東方神竜伝 ~幻想入りした二人の物語~   作:★sophia★

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まさか1ケ月以上も空いてしまうとは...
待たせてしまいすみませんでした。


第五十四話幻想郷の大花火(前編)

〜紅魔館〜 〜お昼すぎ〜

 

ー屋上

 

 

レイス「ーーー、ーーーー。ーーー...」

 

 

...現在、レイスは目を閉じ、深く祈っている。

レイスの周りには、大気中のマナが

ゆっくりと集まっていく。

マナとは空気中を漂う妖力や魔力の事である。

 

 

レイス「...良し。『火之迦具土神(ヒノカグツチ)』。」

 

 

レイスは『神降ろし』を行い、

日本神話の神、『火之迦具土神』を

その身に降ろした。

レイスは目を閉じている時、

火之迦具土神に力を貸してくれる様

頼んでいたようだ。

頼みをきいてくれたのか、レイスに

変化が起きた。レイスの周りには

激しく、赤く燃える炎が現れ、その炎らは

纏まってゆき、やがて形を定めた。

炎の身体で創られ、赤く輝く、炎の龍が。

 

 

レイス「...うむ。これならいい攻撃に

なりそうだな。名付けるなら...

神降『火之迦具土神』かな?」

 

 

 

上手く神降ろしを成功する事が出来た

レイスは満足し、神降ろしを終えた。

 

 

レイス「後はこれを戦闘で生かせるか...って

所だな...。さて、一休みしようかねぇ...」

 

 

背伸びをしながらレイスは屋内へと戻っていく。

...その時、世界が灰色に染まり、止まった。

 

 

レイス「...やっぱり咲夜か。何か用か?」

 

咲夜「はい。至急玉座の間まで来てくれとの言伝を

お嬢様と妹様から承っています。」

 

レイス「了解した。...後で紅茶を頼む。」

 

咲夜「承知致しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

レイス「さて、行くとするか。」

 

 

レイスはおもむろに宵を抜刀し、構える。

 

 

レイス「...『時空切断』。」ザシュッ

 

 

レイスは真下に剣を振る。

それだけ。

斬撃ではなく、空間には大きな切れ込みが

入る。そこには紫の使う様なスキマ...

ではなく、光を放つ空間の狭間が

存在していた。

 

 

レイス「ここを降りれば直通のはずっと。」

 

 

レイスはそのまま光を放つ狭間に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜玉座の間〜

 

 

レイス「よいしょっと。無事到着。」ドスッ

 

 

重々しい着地音と共に、

レイスは玉座の間に着いた。

 

 

レミリア「...せめてドアから入りなさいよ。」

 

レイス「最短ルートで来たからさ。

普通に移動するよりこっちが楽なんだ。」

 

レミリア「まぁ良いわ。もうじきフランが

来るから。あの子のお願いを聞いてあげて。」

 

レイス「...?まぁ分かった。」

 

 

 

 

 

 

五分後

 

 

フラン「レイスー!見て見てこれ!」

 

レイス「おお。フラン。来たのか。

それは...文々。新聞か?どれどれ...」

 

 

 

 

『○月✕日、幻想郷にて花火大会を開催』

 

 

 

レイス「...花火大会か。行きたいのか?」

 

フラン「それもあるけどー...ここ見て。」

 

レイス「ん?」

 

 

 

 

『レイスさんは、花火大会を

手伝って欲しいので来てください。By文』

 

 

 

レイス「...ちょっと行ってくる。『時空..」チャキ

 

 

レイスは輝に手をかけ先程の空間の狭間を

作り出そうとする。

 

 

フラン「待って待って!まだ続きあるよ!」

 

レイス「えぇ?...ほんとだ。なになに...」

 

 

『レイスさんが来て頂ければ、

紅魔館の皆様には特等席をご用意致します。』

 

 

レイス「『時空切断』」ズバッ

 

 

続きを読み終わるや否や

レイスは止める間もなく

一瞬で空間の狭間に飛び込み姿を消した。

 

 

フラン「あ、...止める前に行っちゃった...。」

 

レミリア「すぐに帰ってくるでしょう。

それまで待っていましょう。」

 

フラン「うん...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜妖怪の山〜

 

 

レイス「よし到着。文は何処にいる...?

...アレで探してみるか。『探知(サーチ)』」

 

 

いつかサクラがやっていた妖力による範囲探知

を発動させる。にとりや雛、早苗や神奈子に

諏訪子、椛や他の天狗たちの反応があった。

 

 

レイス「...文の反応は無いな...山には居ないのか?

...別の場所へ行ってみるか...。」バサッ

 

 

レイスは飛び立ちどこかへ向かう。

...この時、レイスの膨大な力を感じ取った

天狗たちは、しばらくこの時の事が

話題になったそうな(本人は全く知らない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜人里〜

 

 

レイス「ここなら居そうだな。『隠密魔法(ステルス)』」

 

 

レイスは自らの姿を消し、足跡を残さないように

浮いて移動し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー鈴奈庵ー

 

 

 

レイス「ここか...来たのは二回目だったか...。

...中から話し声が聞こえるな。」

 

 

(※レイスは以前に小鈴に会っています

ただ話にしていないだけで。By中の人)

 

 

文「どうもー小鈴さん。新聞は売れてますか?」

 

小鈴「ええ...まぁ、そこそこは...。」

 

文「最近、なんか売上が落ちてますねぇ...

