TV版恋姫†無双OVA…転生者と原作のクロス   作:ヒーロー好き

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学園祭だよ!全員集合のこと(後編)

「……完売した」

 

店番をしていた勇作だったが、座って数秒しないうちにお客が集まり、メンマが完売するのであった

 

「(……星のメンマってこんな人気があったのかな?)」

 

的外れなことを考えていると

 

「ねぇ…君、暇」

 

「ん?」

 

視線を向けるとギャル風の一人の女子がいた

 

「暇なら私とデートしない?断ると言ったら……わかるわよね」

 

「(……うわぁ…この手の奴か……めんどくさいな)」

 

ナンパされる勇作であった

 

「どうする?」

 

「……断る」

 

「なんですって!!」

 

「痛い目に合わない内に、この場からいなくなった方がいいよ」

 

「うるさい!!貴方は私に従っていればいいのよ!!」

 

右手を上げる

 

「……(やむを得ない……か…)」

 

勇作は覇気で気絶させようとする

 

「……」

 

「ん?」

 

「え?」

 

がいつの間にか現れた愛紗が女性の右手首を掴んだ

 

「……」

 

「愛紗!なんでここに?」

 

「ちょっと放しな……っ!痛い!痛い」

 

握り潰す勢いで力を入れる愛紗。あまりの痛さに苦痛の表情を浮かべる

 

「いい加減に放し……っ!?」

 

「キサマ…ゴシュジンサマニナニシヨウトシタ?」

 

光の無い目で女を見つめる愛紗。女性はそれに恐怖し逃げようとする

 

「ニガサナイ」

 

「ごめんなさい!助けて!」

 

「愛紗…俺は大丈夫だから…放してあげて」

 

「……」

 

そう言うと愛紗は手を放す

 

「……こんなことしてただで済むと」

 

「ナニガ」

 

「ひぃ!」

 

「ナニガスマナイッテ」

 

あまりの恐怖で女性は壁際に逃げる

 

「ニガサナイ!!」

 

愛紗も追いかける

 

「ひぃぃぃぃっ!来ないで」

 

「……」

 

愛紗は後ろの壁に手を付ける。いわゆる壁ドンだ…が力を入れすぎたせいか、大きな音と同時に壁にヒビが入った

 

「壁にヒビが……」

 

「オイ!」

 

「……はい」

 

「ツギハナイ!モシチカヅイタラ…ワカルナ」

愛紗は耳元で女性に低い声で呟く

 

「ヒィィィ!わ、分かりました!だからお助けを!」

 

恐怖に怯える女性

 

「……イケ」

 

少し離れる愛紗。その隙に女性はその場から下の方に逃げるのであった

 

「ご愁傷様でした」

 

「何があったんだ?」

 

勇作は心の中で手を合わせ、戻ってきた翠はこの状況に困惑するのであった

 

 

同じ頃、朱里と雛里は保健室にいた

 

「これでよしっと」

 

朱里も右手首に包帯が巻かれていた

 

「もう、何もない所で転んじゃうなんて、本当ドジなんだから」

 

「これ璃々」

 

「てへ」

 

「でも本当に気を付けてね。しばらくは手首を動かしちゃダメよ」

 

紫苑先生は治療した手首を見ながら言うのであった

 

「……はい」

 

その言葉に朱里と雛里は不安の表情をしながら答えるのであった

 

 

 

 

 

 

 

「……流琉!迎えに来たよ。早くしないと料理対決始まっちゃうよ!」

 

「ええっ!?もうそんな時間!」

 

はわわ喫茶で料理対決に出場する流琉を季衣が迎えに来た

 

「三分間待って」

 

「四十秒で支度して!」

 

そこに朱里が戻ってきた

 

「あっ!よかった…孔明さん」

 

そして教室の入り口の前で鉢合わせした

 

「次があるんで、私…失礼します。後はお願いします」

 

「流琉!早く早く!」

 

