ゆかりん、あかりん、お誕生日おめでとう。
追記(2019/03/01)
ようやく完成! 何か二ヶ月ぐらい経ってるけど気のせいだな。
と、いうことで(?)この小説の注意点。
この小説は僕が前に投稿していた「僕と紅魔郷とスカーレットデビル」をリメイクした小説の番外編。
といってもそっちの方は1話すら投稿できてないけど。ちょっとプロットがね……。まあこの小説自体のプロットも(ry
で、その都合上東方のキャラが何人かは出るかも。
それと主人公世代≠明久世代なので、明久達は多分出ません。出てもちょい役かな。
あと話の都合上召喚獣の設定の捏造があります。
上記のことがOKな方のみお読みください。
それではどうぞ!
天才と……1
そこは白だった。上下左右見渡す限り全て真っ白で、そんな光景が地平線の彼方まで続く空間。そんな空間を私は歩いていた。いつから歩いていたか分からない。いつまで歩けばいいか分からない。そもそもどこに行けばいいのかすら分からない。
でも疲れは全くなく、止まるという考えも浮かばなかった。だから、歩いた。
しばらく歩くと、色がポツンとあった。近づいてみると、それはうさ耳がついたパーカーだった。私は、落ちていたそれを拾い、そのまま着る。
途端に周りが眩く輝き始め
そして
世界に、色がついた。
「……い……かり…………ゆかり!」
「んぅ?」
目を開けると、お尻に固く冷たい感触を感じた。目をこすりながら辺りを見渡すと、あちこちに召喚獣を従えたクラスメイト達の姿が見える。
「なに寝てんだよおめー」
「いたっ」
目に見えるそれらをそのままぼんやりと見ていると、額にちょっとした痛みが走る。そのショックで意識は覚醒した。
そう、今は体育館で試験召喚実習の最中。そして私は自分の番まで座って待っているうちに寝ちゃったんだ。
「目ぇ覚めたか?」
少し上を見ると、指を構えた黄色い髪のロングヘアーに緑色の目の少女がいた。どうやら彼女がデコピンで私を起こしてくれたみたい。
「おはよう、マキちゃん」
彼女はこの文月学園に入ってからできた友達、弦巻マキちゃんだ。
「ちゃん付けは止めろって」
ちなみに、ちゃん付けは本人から嫌がられてる。どうやら可愛い扱いは苦手らしい。
……可愛いのにね。
「珍しいな、お前が実習とはいえ授業中に寝るなんて」
あー、やっぱり突っ込まれたかぁ。
「昨日ちょっと夜更かししちゃって」
「へぇ……何やってたんだ?」
……そこはあまり聞かれたくなかったんだけど。
「ちょっと勉強をね」
嘘だ。勉強なんてしていない。いや、考えようによっては嘘じゃないかも。
「勉強って……テストはまだ先だよな?」
「そうやって油断しているとすぐ置いてかれちゃうから……」
これも嘘は言ってない。嘘は。
「学年首席のお前が置いてかれるなら、今頃生徒の大半が赤点だらけだろうよ。
ま、程々にしろよ。あまり夜更かしすると身体壊すからな」
そんなマキちゃんの純粋な心配に
「うん、分かってる」
隠していることに対して後ろめたくなった。
『次、結月ゆかりと東北ずん子、前に出なさい』
「また後でね」
「おう」
私は気持ち的には逃げるように、でもそれを悟られないようにその場を後にする。
さて、対戦相手は枝豆の形といった変わったカチューシャをつけた濃い緑髪のロングヘアーに、ちょっと濁っている金色の目の少女。クラスメイトの一人の東北ずん子さんだ。
とりあえず挨拶をしておこう。戦う前の挨拶は大事って聞いたことあるしね。
「よろしくね」
私のその言葉に、東北さんは気怠そうに礼をした。
……さて、いかに実習とはいえ、勝負は勝負。負けるつもりは一切ありません。
……って、勝ち負けとかないよね。実習だし。さ、初めてだけど、頑張ろう。
「
「召喚獣」、それは文月学園に導入されている「試召戦争」に使われるもので、簡単にいうと学校内の決まった場所で呼び出すことができる生き物……なのかな、あれ? でも物体ではないようだし……まあいいや。
その呼び出し方は簡単。召喚フィールドに入って「
放課後、私は学園室に呼び出されていた。その理由は単純明快、召喚ができなかったからだ。
で、その原因を探るために呼び出されたと思うんだけど……
「で、原因はどうなんだよババア」
「こんなすぐに分かるわけないだろう、クソジャリ」
「創立者のくせに原因が分からないとか片腹大激痛」
「黙りなクソジャリ。あんただって検討もついてないんだろう?」
「まだ二十にも満たないガキと張り合おうってか?」
「ああ確かに。都合が悪くなるとすぐ逃げようとするガキには荷が重かったね」
そこで待っていた二人が、口を開けばお互いを罵るばかりで、全然話が進まない。ようやくわかったのが、私の召喚できない理由が分からないことぐらいだ。
召喚システムの第一人者である学園長でも分からないんだ。じゃあ私は召喚できないのかな? 嫌だなぁ……召喚獣のこと、結構楽しみにしてたのに……。そもそも召喚できなかったらどうなるのかな? もしかして退学……?
