東方神竜伝 ~幻想入りした二人の物語~   作:★sophia★

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前半は前話のサクラ視点
後半は前話の話が終わったその後。


第五十三話レイス移住計画/油断大敵

〜博麗神社 屋根の上〜

 

サクラ「んー...あっちはあっちで

忙しいんだねぇ...レイスにはアレをやって

貰いたかったけど...この様子じゃ無理かな...?」

 

 

サクラは目の前に浮かぶ、

『シッコクノウツシミ』、その真ん中に

映るのは紅魔館の内部、大図書館のあの光景。

レイスとパチュリーが話し合っている所。

近くには隠れているレミリアとフラン。

それらの光景が映し出されている。

現在サクラはその光景を見ていた。

...ちなみに左右の二つは普通の鏡である。

 

 

サクラ「『レイスはそのうち移住したい』

けれどレミリア達は紅魔館にいて欲しい...か。

分からない事も無いが...出来ればレイスには

『魔法の森』に行って貰いたいんだよな。」

 

 

そう言い切ると、『シッコクノウツシミ』を

消し、代わりに大きな弓を取り出した。

そしてどこからともなく取り出した

手紙を矢に結びつける。

 

 

サクラ「方角良し、風向きは...西に弱風、

障害物は...特に無し。...これなら行ける。」

 

 

サクラは斜め上に矢を向け、弦を引き絞る。

そして空高く放った。マッハ2の速度で矢は

紅魔館の方向へと飛んで行く。

 

 

サクラ「...さて、返事が帰ってくるまで

ゆっくり休むとしようかな。」

 

霊夢「あんたそこにいたの?」

 

サクラ「あ、霊夢。なにしてんの?」

 

霊夢「それはこっちのセリフよ。

あんたこそ何してんのよ?」

 

サクラ「んー...なんて言うか...

レイスに移住してもらおうと思って。

その手伝いをしていた。」

 

霊夢「ふーん...まぁ、良いわ。そろそろ

昼食よ。早く作ってね。」

 

サクラ「あー...了解。また三人分?」

 

霊夢「いえ、今回は私たち二人分で良いわ。

魔理沙は来ないみたいだし。」

 

サクラ「...そう。じゃあ作るとするかな...」シュンッ

 

 

そう言ってサクラは当たり前の様に瞬間移動

を行い、台所に移動した。

その直後、包丁で切る音や煮込む音が

聞こえ、食欲を促す良い匂いがしてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜10分後〜

 

 

サクラ「ふぅ...ご馳走様っと。

お。返事が来たか。どれどれ...」

 

 

『話はついた。魔法の森に移住する。』

 

 

サクラ「ふむ...移住してくれるか。なら

話は早い。当日ここに来てもらうよう

手紙を書いてっと...良し。」

 

 

短く纏めた手紙を矢に結びつけると

先程のように矢を番え、弦を引き絞り

空高く放った。先程より速く、

風切り音をたてて飛んでいく。

 

 

サクラ「取り敢えずこれで準備は大丈夫か。

...後はいつこれが実行出来るか、だな。」

 

 

サクラは静かに神社の屋根で一人考える。

何を考えてるかは...本人しか分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜紅魔館〜

 

レイス「...じゃあ、レミリア、頼むぞ。」

 

レミリア「分かったわ。

...神槍『スピア・ザ・グングニル』!」ブンッ!

 

 

レミリアはレイスに向かって、空中から

勢いよくグングニルを投合する。

レイスは剣を使わず、素手である。

 

 

レイス「輝天『光の核石(コア)』!」カッ!

 

ガギギギギギギッッ...バギィィン...

 

 

レイスがスペルを発動させると、

槍とレイスの間に黄色の宝石...『核石(コア)』が

現れ、瞬時にバリアの様な物が槍を防ぐ。

金属同士が擦れ合う様な音をたて、激しく

せめぎ合う。そして少しすると槍が先端から

罅が入り、粉々に砕けて消えた。

核石も役目を終えたと同時に光の粒子と

なって消えていった。

 

 

レイス「ふむ。強度は問題なし...、と。

これなら咄嗟の防御には使えそうだな。」

 

レミリア「結構全力のグングニルだったの

だけれど...それでも敵わないのね。

どれだけ硬いのよ、その...核石?ってヤツ。」

 

レイス「あぁ...確かサクラが全力で

魔法攻撃してやっと壊せる位だったかな?

