東方神竜伝 ~幻想入りした二人の物語~   作:★sophia★

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なんか長い...
三人目、水の長戦です。




第六十四話第三の壁・冷酷なる氷華

天雷の街・ケラヴス

 

 

サクラ「...完全には回復していないけど、

もう良いかな。『シッコクノウツシミ』」

 

 

最近良く使うシッコクノウツシミを使い

現在の状況を把握する。

 

 

 

 

 

サクラ「なるほど。残りは...一人。

場所は...『霧の湖』か。

なら、早く行かないとな。」

 

 

サクラは未だ気絶していると思われる

シャラギアに背を向け、ゲートを出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サクラ「おまたせ。そっちは終わった?」

 

霊夢「えぇ。何とかね。サクラも大丈夫だった?」

 

サクラ「結構な痛手はあったけど、

それでも倒せた。...次で最後だ。」

 

霊夢「わかってるわ。魔理沙がもう

向かってるわ。霧の湖...よね?」

 

サクラ「そうだね。...行こうか。」

 

霊夢「えぇ。いきましょ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧の湖

 

 

サクラ「いつもより霧が濃い...

ゲートは...あれか。...今までのとは

何か違うな。なんで縦向きなんだ?」

 

霊夢「そんな事はどうでもいいわ。

早く行きましょう。」

 

サクラ「...まぁそれもそうか。行こう。」

 

 

意を決して、ゲートの中に入る。

魔理沙もきっと中にいるだろう。

 

 

『冷酷なる氷華』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷華の街・フリネア

 

コロシアム

 

魔理沙「おっ、二人とも来たか。

何故か知らんが、ここの偉いやつは

いないっぽいぜ。」

 

サクラ「そうなのか...どうする?」

 

霊夢「まぁ、いないなら、来るまで

待っていましょう。」

 

サクラ「それにしても、ここは...寒いな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『おや、既に来ていましたか。

...予定より少し早いですが...まぁ良いでしょう。』

 

 

サクラ「!この声...!」

 

霊夢「あんた...あの時の!」

 

魔理沙「もしかして...里を襲ったやつか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍『ようこそ。氷華の街・フリネアへ。歓迎...

は、致しませんが、最後の戦いと行きましょう。

目的は勿論ここの長を倒すことですよね?』

 

サクラ「その前に...レイスはどこだ?」

 

龍『...教える事はありません。』

 

 

そう言って、龍は蒼色の『龍王の玉座』へ

飛び、近くに立つ。そして、コートから

大きな氷の塊...に見える鍵を取り出した。

そして、足元にあった鍵穴に差し込んだ。

 

 

龍『一度入ったのならば、覚悟はしてますね?』

 

 

龍は、そう言うと、鍵を回す。

そして、仕掛けが作動し始めた。

ゲートが消え、氷の壁が周囲に現れた。

 

 

サクラ「お前...正体はもしかして...」

 

 

龍『...もう隠し通す意味もありませんね。

そうですね。ここで明かすとしましょう。』

 

 

そして、その

顔を隠すコートを脱ぎ去った。

その下に現れるは───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シラハ「改めて...私の名はシラハ。

神竜族の長の一人であり、

全ての水を司る水神です。

私が最後の長として、全力で

貴女達の御相手を致しましょう。

 

 

 

そう名乗るは、腰まで届く白い長髪、

澄んだ蒼色の瞳を持ち、腕に黒の

ロンググローブに暗い青のドレスを

身に纏い、ロングブーツを履いた

竜族最強の名を持つ神竜。

 

 

特徴的なのは、今までの龍達にあったものが

シラハには無い。...否。正しくは...『あった。』

誰が見ても疑問を持つ程のものが。

 

 

 

サクラ「...お前、なぜ翼が無いんだ?」

 

シラハ「...無い訳ではありませんよ。

...これは、失っただけです。」

 

 

シラハの背をよく見ると、髪に隠れているが、

千切れた様な痕のある、小さな翼があった。

 

 

シラハ「...そんな事、今はどうでも良いのです。

貴女達は、私に挑みに来たのでは

無いのですか?この異変を止める為に!」

 

 

サクラ「...そうだった。霊夢、魔理沙、

覚悟は出来てるか?」

 

霊夢・魔理沙「出来てるわ(ぜ)」

 

 

 

シラハ「なら...始めるとしましょう!

