地球連邦政府備忘録   作:神山甚六

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 活発化する旧ジオン軍残党の軍事行動について、連邦政府の-…副首相は、最高行政会議談話を発表しました。最高行政会議はジオン軍残党を「旧態依然とした分離主義勢力によるテロリズム」と位置づけた上で、「地球圏の治安秩序に対する重大な挑戦」であると批判。テロとの戦いを続行するという、これまでの政府方針を、改めて強調しています。一部報道の、共和国を通じた旧ジオン軍残党勢力との秘密交渉について、明確に否定したものと見られます。

 質疑応答の中で、デラーズ・フリートを称する武装勢力の宣戦布告について問われた副首相は「黙殺する」と表明しました。これは、先月31日に電波ジャック放送が行われてから、連邦政府が初めて示した政府見解となります。記者団からは、南極条約において使用が禁止されている核兵器搭載型の新型MSの存在について質問が集中しましたが、副首相は回答を避けました。

 政府及び与党会派は、告示された連邦議会総選挙への影響を最小限にとどめるため、これまでの戦後政策の正当性を強調した形ですが、世論の反発が根強い対共和国外交に対して、有権者の理解が得られるかどうかは不透明なままです。

 政府公式見解が示された事を受けて、野党各会派は電波ジャック放送と、各地で相次ぐ残党軍勢力の蜂起との関連性を指摘。連邦上院の国務委員会の緊急召集と、閉会中審査を求めています。野党院内会派代表は「受けられない場合は、現行政会議の不信任案提出も視野に入れた対応をとる」としていますが、すでに選挙戦に突入していることから各党の足並みは揃っていません。

- 極東通信 (11月5日) -


機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY編
宇宙世紀0083年11月4日-5日 旧サイド5宙域・ペガサス級強襲揚陸艦『アルビオン』


 コンペイトウ鎮守府*1の外海に広がる暗礁宙域。月面都市群と地球衛星軌道の中継港として繁栄した旧サイド5(ルウム)宙域も、今では大小さまざまなデブリと岩塊が集まる航海の難所である。新たな航路整備が計画されてはいるものの、同宙域に勢力をもつジオン軍残党や宇宙海賊の存在もあり、実現の見通しは立っていない。

 

 すでに海図上だけの存在となって久しい旧航路上。破壊されたコロニー外壁の間から、音もなく白亜の巨体が顔を覗かせた。デブリを押しのけながら突き進む特徴的な外観は、旧ジオン軍が同型艦を「木馬」と呼称したのも頷ける。

 

 艦名は『アルビオン』。あの『ホワイトベース』の流れをくむ、最新鋭のペガサス級強襲揚陸艦である。MS部隊運用を前提とした揚陸艦でありながら、戦艦に匹敵する強力な武装。マスドライバー等を使用せずとも大気圏突入と再離脱が可能という多機能ぶりは、他の艦艇の追随を許さない。まさに連邦軍の虎の子といえる存在である。

 

 初期のペガサス級に比べるとシャープな外観になった『アルビオン』であるが、格納庫の配置や重力制御区画など、基本的な構造は変わっていない。その艦の中央部、物憂げに首をすくめたような白鳥の頭部にあたる艦橋(ブリッジ)のキャプテンシートに腰かけた男性佐官が呟いたところから、全ては始まる。

 

「増援部隊か。対して期待してはいなかったが」

 

 男性が連邦宇宙軍のエンブレムが刻まれた制帽を外すと、豊かな頭髪が露わになった。地上からの転戦による疲労と重圧が蓄積されたためか、白いものが目立つ。四角く広い額に深く刻まれた横の皴は、意志の強さを感じさせる。

 

「まさかコンペイトウから来るとはな」

 

 手元の情報端末に目を落としながら、連邦宇宙軍大佐のエイパー・シナプスは白髪交じりの頭を掻きまわした。

 

 大戦前に正規の士官教育と幕僚教育課程を受けた生粋のエリート軍人であるシナプスは、豊富な実戦経験に裏付けされた統率力により、曲者揃いのクルーやMSパイロット達からの畏怖と敬意を集めている。現在の肩書は地球連邦軍第3衛星軌道艦隊所属の独立索敵行動集団司令官、そしてペガサス級強襲揚陸艦『アルビオン』艦長である。

 

 長々とした肩書きに反して、現在のシナプスが率いるのは1隻の強襲揚陸艦だけである。それにも拘らず、この宇宙軍大佐の双肩には重要な任務と責任が課されているが、それは今の彼が感じている違和感とは直接の因果関係はない。

 

 つまり間接的な因果関係は存在するという事である。当然ながら、単独ではなく複数の。絡み合った紐の結び目を解くように、シナプスは右手の親指と人差し指で眉間を揉んだ。

 

