私は私の日常を守るだけ   作:yudaya89

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第27話「地獄には天使はいない」

 

 エリカは暫く考え「わかったわ」と言って部屋を出ていった。そして数日後から少しずつだが、黒森峰の空気が改善傾向を示し始めた。恐らくエリカが行った策の効果が出始めたのだろう、紅白戦後のミーティングでもしっかりした意見が出始め、練習後に何を調べている子達も目立ち始めた。これで黒森峰は一段階上に行く事が出来る。

 

 そして段階に突入する。それは今年の全国大会までに今のシステムを定着される事だ。1年目の全国大会で「疑惑の砲弾」事件があったが、無事解決し私は進級した。進級した直後にみほの事件が生じ、結果逸見エリカが副隊長代理となった。副隊長代理とあるが、事実上の副隊長である。そして西住まほは7月から留学予定であったが、9月に延長するように要請し、それが正式に受理された。流石に当初の予定通りに留学されてしまうと、戦車道に多大な影響が生じる。

 

 来年度を見越して現在西住まほによる逸見エリカの教育が開始されている。勿論この教育は私にも施され、平行してまほからエリカへの引継ぎ作業も任されている。書類関連がメインであるため、必要なところを抜き取りエリカに申し送りを行う。しかしこの書類の量は一人では裁ききれる量ではなく、応援を要請しようにも皆練習でダウンしている。よって実戦練習後に書類整理をする地獄の日々を過ごしている。

 

 そして激務をこなしているうちに今年度の戦車道の抽選会日がやってきた。今年度は例年とは異なり、隊長・副隊長ではなく、私こと参謀が抽選会に来ている。理由はエリカの教育がもう少しで終了するから、である。勿論私の教育も終了していないため、抽選会終了後、即効で黒森峰へ帰還し訓練及び書類整理を行う必要がある。そのため抽選会当日は時間ギリギリまでホテルで就寝し、抽選をし終えた後速やかに帰還することとなった。我々黒森峰の対戦高は知波単学園となり、その結果を見届けた後速やかに会場を後にした。

 

 一回戦がプラウダ高校や聖グロリアーナ女学院といった強豪高でなかった事に安堵した。2回戦も継続高校と青師団高校の勝者との試合になるが、結果を恐らく継続高校となるだろう。そうなると準々決勝まで時間があり、その間にこちらは準備を整えておけばいいだけだ。だた

 

「霧林、少し引き継ぎ作業が遅れている。少しペースを上げるぞ?いいな?」

 現隊長である西住まほから、素晴らしいお言葉を頂戴した私は

「あ・・・はぃ」

 という、なんとも間抜けな返事をするのが精一杯であった。最近携帯とかのショップに居る人型ロボットの方が、まだマシな返答をするだろう。

 

 

 

 

 

 そして地獄という教育期間中に第63回戦車道大会が開始された。

 

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