閃乱カグラ ケイオス・ブラッド   作:虚無の魔術師

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皆さん、GWですね。コロナ騒ぎがあるなか、自宅待機をしてる頃でしょうが、私の小説を読んでいただきありがとうございます。


私もGW中は小説書いたり、ゲームしたりしてるので。


九十七話 災厄新生

数年前の話である。

 

 

 

「……………ふぅ」

 

資料やコンピューターなどが山積みになった部屋で疲れたと言わんばかりに息を漏らす。男は─────カイル。ある時は善忍であったが、ある日を境に悪に堕ちた哀れな男。

この裏社会で経済に適した手腕と『烈光』の異能を使い、彼はついに蛇女子の有権者となれた。

 

────全ては究極の遺物、『聖杯』を手に入れる為に。

 

その手段として、『組織』はカイルに手を貸した。その頂点にいる『彼』と、悪魔の取り引きを。

 

 

「これで良いのか?スポンサーになった後はどうすればいい?」

 

誰もいない部屋にカイルが問いかけた。正気と思えない行為だが、これでも彼は未だに正気である。

 

 

 

ふと、パソコンの一つが起動した。

カイルが何かをした訳ではない、指一本も動かしてすらいないのだから。

その返答に答えるように、カチカチカチと白い画面に文字が刻まれていく。

 

 

『ご苦労、先の手順通りで君はそこの有権者になれた。早速だが新たな任務を与えよう』

「新たな任務、か。わざわざ蛇女子のスポンサーにさせたんだ、無関係という訳ではないんだろう?【混沌の王】」

『当然』

 

 

【混沌の王】。

カイルに色々と手引きをしていた黒幕の一人。何処かも分からない空間から、世界に影響力を伸ばし続けるモノ。

 

今も尚、電子機器からの応答をしている。本人は何処に居るか分からない、もしかすると世界の裏側にいると言われてもおかしくないだろう。

 

そして、【混沌の王】は組織の傀儡であるカイルに新たな命令を下した。

 

 

『数十体を貸し与える。期限内に独立した自我を得た最初のホムンクルスに炎の異能を与え、鍛え上げろ。今度のものは男女年齢は問わない』

 

「────組織も随分と無茶な要求をするな。10歳の娘がなったらどうするつもりだ?」

 

組織に関係のある人間からすれば、即座に抹殺されてもおかしくない発言だった。しかしそれをされない、彼自身も注意してないのは、カイルには価値があることを示している。

 

 

更に文字が画面に浮かんでいく。カイルは椅子に腰掛けながら目を通していた。

丁寧な文字は今での実験の過程と結果を綴っている。ついでに写真の画像も何枚か添付されていた。

 

 

「今までの被験体は5人か、全員少女なのに、今度は何でもいい、か……………それと全員同じ名前だな。ん?《追加事項》?」

 

 

白い画面には新しい文字が打ち込まれていた。あまり重要とは思えないほど簡素ではあったが、内容はあまりにも難解極まる。

 

 

 

『尚、対象の名前は過去のものと統一せよ』

 

「ものか…………この世界では感覚が歪みそうだな。被験体と言い、人の命を軽く扱い過ぎだ」

 

更に読み進めると被験体であった5人の少女は全員死んでいるらしい。死因は他殺、脆弱であった為に処分されたのだと。事細かく書かれているそれに、僅かに気味が悪くなってきた。

 

 

よく調べると、共通点は他にもある。

ホムンクルスを生み出してきた科学者の一人であるカイルでなかったら、違和感もなく見落としていたかもしれないもの。

 

 

(全員、身体の構造が他のホムンクルスと違う?………異能を継承した弊害か?)