「一体、何を考えているのか」

「現場を預かる私としては、捜索の人員が増えるのであれば歓迎します」

 

 ブリッジに居合わせたサウス・バニング大尉が、チューブタイプの栄養ドリンクを摂取する手を止めて応じる。副長が不在のシナプスは、曲者揃いのMS部隊を掌握するベテラン尉官に個人的な幕僚としての役割を担わせていた。

 

「コンペイトウの思惑はどうであれ、受け入れておけばよいのではありませんか?」

 

 オーストラリアの灼熱の太陽に焼かれた浅黒い肌に、一切の無駄のない引き締まった体躯。派手な金髪と鋭い眼光は獲物を狙う猛禽類を思わせるが、コクピットから降りたバニングには、日曜日の公園で餌を啄ばむ鳩の様な長閑な趣がある。シナプスは脱線しかけた思考を戻すと、信頼する部下に告げた。

 

「『本気』で捜索活動に従事してくれるのなら、私も歓迎するのだがね」

「……まさか、この期におよんでサボタージュを決め込むと?」

 

 信じられないと言わんばかりに首を振るバニングに、シナプスは両手を膝の上で組み合わせる。

 

「君達には不愉快だろうが、現状は軍事的な合理性が優先される状況ではない」

「自分達の尻拭いは、自分達でやれと言うわけですか」

 

 憤りを露わにするバニングに、シナプスは強張った表情で頷き返す。派閥の論理を優先させる上層部の対応に思うところはあるが、その判断は必ずしも的外れなものではない。

 

「ジオン軍残党が少数だからと、侮っているのでしょうか」

「それもあるだろう。だが、より問題視されているのは試作2号機の存在そのものだな」

「今さらそんなことを言われましても」

「仕方ないと割り切れない、割り切るつもりもない連中ばかりだからな。独立索敵行動集団。肩書だけは大層なものだが、内実は君も知る通り。コーウェン閣下の火消し役に、好き好んで協力するものはいないさ」

「嫌われておりますなぁ」

 

 シナプスにとっては敬愛する上官であり、バニングからすれば雲の上の存在であるジョン・コーウェン宇宙軍中将。この黒人将軍の存在を語らずして、今の『アルビオン』の置かれた状況は語れない。

 

 大戦後の地球連邦軍の最大の敵は、ジオン軍残党ではなく、議会からの予算削減圧力であった。未曾有の総力戦を経験することにより、有史以来の巨大な官僚機構へと変貌を遂げた連邦軍。戦時動員により肥大化した組織を、そのまま維持することは不可能であったが、軍縮計画の立案と実施には難航が予想された。

 

 例えば人事である。

 

 緒戦の大敗により正規の教育を受けた高級将校や佐官を失った連邦軍は、現地司令部による野戦任官の乱発や、大規模な予備役の現役復帰により穴を埋めようとしたが、質の低下は避けられなかった。ペガサス級強襲揚陸艦2番艦のような例は特異であったが、大佐クラスをもって相当とする戦艦級艦長や歩兵連隊長に少佐を任命し、中佐相当のサラミス級巡洋艦の艦長を大尉や中尉で代理とすることは、大戦中には珍しくなかった。

 

 そして終戦から3年近く経過した現在でも、なし崩し的に特例措置は継続されている。戦争が終結しても、戦死した人間が蘇るわけではない。人材育成には時間が必要であること、また適当な人材が不足していることなどが理由とされた。

 

 人事体系の正常化といえば、簡単に聞こえる。だが、これほどまでに大規模な「行政改革」の前例はない。そして古今東西、あらゆる組織の根幹は人事である。ジオン軍残党への対処や地球圏の治安維持等々、数多の軍事的な課題や政治的な要求にも対処したものでなければ意味がない。何より「階級を元に戻されては、給与も恩給も減ってしまうではないか!」という現場の声は、連邦軍人の票が欲しい政治家への現状維持の圧力となるに違いない。

 

 この前代未聞の難事業に取り組むのは誰か。それは連邦軍最高司令官のヨハン・イブラヒム・レビルしかいないであろうというのが、レビルに批判的な勢力も含めた連邦軍の共通認識であった。レビルの戦争指導の多くは、連邦軍の頭脳である参謀団の支えにより成し遂げられたことだが、政治決断において「軍事的合理性」を最優先とした上で「雑音」を無視した胆力は、このロシア人だけが持っていた政治的なキャラクターによるもの。ジオンを打倒することで得られる圧倒的な実績を背景に、レビルにやらせるしかないだろう……

 

 そしてア・バオア・クー攻略戦の直前、レビル派はゲルドルバ線上で消失する。

 

