一回戦の相手は知波単学園となった。この高校は基本的に全車両による突撃戦法が伝統となっており、その理由としては過去その方法でベスト6か4まで進んだからとの事だ。確かに伝統に拘るのはいい、現に多くの高校は何かしらの伝統を受け継いで今もそれを実施している。当然黒森峰にも伝統と言うものはある。しかしその伝統が足かせになっている場合も多い。まぁその話は今は置いておこう
1回戦 試合開始2時間後
「8号車、9号車は、そのまま待機」
「よろしいので?」
「勿論。何せここに居れば自ずと相手がやってきますからね」
今まさにエリカ達が知波単学園を包囲したところだろう。彼女達は追い詰められたと思い、最後に「突撃で散ろう」といいだす。そして隊長はそれに同調し突撃を指示する。勿論我々はそんな事には付き合わない。砲弾、燃料、駆動系へのダメージ、それらを考えると、ここを抜けてきたフラッグ車のみを走行不能にするのが一番楽でいい。無論、「抜けてきた」ではなく、「誘導されてきた」が正解である。そして
「8号車、9号車・・・撃て」
「知波単学園フラッグ車走行不能、黒森峰女学院の勝利」
知ってた
2回戦は継続高校となった。あそこの隊長は変幻自在と言うか、気まぐれと言うか、作戦に拘りがなく、良く言えば作戦が読めない、悪く言えば行き当たりばったりと言う幹事だ。だが幾つかの資料と照らし合わせたところ、完璧ではないが黒森峰の西住流に匹敵する「島田流」に告示している点が幾つか見受けられる。勿論模倣という点も考えられたが、やはり「模倣」ではなく「本物」の動きをしている場面もあった。よってこの継続高校の隊長は、過去島田流を学んでいるということになる。
2回戦 継続高校
「今回準々決勝のため、車両は相手と同数としています。また相手の車両は色々な車種が混在しています。その事を頭に叩き込んでください。特にBT-42は要注意です。足回りが多少損傷してもクリスティーサスペンションであれば、戦闘は続行できます。黒森峰の恥を晒さないように!!
それではPanzer vor!!」
試合が進むにつれて我々は継続高校の車両を撃破していく。普通は車両が撃破されていくにつれて、焦り、不安が見えてくるが、継続にはそれらがみられない。それどころか各車両の動きが目に見えて良くなってきている。
「相手の動きに惑わされないように。紅白戦を思い出しなさい。相手は我々の車両よりも防御は低いです。確実に砲弾を当てなさい」
やはり相手の隊長は島田流を学んでいる。圧倒的火力と一糸乱れぬ統制で敵を殲滅する西住流に対し、臨機応変に対応した変幻自在の戦術を駆使する戦法を島田流は得意とする。
そして継続高校の残車両は隊長車両のみとなった。こちらの砲弾が足回りに命中した。勿論油断せず追撃を行い、完全に息のを止める。
「継続高校フラッグ車、戦闘不能。黒森峰の勝利」
此方の被害は2両、予想の範囲内に収まって安心した。次はおそらく聖グロリアーナ女学院になるだろ。あそこの隊長は・・・苦手なんだよな。「俺」に任せたいけど、代わってくれるだろうか
無理だ。仕事忙しい( 。゚Д゚。)