 

肉体の構造が変異していた。弱ってきてるのはこれのせいでは無いのか? とは思うが、組織の考えは理解できない。

 

 

だが、最後の共通点だけは不可解極まる。対象に指定された名前、コードネーム。被験体たちと同じ名前、そうでなければいけない理由があるのか。

 

様々な思考に明け暮れたカイルは推測を進めた。その中で唯一解けない点を、彼は知らずのうちに呟く。

 

 

 

「『紅蓮』……………この名前に重要な意味でもあるのか?」

 

 

これで昔の話は終わる。ようやく現実へと引き戻されていく。とは言っても、知らなければ良かったと思わせるものでもあるが。

 

 

 

 

 

 

そして、物語は今に戻る。

 

 

「誰、だ……………?」

 

地に倒れていた紅蓮は右手の日本刀を杖のように使い、何とかして立ち上がった。ゴホゴホと咳き込むと赤い塊が出てくる。

 

朦朧とした視線は、目の前の男を捉えていた。高級そうなコートを着た金髪の男、道元を。

 

そして向けられた疑惑の視線に、道元はニヤリと笑みを浮かべる。正確ではない紅蓮の視界でも分かるほどの、悪趣味な笑顔を。

 

 

 

「私は道元。『混沌派閥』の協力者にして、蛇女子襲撃の元凶と言うべき男だよ」

 

は、と紅蓮は喉が震えていた。畏怖ではなく、純粋な怒りが込み上げてきたのだ。

 

自分達の母校、大切な思い出のある蛇女子学園に戦火を広げた一人が目の前にいる。その事実に紅蓮は感情を抑えられなかった、腕を失ったことも忘れほどに。

 

 

「お前が………………お前がッ!!」

 

「下手に動いてはいけないよ、君は重要な存在だからね」

 

人差し指を向けられ、それ以上は動けなかった。今にも飛びかかりたかったが、激しい疲労と現状を把握されてると冷静に判断できたからだ。

 

そして冷静な方が疑問を提示した。応じるように紅蓮は道元を問いただす。

 

 

「何で…………蛇女子を襲撃する必要があった」

「私を追放した復讐、それともう一つあるが聞くかな?」

 

 

あっけらかんと道元は答えた。更に話を続ける。

 

 

「聞いたと思うが、私たちの目的は君だよ」

「…………」

「君の殺害は正確じゃない、君をまた殺すことで目覚めさせるのだよ」

「また?俺は死んだ覚えはないぞ」

 

「何を言う、君は一度死んだのだろう?この場所で」

 

 

言われた事に眉をひそめるが、周りを見渡すことで紅蓮はその意味を察する。

 

この場所、少し違いがあるが間違いはない。焔たちを守るために紅蓮がカイルによって殺されかけた場所。

 

 

しかし道元は確かに死んだ、と言った。嘘でなければ紅蓮はこの場所で死を迎えている筈だ。

 

 

 

「ここまで色々としてきたからね。背に腹は変えられないと言うやつだよ。そして、君にはもう一度死んでもらおう」

 

 

平然と言い切る道元がパチン!と指を鳴らす。直後、陣に変化が起こった。

 

 

黒く黒く、おぞましい程の呪いが顕現したのだ。それも5つ、捻れるように重なったそれが─────陣の円から沸き上がった。噴水のように、周囲に放出される。

 

 

 

「─────は?」

 

流石の紅蓮も、目の前の光景に言葉を失った。自分がいた陣の周囲から溢れ出た黒い奔流、この世の呪いを体現した怨念の塊ようなもの。

 

いや、何故あれを怨念の塊と断言できたのか。紅蓮はそれすら確信できなかったが、あることだけは言える。

 

 

(アレを…………俺は知ってる!?)

 

ボゴン、と奔流が爆弾のように炸裂した。連続して風船のように破裂したかと思えば、無数の黒い手へと変わり果てる。

 

………黒い手とは言ったが、あれが本当に手なのか分からない。霞んだ手の形を保ってるように見えるのであって、確信したように言える訳ではないのだ。

 

蛇のようにうねった手腕が動きを止める。獲物を見つけたかのように────紅蓮に襲いかかってきた。

 

 

直後、体が勝手に動いていた。後ろへと飛んで、掴まるのを回避する。全身の感覚────恐怖が警鐘をならしたのだ。

 

あれを受けるな、絶対に死ぬ、と。

 

 

(何ッだあれ!手、なのか!?怨念、死?あの男が言ってたそれなのか!?そもそも、なんで俺を狙ってくる!?)

