閃乱カグラ ケイオス・ブラッド   作:虚無の魔術師

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先週は投稿できなかった事を言い訳させてください!(切実)

ネタが………ネタが無かったんです!決して他のゲームや他の小説投稿に時間を尽くしたせいとかじゃなくて、本当にネタが無かっただけで────あ!止めて!イシナゲナイデ!


百十三話 遭遇

「──────ッ!?」

 

思わずユウヤは顔をしかめた。何かを察したのだ、得意の傭兵としての勘ではないナニか。不審に思いながらもユウヤは心配そうに見てきた少女達に明かした。

 

 

 

「………人が追われてる」

「え!?」

「二人とも女性だと思う。だが追手の方が数が多い、このままだと捕まる可能性がある」

 

そう言った途端、飛鳥と口にしたユウヤは互いの顔を見合う。確かめ合うように頷いてすぐに向かおうとするが、

 

 

 

「まぁ、待て二人とも」

 

飛鳥の肩に乗っていた十数センチの小人 ゼールスが引き留める。突然の事に目線を向ける彼等に、統括者はこう聞いてきた。

 

 

 

 

「率直に言おう──────助ける必要があるか?」

 

 

統括者の言葉は、ゾッとする程落ち着いていた。冷えきっていた訳でも楽しそうにしていた訳でもない。ただ平然と、まるで今日の出来事を語るように、あっさりと。

 

 

しかし彼の立ち位置から見ても無理はない。

自分から戦いに入るのは愚策とも言って良い。相手が無関係な者なら見逃しても責められることは無いだろう。

 

 

「自ら敵を増やす事に意味があるとは思えん。見なかった事にして回れ右するのが正しい判断だ。多くの者が取る正しい行動だよ」

「────それでも」

 

 

正しい判断がそうだとしても、多くの者がそうするとしても。

 

 

 

 

「見殺しになんて、できないよ」

「………同感だな」

 

二人は答えを出した。飛鳥は自らの肩に乗ったゼールスを優しく地面に降ろし、ユウヤと共に着いていく。

 

 

置いていった理由は優しさからだろう、巻き込まないようにと。

 

 

「やれやれ、善性というものは伝染するのだな。彼女の抱く正義は彼へと、彼の望む理想は彼女へと。しかしこれも良い方向だと考えるべきか」

「ゼールスさん?どうして雲雀さんの肩に登ってるんですか?」

「何、君達も追うんだろう?我も着いていくまでの話だ」

 

 

聞くまでもない。何も言わない事こそが、彼女達の意思表示だった。呆れたように呟く統括者も、悪くないと満足そうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃亡しながら戦っていた奈楽は明らかに追い込まれていた。たった数十人が群れようと彼女は負けるつもりは無い。何時も通りに適当に薙ぎ払って立ち去ろうと考えてもいた。

 

 

しかし、今回は思うようにいかなかった。相手側のやり方が、まるで策謀が行われたように姑息になっていたのだ。

 

 

大勢が近接戦闘を仕掛けたり、後ろにいる者が遠距離攻撃を躊躇いなく放ってくるのだ。それも奈楽に向けてではなく、かぐらを巻き込むように。

 

 

 

当然、奈楽はかぐらを護ろうとする。それにより徐々に体力と精神が少しずつ削られていく。

 

 

 

その内、装甲兵士(アーマード)の一人が、かぐらへと近寄ろうとしていた。立ちすくむ彼女に手を伸ばそうとする。

 

 

「────かぐら、かぐら」

「かぐらさま!!」

 

戦いの最中ながらも奈楽は鉄球を振るう。その装甲兵士(アーマード)を重い一撃で吹き飛ばす。彼女を護ろうとするその姿勢────それが仇となった。

 

 

 

だからこそ、警戒しなければならない距離までの接近を許してしまった。

 

 

「がっ………ふ!?」

「気を反らしたな。彼女を案じるのは良いが、それは失態だ」

 