……ダメダメ、ネガティヴになっちゃ! もしかしたらまだ判明していないだけで時間をかければ分かるかもしれないし! その辺りを知るまでは希望は捨てちゃダメ!
「だいたいあんたは、年寄りに対する敬意ってものが足りないよ。そんな悪口ばかり覚えている暇があるなら、少しでも学んだらどうだい?」
「敬語ぐらい知ってるし、敬うべき相手にはもちろん使ってるさ」
……さっきから待ってても全然終わらないし、そろそろこの口喧嘩を止めなきゃ。
「あのー……」
「ん、何だい? 今はお前の処置に関して考えているんだ。ちょっと黙ってな」
あっ、考えてたんだ。余計なお世話だったかな?
「可愛い生徒にそんな態度とるなよ。仮にも学園長だろ?
で、なんか聞きたいことがあるのか?」
「えっと……」
ただ口喧嘩を止めたかっただけなんだけど……でもいい機会だ。一つ気になっていたことを聞いてみよっと。
「どうして八雲君がここにいるんですか?」
険悪な雰囲気の二人のうち、一人は学園長。ここにいるのは当たり前だ。
でももう一人、茶髪のボサボサヘアーに青目のどこか普遍的な印象、そして文月学園指定の
……えっと、名前何っていったっけ…………そうそう、
普通だったらこの場に呼ばれないような立場なんだけど……。
因みに彼の名前を知っている理由は入学式後であったクラス特有の自己紹介タイムで知った。他のクラスメイトの名前も一応頭に刻んである。
「ああ、僕はこの口悪ボッチババアの弟子でね、召喚システムの一部を一任されてるんだ」
「えぇっ⁉︎」
私と年が変わらないのにそんな大役任されてるの⁉︎ すごい……!
「といってもなってから日は浅いがな。経歴自体はまだ新人のペーペーさ」
「あたしとしてはとるつもりはなかったんだけどねぇ……」
「僕の才能に嫉妬するからか?」
「お前みたいな青二才には嫉妬しないよ。ただ足を引っ張られたくないだけさ」
あれ? 何か会話の雲行きが……。
「足なんか引っ張るかよ。踏み台にはするがな」
「どうせ跳ぶ前に足を滑らせて一人で勝手に落ちるんだろう?」
ああ、やっぱり口喧嘩が始まった!
「まあ踏み台が脆かったらそれもありえる「あのー! 結局私はどうなるんですかー⁉︎」ん?」
早々に声をかけることで早めに喧嘩を中断させる。このまま待ってても終わりそうにないものね。
「どうする? クソババア」
「……そうだね」
八雲君の言葉に、学園長は顎に手を当てて考え込む。ちょっとして、考え事が纏まったのか顔を上げ、八雲君に向き直った。
「クソジャリ」
「なんだ? 分からないから僕に泣きつくのか?」
ああ、また……
「あの、八雲君ーーー」
「その通りさ」
「……え?」
「ん?」
学園長が悪口を受け入れた⁉︎ 八雲君も面食らってるし!
