東方神竜伝 ~幻想入りした二人の物語~ 作:★sophia★
氷華の街・フリネア
サクラ「なぜ此処にお前がいる?レイス。」
レイス「...答える義理は無い。」
魔理沙「レイス...お前、何があったんだぜ!?」
霊夢「どう考えても普通じゃないわね...。
かと言って、偽物って訳でも無さそうね。
あの力、よく分からないけど間違い無く
レイスの物でしょうし。」
サクラ「あんな刀...前まであったか?
...いや、間違い無く持ってなかった。
あんなの、いつ手に入れたんだか。」
レイス「...まぁ、そんな事、どうでもいい。
お前らには、今すぐお帰り願おうか。
生憎、俺に帰る気は微塵も無い。」
サクラ「...それが此処にいる理由か?」
レイス「そうだ。分かったのなら、
早く幻想郷に帰れ。」
サクラ「言われて、はいそうですかって
帰る訳無いだろ。お前は無理矢理にでも
一緒に戻ってきて貰うぞ。」
レイス「...やはり、お前らは好きになれん。
どいつもこいつも、我が強い。
だが、俺もここで引き下がる訳には行かない。
そっちがその気なら────
───覚悟は出来てるよな?
サクラ「.........っ!?」ゾワッ!
静かに放った、レイスの言葉に、
今まで感じた事の無い恐怖。
思わずサクラは身震いし、毛が逆立つ。
咄嗟に後ろを見ると、霊夢は顔面蒼白に
なりながらも、歯を食いしばって耐えていた。
魔理沙は...見た事の無いレイスの不意打ちに
驚きを隠せないのか、呆然としている。
それでも、すぐに意識が戻り、レイスを睨む。
魔理沙「お前...本当は何者なんだ?
どうせ...記憶もとっくに取り戻してるんだろ?」
レイス「...あぁ。記憶は戻ったよ。
ついでに、お前らには教えといてやろう。
俺の今の姿についてな。」
そう言った後、背にかけられた紅色の大剣
を抜刀する。その刀身は禍々しく
赤黒い色へと染まっており、
明らかに普通の剣では無い。勿論
サクラはそれに気がついている。
サクラ「お前...その刀...それは何だ?」
レイス「ん?この剣か?これは...『幽幻刀』だ。
どんな刀かは...実際に試して見るといい。」
レイスは幽幻刀を軽く縦に振るう。
その太刀筋は赤い斬撃を作り出し
サクラ達へ向かう。
サクラ「...っ!回避っ!」
サクラはすぐに二人に回避を促す。
即座に全員が回避し、斬撃が着弾する。
すると、凄まじい音と共に壁が抉れる。
これで、刀を軽く振るった程度なのだ。
レイス「...まぁ、これしきでやられる
奴らでも無いよな...『虚無還り』」
レイスから溢れ出る力が少しだけ
高まり、それと同時にレイスは目を閉じる。
そして───
レイス「...『残影』」
サクラ「......っ!?」
...それは言うなら、見えない攻撃。
サクラですら認識の難しい神速の居合。
サクラは声を聞いて咄嗟に動こうとしたが
それでも間に合わず、刀に当たってしまう。
霊夢や魔理沙は、声すら出せず、
地面に倒れ伏せ気絶してしまった。
サクラはギリギリで持ちこたえたが、
当たり所が悪かったのか、意識が朦朧
としているようだ。
サクラ「...完全に...不意を突かれた...。」
レイス「……………………。」
その一言を区切りに、サクラの意識は
途絶えた。そして、レイスは幽幻刀を
背にある鞘に納刀する。...と、同時に
何も無い筈の空に語りかける。
レイス「...いるのだろう。八雲紫。」
紫「...!?」
レイス「...3人が目覚めたらこう言っておけ。
『もう戻る事はない』と。」
それだけを紫へ伝えると、玉座に座らせて
いたシラハを抱え、何処かへ飛び去った。
残された紫は急いで3人を回収する。
紫「...これは...非常に厄介な事になりそうね。」
紫は3人をスキマに回収し、急いで幻想郷
へと戻って行った。行先は永遠亭。
まずは、サクラ達を届けなければならない。
永遠亭
サクラ「ん...?...ここは...?」
サクラは、永遠亭のベッドの上で
目を覚ました。病院特有の匂いがする。
ちなみに現在の時間は約20:00頃。
既に日は沈んで真っ暗である。
永琳「あら、目覚めたかしら?」
サクラ「その声は...永琳か。
...という事は此処は永遠亭か...。」
永琳「そうよ。大急ぎで紫が
貴女達3人を連れてきたからね。」
サクラ「そうなのか...。
そうだ、霊夢と魔理沙は?」
永琳「まだ別の部屋で気絶しているわ。
貴女もだけど、暫くは安静にしてなさい。」
サクラ「......わかった。」
永琳「...それで?どういう事?状況を把握
したいから、詳しく説明してくれる?」
サクラ「レイスが記憶を取り戻した。」
永琳「...!...そうなの...で、何があったの?