 

 

ほぼ反射神経で紅蓮は魔手を避けていく。炎を辺りに放てば、魔手は怯えたように炎から距離を取ろうとする。紅蓮は更に炎で焼き払おうとして、グラッとバランスを崩す。

 

 

死角から足首をガシリ、と掴まれていた。いつの間に、と思いながら切断しようと刀を振るうが、

 

 

グシャッ!! と潰れる音が脳裏に木霊する。折られた────いや、砕かれた。そう判断した直後に、激痛が襲ってきた。

 

 

「あ、ぁぁぁぁぁぁアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァっ!!!?」

 

骨や神経、まとめてやられた。配慮なんてものはなく無慈悲な激痛しか感じられない。唇を噛み締め、紅蓮は黒い腕を切り裂く。

 

 

 

「やれやれ、君も抗う。受け入れてしまった方が楽なのにねぇ」

 

「っ!」

 

道元が懐から取り出したのは、拳銃だった。明らかな凶器の一つだが、忍の社会にいる者がそれを使うのは少ない、拳銃で撃たれる忍など数少ないからだ。

 

それは紅蓮も同じ、日本刀を勢いよく構える。炎の刃で、道元だけでも倒そうと考えたのだろう。しかしそれも無駄に終わる。

 

 

振ろうとした途端、それ以上動けなかった。炎が発生する前に刀身に手が巻きついていた。紅蓮に抵抗させないと言うように。

 

 

更に紅蓮の動きを縛るように無数の魔手が伸びた。故に紅蓮は動きを制限され、道元に明らかな隙を与えてしまった。

 

 

 

 

「さようならだ─────■■くん」

 

 

パァン!! と銃声が響き渡る。火薬の匂いと濃い鉄の匂いが混じりあった。額に風穴を開けられた紅蓮は、仰向けに倒れそうになった。しかしそれを許さないものがある。

 

 

黒い無数の魔手、紅蓮の全身を縛り上げると陣の中心に引き摺っていく。意識の無く冷たくなった彼を、容赦なく。

 

中央に辿り着いた亡骸を包み込む。グジュグジュ、と巨大な球体となってまで。彼の存在を食い漁ろうとしている。

 

そうして、『彼』は二度目を死を迎えた。

 

 

 

 

 

 

咄嗟に顔をあげ、城の方を焔は見上げた。重症を負った総司を医務室に連れていこうとしていた最中だ。

 

何が起きているのか、焔は全貌を把握できてはいない。しかし嫌な予感だけが彼女の心に残っている。

 

 

 

「…………………ぐれ、ん?」

 

かつての出来事。この戦場で自分達を庇った事で一度目の死を迎えた青年の姿を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、と心地のよい風が肌を撫でた。不思議な感覚に紅蓮は思わず顔をしかめる。

 

 

「───────?」

 

目を開くと視界が眩しく、明るい太陽の光に照らされてると理解できた。起き上がろうと手を地面に当てるが、冷たい床の感触ではなかった。

 

 

草原、草木が生い茂った光景が周りに広がっている草原。小鳥の鳴き声が聞こえてきそうな───幸せな場所。

 

おかしい、と改めて思った。幸せそうな世界にいる紅蓮は、確かに先程の出来事を覚えている。

 

 

「…………俺は、あの時……」

 

────頭を撃ち抜かれて、黒いナニかに飲み込まれた筈。

 

言おうとしてその口が止まった。そうであれば死んでいる。けれど、確かに意識は残ってる。切断されていた左腕も再生している、というより無くなる前の状態に戻っているみたいだった。

 

 

(…………『器』、道元は確かにそう言ってた。もしかして、関係してるのか?)