 レビル将軍の遭難は地球連邦にとっては悲劇であったが、その他の派閥からすれば千載一遇の好機となった。軍縮に合わせて行われることが予定されていた連邦軍再建計画の主導権を握る事が出来れば、長期間に渡り派閥の求心力を維持出来る。各派は国防委員会事務局や統合作戦本部の作戦部、あるいは連邦議会の旧知の国防族議員への政治工作を開始した。

 

 連邦最高行政会議が白羽の矢を立てたのは、衛星第3軌道艦隊司令長官のジョン・コーウェン宇宙軍中将と、彼の所属している旧アメリカ閥が中心となり提案された連邦軍再建計画、通称【コーウェン・プラン】である。

 

 この再建計画の目的は、名前とは異なり、連邦軍の「再建」にはなく「再編」にあった。

 

 開戦前までの連邦正規軍、すなわち、陸・海・空・海兵・宙の5軍は、圧倒的な戦力を有していたが、各軍管区を越えた動員や作戦計画についてのシビリアン・コントロールの縛りが非常に厳格なものであった。これは連邦軍の治安維持軍という性質上はやむを得ないことであったが、ジオンの電撃作戦による地上侵攻作戦においては、ことごとく裏目に出た。連邦軍は常に兵力でジオン軍を上回りながら、軍管区を越えて拡大を続ける戦域への対処に失敗。重力戦線の後退に繋がった。

 

 この反省と戦訓を踏まえたコーウェン・プランは、まず戦前の大規模物量ドクトリンとでもいうべき、60年代以降の連邦軍の戦略思想を否定する。

 

 ジオン公国無き今、予想される連邦軍の仮想敵はジオン残党と分離独立勢力。正規軍同士の大規模戦闘が発生する可能性は低く、偶発的な非正規戦闘が中心になる。こう結論付けた上で、コーウェンは即応可能な精鋭部隊を基軸とする、機動的な治安維持活動を目指す戦略ドクトリンを提唱した。

 

 具体的には、宇宙軍は宇宙艦隊再建を必要最小限に留め、各要塞やコロニーに即応可能な独立艦隊を配置。大気圏内では、11の州政府ごとに軍管区を再編。陸海空と海兵の4軍を管轄する地球軍省を設置し、軍管区ごとに4軍統合軍を編成する。分離主義勢力やジオン軍残党による武力蜂起が発生した場合、当該の統合軍が対処にあたり、即応可能な機動部隊を展開、状況に応じて正規軍を動員するというものだ。

 

 同計画の目玉である「即応可能な少数精鋭の機動部隊」については、母艦であるペガサス級強襲揚陸艦を新規建造。MS部隊の中核として新型ガンダムを開発するとした。コーウェンの念頭には、大戦中に活躍した第13独立戦隊の『ホワイトベース』であったことは想像に難くない。各部隊の柔軟な作戦行動を保証するため、法的権限を付与する軍政改革も計画された。

 

 大規模な軍縮と軍の質的強化は両立可能であると主張したコーウェン・プランは、軍事予算を復興計画に回したい財政委員会の強い後押しに加え、亡きレビル将軍とコーウェンが個人的に親しい関係性にあったことにより支持を集める。かくしてコーウェン・プランをたたき台として、0081年10月には連邦軍再建計画が議会において可決される。超党派合意の立役者となったコーウェン派は、連邦軍の主導権争いで一歩先んじた。

 

 それもガンダム強奪事件により、過去の話となりつつある。

 

 新型ガンダム開発計画の旗艦として、アナハイム・エレクトロニクス(AE)が建造した新造ペガサス級戦艦『アルビオン』が、試作ガンダムの性能評価実験のためオーストラリアのトリントン基地に入港したのは、去る10月13日。試作1号機の運用実験に合わせて、試作2号機(コードネーム:サイサリス)に搭載されたアトミック・バズーカに関する耐熱・耐衝撃装甲の評価実験、つまり、実際に核弾頭を搭載した起動実験を行うことを目的としていた。

 

 ところがアナハイムの旧ジオン系技術者から情報が漏洩*2。ジオン残党の襲撃により、試作2号機は核弾頭を搭載したまま強奪されてしまう。「あらゆる手段を尽くして、機体を奪還せよ。不可能と判断した場合は、これを破壊せよ」との直命を受けた『アルビオン』は、シナプスの指揮下、奪還作戦を開始。インド洋を経てアフリカ大陸を転戦、宇宙へと上がってきた。

 

 アルビオンが宇宙に上がって間もない10月31日。デラーズ艦隊、旧ジオン公国親衛隊隊長が率いる終戦も降伏も拒否した過激派集団は、地球県全域に向けた電波ジャック放送を実施。奪取した試作2号機を背後に、連邦政府に対して「宣戦を布告」した。

 

