私は私の日常を守るだけ   作:yudaya89

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 あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。今年中に完結できるように頑張ります


第24話「代理副隊長、参謀」

 

 翌日、副隊長代理が逸見エリカ、そして参謀に私こと霧林ナナが就任した事を隊長である西住まほから皆に知らされた。また現副隊長である西住みほは副隊長はそのままで一時的な(期間不明)転校が伝えられた。今回の人事は3年生、2年生の意見も取り入れての決定であったため、反対意見もなく練習前のミーティングは終了した。

 

 

「ねぇ俺?」

『なんだ?』

「西住隊長の考えている事・・・私なりに考察してみたんだけど、聞いてくれない?」

『面白くない考察であれば、途中でやめさせるぞ?』

「西住隊長がまず副隊長代理に逸見さんを任命した理由は恐らく単純な事だと思う。今の2年生の半分は過去粛清によって2軍から上がってきた人達。残りの2年生もそこまで飛びぬけて目立つ人はいない。そうなれば1年生から選抜する必要がある。候補は現在車長をしており、尚且つ西住流を理解、実行出来る人になる」

『そうなると、逸見以外に居ないと?』

「そう」

『概ね正解だろう。まぁ現2年生は平均的な黒森峰のレベルではあるが、突出している人間は無し。1年生も3人程候補が居たと思うが、その中でも逸見は別格だろうな』

「逸見さんはテストでも上位だし、車長に関しても現3年生達も認めているレベル」

『そういう事だ。それで隊長達が俺達を参謀という新しい役職に就かせた理由は?』

「それは・・・私の予想なんだけど、何かを変化させる為に参謀に任命したと思う。でも何を変化させたらいいのかは分からない」

『何を期待されているかは、過去俺達が実施した事で粗方予想はつく。十中八九俺達は『NOマン』を求められている。但し全てにNOと言う訳ではない。その場合、副隊長代理である逸見と対立してしまう可能性がある。対立し、俺達だけ敵視されるのは問題ないレベルだが、逸見派、霧林派なんて派閥が出来た日には、目も当てられない。だから逸見を否定しながら、立てる必要がある。わかるか?』

「うん。それって難しい事だと思う。それが出来ると思われた私達は西住隊長から認められたという事だよね?それってすごい事だよね?」

『そうだな。認められたと同時にこいつならどんな窮地に立っても大丈夫と思われたという事だ。と言う事は、先に言ったように俺達が戦車道受講者全員から敵視される立場に陥ってもなんとかするだろうと思われているという事でもある』

「え?」

『要するに、参謀という役職が成功したら黒森峰の総合的なUPになる。失敗しても切り捨てるので総合力は変化しない。というわけだ』

「成功しないと・・・」

『成功以外に道はない』

「キツイね」

『まぁな。それでナナの考察はそれで終わりか?』

「そうだけど、他にもあるの?」

『いや、変化を求められているのであれば、どうやって変化させるんだ?その対策というか方法が提示されていない』

「そ・・それは」

『わからないか?』

「うん」

『一週間くれてやる。その間に今の黒森峰を見て何を変化させるのか、それとも変化など必要ないのかを考えろ』

「わかった」

『やけに素直に俺の言う事を聞くんだな』

「そこに何かヒントになるものがある。若しくは私が成長するために必要なものがあるのであれば、例え下級生の言葉でさえ、私にとっては重要なヒントになる」

『なるほど、じゃあ約束の日まで』

「うん。しっかり見極めてみせる」

 

 

 

 やはり私には無理なのかもしれない。『俺』との話し合いから3日、私は何の情報も得られずにいた。黒森峰の何を変化させるべきなのか・・・陣形?戦術?戦略?初日は過去の情報を基に何を変化させるべきか考察してみたが、これといった成果は得られなかった。2日目は現在の黒森峰を観察するため、一人一人を良く観察してみたが、特に変わりもなく、隊長及び副隊長代理の指示を聞き、実行していた。そして3日目、資料室の資料を整理しているときに思い出した。

 

「なんだ、凄く簡単だけど、最も難しい事じゃない・・・」

 

 どうしてこんな簡単な事に気付かなかったんだろう・・・

 

 凪先輩が過去に提示した黒森峰の欠点を克服する。そのために新たな練習方法を取り入れる。勿論他の受講者から不満が出ないように。もしくは不満を如何に沈静させるか。そしてその練習から黒森峰の総合戦力UPが可能かを考察する。そしてその練習内容は、

 

 

 

 「紅白戦」

 

 

 過去に黒森峰が経験していない事は 『敗北する事だ』。敗北する事で学べる事もある。それこそ勝利する事で得られる事よりもより重要な事だ。それが今の黒森峰にない『考える』事だ。2日目に思った事だが、皆『隊長の命令を聞く』以外何もしていない。勝利した時には命令を充実に実行できた自分達は凄いと思うが、敗北した時は命令を下した隊長が悪いとなる。伝統的に隊長からの命令系統が一本しかない黒森峰の長所でもあり、短所でもある。

 

上記2点を改善するには、紅白戦しかない。

 

 逸見副隊長代理率いる正規軍VS参謀率いる賊軍

 

 逸見副隊長代理は参謀に勝つために作戦を考える。参謀である私は正規軍に敗北を与えるために作戦を考える。その過程で何故勝てないのか?何がいいのか?を副隊長以外の人間にも考えさせる。こうする事で総合戦力がUPするはず。勿論この案に対して反対意見も出てくるだろうが、それは過去に行った凪先輩の模擬戦の結果を持ちだせばいい。

 

 あとは私のメンタルが何処まで耐えられるか・・・

 

 そしてみほは戻ってくるのか・・・問題はそこだけ・・・

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