「……ああ。期限は?」
「1年以内さね」
「そんなにはいらん。半年で解明してやるよ」
「ふん、後で泣きべそかいても知らないよ」
「そっちこそ、あまりにも早く解明したことに嫉妬するなよ?」
「その言葉、口だけじゃないことを願うよ。
と、いうことであんたの相手はこのクソジャリに任せることにしたさね」
「えっ……えっと、はい」
さっきまで口喧嘩していた二人とは考えられないぐらいトントン拍子で話進んでるなーと思ったらいつの間にか処遇が決まっていた。
へえー、八雲君が対応してくれるんだー……。
「……ええっ⁉︎」
八雲君が⁉︎
学園長でも分からないことを弟子……それも生徒に任せるの⁉︎
「安心しな。この不敬口悪クソジャリの腕は保証するさ。もちろん、あたしには劣るがね」
「そんな何百年も部屋に篭って研究していた妖怪ひきこもりババアにイキられてもなぁ」
「あたしを妖怪扱いするんじゃないよクソジャリ! それと、もし期限内に解明できなかったら破門だよ!」
「えっ⁉︎」
しかもできなかったら破門⁉︎ 自分ができなかったことなのに、弟子にはできなかったら破門って横暴すぎない⁉︎
「あ、あの! 破門はやりすぎではないでしょうか⁉︎」
「あんたは口出すんじゃないよ。これぐらいできなきゃ弟子失格だよ」
「でも!」
「はいはい。さ、行くぞ」
「わわっ」
更に抗議しようとすると八雲君に腕を掴まれ、引っ張られる。
「じゃあな、ババア。朗報を楽しみにしてろよ」
「ふん、後で分からなかったからって泣きつくんじゃないよ」
そのまま引っ張られる形で外に出される。
「ど、どうして止めたの八雲君!」
「あそこで言い争っていても不毛だからな」
私が学園室に来てからの大半を口喧嘩に費やしてなかったっけ⁉︎
「でもこのままじゃあなたが破門にーーー」
「なるかよ」
「えっ?」
「その前に解明するからさ。お前が召喚できない訳をな」
その言葉に、私は八雲君の顔をまじまじと見る。
理不尽なことを言い渡されたのに彼の顔には不満のふの字もない。まるで、このぐらいはできて当然だと言ってるみたいだ。
そんな顔を見ていると、学園長の理不尽な対応に対する怒りも、引っ込んでしまった。
「どうした? 僕の顔に何か付いてるのか?」
「ううん、何でもない」
「そうか」
そもそも八雲君に不満がないなら、私が文句を言う筋合いはないしね。
「そういや、名乗ってなかったな。
僕は八雲翼輝。別に僕のことはどう呼んでもいいが、変なあだ名だと気づかないからできれば普通で頼む。これからよろしくな」
八雲君……いや、翼輝君が右手を差し出し、握手を求めてきた。
「私は結月ゆかり。できれば名前で呼んで欲しいな。よろしく、翼輝君」
私はそれを右手で軽く握ることで応じた。
「よし、じゃあ早速……ああいや、ここで話すのもあれだし、一回教室に戻るぞ」
「うん」
確かにここだと往来の邪魔になりそうだ。いくら放課後だからって、通るときは通るし。
それにクラスは同じだから、途中ではぐれることはないもんね。
教室に戻り、置いてあった自分の鞄を肩にかける。
「それでゆかり、早速今日から調べたいんだが時間はあるか?」
あっ、今日からやるんだ。てっきり日を跨いでやるのかと思ってた。それだけ彼のやる気が満ち溢れているってことなのかな?
でも
「これからマキちゃんとご飯食べに行くんだけど、それからでも大丈夫?」
こんなことになると思っていなかったので予定は既に埋まっているのだ。といってもご飯食べたあとの予定はないけど。
「あとあまり遅くなるとおばさんが心配するかも」
おばさんっていうのは端的に言うと私の保護者だ。平日は仕事に出てるから日中は家にはいないけど、夕食の時間ぐらいに帰ってくる。その時に私が出迎えないと後で叱られるから、可能ならその時間までには帰りたい。
「別に食べた後でも大丈夫だ。そこまで急いでるわけではない。
時間に関しては僕の見立てならそんなにはかからないとは思うが……何が起こるか分からないからな。一応伝えておけ」
「分かった」
と、いうことでSNSアプリの「コネクト」を開いて、今日ちょっと遅くなるかもしれないことを連絡しておく。
「そういやゆかり。僕の家、分かるか?」
おばさんに送るための文字を打ってると、翼輝君から突然そんなことを聞かれた。
翼輝君の家? うーん……。
「あー、ごめん。分からない」
さすがに覚えてない。と、いうより聞き覚えがない。
そもそもなんで翼輝君は自分の家の場所なんて聞いたんだろう。
「なら校門前集合な」
「え?」
どうして今の質問で集合場所が決まったの?
もしかしてこれから行くところって学校だと思ってたけど実は違う場所で、翼輝君の家がそこに近かったり?
「どうした? 何か不都合なことでもあったか?」
「えーっと、何で今翼輝君の家の場所を聞いたのかなーって」
「ん? あー、そういや言ってなかったな。お前がこれから向かうのは僕の家だ」
「そうなんだ」
だから聞いたのか。場所が分かっていれば現地集合でいいものね。
はい?
すみません、どうしてもこの日に間に合わせたかったので、途中で投稿しました。
後日、色々と修正します。
追記(2019/03/01)
一通りの修正完了。次の話がある程度書け次第、次回予告みたいなのを下に載せます。