 おりしもコンペイトウ鎮守府では、観艦式の開催が11月10日に迫っていた。連邦宇宙艦隊のおよそ3分の2を一堂に集めた一大軍事イベントをデラーズ・フリートが狙うことは予想出来たが、中止すれば連邦軍がテロリストに屈したことになる。

 

 開催が迫る中、ジオン軍残党と連戦を続けた『アルビオン』は、衛星軌道艦隊から派遣されたサラミス改級巡洋艦の『ナシュビル』と『ユイリン』を失う。11月1日。シナプスは更なる増援部隊の派遣を、直属の上官であるコーウェンに要請した。

 

『出来る限りの事はする。だが、先の2艦を派遣するについても、かなりの無理をした。その意味は理解しておいてほしい』

 

 苦悩と苦痛に満ちた上官の表情が、すべてを物語っていた。政府は黙殺しているが、核兵器搭載型MSの開発、それもガンダム・タイプとあっては隠し通すことは難しい。少なくとも、開発責任者のコーウェンに対する政府や軍内部の風当たりは、自分達とは比べ物にならないほど激しいものだろう。上官の苦悩を察するが故に、シナプスは臍を噛んだ。

 

 そしてバニングの指摘した「尻拭いは自分でしろ」という批判。コーウェンの政敵である保守派だけではなく、連邦軍の多数派である中間派も新型ガンダム開発計画への批判を強めている。

 

 コーウェン派の主導する連邦軍再編計画の成否を占う新型ガンダム開発計画は、不安要素を抱えていた。莫大な開発予算圧縮のため、同計画はアナハイム・エレクトロニクスを中心とした企業連合に外部委託する形でおこなわれた。問題視されたのはアナハイムの旧ジオン系技術者からの情報漏洩リスク、核兵器搭載型の機体開発の是非である。

 

 とくに後者については、コーウェン派内部からも懸念が寄せられた。核兵器を含めた大量破壊兵器の使用を禁止した戦時条約の南極条約は既に失効しており、戦後の連邦軍が順守する法的義務はない。それでも統合作戦本部や中央情報局は「傀儡国家である共和国の停戦は違法である」として、継戦を続けるジオン残党軍に「戦時国際法違反である」として政治利用される可能性を指摘していた。

 

 こうした懸念がアナハイムからの情報漏洩、機体強奪、デラーズ鑑隊の決起、そして「宣戦布告」により、全て現実のものとなってしまった。

 

 また、コーウェンの性格にも難があった。

 

 北米大陸の貧困家庭から現在の地位に上り詰めた経歴から「最後のアメリカ人」と綽名されるコーウェンは、連邦軍内部ではレビル派に近い改革派に属していた。その中でもコーウェンは、連邦政府のあり方そのものにも疑問を呈する急進改革派に位置付けられる。

 

 ジョン・コーウェンは潔癖かつ高潔な軍人であるが、政治力に乏しい純粋軍人ではない。誰よりも政治的な軍人であるからこそ、衛星軌道艦隊の旧アメリカ閥を取り纏め、他の派閥を押し退けて連邦軍再建計画のキーマンの地位に上り詰めた。そしてあまりにも上手くやりすぎた結果、コーウェンは国防事務局や宇宙軍省に設置された再建計画の主要メンバーを自派閥で抑えてしまった。彼からすれば再編計画の実施のための最善の人事を実行しただけなのだが、他の派閥は当然ながら反発する。

 

 持論の正しさにこだわる潔癖さは、他派閥との妥協を嫌う独善性に通じる。加えて叩き上げの人物にありがちな能力と実績に裏付けられた反骨精神は、コーウェンの潜在的な敵対者を雪だるま式に増やした。その結果、ガンダム強奪事件により、コーウェン派への反動が噴出した。

 

 急進改革派としてのスタンスも、コーウェンに災いした。統一政府である地球連邦政府の機能不全は、先の大戦初頭における戦争指導の失敗が証明している。これに対するコーウェンのビジョンは「連邦の部分的な解体も含めた統一政府と連邦軍の再編、ルナリアン(月面居住者)を中心とする宇宙移民の権利拡大」であった。

 

 この主張は保守派を激怒させ、中間派の眉を顰めさせた。特に、一年戦争による旧米露の2大地域閥衰退後、保守派として連邦軍の主流派に収まった欧州閥は、コーウェンが改革を名目に、かつての旧合衆国閥の覇権を再び確立しようとしていると決め付けた。連邦宇宙軍の制服組トップであるジーン・コリニー大将を領袖とす欧州派は、再建計画の連邦議会可決後も中間派を取り込みつつコーウェン批判を展開した。

 

 反コーウェン運動を後押ししたのは、連邦軍内部における反ルナリアン(月面居住者)感情である。

 