 

思考が現実に追いついてない、今の紅蓮はそんな状態だ。

 

 

 

五人の少女が、そこにいた。白いワンピースと帽子を着た少女たちが楽しそうに過ごしている。楽しくその生き方を謳歌する彼女たちの姿に見覚えがあった。

 

 

家族にも等しい仲間たちだ、紅蓮はすぐに認知すると同時に、自分を取り巻いていた不安が和らいだ。

 

彼女たちの元へと走ろうとして、名前を口にしようとして───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『不確定因子、除去開始』

 

 

 

 

 

 

 

(あれ?でも、何でだろう?)

 

 

しかし、何も言うことが出来ない。

そうしてる中、頭の奥────脳に鈍痛が響く。咄嗟に押さえても痛みは引かなかった。あまりの激痛に膝をついて倒れてしまう。蹲りながら紅蓮は少女たちに何かを言おうとした。

 

 

 

(あの子達が、オモイダセナイ?)

 

 

■、■、■■、■■、■■。大切な仲間たちの名前、忘れる筈がないのに、声に出して呼べない。記憶の何処にも無いのだ、彼女たちの声が、姿が、思い出が。

 

全員の姿がノイズになったように歪む。分からない事が有り得ない筈なのに、それが決定的になってしまう。

 

とにかく、少女たちの元に行こうとした。近づけさえすれば、嫌でも思い出すだろう。頭を押さえながら動き出したが、紅蓮はそれ以上進まなかった。

 

 

 

一人の女の子が後ろにいた。自分の服の裾を引っ張り、引き留めるようにして。

 

 

清潔感のないボサボサの茶髪、布切れのような白い服、両手首と足首には錠でも付けられたのか痕になって残っている。歳は10歳くらいだと思える、紅蓮とは明らかに(見た目と比べれば)歳の差が開いていた。

 

他に言うとすれば────、

 

 

(この子………昔の俺みたいだ)

 

濁ったような眼に、感情の無い顔つき。人形のようだ、という意味だ。初対面の時からそうだったらしく、よく言われていた。

 

同時に、世界が切り替わっていた。スッと青空に無数の暗雲が差す。一瞬で暗闇に包まれ、草原が燃える炎へと包まれ始めたのだ。

 

此方を見上げる少女は、小さな…………そして鮮明な声で話した。

 

 

「駄目だよ」

「……………?」

「『私たち』はあの場所には行けない、あの人たちと一緒に行けない」

 

女の子が言うと同時に向こう側の少女たちが消えていく。一人一人が深紅の粒子へとなって、暗く染まった空へと舞う。

 

紅蓮は少女に聞き返した。気になる言葉を彼女が口にしていたからだ。

 

 

「『私たち』?」

 

「そう、ずっと待っての。この炎の底で、貴方の覚醒を」

 

止めてくれ、と思うしかなかった。震える身体を何かがユラリと撫で上げられる。この世界には存在しない魔手が紅蓮の心臓を掴む所まで来ている、と錯覚してしまう。

 

 

駄目だ、と最後まで残っていた白いワンピースの少女が叫んだ。それは必死の叫びだったらしく、最後まで消滅を抑え込んでいた。

 

 

それでも、何も出来ずにいる紅蓮に少女は口を開いた。

 

 

「私たちは─────『紅蓮』」

 

果たして、どんな意味だったのかは分からない。しかし、それを聞いた紅蓮の激痛は限界は越えた。彼は激しい絶叫をあげると同時に、全てを理解してしまう。

 

 

全てが、炎へと変わった。背景の全てが、燃え盛る煉獄の世界へと。それと同時に、巨大な影が動き出した。

 

 

「さぁ呪いましょう、この世界を。私たちの憎悪を果たしましょう。

 

 

 

 

 

6人目の『紅蓮』、新しい『私たち』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズルズル、と泥の中で紅蓮は変わっていた。いや、■■が『紅蓮』に変生しているのが正しい。

 

 

 

────我ハ、

 

 

 

漆黒の怨念の殻の中で変えられていく。身体の多くが、魂が、全くの別物へと。

 

 

 

────コの城に渦巻く、無数ノ怨念

 

 

 

背中からは二本の触手が生える。骨格にも似た黒い触手、新たなる腕とも言えるもの。全身を呪詛が覆い、装甲と切り替わる。

 