貴女がやられるなんて、相当な事
があったんじゃないの?」
サクラ「...紫から何も聞いていないのか?」
永琳「えぇ。スキマで永遠亭の玄関付近に
送られてきたのをてゐが見つけたのよ。
だからそもそも会ってもいない。」
サクラ「なんだ...そうなのか...。
...ゲートに入って、龍を倒したんだけど、
そしたら...レイスが現れた。」
永琳「...そうなの。...ところで、首に
あるこの傷は何かしら?
見た所何かで叩かれた様な傷だけど。」
サクラ「あいつに居合で一瞬で終わらされた。」
永琳「...成程ね...。それにしても、
レイスにもまだ情けはあったのかしらね...。」
サクラ「...?どういう事?」
永琳「貴女達、レイスに居合された時
峰打ちされてるのよ。」
サクラ「......。」
上手く動いてくれない手を無理やり動かし
首の傷に触れる。そこには斬られた様な
痕の中に、痣の様な打撲痕があった。
永琳「...わかった?最悪、その状況なら
貴女達は殺されてもおかしくはなかった。
それでも貴女達を生かしたのは
何か理由がある筈よ。」
サクラ「あいつ...友としての情けだとでも
言うのか...?なら余計なお世話ってものだ。」
永琳「...何を考えてるかは知らないけど
貴女達ドクターストップだからね。
無理をしようものなら、
力ずくで止めるから覚悟しなさい。」
サクラ「...後が怖いから流石にしない。」
永琳「よろしい。」
サクラ達がそんな会話をしていると、
ドタドタと廊下を走る音が聞こえた。
走る音は部屋の前に来ると止まり、
それと同時にドアが勢いよく開く。
魔理沙「大丈夫かぜ!?サクラ!」
サクラ「...魔理沙か。一応大丈夫。
...あとここでは静かにしてくれる?」
魔理沙「お、おう。すまん...
...それより!また大変な事が起きたぜ!」
サクラ「...今現在でもレイスがいないと
言うのにか?...何が起きたの?」
魔理沙「...またひとつ、新しいゲートが
現れた。それもかなり大きいやつだ。
場所は幻想郷の上空だ!」
サクラ「どのくらいなの?」
魔理沙「...紅魔館くらい?」
サクラ「...どっちにしてもデカすぎるし
私は暫く動けないから。紫にでも
判断を下してもらいなよ。」
魔理沙「それもそうだが...もうひとつ
あるんだよ。言いたい事は。」
サクラ「まだあるの?なに?」
魔理沙「あー...それはだな...」
サクラ「...?」
レミリア「探したわよ。サクラ。」
フラン「やっほー!久しぶり!」
なんと、魔理沙の後ろから現れたのは、
日傘を持ったレミリアとフランだ。
近くには苦笑いしている鈴仙もいた。
サクラ「...レミリアに...フランか。何か用?」
レミリア「私達、あのゲートに向かうわ。
何か...あの奥にレイスがいる気がするの。」
サクラ「...それで?私に許可でも貰いに来たの?」
レミリア「いいえ。ただここには寄った
だけ。許可なんて此処では必要ない。
ただ...私達は行かなくちゃ行けない。
そんな運命が見えたのよ。」
サクラ「...そう。どっちにしても私は行かない。
...あの時何があったかは魔理沙か霊夢
にでも聞いて。私は少し寝たいから。」
レミリア「...そうさせてもらうわ。」
魔理沙「なら、霊夢のところにいくぜ。
あいつももう目を覚ましたはずだ。」
サクラと永琳がいる部屋を後にし、
レミリア、フラン、魔理沙は霊夢の元へ向かう
鈴仙は別の場所へ行ってしまった。
〜少女移動中〜
魔理沙「よう霊夢。調子はどうだ?」
霊夢「...割と良くない。」
レミリア「あら、博麗の巫女ともあろう
ものがそんな弱気でいいのかしら?」
霊夢「...レミリアか。何か用かしら?」
レミリア「...ゲートの先で何があったのか
教えて頂戴。私達は、あのゲートに向かうから。」
霊夢「...レイスが私達に剣を向けた。
そして、気づいたら意識を失って...
目を覚ましたらここにいた。」
レミリア「...ふむ。レイスが...。
...なら、尚更行かない訳には行かないわね。
...行くわよ。フラン。あのゲートの先に。」
フラン「わかったわ!」
魔理沙「私たちはここで待っているぜ
どうせここから動けないからな。」
幻想郷・天空
レミリア「ここね...なんて大きさなのかしら。」
フラン「この中に...レイスはいるの?」
二人の前にあるのは、不思議な力を感じる
白く渦巻くゲート。入る事以前に、
見ているだけでも気分が悪くなりそうだ。
レミリア「えぇ。恐らくね。それじゃ、
行きましょうか。」
レミリアはフランの手を握り、
ゲートへと飛び込む。
その先には何が待っているのか。
幽幻刀についての説明は次回で。