 連邦軍、特に宇宙軍の間ではルナリアンに対する忌避感が根強い。コロニーを大地とするサイド6はともかく、一年戦争において狡猾に立ち回ることで戦争の惨禍を逃れ、ついには地球圏経済の主導権を掌握しつつあるルナリアンを、文字通りの「死の商人」と呼んで忌み嫌うのは、少なくとも少数派ではない。

 

 新型ガンダムの実験機開発を委託されたアナハイム・エレクトロニクス。同社は北米大陸を創業地とする巨大民間企業であり、現在は親連邦派の月面都市フォン・ブラウン市に本拠地をおく、ルナリアンの代表格である。月面開発の先駆者である旧アメリカ閥(コーウェン派)にとって、フォン・ブラウン市は裏庭のようなもの。連邦軍の象徴的な存在であるガンダム開発をルナリアン企業に外部委託することへの批判に加え、あまりにも我田引水だという不満が高まった。

 

 軍内部でコーウェン派が孤立を強めるのと軌を同じくするかのように、再建計画を支持していた連邦議会の風向きも変わりつつあった。

 

 大戦において多大なる被害を受けた旧合衆国、レビル将軍とティアンム提督という2枚看板の戦死により崩壊した旧ロシア閥、両者を取り持つ形で主流派に収まったものの、北米と同じく戦場となり荒廃した旧EU諸国の欧州閥という3大地域閥を後ろ楯としていた議員や政党は、そろって勢力の後退と分裂に見舞われた。

 

 彼らに代わって議会の勢力を拡大したのは、事実上の棄政策である宇宙移民や、一年戦争による戦禍を経ても、人口比では依然として旧先進国を上回る新興国……アジアや南米、アフリカ諸国といった旧第三世界選出の議員である。

 

 特に連邦軍本部のジャブローがあった南米大陸は、大戦中は事実上の中央政府として機能した。反米意識の根強い彼らには、合衆国復権は受け入れられるものではないし、戦後復興よりも新型ガンダム開発に開発費を投入する事にも懐疑的であった。こうした連邦議会の空気は、連邦軍首脳部や統合作戦本部にも伝播する。

 

 高まる批判にも、コーウェンは逆に闘争本能を燃え上がらせた。議会や国防委員会事務局からの計画修正提案にも、正式決議後であることを理由に拒絶。むしろルナリアンからの支持と献金をチラつかせながら、旧合衆国流の交渉術*3により、正面突破した。

 

 どうにか議会を乗り切ったかと思いきや、今回の強奪事件である。

 

『ルナリアンなど信用するからだ』

『こちらの忠告を無視しておいて、何をいまさら』

『今頃、どうしてコーウェンの尻拭いを手伝わなければならないのか』

 

 こうした連邦軍内部のコーウェンに対する積もりに積もった不満や反発が、その象徴たる『アルビオン』に集中している。ため息のひとつやふたつは付きたくなるが、ガンダム強奪を許してしまった自分達の失態を無視するほど、シナプスは厚顔無恥ではない。

 

「確かに軌道艦隊ではなく、コンペイトウからとは」

「観艦式まで時間がないからだろう」

 

 バニングに建前論で応じたシナプスではあるが、彼も部下と同じ考えであった。

 

 コンペイトウ鎮守府といえば、欧州派が割拠する連邦軍保守派の巣窟。連邦宇宙軍参事官として観艦式観閲官をつとめるグリーン・ワイアット大将、コンペイトウ鎮守府司令長官ステファン・ヘボン少将は、良くも悪くも自らの正義を信じるコーウェン中将とは相性が悪い。特にイギリス閥を代表し、旧米国との「特別な関係」を武器に次の宇宙艦隊司令長官、もしくは統合作戦本部議長の有力候補であるワイアット大将は、妥協を嫌うコーウェン中将を疎んでいると聞く。

 

 それにも関わらず、コンペイトウ鎮守府の駐留艦隊から追加の捜索部隊派遣の打診が来たのだ。それもマゼラン改級戦艦『ツーロン』を旗艦とする2個戦隊という大所帯である。旧アメリカ軍の伝統というよりも、自分自身の「軍人は政治に関わるべきではない」とする信念に基づいて軍内部の政治に疎くあろうとしているシナプスでなくとも、疑問を持つのは自然なことであった。

 

「協力するつもりがないのなら、いっそ断ってしまえばよいのでは?」

「あくまで現段階では打診だからな。やって出来ないことはないが……」

 

 口には出さないがシナプスとバニングは、その選択肢は取りえないと結論付けていた。増援を要請していたのは『アルビオン』である。それを断れば、その段階で『アルビオン』が捜索活動から外されることだろう。

 

「まずは部隊が来ることを素直に喜びましょう」

「そうだな。勘繰りばかりしてもしかたがないか。それでシモン軍曹。艦隊を率いているのは誰か?」

 

 前向きな解釈をしたバニングに頷き返したシナプスは、制帽を被りながら増援部隊の指揮官を誰何した。

 