『天候変化・降雹』『幻獣召喚術・蒼明』

行きますよ、アスト。」

 

アスト「ガァァァ!」

 

 

サクラ「いきなり技同時使用か...!」

 

 

シラハは、一瞬で詠唱をし、中型の飛龍

...アストを召喚。

そしてその背に乗り、空へ飛び立つ。

それと同時に、自身の能力を発揮し、

コロシアム全体に雹を降らせ始める。

コロシアムの気温がすぐに下がり始めた。

 

 

サクラ「さっむ...だから嫌なんだよ。

氷属性...か?いや...それはあくまで派生...

...ならば、水と氷の二属性の使い手か。

今までの長達とは強さの格が違うな。」

 

 

シラハ「こんなの、まだまだですよ。」

 

 

そう言うと、コロシアム全体に満ち始めた

異常な冷気を自身に纏わせる。

そのまま手に冷気を収束させていく...

そして───

 

 

 

 

 

 

魔理沙「何だぜ...あれ...!」

 

サクラ「...今回も絶対面倒だな...」

 

霊夢「まぁ最後だし...何となくわかってたわ。」

 

 

 

シラハ「『氷華槍斧・水明』」

 

 

シラハが創り出したのは、その丈に到底合わぬ、

透き通る蒼い輝きを持つ魔石がはめ込まれた

とても大きな槍斧(そうふ)。所謂ハルベルトである。

その大きさは約四m弱あり、

溶けぬ氷で創られた鋭い刃と柄に、

込められた魔力の大きさや、

一瞬で創られたと思えぬ程の美しい装飾と、

どれもサクラの警戒レベルを引き上げるには

充分なものだった。そして、シラハは

創り上げ完成した槍斧を構える。

 

 

 

 

シラハ「...では、参ります...。

『氷砕刃・蒼命斬』『氷華の刃』」

 

 

シラハは水明を握り、アストから飛び上がる。

そしてそのまま水明をサクラ達の

方向へと構える。すると刃に氷が集まった。

そのまま水明を何度も振り、氷の破片を、

縦に大きく何度も振り、

氷の衝撃波をサクラへ飛ばす。

そして落下する途中で、アストに降り立つ。

 

 

 

 

霊夢「これくらいなら、まだ避けれる。」

 

サクラ「相当大きく回避する必要あるけどね。」

 

魔理沙「どうするんだ!?サクラ!」

 

サクラ「今は隙が無い。回避に専念しよう。」

 

霊夢「まぁ、それが安定よね...」

 

 

 

迫る氷の弾幕を躱しながらも、

次をどうするか話し合う。

すると、話が聞こえていたのか、

シラハが次の一手を繰り出す。

 

 

 

シラハ「『氷纏武装・フラネス』『氷の翼』」

 

 

シラハが、再び冷気を集め出す。

冷気は、シラハの全身を覆う。

すると、蒼色の鎧が現れ、シラハの四肢や

頭に装着された。さらに背に輝く

大きな氷の翼が生えた。だが──

 

 

シラハ「『変鱗・水楼の冥翼』『霞む霧雨』」

 

サクラ「来たか...属性変化...!!」

 

 

突然コロシアムの空気が変わる。

降っていた雹が降り止み、代わりに

霧のような細かい雨が降り始めた。

それと同時に、先程創られた氷の翼が

溶け始め、少しすると水で出来た翼になった。

 

 

シラハ「...穿て。『水明』。」

 

 

おもむろに水明を構え、音速を超えた速度で

水明を投合した。雨を切り裂き、

サクラへと向かう。

 

 

サクラ「『瞬間移動』」

 

 

咄嗟にワープし、水明を躱す。

目標を見失った水明は地面にぶつかると

意思があるかのようにシラハの手元へ

戻っていった。

 

そして、技の隙と見た霊夢と魔理沙が、半ば

不意打ち気味にスペルを放つ。

 

 

霊夢「神技『八方龍殺陣』」

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』」

 

 

 

シラハ「...『堅守の魔蒼石』」

 

 

蒼色に輝く魔石が現れ、鼓動する様に

共鳴している。すると、蒼い光と共に

薄い結界の様なものが現れ、シラハを包む。

その結界は、ふたつの強力なスペルを

受け、シラハを守り粒子となって消えた。

 

 

 

シラハ「その程度の攻撃、私には通じません。」

 

魔理沙「うっそだろおい...傷1つ入らんぞ。」

 

サクラ「まだ...今じゃない。」

 

霊夢「それってどういう...」

 

 

シラハ「『変鱗・氷華の晶翼』『止まぬ細雪』」

 

 

霊夢が話している時でもシラハは

攻撃を続ける。シラハが水属性から氷属性に

切り替わり、水の翼が氷の翼に、

天候が雨から雪へと変化した。

そして、氷の翼から羽型の氷の弾幕が

不規則に、そして大量に飛んできた。

 

 

霊夢「あいつ...隙はどこなの!?」

 

サクラ「どんな奴でも、絶対隙はある。

それまでこっちが耐え抜けばいいだけだ。」

 

魔理沙「うへぇ...こっちの体力が持たんぜ...

