「ルアァっ!!」
「はぁっ!!」
刀と手甲がぶつかり合い、火花が飛び散る。炎が燃え盛る部屋の中でユウヤと紅蓮は互いの異能を使い、争っていた。
紅蓮の剣戟をユウヤは全て、手甲で防いでいた。僅かに剣戟が遅れた隙を狙い、ユウヤは刀を弾き、紅蓮を殴り飛ばした。
「『業火・炎獄の陣─────」
紅蓮が後ろに飛び退くと同時に、ユウヤの足下に陣のようなものが浮かび上がる。
「───焼却式』!!」
陣から放たれた炎の渦が周りを破壊しながら、ユウヤを飲み込んだ。
あの炎は鉄すら溶かす高温の炎、人が直撃すれば、灰しか残らない。
ガシッ
「な!?」
炎の渦から飛び出してきたユウヤに右腕を捕まれたのだ。予測していない所からの出現により、戸惑ったが、彼も実戦の経験者。ユウヤに向かって炎を帯びた刀を心臓の方に突き刺しにかかった。
だが、実戦に慣れているのは、ユウヤも同じ────いや、ユウヤの方が上だ。心臓を突きにかかる刀を避けるのではく、そのまま手甲で掴んだ。
「これで、外さねぇ!!」
いつの間にか、右腕から手を放して、電撃を纏った拳を紅蓮の胴体に打ち込んだ。
「────ぐっ、はぁっ!!」
紅蓮の体は後方に勢いよく吹き飛び、壁を破壊するが、空中で体勢を立て直し、地面に着地してみせた。
「やる、な………」
「テメェこそ、中々骨があるな」
二人は互いを認めた。ただの侵入者、ただの傭兵、ではなく、本気ではないと倒せない、完全な敵として。
そして、紅蓮はこれまで以上の炎を放出し、周りを焼き尽くそうとした。
「─────ギィ────ガァ!?」
しかし、無理だった。紅蓮は苦しそうに悶えると、大量の血を吐血したのだ。
「な!?」
ユウヤは絶句して動きを止めた。
「ぐ…………薬の………効力が………」
尋常ではない量の血を吐き、やはり苦しそうに悶える紅蓮に、ユウヤは心配し、駆け寄った。
空気が─────僅かに動いた。
「ッ!!」
日々、傭兵として生きていたユウヤは自然と回避行動を行っていた。
「迎えにきたわ、紅蓮」
「……………春花、か」
ユウヤに攻撃を行った女性、春花は紅蓮に小さなカプセルを手渡した。紅蓮はそれを受け取り、飲み込んだ。顔色が戻ったところを見ると、あれが薬なのだろう。
「………未来がやられたわ」
「───そう、か」
その話はユウヤにはある程度、理解ができた。彼らの仲間の一人が負けたのだろう。そして、紅蓮は春花の言いたいことが分かったようだ。
「…………『無常の送り火』」
紅蓮がそう呟くと同時に青色の炎が周りに出現した。その炎は紅蓮と春花を包み込んだ。
「させる、かァ!!」
彼らの意図に気付いたユウヤは黙って見ている訳がなく、溜め込んだ電撃を青色の炎の壁に向かって放った。
爆発を起こし、風圧と煙がその場に巻き起こった。
「………ユウヤ、侵入者は?」
その場に霧夜と黒い学ランを羽織った女性が現れた。霧夜は周りの惨状に驚愕しながら、ユウヤに問いかけた。
「逃げられた、全員にな」
ユウヤは紅蓮達の消えた場所を睨み付けていた。不機嫌そうではなく、真剣な顔つきで。
「霧夜先生、頼みがある」
「………何だ?」
「『紅蓮』という人間について情報を探してくれ」
分かったと頷く霧夜を見ると、ユウヤはゆっくりと歩き出した。
「あいつら、大丈夫か?」
自分の仲間である少女達の心配をしながら、彼女達のいる場所に向かった。
蛇女の襲撃を受けたユウヤ達。
仲間に伸びる魔の手。
そして動き出す、黒幕。
次回、『蠢く陰謀』
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