「あっ!ちょっとそんなに押さないで!」

 

流琉は季衣に背中を押されながらその場を後にするのであった

 

「どうした?」

 

愛紗が戻ってきた

 

「えぇ!!右手をねん挫した」

 

朱里は怪我をしたことを伝える

 

「はい…しばらくは動かさないようにって」

 

「じゃあ、この後は誰が料理を作るのだ?」

 

「やむを得ない……こうなったら私が」

 

気合を入れる愛紗。だが朱里が急いで止める

 

「はわわ!駄目ですよそれは…保健所が来ちゃいます」

 

「う……」

 

「ならどうすればいいのだ?」

 

すると桃香が厨房にやってくる

 

「はわわ!オーダー入っちゃいました。オムライス2つに、ミルクティーのセットを…」

 

緊急事態に困っていると

 

「あの…もしよかったら私が……」

 

「「「えっ?」」」

 

雛里が声を上げる

 

「お料理なら…いつも水鏡先生のお手伝いをしてたから」

 

その言葉に一同の顔が明るくなる

 

「そなたが…」

 

「ほ…鳳統です」

 

「では、鳳統殿…頼んだぞ!」

 

「任せたのだ!」

 

「頑張ってね」

 

「…はいっ!」

 

力強い返事をする雛里であった

 

「それよりも愛紗」

 

「なんだ?」

 

「さっきはどこに行っていたのだ?」

 

「どういうことですか?」

 

「愛紗が急に、ここを出て行ったのだ。お兄ちゃんが危ないとかいいながら」

 

「……実は」

 

愛紗はその時のことを説明した

 

「……ということが」

 

「そうでしたか」

 

「それで勇作さんは?」

 

「またパトロールに行きました」

 

「それと約束は守りましたよ」

 

「わかった」

 

「あの…皆さん」

 

「ん?」

 

「その勇作さんって誰なんですか」

 

「……それは後で話すから!今は……」

 

「……はい」

 

 

 

そして料理対決会場では

 

「よ~し、やったるで」

 

「うむ」

 

凪と真桜が気合を入れていた

 

「まずは上質小麦を天然水でよ~く捏ねる」

 

「そして激辛唐辛子ペーストをたっぷりと」

 

「豚骨鶏ガラ野菜と厳選した食材を煮込みに煮込んだスープの灰汁を丁寧に取る」

 

「そこに激辛唐辛子ペーストをたっぷりと」

 

「自家製の味玉に、何進先生からいただいたチャーシューに、秘伝のメンマをトッピング」

 

「仕上げに、激辛唐辛子ペーストをたっぷりと」

 

「ちょ~まてい!なんでかたぱっしから唐辛子ぶちこむねん!」

 

「いや…でも、味にパンチを出すためには…」

 

「パンチも何もラーメン真っ赤かやないか!」

 

「(今、気付くかそれ)」

 

審査委員長の一刀はツッコミを入れる

 

「じゃあ彩りに緑のハラペーニョを」

 

「あほか!!」

 

「(駄目だこりゃ……翼の奴、こうなることを知っていたから審査員辞退したのかな)」

 

 

 

 

 

そして翼はというと

 

「みんな大好き~~!」

 

 

 

てんほ~ちゃ~~ん!!

 

 

 

「みんなの妹~~!」

 

 

 

ちいほ~ちゃ~~ん!!

 

 

 

「とっても可愛い…」

 

 

 

れんほ~ちゃ~~ん!!

 

 

「ありがとう!」

 

「今日もばっちり決まったね」

 

「さあ、今からいくよ」

 

 

ホワッホワッホワァァァァァッ!!

 

 

「よし、今日も問題ないな」

 

野外ステージで、張三姉妹のステージを見守っていた

 

「……それにしても、夜になったら…張三姉妹を連れてこいって華琳言ってたけど、ファンなのかな?」

 

翼はそんなことを考えてながらステージを見るのであった


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