重たい衝撃に奈楽は肺の中の空気を吐き出す。腹部に斧持ちの装甲兵士(アーマード)の膝が打ち込まれたのだ。

 

 

それだけでは終わらず、倒れた奈楽をもう一度蹴り飛ばす。サッカーボールのように跳ねた彼女は苦し気に呻いた。

 

 

「残念だったな、小娘。貴様を倒してかぐらを確保する………………が、その前に」

 

奈楽に近付いた装甲兵士(アーマード)が、ゆっくりと斧を掴む。その刃を綺麗に整え、倒れたままの彼女に見せつけた。

 

 

 

「抵抗できぬように殺す。一撃で終わらせるから身動きをするなよ」

「…………っ」

「最後まで彼女を気にするか………健気だな」

 

断頭の一撃が、振り上げられる。

ゆっくりとした動きは狙いを定めたものであり、回避を難しくさせる為の意図があり、読み取ろうとするのは不可能に近い。例え避けようと動こうが、逃げようとしようが、確実に奈楽を仕留めようとする。

 

 

 

 

ここまでか、と奈楽は感じていた。しかし眼は閉ざされる事無く、多くの装甲兵士(アーマード)達に囲まれようとしているかぐらに向けられる。

 

 

 

 

(…………せめて、かぐらさまが逃げられる時間だけは作るッ────!)

 

例え、自分の命を使ってでも。

 

 

そう決意した奈楽は足に繋がった鉄球で、かぐらに寄ろうとする兵士達を吹き飛ばそうとする。実行すれば自らが殺されるだろうが、かぐらを逃がす時間が出来ればいい。

 

 

 

そんな彼女の考えを理解したのか、一足早く斧を振り下ろされる。

 

 

直後。

 

一瞬前に、動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

雷撃が降り注いだ。大地と大空を引き裂く爆音が響き、肌をビリつかせるほどの衝撃波が突き切る。

 

 

 

 

 

「────たった二人を相手に、大人数で面白そうだな」

 

地盤そのものを揺るがしたのは、一つの拳。漆黒の装甲を軽く纏った腕は帯電しており、青白き雷光は一瞬で周囲に駆け巡った。それらを身に浴びた装甲兵士(アーマード)達は一斉に雷鳴を直視する。

 

 

────かぐらという自分達の標的の捕縛と、奈楽の殺害を止める形で。最優先するべき目的を忘れる程、彼等は硬直していた。

 

 

 

 

そこにいたのは、青年。人なら簡単に感電させてしまう程の電撃の中心で静かに佇んでいた。平然とした様子で顔色を変えようとしない─────いや、現状を目にしただけで険しくなる。

 

 

 

首もとに巻いた赤のマフラーを片手で払い、前頭姿勢になって構えを取った。

 

 

 

 

「悪いが、邪魔立てさせて貰うぞ」

 

似合わないと感じながらも、ユウヤは雷を帯びた状態で地面を再度踏み込む。たったそれだけの動作で、戦況が変わる。

 

 

 

 

────直後、戦場に雷光が荒れ狂う。たった一人の青年による猛撃が、幕を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

────雷撃が轟く

 

 

 

盾を構えた装甲兵士(アーマード)の一人が叩きつけられる。しかし、それには一秒すら掛かっていない。バヂィッ!! と音だけを残してその場から移動する。

 

 

 

 

────雷鳴が轟く

 

 

 

雨のように迫る銃弾や光の矢、莫大な火球を撃ち抜いて、それでも止まることを知らない。

 

 

 

────雷光が轟く

 

 

 

音速並みの速さで駆け抜けたユウヤは何人もの装甲兵士(アーマード)を無力化した。それに掛かった時間は数秒、最早人の技には見えなくなる程の偉業。

 

 

 

補足するが、天星ユウヤの異能は『雷』、より正しくは『雷神』。雷を操る神の力こそが彼の能力。故に彼は雷を思い通りに、手足のように操ることができる。

 