俺の妖力を超圧縮して出来た核石だ。

それくらい硬くないとな。」

 

レミリア「それ使われたら誰も勝てないんじゃ

無いのかしら...?硬すぎるし。」

 

レイス「ちなみにさっきの硬さで本気の40%

位の力だったりする。」

 

レミリア「えぇ...。(ドン引き)」

 

 

フラン「レイス!私と弾幕ごっこしましょ?」

 

レイス「お?まぁ良いけど、ちょっと

待ってくれな。準備をしたいからな。」

 

フラン「準備?まぁ良いや!待ってる!」

 

レイス「んじゃちょっと待っててな。」

 

レミリア「私はテラスにいるわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜五分後〜

 

 

レイス「良し。準備完了。始めようか。」

 

フラン「...レイス?一体その格好はなに?」

 

 

今のレイスは、翼が四枚あり、上の二枚は

いつも通りの龍の翼だが、下の二枚は

小さく下に垂れ下がった天使の翼になっている。

頭にはいつもの二本の角は無く、勇儀の様に

額から一本の灰色の大きな角が生えている。

尻尾はいつも通りの龍のしっぽである。

 

 

レイス「何となくだ。そんなに力は

いつもと変わらん。いつも通り戦えばいいんだ。

...んで、もう始めても良いか?」

 

フラン「あっ!うん。もう始めるよ!

ルールは...相手を倒せれば勝ちで!」

 

レイス「了解した。じゃ、行くぞ。」

 

 

 

 

 

レイス「竜華閃符の三十六『双獄龍撃破』!」

 

フラン「禁忌『恋の迷路』!」

 

 

開戦と共に二人が同時に広範囲のスペルを

発動させる。斬撃と弾幕がぶつかり合い

次々と爆発が起き、周りの弾幕も巻き込まれ

爆発していく。数分もしない内に

二人のスペカは終了し、爆発の煙が後に残る。

 

 

レイス「...まぁ、さすがにこれだけじゃ

被弾はしないよなぁ...。」

 

フラン「流石レイスだね!私と弾幕ごっこして

こんな簡単に対抗出来たのは、多分

お姉様の次にレイスが初めてだよ!

行くよ!スペルカード二枚目!

禁忌『フォーオブアカインド』!」

 

レイス「多分とかあんまり嬉しくないなぁ...

なら...ちょっとやってみるか。

分身『ツインズドラゴン』。」

 

フラン達「っ!?レイスが二人になった!?」

 

 

分身「それじゃ...」

 

レイス2「本気で行くとしようか!」

 

Wレイス「連携術『双刃竜撃』」

 

 

二人のレイスはそれぞれ輝と宵を

片方ずつ持つと音速で飛び始め鋭い

斬撃の弾幕を連携プレーで当てていく。

 

 

フラン1「くっ...早すぎて目が追いつかない...!」

 

フラン2「痛っ!...防御が間に合わない...!」

 

フラン3「えい!やっ!とぉっ!」ブンッ!ヒュッ!キィン!

 

フラン4「この...!『きゅっとしてドカーン』!」

 

 

分身「!ぐはっ...」ドォン

 

 

フランの能力により、分身は一瞬で砕け散り

分身が持っていた輝は床に突き刺さった。

 

 

レイス「おっと、それを忘れていた...。

流石にそれは耐えられんな...。」

 

フラン達「行っくよー!

禁忌『レーヴァテイン』(×4)!」

 

レイス「蒼天『水の核石(コア)』!」カッ!

 

 

先程の様な、今度は水色の核石が現れ、

フランの四つのレーヴァテインを防ぐ。

 

 

ピシッ...

 

 

レイス「なっ!?罅が...!?」

 

フラン達「...!何これ...硬い!」

 

レイス「『再生の輝き』!」

 

 

レイスはすぐさま核石を再生させ、

破壊されるのを防ぐ。しかし...

 

 

フラン「『きゅっとして...」

 

レイス「しまっ...」

 

 

 

 

 

 

フラン「『ドカーン』!」

 

 

パキィィィィン...

 

 

レイス「...油断した...」

 

フラン達「はぁぁぁぁ!!」

 

 

ズバァっ...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイス「いてて...強く打ちすぎたか...」

 

フラン「やった!レイスに勝てた!」

 

レイス「同じ技にやられるとか

俺も油断したなぁ...負けは認めるが。」

 

 

 

あの時、水の核石がフランによって砕かれた後

咄嗟に宵で一つのレーヴァテインは

止められたが、残りの三つのレーヴァテインは

止める事が出来ず、モロに攻撃を受け、

レイスは地面へと背中から落ちてしまった。

 

 

レイス「...やっぱりこの技もまだ改良が

必要みたいだなぁ...うーん...。」

フラン「レイスー?聞こえてるー?」

 

レイス「ん?あぁ聞こえてるよ。何だ?」

 

フラン「レイス負けたんだし、フランの

お願い聞いてくれるよね?」

 

レイス「...お願いとは?」

 

フラン「また背中に乗せて?」

 

レイス「あぁ...それくらいなら...」

 

 

 

 

 

その後、レイスは三時間以上フランに

乗り回されていたそうな。

 





どうでもいい裏話

核石についての元ネタはパ○ドラの
ヘキサゼオンから持ってきたものだったりする。

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