だが、...負けてはいられないぜっ!」

 

 

 

属性変化や他の長と違った戦法など

多彩な技を駆使し、サクラ達を苦しめるシラハ。

 

ひたすら技を躱し、シラハの隙を待つ

サクラに、段々と疲れが見え始めた魔理沙。

先程話を遮られて苛つき始めている霊夢。

 

どちらも、集中が続く限りは負けは無い。

 

 

 

 

サクラ「...あいつ、やっぱり隙が無さすぎる。

どうやって相手の防御を崩すべきか...」

 

魔理沙「相手の防御を上回る攻撃を

すればいいんじゃないか?」

 

霊夢「魔理沙?それが出来たら

苦労しないのよ?さっき二人分のスペカ

防がれたじゃない...。」

 

魔理沙「やって見なきゃわからんだろ?

やれるだけやってみようぜ!」

 

サクラ「ふむ。やってみるか。」

 

 

シラハ「…………………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シラハ「...準備は出来ましたか?」

 

サクラ「へぇ...。律儀に待っていてくれたんだ?」

 

シラハ「...べつに良いでしょう。

それとも、叩き潰していた方が良かったですか?」

 

サクラ「それだけは勘弁願いたいね。

まぁ、とりあえず受けてもらおうか。」

 

 

 

 

シラハ「………アスト、止まれ。」

 

 

 

シラハはアストへとその場で止まる様に呟く。

やがてアストはその場で静止してホバリング

をし始めた。シラハはアストの上に立ち

水明を構える。

 

 

サクラ「魔理沙、準備は良い?」

 

魔理沙「いつでもオッケーだ!」

 

サクラ「行くよ...『魔力覚醒』」

 

 

サクラは自らの魔力を操り、

一時的に魔力の上限を解除した。

 

 

サクラ&魔理沙

共鳴『アステルマスタースパーク』!

 

 

サクラが魔理沙へと魔力を流し、

魔理沙がミニ八卦炉からいつもの

マスパより太く、銀色に輝く光線を放つ。

元より魔力の多いサクラが上限を解除した

事で、その威力は計り知れない物となる。

 

 

 

 

シラハ「...っ!『堅守の大輝石』!」

 

 

シラハは先程よりも強く、

蒼く光り輝く魔石を創り出す。

先程よりも強い結界がシラハを守る。

光線と結界が衝突し、せめぎ合い、

破壊と再生が繰り返される。

 

 

シラハ「...罅が...っ!」

 

 

魔理沙「まだ...終わらないぜ!」

 

サクラ「...なら、貸して。私もやる。」

 

魔理沙「...なら、頼んだぜ!」

 

 

サクラ「もう一度だ...今度は私が。

共鳴『アステルマスタースパーク』!」

 

 

ほぼ最大限まで力を放ち、ニ人分の

力を八卦炉へと込める。すると、

さっきよりも輝きは増し、太さも増した。

...しかし八卦炉に罅が入り始める。

 

 

サクラ「まずい...もう少しだけ持ってくれ...」

 

 

 

光線が、止まることなく結界に放たれ続ける。

少しずつ、少しずつ傾き始める。

そして、ついにその時はくる。

 

 

 

 

サクラ&魔理沙

「これで...終わりだっ!」

 

 

シラハ「...っ!?あ、あぁぁ...」

 

 

光線が押し通り、結界を打ち砕く。

そのまま光線がシラハを撃ち抜く...はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

シラハ「あなた...なぜ...!」

 

アスト「ガァァァァ...」

 

 

なんと、アストは光線がシラハに当たる前に

シラハをその背から振り落とし、代わりに

自らがアステルマスタースパークを受けた。

明らかな大ダメージを受けたアストは

蒼色の粒子となり消えてしまった。

 

振り落とされたシラハは、そもそも翼が

ない為、飛ぶことができない。

背に氷翼はあるが、飛ぶ為のものでは無い。

故に、普通なら墜落する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シラハ「...『制限解除(リミットブレイク)』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然サクラ達の視界が白く染まる。

ホワイトアウトだ。

それと同時に、何かが地面に

衝突した音が聞こえた。

 

 

 

 

魔理沙「何だぜ!?何も見えないぞ!?」

 

サクラ「これは...地雷踏んだな。」

 

霊夢「呑気に言ってる場合!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ホワイトアウトが突如晴れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

シラハ「...私は...竜族最強...だから...ここで

負ける訳には...いかないのです!!

