私は私の日常を守るだけ   作:yudaya89

10 / 31
第08話「模擬戦」

 

 

 

 何故・・・何故・・・こんな事に 

 

 『俺』は私の為と言った。でも「負けたら卒業まで雑用」・・・

 

 それだけはイヤ!!じゃあどうする??・・・勝つしかない!!勝つだけでいい。

 

 

 

 しかしどうやって?

 

 この試合が決まってから『俺』はこう言った。『勝つだけなら簡単だ。勝つだけならな』

 その方法は至ってシンプルなものだった。

 

 『相手の嫌がる事を淡々と行えばいい。野球で例えるなら、バントで投手を動かせ疲労を誘発させる。その疲労から制球が乱れ始めたら甘い球が来つ、際どい球はファールする・・・何?姑息?一昔の野球は、相手の口の動きを見て何を相談しているかを盗み見していたんだぞ?だから今でもグローブで口元を押さえるだろ?今じゃあスポーツマンシップがどうのこうの抜かしているが、甘いんだよ!!勝つためなら手段を選ぶな。選ぶのはどうすれば勝てるか、どうすれば相手が嫌がるか!!それだけを選択しろ!!』

 

 そう相手が嫌がる事をする。だから過去他高の戦略や戦術データを参考に、私なりに攻略方法を提示してみた。そしたら

『少しだけ手を加えてみた。これならいい線行くと思うぞ?』

 

 勿論その作戦を他の人に伝えた際、かなりひかれた。確かに引くぐらいの内容だけど、勝てる。勝てる内容だ。だから私はこの作戦に同意する。全ては勝利という2文字の為に。

 

 

 

 

「これより模擬戦を開始する」

「「「「「お願いします」」」」」

 

 

 

 

 装甲の厚さと攻撃力の高さを生かした戦術が黒森峰だ。今回であれば、殆どの確率で右翼の森林からの奇襲だ。この奇襲を失敗させる必要がある。

 

 

 

 

 

「3年生 右翼隊長」

 

 この試合に意味はない。何故なら我々の戦術に隙はない。相手の側面から奇襲を仕掛ける。相手は側面に展開する我々の相手をしなければならない。

 

 隊を分けていなければ、隊の進行は止まる。そうなると我々の本隊の遠距離からの砲撃である程度車両は減らせる。もしも隊を分けている場合は、こちらの攻撃力で分隊を潰した後、後方から本隊と挟み撃ち。よって隊を分ける事は愚策に等しい。

 

 今日相手する西林のチームは1年と2年の補欠を寄せ集めただけ。そんな急造チームが考える作戦は、奇襲は森の出口に部隊を配置し、私達が出口から抜けた瞬間に攻撃を開始する。この程度の作戦しか思いつかないだろう。まぁ私が西林の立場なら同じ事しかできないがな。

 

 そろそろ森を抜ける。

『そろそろ抜けるよ。相手は左右どちらかに展開していると思います。発見次第攻撃を開始してください。他の車両も続いてください』

『『『『了解』』』』

 

 

 

『右翼に敵車両の展開を確認!!各車停止した後攻撃を開始して下さい』

『了解』

 

 これで分隊は潰せました。しかし一瞬出口付近が眩しくて視界が真っ白になってしまって焦りました。でも運よく最初に確認した右翼に敵が展開していたので、それを後続に伝える事でスムーズに攻撃に移行出来ました。後は本隊に奇襲完了を伝えるだけです。

 

 未だ一発も砲撃が此方に飛んでこない。やはり補欠か。

『各車両距離はありますが、正確に砲撃して下さい。相手の砲撃は当たりません』

 

 しかし次に入ってきた通信に私は耳を疑った。

 

『こちら10号車!!撃破されました!!』

『8号車!!転輪破壊されました!!』

『6号車・・・撃破されました』

『7号車!!左翼から攻撃を受けています!!6両確認!!反転し攻撃します』

 

 左右に6両ずつ展開?でも左翼には車両は展開されていないのは最初に確認している!!じゃあ全車両で此方を潰しに来た?

 

 

 否!!道中の偵察部隊から敵本隊は9両で進撃中という報告は受けている!では今この場にいる12両は何だ!!偵察部隊のミスか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 奇襲部隊への対応は、如何に相手にミスをさせるかだ。

 

 森林はあまり手を入れられておらず、間引きなどはされていない。そのため晴天の昼間でも薄暗い。相手を誤認識もしくは思い込ませるなら、1番に視覚からだろう。逆光現象という言葉をご存じだろうか?トンネルから出る時、昼間でも出口付近になるとかなり眩しく、外の様子は全く見えない。この状況を利用し、まず相手の判断力を少し鈍らせる。そこに6両のみ展開されている可能性があるという情報を与える事で、『6両』確認出来たところで、この場にはもう敵は居ないと油断もしくは誤認させる。そして右翼の木偶に敵が向いた時点で隠れていた『6両』でゆっくり照準を定めて砲撃を実施する。

  

 

 

 弱小高であるアンツィオ高校の作戦だ。本家とは違い、木製で色まで付けているから、良く見ないと木偶と判断出来ない。だから最初に視覚を鈍らせ、次に判断能力を。そして最後に敵部隊の戦力をそぎ落とす。敵6両のうち、2両撃破、2両が足周りの損傷(中)、上出来だ。たった2両の戦力では相手は進撃出来ない。戦力を整のえようにも時間がかかるため、実質奇襲部隊は戦線離脱。こちらは15両。あちらは9両。数の上では此方が有利、しかし質は敵が上。

 

 西林先輩はうまくやれるだろうか?私は部隊に本隊に向かうように無線で指示を出した。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。