 

 

雷撃に似た高速移動もその一端である。

自らの神経や筋肉に流した電気を活性化させ、身体能力を底上げする力。肉体が耐えきれるかの問題だが、彼自身鍛えているのであまり気にする必要はないらしい。

 

 

 

 

「──────」

 

 

そんな彼の独走を、止めようとする者もいる。ずんぐりとしていた巨体───『斧』と呼ばれていた部隊長である装甲兵士(アーマード)。文字通り鈍器でもある凶器でもある片手斧を横へと振り払った。

 

 

 

ガギィィン!! と金属と金属がぶつかり合う。斧に取り付けられた刃と腕に纏われた鉄の装甲が火花を散らせる。

 

 

「どうやらお前がこいつらのリーダー格みたいだな」

「………いかにも、私が『斧』の部隊長だ。しかしそれを理解してどうする」

「司令塔を叩くのは当然のやり方と思うだろ。奴等の連携を崩し手立てになるかもしれないからな」

「─────物事の順序に気付けていないのか。君は何の為に参戦してきた? それは彼女達を護るためだ」

 

 

周りを見ると薙ぎ倒した筈の装甲兵士(アーマード)達が平然と立ち上がり、陣形を整えていた。ユウヤは雷で感電させたり、音速のスピードで殴ったり蹴ったりした。それなのに傷が無いと言わんばかりの様子の兵士達、おかしく思うなと言われるのが無理な話だ。

 

 

そして陣形は囲むように成り立っている。中心にいるのは『斧』とユウヤ、そして奈楽とかぐらだけ。何を企んでいるのか、彼自身も気づいた。

 

 

 

───彼女達は囮だ。ユウヤが護ろうとすることで隙を作らせる為の。

 

 

 

「やり方が陰湿だな………性格がよく分かるぞ」

 

ユウヤは一端距離を置いて、彼女達の前に立つ。自らに雷電を纏う彼も状況の不利を理解していた。

 

 

『雷神』は広範囲や小回りの効く力、しかし誰かを護りながら戦えるほど万能とは言い難い。だからこそ、彼等が仕組んだ作戦は。

 

 

 

「だが、見誤ったな」

「───?」

「二人を大勢で追い詰める奴等の考えなんざすぐ読める!俺が、俺達が対策してないと思ったか!!」

 

ユウヤは『斧』の身体を蹴り飛ばすと、タンッ! と宙に跳ぶ。逃げ場を無くす行為に不思議と思っていたが、

 

 

 

その時だった。

 

 

 

「───地昇竜!!」

 

 

ズガァァンッ!!!

 

 

地面から飛び出してきた少女、飛鳥が二刀を勢いよく放つ。地上に、至近距離にいた装甲兵士(アーマード)を容赦なく吹き飛ばす。

 

 

彼等も足元から来るとは予想できなかったらしく、突然の不意打ちに陣形を崩されていた。目の前の脅威への困惑が目に見て取れるくらいの不安定さだった。

 

 

 

 

「柳生ちゃん!後ろの人を狙って!あの人が広範囲攻撃を使うから!」

「任せろ、雲雀は他の敵の動きを」

 

 

ズドンッ!!

 

 

「───ォ!?」

 

 

木陰から姿を現した雲雀が叫ぶと、同じように出てきた柳生が傘に仕込まれた銃で後方支援に徹していた装甲兵士(アーマード)を倒していく。危険な相手から倒していくやり方で次第にバランスも崩れていく。

 

 

勿論、援護をする仲間を潰されるのを黙って見ている筈がなく、前衛向きの装甲兵士(アーマード)達が動き出した。圧倒的な数で柳生達を追い込もうとしているのだが、

 

 

風を切り裂くような鋭い一閃と、叩きつけるような嵐の旋風が巻き起こる。

 

 

「右の方は任せます!葛城さん!」

「ならキチンと頼むぜ!ユウヤ達の所に行かせないようにな!」

 