『氷纏武装・フリネア』!」

 

 

シラハの目が強く、蒼く輝き始め、

新たな鎧が創られた。そして、

水明に水と、氷が集まる。

 

 

シラハ

「賢蒼龍『氷華槍斧・水明』

『氷水冥・蒼茫の白翼』」

 

 

水明がさらに力を増し、刃が長く鋭くなる。

それと同時にシラハも姿が変わり、

蒼いオーラの水と白のオーラの氷を同時に宿す。

背から新たに水と氷の混ざった翼が生える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サクラ「...魔理沙、まだ魔力残ってる?」

 

魔理沙「悪い、もう使い果たしたぜ...」

 

霊夢「私は平気だけど?」

 

サクラ「なら、動きを止められる?」

 

霊夢「...やれるだけやるけど、できても

何秒持つか分からないわよ?」

 

サクラ「問題ない。数秒あれば。」

 

魔理沙「私は...後ろに下がってるぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シラハ「...『滅氷刃』...はあぁっ!」ドガァッ

 

 

水明を斧のようにぶん回し、思い切り

地面に叩きつける。地面から氷の柱が

勢いよく突き上げてきた。

すぐに水明を引き抜き、すぐまた放つ。

あっという間に地面がボコボコになった。

 

 

サクラ「危ない危ない!『滅炎』!」

 

 

サクラも負けじと自分の周りの氷の柱を

炎で燃やし、氷を溶かす。

霊夢は自分の拳で殴って破壊している。

 

 

霊夢「危ないわねー...どんだけ出てくるのよ。」

 

サクラ「前から思ってたがお前ほんとに人間か?

なんでこれを素手で破壊できるんだ...?」

 

霊夢「失礼な。私は一応人間よ!」

 

サクラ「...さいですか。」

 

 

割と余裕のある二人である。

シラハも負けじと技を放つ。

 

 

 

 

 

シラハ「『蒼炎』!」

 

 

 

蒼い炎が、シラハの周囲に現れる。

それは、霊夢へと向かう。

 

 

霊夢「...青い炎?」

 

サクラ「危ない!『煌炎』!」

 

 

 

橙の炎と蒼い炎がぶつかり、爆発する。

それらは黒いエネルギーを発し、消えた。

どうやら、蒼い炎は冷たい物質

で出来ていた様だ。

 

 

 

シラハ「...埒が明かない。...これで終わりに

するとしましょうか。『氷の大地(アイスフィールド)』」

 

 

シラハはコロシアムの地面を硬い氷に変化する。

そのまま、水明を思い切り地面に叩きつけ

硬い氷を叩き割る。すると、割れた氷の

破片が辺りに飛散し、浮遊し始める。

 

 

 

 

 

 

そして、見た目からは考えられぬ

脚力で氷塊と共に一気に上空へ飛び上がる。

そして、サクラ達の頭上に無数の

氷の塊が出来た...

 

 

 

サクラ「...霊夢、護れるか?」

 

霊夢「...こうなったら、やるしかないわね...。」

 

 

二人は、お互いを護る様に結界を

張り巡らせた。結界から感じられる力は

これまでのどの戦いの時よりも強力だ。

 

 

 

 

 

 

シラハ「...『水神彗星群・氷龍』」

 

 

 

 

シラハが、空に浮かぶ沢山の氷塊を

地上目掛けて彗星の如く落下させる。

それは、まるで氷の龍の様な威圧感を放つ。

一部はシラハの足場として残っているが、

それでも異常な数だ。

 

 

 

 

 

 

サクラ「...っ!流石に量が多すぎるっ!

こんなんじゃ結界はすぐ壊れる!」

 

霊夢「なら、どうするって言うの?」

 

サクラ「...全部避ければ良い!」

 

霊夢「...あんたならそう言うって思ったわ。」

 

 

 

 

シラハ「これで...終わりですっ!」

 

 

上空から叫び、轟音と共に氷の龍となった

彗星を無差別に落とす。

威力だけ見るならば、どの長よりも強いだろう。

 

 

 

最初の彗星が二人の結界に衝突する。

当然の様に、結界はガラスの様な音を立て

砕け散る。すぐさま二人はその場から離れ、

彗星を避け始める。

サクラは瞬間移動も使いつつ、反撃の

矢をシラハに撃ち込む。

霊夢は持ち前の才能で彗星を全て避ける。

時々当たりそうな時は陰陽玉で

軌道を少し反らす事で回避をした。

それを繰り返しているうちに、

少しずつ彗星の勢いが弱まってきた。

見ると、シラハが息を切らし、疲弊している。

これをチャンスと見たサクラは、指示を出す。

 

 

 

 

サクラ「今だ!霊夢!決めちゃって!」

 

 

 

霊夢「わかったわ!...食らいなさい!

