスはフレリアに襲撃を受ける前からあらゆる方面に手を打っていた。その1つがこのカルチノとの同盟だ。
それなり軍力のあるフレリアが軍事的な支援を行うとなればそれだけでも安全性は向上するうえ、自身が王を継承した暁に便宜を図るとすれば後のメリットは大きい。
魔物の嵐という大災害を目の前にして、生き残る術に縋るのは予想はしやすいことだ。
代価はその嵐の間の全面的な協力。避難民の保護、兵や軍備、兵糧の提供等。
ヒーニアスはあらかじめ使者を通じて話を通していたからこそ、フレリア王都襲撃の際も精鋭は別動隊として動きカルチノまで生き延びることに成功した。
もちろん単な逃げではない。ヒーニアスとターナは双聖器を持って精鋭と共に囮となり、大規模な移動を行うことで、住民があたかも自分達と逃げているとにおわせた。カルチノの存在も避難先と考えればとても妥当だ。
本当は住民は別の場所に避難を始めている。ヒーニアスが住民のふりをして連れてきているのはフレリアの軍力およそ半数以上。
魔物は見事に騙され彼らを追い、いよいよカルチノで迎撃、反撃の起点とすることを選んだのだ。
ヒーニアスのプランでは迎撃の後グラド軍の様子を確認。グラドがルネスに攻撃を仕掛けるのタイミングで加勢するか、フレリアを攻撃するタイミングで加勢したいと考えている。
そのためにもここで死ぬわけにはいかないのだ。
「ガーゴイルは所詮魔物風情、空を制しても地上の敵には突進して攻撃を仕掛けるしかない。防御を手厚く、弓と風魔法で飛ぶ敵の数を減らす。飛行魔物が減った時点で天馬部隊を投入。空戦を制して、空からの攻撃と地上部隊のきり返しの2方向から地上の魔物を攻撃する」
ヒーニアスの指示通りにフレリアの屈強な精鋭兵団は動き始める。
防衛ラインの近くには多くのアーマーナイトが、ガイコツ兵や四足歩行の魔獣と正面衝突を繰り広げる。
そしてアーマーナイト隊の後ろからは魔導隊と神官隊が絶えず魔法攻撃を浴びせ、確実に敵の数を減らしていた。
そして防衛ラインの奥側では飛行兵に対し、弓兵部隊と遊撃剣士、傭兵部隊が飛行兵の相手をしている。
その指揮を担っているのは、ヒーニアスだ。
「弓兵を孤立させるな! 援護に回れるものは援護だ。剣士隊は攻撃の必要はない。地上に降りてきた魔物を狩れ」
ニーズヘッグの弦を引き、敵兵を減らしながら指揮を出し続ける。戦線を見渡せる一歩引いた位置に居ながら。
「43地点に高等種のガーゴイルが4匹!」
「射撃をそこへと集中させろ! 高等種は確実に撃ち落とす。剣兵、射撃の膜が薄くなったところへ入れ」
現在フレリアには厳しい戦況が続いている。兵力差は3倍以上。
普通に正面衝突をすれば、数の差で潰されるからこそ、フレリア側は策で兵力を補わなければいけない。
(門は最後の防衛ライン。そこが崩れ始めるまでに空の敵を殲滅しなければ……)
フレリア天馬騎士団は現在最低限の数のみ出撃していて、残りは待機している。作戦通りの反撃を有効に行うため、ただでさえ兵力が少ない彼らは賭けにでたのだ。
「城門前より知らせが。援軍要請です」
「ここからはこれ以上割けんぞ」
「待機している天馬騎士団を」
「馬鹿を言うな。まだ機には早い! いま仕掛けても連中は空でほぼ死ぬぞ」
「しかし、押されています。門が突破されては、敗北は必須です!」
「ち……ギリアム、もう少しだ、もう少し凌げ……!」
知将たるフレリアの王子も、口に出すほど厳しい戦いを強いられていたのは確かだった。
「おおおおお!」
門を死守するのは傷だらけの甲冑を装備し槍と振るうギリアムが率いる、フレリア重装備兵団。
この兵団は肉体はもちろん、精神的な面で屈強な戦士が揃う王国の主戦力である。
故にどれほど劣勢であっても、決して音を上げることはない。
しかし、魔物の圧倒的な数の攻撃を一手に引き受けるために、徐々に疲弊を隠せなくなっている。このままでは、徐々に崩されていくのは明らかだった。
ギリアムもまた、その例に漏れない。
弱音はなくとも自覚はしている。このままではまずいと。そして何かの光明を見つけようとした。
しかし見えたのは巨大な竜だった。
(ここまでか……!)