後ろにいる仲間に呼び掛ける斑鳩は長い刀、飛燕を振り払う。同じく後ろにいた葛城も息巻いて、容赦のない足技を繰り出す。防御を主とした『盾』と呼ばれる実働部隊も苦戦を強いられていた。

 

 

 

 

「二人とも下がって!私達が守るから、大丈夫だよ!」

「お前達は…………忍、いや善忍か?」

「そうだけど!忍務じゃないから…………えぇっと」

 

二人を護ろうとしていた飛鳥は困惑しながら返答に悩む。幸いな事にその間を襲撃しようとする敵はいなかった、正確にはユウヤ達が近付けさせないようにしていたからだ。

 

 

対する装甲兵士(アーマード)達も状況に手間取っているらしい。他の兵士が正反対の方に走り出そうとしていた、増援を呼ぶ気なのかもしれない。

 

 

咄嗟にユウヤは雷撃を放とうとしたが、

 

 

 

 

「───貴様ら、止まれ」

 

 

短い声が、空間に響いた。大きくもない簡潔な言葉に、戦闘を行っていた装甲兵士(アーマード)達が武器を納める。そのまま幽鬼のようにただ立ち尽くす彼等に、ユウヤ達も戦いの手を止めた。

 

 

 

声を出したのは彼等の奥にいる集団の一人、十数人の重装備の装甲兵士(アーマード)達に囲まれた青年。囲まれたと言っても、それらは青年を護るように円陣を築いている。

 

 

 

いつの間にか現れた謎の青年を敵、装甲兵士(アーマード)の仲間だと柳生は判断する。仕込み銃での狙撃をして、青年を倒そうとする。

 

 

しかし円陣のように立ち塞がる装甲兵士(アーマード)の一体がスッと動いた。身を呈して銃弾をその身に受ける。しかし大したダメージも無いのか、平然とした動きで元の配置に戻っていく。

 

 

 

青年はユウヤ達は勿論、柳生にすら意識を向けていない。自らの命を狙われた事も気にした素振りもなく、装甲兵士(アーマード)達に命令を飛ばす。

 

 

 

「退くぞ。こいつら相手に今の戦力では勝ち目がない。『かぐら』の捕獲は取り止めだ」

 

 

自分勝手な言葉に、一部の装甲兵士(アーマード)が反対を口にしていた。

 

 

「────『中枢(セントラル)』、我等が脳 セントラルよ」

「退くのか、逃げるのか、撤退するのか。我々の目的、悲願を前にして」

「自惚れるな。貴様らを補給するのにどれほどのエネルギーを使うと思っている。不要と判断したならば即座に手を引く、それが俺のやり方だ。聞き入れない個体との統合を解除する」

 

 

青年の言い分は乱暴であったが同時に冷酷であった。その意味を理解し、反対意見を述べていた装甲兵士(アーマード)はすぐさま直立不動となり押し黙った。

 

 

一連の事からユウヤ達は理解する。この青年こそがリーダー格、今回の騒動の実行犯だろう。

 

 

「セントラル、それがお前の名前か」

「俺に語る名は存在しない、それは記号だ。他の者に分かりやすいようにな」

「よく分かんないが、こいつらはお前の部下だって事だろ?退かせてくれるんならアタイ達には都合が良いぜ。もう少し戦いたいけどな」

「…………ふ」

 

 

不満げに漏らす葛城に『セントラル』はニヤリと笑う。話を聞いていて可笑しくて堪らないといった嘲りの色が乗せられていた。

 

 

 

「訂正するが、それらは部下ではない。同時に人ではない、まぁ俺にとって関係あるんだが………説明の意義は無いな」

 

そう言って青年はユウヤを見て、眼を細める。観察といった視線はすぐに納得に変わり、深い溜め息を漏らす。

 

 

 