ラストワード!...『夢想天生』!」

 

 

 

霊夢は瞬時に彗星群の隙間を掻い潜り

シラハの目の前に移動する。

そして、霊夢の最大の切り札、『夢想天生』を

発動させた。慌ててシラハが水明で

攻撃をするが、...すり抜けた。

当たり前である。霊夢は、

今、全てから浮いているのだから。

 

そして、力を殆ど使ってしまったシラハは

せめてもの抵抗なのか、水明でガードする。

しかし、無意味だった。

無数に陰陽玉から放たれた弾幕が、

シラハの水明を、鎧を打ち崩し、貫く。

 

 

そして、弾幕が止み、

夢想天生が終わった─────

 

 

 

 

 

 

シラハ「……………………。」

 

 

霊夢「これで...倒れたでしょ!」

 

 

 

 

シラハ「終わっ......た......」

 

 

それだけ言うと、支えを失ったように

地面へと落ちていった。

ここはかなりの上空。例え龍でも、

重症のみであれば、無事ではないだろう。

 

 

霊夢「...っ!やっば!急がないと...!」

 

 

すぐさま急降下し、シラハを追う。

しかし、この速度では、間に合わない。

下にはもう地面が見えている。

 

 

 

 

霊夢「これじゃ...間に合わない!」

 

 

 

 

 

ふと、何処かから風を切るような音が

聞こえる。それは、どんどんと近づいてくる。

 

 

 

 

 

サクラ「...?この音は...?」

 

氷塊によって少し怪我をしたサクラは、

高速で落下するシラハを受け止める力は無い。

どこからか聞こえる風切り音の正体を探る。

 

 

 

音は近づき、シラハは地表に迫る。

その時、突如シラハの姿が消えた。

目の前の光景に、霊夢は思わず止まった。

そして、風切り音の正体が、地上に現れた。

...腕にシラハを抱えて。

 

 

 

霊夢「...っ!何よ、あれ...?」

 

 

 

それは、言うなれば色無き龍。

後ろを向いている為、顔は分からないが、

まるで色の抜けた様な灰色の髪、

体全体を隠す、真っ黒なコート。

髪と同じで灰色の鱗に、大きな灰色の翼。

見覚えの無い、紅い大剣。

顔が見えないが、この場にいる三人で、

唯一状況を把握出来たサクラだけが、

その正体にいち早く感づいた。

 

そして、灰色の龍は、シラハを龍王の玉座に

座らせ、ゆっくりと霊夢達の方へと向いた。

その顔を見た霊夢と、漸く復活してきた

魔理沙も、灰色の龍の正体が分かった。

 

 

それは、サクラ達が探していた者。

姿は変わっているが、見間違えるはずなどない。

最初に話し始めたのは、サクラだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サクラ「何故お前が今、此処にいる?...レイス。」

 

 

 

サクラに問われたレイスは、口を開く事無く、

その灰色の目を動かし、霊夢達を見る。

その瞳は、どこか虚ろげであった。

 

 




はい、という訳でレイスさんが
漸く帰って来ました。


水(氷)の長・シラハ

現在、竜族最強の名を持つ。
かなり冷酷な性格で、 火力こそ
メギラゼアやシャラギアに劣るが、
シラハの真の強さはその戦術と頭脳にある。
シャラギアよりも多彩な技を持ち、
メギラゼアは熱や火傷、
シャラギアは麻痺で相手を止めるが、
シラハは凍傷や寒気で相手の力を削ぐ。


これは一応出るかもしれないが裏話的な物

シラハは両翼を失っていましたが、
それだけではありません。シラハは、
左腕も昔に失っています。この話で
触れられなかったのは、自身の力で
氷の腕を作っていたのと、シラハ自身、
いつもロンググローブを付けている為
殆ど素肌が見えないからである。
ちなみにシラハのベースキャラはパ○ドラ
の究極リー○ェ。あの子ほんと強かった。


という訳で、3人の長戦は終わりました。
次回もゆっくりしていってね!

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