「はい。たった今、正式な連絡が来ました。コンペイトウ駐留……え?嘘!?」

「シモン?」

「し、失礼しました。コンペイトウ駐留艦隊副司令長官の……」

 

 通信士のジャクリーヌ・シモン軍曹が緊張した声色で告げた名前に、シナプスとバニングは互いの顔を見合わせた。

 

「バスク・オム少将です」

 

 

「おい聞いたかコウ?コンペイトウから追加の捜索艦隊が来る件!」

「ああ、聞いたよ。あの鉄血バスクが来るんだろ……だから何度も言ってるけど、人参を刺したフォークで人を指すな!」

 

 アルビオン艦内の食堂で、ガンダム試作1号機のパイロットであるコウ・ウラキ少尉は、ジム・キャノンⅡのパイロットであり士官学校同期のチャック・キース准尉の度重なる暴虐行為に、半ば本気で切れていた。これに匹敵する暴挙があるとすれば、コロニーへのBC兵器注入ぐらいしか思いつかない。そう重々しく告げるガンダムのパイロットに、キースは呆れたように肩をすくめる。

 

「相変わらず人参嫌いなのな。ニナさんに愛想つかされても知らないぞっと」

「ニナは関係ないだろ!」

「おやおや?もう名前で呼び合うご関係で?」

 

 口いっぱいに人参を頬張りながら茶化すキースをそれ以上相手にせず、コウは残ったパスタを掻き込むように口に入れると、強引に水で流し込んだ。

 

「しかしバスク少将とはなぁ」

「連邦も、ようやく本気になったってことだろ」

 

 感に堪えないといった様子で興奮する友人に、コウは大げさだと応じる。それでも気持ちは理解出来る。何せ士官学校の教科書にも載る有名人が、自分達の援軍としてやってくるというのだ。

 

 一年戦争は多くの戦争英雄を生み出したが、その中心はやはり新兵器のMSパイロットである。テネス・A・ユング、リド・ウォルフ、そして「連邦の白い悪魔」ことアムロ・レイ。

 

 ところが、何事にも例外はある。

 

 それが連邦宇宙軍のバスク・オム少将である。

 

 一年戦争における数々の武勇伝により、中世紀のアメリカ映画にちなみ「鉄血バスク」や「リアル・ランボー」といった異名で呼ばれるバスクは、戦史の教科書に記載され、その強面の風貌も含めて軍内外で知らぬものがない有名人である。

 

 多くの戦争英雄がそうであったように、バスクも戦争中盤までのジオン軍の猛攻と連邦軍の圧倒的劣勢を経験し、数々の死線を潜り抜けてきた。それでも、この巨漢の戦歴は「壮絶」の一言に尽きる。

 

 開戦初頭、衛星軌道艦隊所属のサラミス級巡洋艦の副長であったバスク・オム少佐(当時)は、一週間戦争においてジオン軍の捕虜となる。尋問において筆舌に尽くしがたい拷問を受けながら、うめき声のひとつも上げずに耐え抜いた。そして南極条約の締結直前、他の捕虜と共に捕虜収容所から脱出。ルナツーに帰還したバスクは、戦時英雄に祭り上げられる。

 

 拷問の結果、バスクは両目の視力の大半を失い、特殊なゴーグルなしには二度と日の下を歩けなくなる後遺症を背負う。そうした逆境にもかかわらず、彼の戦意に一向に衰えは見られなかった。

 

 戦時英雄の視覚障害者であるバスクの身元引き受け人に名乗りをあげたのは、「ハゲタカ」の異名を持つブライアン・エイノー少将(当時)であった。

 

 開戦初期の敗戦生き残った地球衛星軌道艦隊の残存艦隊を率いるエイノーの下、バスクは戦術家として頭角を現した。個人副官を皮切りに、砲術参謀、参謀長代理、副参謀長、機動集団司令官兼艦隊副司令と、立て続けに「エイノー艦隊」の重責を担う。圧倒的劣勢、かつ戦力が限られた状況でありながら、衛星軌道上のジオンのパトロール艦隊と互角に渡り合った。

 

 エイノー艦隊におけるバスクの戦歴の中でも特筆すべきなのは、彼が参謀長代理として立案し、なおかつ自ら陣頭指揮を執った「シマヅ作戦」だろう。

 

 勇猛果敢で知られた極東の古い豪族の名前から名づけられた同作戦は、第2次地球降下作戦のために衛星軌道上に展開中であったジオン艦隊への戦術的奇襲を目的としていたが、何から何まで常識に反したものであった。

 