「『雷神』、『神楽』は貴様らに預けよう。今の俺では奪取するのさ難しいからな」

「…………『神楽』、あの娘達の事か?」

「答える義理はない。だが、警戒しているといい。彼女を奪いに来るのは我等、『四元属性』。そしてそれ以外にもいるのだから」

 

言い残して、青年は集団を引き連れて立ち去った。大勢もいた人の気配も一瞬で消失し、先程までの事象が無かった事になる。大勢いた筈の気配が一瞬で一つになった事に不思議に思っていたが、

 

 

 

 

しかし、今気にすることはそれではない。

 

 

 

「おい、大丈夫か?」

「……………失せろ、私達に構うな」

 

 

傷だらけの奈楽に手を差し伸ばすが、軽く払われる。それどころか普通ではない敵意にユウヤは困ったようにたじろいた。

 

 

 

あまりな物言いに柳生や葛城が顔を険しくする。彼女達からしても、その態度は不満以外の何物でもないのだろう。声を出して文句を言わなかったのは、先にユウヤが話し始めたからだ。

 

 

 

「構うなと言っても、お前は怪我人だ。そんなボロボロでどうやって逃げ切るつもりだ?またあいつらに狙われるだけだぞ」

 

誰よりも戦場を知り、戦いに慣れている傭兵の言葉は重い。素人が嗜めるような言い方とは違い、説得力がある。

 

 

現に奈楽は何も言えずに口ごもっていた。ユウヤに言われて聞き入れてる訳ではないが、内心では納得しているのかもしれない。

 

 

にらみ合いと静寂の間で、奈楽に声をかける少女がいた。かぐらと呼ばれていた幼い少女、彼女は芯のある声で奈楽に言う。

 

 

「奈楽ちゃん、この人達と一緒にいこう」

「かぐらさま!?このような者達を信用するのですか!?」

「わたし、悪い人達じゃないと思うの………そっちの小人さんを連れてるから」

 

 

誰を指しているのか、分からなくもない。再度飛鳥の肩に乗っかったゼールスは顔をひくつかせて笑う。小人、小人と呼ばれるのに不満らしく文句を言いたそうだったが、ようやく興味のある視線を彼女に向ける。

 

 

 

「────ふん、我の事を理解するとは。只者ではないな……………む?今、かぐらと言ったか?」

 

言葉の途中でゼールスは眼を細めた。同時にピリッと空気が重くなる。ユウヤ達がかつて統括者に向けられたものと引けを取らない程の重圧。

 

 

 

敵と判断したのか奈楽がかぐらの前に出るが、ゼールスは敢えて無視する。その眼に映るのは疑問と興味、そしてある種の好奇心だった。

 

 

 

 

「小娘、貴様は───────」

 

 

しかし最後まで紡がれることはなかった。何かを感じ取ったのかゼールスは空を見上げ、数秒も経たずに両目を閉ざす。

 

 

ふん、と鼻を鳴らす小人は不快感を隠そうとしない。上空に見えない何かを睨み付け、やはり不快そうに吐き捨てた。

 

 

「───星空に漂う千の眼、いや人工の小星か。どうやら姑息な手合いまで使ってでも情報が欲しいらしい」

「千の眼?」

「……………」

 

 

首をひねる飛鳥。星空、解釈が間違いなければ宇宙だが、それに漂う眼とは一体何なのだろ?

 

 

だがユウヤは静かに黙り込んでいた。千の眼とやらに検討がつくらしい。いや、検討がつくという話ではない。それが何のか知っている─────星を冠する組織に所属する彼だからこそ、よく分かっているのだ。

 

 

 

────そして、今自分達を見ている人物についても、ある程度は予想できる。

 

 

「予定が変わった。貴様ら、この娘等を連れて何処か休める場所に行くぞ」

「………おいおい、旅行が一転して面倒事か?」

「無理を言うな、これは緊急事態だ。世界の命運が掛かっていると言ってもいいくらいにな」

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