 

 

────コの世全テの、命ヲ………魂ヲ

 

 

 

 

 

 

「…………殺シ、尽くス………!」

 

 

呪詛が顔を覆うと同時に、『紅蓮』は再起動した。妖魔の幼体、覚醒までの養分を集める為の機能に。邪魔なもの全てを取り払った擬似的な戦闘形態。

 

 

 

今までの思い出、記憶の全てが消滅した状態。最早彼にはどんな言葉も届かない。

 

 

 

 

その日、世界に生まれ落ちた新たな災厄が産声をあげた。たった一人、優しかった『人間(人形)』を引き換えに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛇女子から離れた市街地。軒並み大きなビルの屋上だった。そこの上で全ての経緯を見ていた異常な怪物(カオス)は、

 

 

「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!クッヒャ!!ヒャヒャヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒっ!!!?」

 

腹を抱えながら転がったりして、それはそれは楽しそうに笑っていた。多くの者が聞けば不快と思うような、自他認める悪意しかないような声音で。

 

 

「まっ、さかねぇ!!僕たちがこぉーーんなに面白そうなのを隠してたってさぁ!!誰も思わないよねぇ!!思う筈がないよねぇっ!!!」

 

 

この怪物にとっての楽しみは何なのか、それを答えられる者は少ししかいない。そして解答は単純なもの。

 

 

他人の苦しみこと、悲しむこと。

それだけの為なら何だってするのだ、この怪物は。まさに悪意の権化、世界とって有害────ある意味では災厄に相応しい存在。

 

かつて昔(と言っても時期的には数ヶ月ほど)、ユウヤを飛鳥たちと離別させようとしたのも、シルバーに両親殺しの真相を教えたのも、全ての原因はこの怪物なのだから。

 

 

 

「そう!彼こそが僕と『混沌の王』の狙いのぉ、ホムンクルスなんだからねぇ!!」

 

 

少し前に、この場所にはいないユウヤと統括者(ゼールス)はある話をしていた。

 

────別の生物との融合及び同化、理を逸した神の如くの偉業。それを実現させる為には《機会と力》が必要だと。

 

 

『紅蓮』とは、そうだったのだ。

炎の異能の継承者にして、ある妖魔を育てる器、いわゆる媒体。機会(彼の死)妖魔の怨念()が揃ったからこそ、神の如くの偉業が達成されてしまった。

 

 

きっとこの怪物は、最初から考えていたのだろう。『彼』が目覚めるより前から、生贄とする事を決定していた。

 

勿論、この怪物が────他人の悲劇を楽しむ外道が、本人の意思を尊重する筈がない。

 

 

 

「古き大妖魔『怨楼血(オロチ)』の器であり幼体の『紅蓮』。君らの憎悪で、この世界全てを焼き尽くせるかなぁ?」

 

 

 

ゾワッッッッッ!!!!! と。

 

この蛇女子学園を覆っていた結界が別のものへと変わる。そしてその結界の中から、無数の妖魔が産まれた。ホムンクルスとの戦いで疲弊した忍たちに襲いかかるだろう。

 

 

そして、『紅蓮』は全ての生物を殺す。それは忍、同じ妖魔も例外ではない。多くの血と負の感情を取り込み続け、『怨楼血(オロチ)』になるのも時間の問題だろう。

 

 

 

ただ一つ、不満があるとすれば。

 

 

「この場に君が居たらぁ────それはもう、最高に愉快だったのになぁ。ねぇ、カイルくーんぅ?」

 




『紅蓮=怨楼血』《幼体》

紅蓮が殺された時に蛇女子内の血と怨念を取り込んだ姿。怨楼血の幼体とも言える形態。

人間体で話すことは出来るが、生命を殺し成長することしか考えにない。背中からは6メートルの骨格腕を持ち、自由に操れる。

原作とは少し違うが、形態は


《幼体(今ここ)》→《準中体》→《中体》→《準成体》→《成体(ゲームでの怨楼血)》→《覚醒体》となります。
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