 ルナツー鎮守府を発したバスク率いるマゼラン級戦艦8隻で編成された臨時分艦隊は、最大戦速で低軌道上を航行。同艦隊は速度を一切緩めることなく、くさび型の艦隊陣形を維持したまま、北米上空で降下準備中だったジオン艦隊のほぼ中央へ突入。「狙いが外れる」という理由でミノフスキー粒子を散布せず、ミサイルやビーム砲を五月雨撃ちしながら敵中突破を敢行する。

 

 結果、作戦に参加した8隻中、5隻が轟沈、2隻が大破、1隻中破という大損害と引き換えに、衛星軌道上に展開中だったジオン降下部隊に壊滅的な被害を与えた。

 

 一歩間違えれば艦隊ごと大気圏に突入して流れ星となる可能性は十分にあり、まして警戒中のジオン艦隊に見つかっていれば、反撃も出来ずにデブリの仲間入りを果たしていただろう。航海参謀を務めたジャマイカン・ダニンガン大尉(当時)は、作戦終了後に提出した戦闘報告書で「正気とは思えない」と記述したが、ルナツー鎮守府を初め、宇宙艦隊作戦部や国防委員会事務局、果ては統合作戦本部も含めて誰も咎めなかったというのだから、当時の連邦軍の空気が窺える。

 

 地球連邦軍最高司令官のヨハン・イブラヒム・レビル大将をして「生まれる時代を間違えたのではないか」と言わしめたシマヅ作戦により、この巨漢は「戦術の天才」と「頭のネジがゆるんだ男」というあだ名をほぼ同時期に獲得した。ウラキとキースも、ナイメンヘーン士官学校の一年戦争史の授業でこの作戦を学んだ際には、多くの同期生と同様に「頭がおかしい」という感想以外思い浮かばなかったものだ。

 

 真偽定かならぬものを含めて数多あるバスクの武勇伝の中でも、ア・バオア・クー攻防戦を巡る一連の戦闘行動は、一般市民の間でも広く知られている。

 

 後衛艦隊を指揮していたエイノー少将の命により、艦隊副司令のバスク・オム大佐(当時)は、要塞に乗艦が不時着したダクラス・ベーダー中将救出のため、陸戦隊を率いて上陸。幾重にも取り囲む敵陸戦隊の包囲を突破して、無事にベーダー中将との合流を果たした。

 

 ここまでは良い。

 

 バスク・オムとダグラス・ベーダーは、たちまち肝胆相照らす仲となる。そして「レビル将軍の仇討ち」で意気投合。あっけにとられる部下を置き去りに、肩を並べて無反動砲を担ぐや否や、要塞内部に向かって突入を開始した。

 

 どうして、そうなる。

 

 バスクとベーダー率いる臨時合同陸戦隊は、ムサイ級巡洋艦3隻を破壊工作という名の正面攻撃により航行不能として港湾を封鎖、再包囲を試みるジオン陸戦隊3個大隊を蹴散らし、返す刀で自ら率いる陸戦隊員に倍する敵兵を捕虜にして見せた。

 

 意味がわからない。

 

 ジオン軍に混乱と災厄を撒き散らしながら、要塞深部を進撃した彼らがたどり着いたのは、ア・バオア・クーの中央司令部。ギレン・ザビ総統の『戦死』をうけて指揮権を継承すると宣言したばかりのキシリア・ザビ少将*4以下の臨時司令部を捕虜とした。バスクとベーダー中将いわく「道に迷ったから敵の多いほうに進んだら、偶々そこが要塞司令部だった」ということらしい。ともかく司令部が消滅したジオン軍は停戦を余儀なくされ、一年戦争はここに終結した。

 

 戦後、この経緯を聞かされたゴップ統合参謀本部議長(当時)は『宇宙世紀の戦争を、石器時代の勇者が終わらせた』と、呆れたように語ったという。

 

 こうした経歴以上に、バスクを必要以上に有名としているのは、その風貌と体躯であろう。連邦軍にも数えるほどしかいない30代の将官と聞けば、エリート然としているように思えるが、彼の場合、その点でも規格外である。

 

 何せ、身長が190を優に超えるスキンヘッドの巨漢である。どこにいても頭ひとつ飛び出しており、目立つことこの上ない。視力をカバーするための特殊な赤いゴーグルは、彼の異相に奇妙にマッチしており、軍人というよりレスリングの選手に見える逆三角形の体躯が、暑苦しい存在感に拍車をかけるという。

 

 そのため軍服のボタンは常にはじけ飛びそうになっており、制帽やノーマルスーツも特注品だとか。噂ではア・バオア・クー要塞司令部において、降伏を拒絶したキシリア少将の前で、ジオン兵の頭を文字通り「握りつぶし」て、戦意を喪失させたという話だが……

 

「そんなわけなかろう。何人かの兵隊の腕を握りつぶしはしたが、彼女はこちらが思った以上に理性的であったよ」

 

