ファイアーエムブレム ヒーローズ ~異聞の『炎の紋章』~ 作:femania
――フレリアの残存戦力と合流を果たしたネームレス一行。この世界の想像以上の危機を前に、魔物に対する最大の対抗勢力であるグラドを目指すことになった。その道には特に大きな障害が2つある。中でもリグバルド要塞はフレリアからグラドヘ向かう道中において最大級の拠点。ルネスに奪われたままで向かうことは不可能なのである――
先日のカルチノでの戦いから数日前。幸いにも大きな襲撃はなく、数度の遭遇戦を潜り抜けながらも、要塞へ目と鼻の先といったところまで進軍してきた。
明日、要塞を攻略する。
その前に最後の作戦会議が行われていた。ネームレスはそこに参加している。
「外の指揮を?」
「ああ。私は精鋭と共に中の兵の指揮をとらねばならん。もちろん補佐兼護衛はつける。シレーネ。任せていいな」
明日の要塞戦は全ての戦力を中へと突撃させるわけではない。魔物が急に襲ってくる可能性があることが1つ。室内での要塞攻略、それも制圧までを速攻で行う必要があるため、重装兵を雪崩入れても効率が悪くなることが1つ。他にもいくつかの理由がある。
「でもお兄様。それならお兄様も外で」
「兵は常に危機に瀕している。その心労は私にもお前にも計り知れない。彼らに報いてやるのもまた王族の責務だ。だができることは少ない。せめて彼らと共に善戦で戦い、共に戦場を分かち合うことも、彼らへのねぎらいには必要だ」
「でも、お兄様だってフレリアの」
「ギリアムもヴァネッサもいる。いざというときは身を守れるつもりだ。私の分まで戦ってくれる腕の良い傭兵もいる。お前は私の心配の前に、王族の責を果たすことを考えろ。フレリアの未来のためにも」
「お兄様。私、とても心配なの。もうお兄様までいなくなってほしくないわ」
「……ああ。当然だ。私は死ぬつもりはない。少なくとも、あの男に至るまではな」
ヒーニアスのことを信用していない者はこの場にはいない。しかし要塞の攻略において兵を分ける判断は吉と出るか凶と出るかは歴戦のフレリア兵たちも分からないままだった。
「ネームレス殿はどうお考えか?」
「私は傭兵だ。命じられたまま戦うだけだ」
「それでもあなたの意見を聞きたいから聞いている」
「それほどの腕は私にはないと思うが」
ネームレスは頑なに答えを隠す理由もなかったため、強く求められた今答えを言うことにためらいはなかった。
「仕方がないのだろう」
「仕方がないとは」
「魔物の襲撃はいつ来るか分からない。人間とは違い魔物はどこからともなく湧き出ることもある。事前に襲撃を予測することは不可能だ」
「それはそうだが」
「要塞攻略中に全員が中に居る状態で包囲されれば終わりだ。当然数にもよるが、一点でも突破口を作っておけば、まだ撤退の可能性も残る。外に必要な数の兵を残しておくしかない」
「状況によっては、死ぬしかなくなるということか」
「王子は、少しでも生き残る可能性を残しておきたいのだろうさ。全滅を避けるために少量の犠牲を覚悟するしかない。それが正しいかったかどうかは、結局、終わった後に分かることだ。そうだろう?」
「ああ。その通りだ」
ネームレスは明日の動きのすり合わせを行った後、その場を後にした。
ルフィアの様子を見に行った後に自分も体を休めようと思って、彼女が待機している場所へと向かうことに。
少し遠く。ルフィアを観察できる場所でネームレスは立ち止る。
(まあ、あの状況でわざわざ立ち入る必要はないか……)
彼女が寝るまで一応見届けるため退散はしないがその場でネームレスは再び待機する。
「お兄様はね、私には引っ込んでろっていうのよ。酷いと思わない?」
「は、はぁ」
「ターナ様。さすがにルフィアさんも困惑していますし、王子の話はそこまでで」
「ルフィアにもいたの? 兄弟」
おしゃべりが止まる気配がないターナ。その相手はルフィアだった。馴染めないだろう彼女をいち早く気にかけていたのだ。
ミルラが既に近くで寝ているのでヴァネッサは騒ぎにならないよう軽くターナを制止するが、止まる気配はない。
「いました。でも死んじゃった」
「そう。……手合わせしてって言われたときは驚いたけど、もしかして」
「いえ。そうじゃないです。私は、私を守ってくれようしてくれた、私の国の王女様を見殺しにした。だから、私にできることはしなくちゃいけない。それが償いですから」
「うん」
ターナは口を挟まなかった。それが真剣に聞くべきことだとすぐに察したから。
「王女様は贅沢ばかりしていて不幸なんて知らないと勝手に思ってた。けど違ったんです。あの人は、高潔な使命を持ってた。なのに」
泣きそうになるのを我慢して、ルフィアは語りつづける。
「だから、がんばろうって」
「すごいわ。あなたは。だからこうして危険な所に。なら、私もやっぱり負けてられないよね」
「ターナ様は、物知りで、槍も扱えて、すごいですよ」
「お兄様がよく自分に言い聞かせていることがあってね。王族には王族の責務がある。それを全うできるように研鑽続けることもまた責務の1つだって」
「だから、何でもできるんですね」
「お兄様にくらべればまだまだだけどね。いつかもし、エフラムお嫁さんになれたら、支えてあげるように、なる、つもり、だったん、だけど」
「ターナ様……」
「ううん。ごめんなさい。余計なこと言っちゃった。切り替えなくちゃね」
ターナは深呼吸をして、乱れた気分を整える。そのようすをヴァネッサは、少し寂しそうに眺めるしかない。
「ルフィア。あなたは私たちが全力で守るから。私たちを信じて。それで、この戦いが終わった後は、一緒に訓練でもしましょうか」
「はい!」
ちなみに好きな双聖器はどれ?(初見さんは調べるなり名前の響きなりで決めてOK)
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炎槍ジークムント
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雷剣ジークリンデ
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蛇弓ニーズヘッグ
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翼槍ヴィドフニル
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氷剣アウドムラ
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風刃エクスカリバー
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光輝イーヴァルディ
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聖杖ラトナ
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黒斧ガルム
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魔典グレイプニル