彼は騎士としての精神を大切にするが、精神論で戦いが左右できると信じているような夢想家じゃない。
竜が来れば敗北は必須。己の最期を覚悟する。
しかし、黄に光る鱗を持つその竜は、咆哮をあげ、火炎を魔物に向け放つ。
帯となって襲いかかっていた魔物たちは圧倒的な火力によって溶解し、壊滅する。
「これは……!」
それだけではない。焼けた跡から、闇魔法の使い手、斧を使う豪傑、そして未知の弓を携えた戦士が暴れまわり、魔物の数を減らし始めた。
ガイコツ兵士を圧倒的な速度で始末していく明らかに練度の高い援軍。正体不明であることを除けば折れかけていた闘志も再び燃え上がるというものだ。
「ギリアム殿、なにかは分かりませんが、今なら巻き返せます!」
「よし、重装隊! もう少しの辛抱だ。敵を削れ!」
光魔法と闇魔法が敵を消滅させ、それから逃れても斧使いと弓使いが仕留めそこなった敵を確実に絶命させる。さらには竜が炎をもって破壊の限りを尽くし、魔物の地上軍は壊滅へと追い込まれる。
空の魔物がそれをみて援護に入り戦線を保とうとするが、空の兵を減らすのはそれこそフレリアの当初の作戦通りだった。
高台に上って迎撃を続けていたヒーニアスは、予期せぬ援軍を怪しく思いながらも、その動きを確実に目に焼き付け、疑わしきを排斥するのではなく、吉報として受け取ることに決める。
「狼煙を上げろ! フレリア天馬騎士隊! 出撃!」
煙が上がってすぐに隠れていた天馬騎士団が一気に飛翔する。
滞空していた魔物はことごとくその数を減らしていく。
これで順調に行く。そう思った矢先、1匹の赤いガーゴイルがヒーニアスへと特攻を始めた。
せめて道連れにでもしてやろうという、まるで人間のような浅ましさを感じさせる行動。冷静に迎撃を行うヒーニアスだったが、弓による攻撃を器用に躱して真っすぐ迫る。
「頭が回る……やっかいな」
しかし焦ってはいなかった。自分を助けるために迫ってくる3つの天馬を見て、彼らを信じた。
淡い緑の髪色をした天馬騎士2人がそのガーゴイルへ突撃、そのガーゴイルはその攻撃をかわすがそれは陽動。天馬騎士は三位一体で確実に攻撃を当てる定石の動きがある。
名をトライアングルアタック。最後の一撃は魔物を確実に滅ぼす双聖器の刺突だった。
手を振って無事かを確認する妹に合図を送る。
「……流れは掴んだ。この流れを逃すほど、私は甘くはない」
ヒーニアスの宣言通り、この戦いの勝敗はこの時点で決まった。
ちなみに好きな双聖器はどれ?(初見さんは調べるなり名前の響きなりで決めてOK)
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炎槍ジークムント
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雷剣ジークリンデ
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蛇弓ニーズヘッグ
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翼槍ヴィドフニル
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氷剣アウドムラ
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風刃エクスカリバー
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光輝イーヴァルディ
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聖杖ラトナ
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黒斧ガルム
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魔典グレイプニル