「ですよねー、さすがに頭はねえよコウ!それじゃ本気で原始人じゃねえかよ」

 

 一方的に捲し立てるように話し続けていたキースであったが、何故か自分の友人が突如として立ち上がり、直立不動の姿勢をとった事に首をかしげる。

 

「……あれ、コウ、なんでそんな青い顔してん…………あれ?コウが俺の前にいるってことは、じゃあ、俺が今しゃべってるのは……」

 

 見れば友人は、彼の天敵である大量の人参のグラッセを前にしたかのような、大量の冷や汗を流している。そしてキースはようやく、何故か自分の影がやたらと恰幅のいい人影に覆われていることに気が付いた。

 

 油の切れたブリキ人形のごとく、チャック・キースはゆっくりと自分の背後を振り返る。

 

 目に飛び込んで来るのは、分厚い胸板と丸太のような腕。

 

 胸元に綺羅星のごとく輝く略章と略綬は、この巨漢が歴戦の高官。それも将官であることを意味している。

 

 そして必要以上にゆっくりと顔を上げたキースは、その人物とゴーグル越しに視線を合わせた。

 

「人の噂話とは、趣味がよくないな」

 

 後にコウ・ウラキは、アナハイム・エレクトロニクスから出向していた技術者に震えながら語った。ニヤリと口元をゆがめたバスク・オムの風貌は、地元のニホンに伝わる阿修羅像のごとき形相であったと。

 

「こ、殺されるかと思った」

「キースの場合は自業自得だろ。巻き込まれた俺はいい迷惑だよ……」

 

 

「私がコンペイトウ鎮守府、駐留艦隊副司令長官のバスク・オムである!」

 

 艦橋全体を震わせるようなバスクの発声に、シナプスは思わず体を反らす。それでも、あっけにとられるクルー達を差し置いて返礼が出来たのは、流石は歴戦の将校というべきか。

 

「……え、えぇ。承知しております。ようこそアルビオンへ」

「閣下、声を抑えてください」

 

 バスクと共に派遣艦隊旗艦の連絡艇で乗り付けた参謀長のジャマイカン・ダニンガン准将は「またか」とでも言いたげに、神経質そうな面長の顔を顰めている。どうやら、この程度のことは日常茶飯事らしい。

 

「挨拶と号令は、大きければ大きいほどいいというのが私の持論でな。ともあれシナプス大佐、世話になる」

「歓迎いたします閣下。早速ですが、暗礁宙域捜索活動の指揮権についてなのですが」

「先任は貴官である」

 

 コンペイトウの真意がどこにあれ、懸案は早期に解消しておきたいと切り出したシナプスに対して、バスクは何か言いたげなジャマイカンを遮るように応じた。

 

「我らはコンペイトウ駐留艦隊所属とはいえ、今年の9月にルナツーから移動してきたばかりだ。暗礁宙域については素人に過ぎぬ。ならば、少しでも経験のある貴官に一任するのが道理だろう。しかし、一応は私の了承を得てほしい」

「それはもちろんです」

 

 明確な回答に、自分の懸念が杞憂に終わったことを安堵したシナプスであったが、続くバスクの言葉に、再び思考を停止させた。

 

「捜索活動に支障を来さないためにも、私は『ツーロン』からこちらに移ろうと考えている」

 

 動物が好きだからといって、いったい誰がライオンと同じ檻に入りたいと思うだろうか。つまりはそういうことであり、シナプスにはブリッジクルーの声にならない動揺と悲鳴が感じられた。気のせいだと思うことにしたが。

 

「申し訳ないが、部屋を用意していただきたい」

「……用意、させましょう」

 

 どうやら気のせいでも聞き違いでもないらしい。言葉だけは慇懃な巨漢に「そちらのほうが支障をきたすと思うのですが」とは、流石のシナプスも言うに憚られた。

 

「閣下!私は何も聞いておりませんぞ!」

 

 ジャマイカンが詰め寄るが、当の本人はどこ吹く風と「今初めて言ったから当然だろう」と、うそぶいて見せる。

 

「艦隊運用はペデルセンに任せておけばよい。あれは優秀な男だからな」

「閣下!私は、そういう事を言っているわけではありません!」

「無反動砲を味方の艦橋で振り回すわけにもいかんからな」

「当たり前です!!」

 

 頭痛が痛いといわんばかりに長い頭を軍帽ごと抱える参謀長に、ぐふふと不気味に笑い続ける禿げ頭の巨漢。クルー達の恨めし気な視線を背中に受けながら、エイパー・シナプスは引きつった表情で零した。

 

「これも仕方無し、か」

*1
旧・宇宙要塞ソロモン

*2
後に情報部の調査により発覚

*3
根回しのないごり押し

*4
現在、ジャブロー要塞内部の軍刑務所において終身刑

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