東方神竜伝 ~幻想入りした二人の物語~   作:★sophia★

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第六十三話第二の壁・天空の神雷

天雷の街・ケラヴス

 

コロシアム

 

シャラ「さぁ!行きますよ!『伝来する雷』!」

 

 

シャラギアは雷を操り、コロシアムに

雷をランダムに落とし始めた。

コロシアムに轟音が鳴り響く。

 

 

シャラ「貴女に避けられますか?

『雷鳴牙突』...せいやっ!」

 

 

シャラは彩雷を片手でクルクルと回転させ、

その回転でプラズマを作り出す。

その回転速度を維持したまま、高速の突きを

繰り出した。速度は、軽く音速を超える。

 

 

サクラ「っ!『見切り』!」

 

 

瞬時に音速の槍を見切り、回避する。

少し遅れて、突きの音が鳴る。

突きの軌跡にあった壁が突きの風圧で崩れる。

 

 

サクラ「はっや...。」

 

 

サクラは思わずそんな一言を漏らす。

しかし、シャラギアの恐ろしさはここからだ。

 

 

シャラ「...『雷竜の牙』『煌めく雷翼』」

 

サクラ「...!同時使用...っ!」

 

 

技の同時使用。残像の見える様な素早さで、

上下からの牙の様な雷、左右からの

鋭い刃の様な羽型の雷を幾つも放つ。

 

 

サクラ「咲き誇れ。『幻想桜花』」

 

 

多勢には、多勢。そう言わんばかりに

桃色の桜の花弁の様な弾幕をばらまく。

それらは相殺し、小さな爆発が起きる。

 

 

シャラ「まだですよ。...せいっ!」

 

サクラ「危なっ!...このっ!」

 

 

シャラギアは的確な突きを放ち、

サクラはギリギリで躱し、反撃で矢を放つ。

 

 

シャラ「そんなの、当たりませんよ。」

 

 

いとも容易く、あしらう様に矢を弾く。

段々と、シャラギアの纏う電気が強くなっていき、

コロシアム上空の雷雲も強くなる。

 

 

シャラ「...『雷霆斬』『瞬雷』」

 

 

瞬時に後ろへ退き、瞬間で槍を横に振り、

雷を纏った斬撃を繰り出す。

それと同時に、上から雷を落とし、

サクラへと攻撃する。

 

 

サクラ「『反結界』『避雷針』」

 

シャラ「あら...防がれましたか...。

やはり、力が出ませんね...。まぁ良いです。」

 

サクラ「...どうでもいい。『狐火』」

 

シャラ「『閃光音撃弾』」

 

サクラ「!?このっ...!」

 

シャラ「そんな小さな炎で、私は倒せません。」

 

サクラ「...『終結の神弓』っ!」

 

 

サクラは、炎の長を倒した、あの技を放つ。

 

 

 

 

 

 

シャラ「そんなものですか...残念です。

...これで終わりにしましょう。『雷天』」

 

 

なんと、シャラギアはサクラの矢を

片手で払い除ける。そして、

シャラギアは彩雷を掲げ、雷雲から雷を落とす。

それは彩雷に落ち、閃光を放つ。

雷のオーラがシャラギアに纏い付く。

 

シャラギアの目が金色に強く輝き始め

同時に、直視出来ぬ程に雷が光を放つ。

やがて、『それ』は形を留める。

 

 

 

サクラ「...!これは..かなり...まずい...」

 

 

サクラの見たもの。それは───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、雷が形を変えた、

彩雷に纏わり着くように、放電しながら輝く。

 

 

 

シャラ「さぁ...これが私の切り札です...

最後の技、行きますよ...!」

 

 

 

シャラギアは翼を大きく拡げ、上空へ飛ぶ。

さらに、雷が勢いを増し始める。

 

 

 

 

 

サクラ「ただいるだけなのに、ピリピリ

としてるなぁ...まぁ今はいいや。...レイスよ。

お前の技、ちょっと借りるぞ。『龍剣』。」

 

 

サクラは、その小さな丈に合った、

元々レイスが所持していた『白黒双大剣』

の片割れ、『輝』を創り上げる。

 

 

サクラ「...雷の対処法はただ1つ。」

 

 

 

シャラ「さぁ...行きますよ!

これが最後...『天龍・神鳴り落とし』!」

 

 

シャラギアが上空から、龍の形をした雷と共に

己が愛槍『彩雷』をサクラへ統合する。

彩雷は、シャラギアの力により、実体無き

雷の塊と化している。

 

 

 

サクラ「...なら、私は受けてやる。」

 

サクラは、瞬間でワープし、シャラギア

最後の技、『天龍・神鳴り落とし』の

目の前に移動する。

 

サクラは、剣を構え、正面から雷を受ける。

剣を通し、電撃がサクラに流れ、痺れさせる。

 

 

サクラ「痛い...けど、怯んでいられない。」

 

 

意識を強く保ち、ダメージを最小限に留める。

そして、剣に雷を纏わせる。

 

 

 

サクラ「『零距離移動(テレポート)

攻撃上昇(バイキルト)』──

 

 

 

テレポートをすると同時に、攻撃力を上昇させる

テレポート先は...

 

 

 

シャラ「なっ...!?」

 

サクラ「神の雷、お返しするよ。

『伝来・神鳴り返し』」

 

シャラ「ッ!?...ああぁぁ...!」

 

 

反撃として、雷を纏った斬撃を

力を使いすぎたシャラギアへと叩き込む。

守る手段を持たないシャラギアに

これを守る手段はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャラ「申し訳ありません...×××...

 

 

 

サクラにも聞こえない程の小声で

そう呟くと、気絶したのか、

垂直に地面に轟音と共に墜落した。

頭から墜落したが、龍の強靱さなら

死にはしないであろう。

 

そして、気絶したからか、

コロシアムに降り注ぐ雷が止んだ。

 

 

サクラ「ぜー...ぜー...何とか...倒せた...。

しばらく...休んでおこう。」

 

 

かなり力を消耗したサクラは

少しの間、休む事にした。




雷の長・シャラギア

神竜族の長の一人。
属性の一つ、雷を操る。
非常に真面目な性格であり、
戦うのが得意な戦士系キャラ。
多彩な戦法を持ち、高速で攻撃する。


かなり極端な二面性の性格を持ち、
普段は結構なコミュ障であり、
話す事を苦手とする。戦闘になると
スイッチが入り、その強さの真価を発揮する。



次で九人目が現れます。
次回もゆっくりしていってね。

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