やはりネタが少ないからですかねぇ...。」

 

 

どうやら、二人は文々。新聞について

話しているらしい。未だに小鈴は

妖怪である文に慣れていないようだが。

 

 

レイス「...『蛇龍形態』。」シュンッ

 

 

レイスは透明状態のまま蛇の姿に変化し

姿を表すと共に素早く入口を潜り

本棚の影に隠れた。

 

 

文「...ん?今何か通った...?」

 

 

レイス「(流石に妖怪。この

程度でもバレるか。...面倒な。)」

 

 

小鈴「どうかしましたか?突然

後ろを振り向いて...」

 

文「...いえ。なんでもありません。

では、新聞、お願いしますね。では。」

 

 

 

 

 

 

レイス「逃がすか。『雷蛇の牙』」バチィッ!

 

文「あばばばばばばっ!?」ビリビリッ

 

小鈴「うわぁっ!?」ガタッ!

 

 

レイスは文の死角から素早く飛び出すと

文に向かって強い雷を纏った牙を突き立てた。

その一撃はまるでスタンガンのように

文を痺れさせた。文は意識こそあるが

全く動けないようだ。

 

 

レイス「ようやく見つけたぞ。新聞...

あれについて説明をしてもらおうか。」

 

文「わ...わかりました...。」

 

レイス「んじゃ、小鈴、迷惑かけたわ。

今度また寄ることにする。それじゃ。」

 

小鈴「は、はい...。ありがとうございました...」

 

 

そう言うとレイスは蛇龍形態からいつもの

竜人形態へと戻ると

文を尻尾で持って出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小鈴「あれが龍の力...恐ろしい...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜人里 里の外れ〜

 

 

 

レイス「...で、文よ。一体あの新聞は

なんだ?露骨に人を呼び立てて...。」

 

文「...レイスさん人では無いですよね?」

 

レイス「うるさい。そこに突っ込むんじゃない。」

 

文「あやや...。...まぁ、とにかく、新聞に

貴方の事を招集した意味なんですが、

...今年の夏、二日後の夜にある花火大会、

それは分かりますね?」

 

レイス「あぁ...。」

 

文「その花火大会で、人手が欲しいのです。

ちなみに、人手を要求してるのは

河童です。主ににとりさんに頼まれました。」

 

レイス「だからってなぜに俺を...」

 

文「そりゃ貴方鬼並に怪力の持ち主ですし。」

 

レイス「さいですか...。ならとりあえず

にとりに会いに行くとするか...」

 

文「あ、はい。わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜青年移動中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜妖怪の山付近〜

 

 

レイス「よし、勝負は俺の勝ちだな。」

 

文「あやや...まさか幻想郷最速の私が

速度で負けてしまうとは...」

 

 

 

この二人は、目的地の場所まで勝負をしていた。

人里から、妖怪の山までの距離を。

文は全力で速度を出していたようだが、

それでもレイスには敵わなかったようだ。

 

 

レイス「まぁ、この『加速形態』は

速度に特化してるからな。それだけ速いのさ。」

 

文「それでいて殆ど飛行音が出ないってのも

明らかにおかしいと思うんですけどね。」

 

レイス「そうか?」

 

 

現在レイスは元の竜人の姿に戻っているが

さっきまでは空でマッハを軽く超える

速度で駆け巡っていた。その速度は文を

いとも容易く翻弄出来るほど。

 

 

レイス「...まぁ、空気抵抗とかを極限まで

能力で消しているからな。...それより、

用があるのはにとりだったか?」

 

文「あ、はい。そうですね。」

 

レイス「ふむ...ならもう少し急ぐとしよう。

変化『加速形態』『サイレントブースト』」ヒュオッ

 

文「...またこの形態ですか。」バシュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜にとりの工房〜

 

レイス「にとりー、いるかー?」コンコン

 

 

にとり「はーい、今行きまーす。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

にとり「どなたですかーってレイス?

私に何か用かい?」

 

レイス「?俺は文に言われたから来たんだが?

何かの手違いか?」

 

にとり「あ、もしかして花火大会のアレ?」

 

文「そうです。それにレイスさんを

加えられないでしょうか?」

 

にとり「んー...まぁ、適任っちゃ適任か。

まぁ大丈夫だと思うよ。説明は?したの?」

 

レイス「何も聞いていないぞ。取り敢えず

ここにここに来るよう言われただけだ。」

 

にとり「なら、私が教えてあげる。

上がってどうぞ。中で説明するよ。

...あ、文は入らないでね。河童の

企業秘密があるから。一応ね。」

 

文「あやっ!?そんな!」

 

レイス「それじゃあな。

また会おう。転移『バシルーラ』。」

 

文「え、ちょ待っt(バシュッ

 

 

魔法を詠唱すると文はどこかに消えてしまった。

...それでもすぐ戻ってきそうだが。

 

 

にとり「...レイス?文をどこにやったの?」

 

レイス「妖怪の山のどこかに飛ばした。

後悔も反省もしていない。」

 

にとり「ま、まぁいいや。どうぞ。」

 

レイス「おう。お邪魔します。」

 

 

 

 

 

 

 

to be continued..

 




花火大会は予定では前中後編の3Partで
終わらせたいと思います。

気軽に感想お待ちしております。
次回をお楽しみに。

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