閃乱カグラ ケイオス・ブラッド   作:虚無の魔術師

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…………えぇ、申し訳ありません!!この度私、更新に一年も過ぎてしまい、申し訳ありませんでした!!(土下座)



久しぶりの更新なのでクォリティ低いと思いますけど、よろしくお願いします!!


百十六話 大地を踏み抜く鉄剣

「柳生ちゃん!今のって!」

「あぁ………分かってるさ、雲雀。忍結界────に近い何かだ。恐らく、奴等の仕業で間違いない筈だ」

 

 

 

町外れの森深くを調査していた柳生と雲雀は、即座に街中に

生じた結界の存在を認知する。それも二つ。予測からして単独行動している飛鳥と、柳生達同様二人で行動していた斑鳩と葛城達の方だ。

 

 

ユウヤや奈楽が護っているかぐらの方が襲われてないのは幸い、と言うべきだろう。奴等はまだかぐらを見つけられていない。飛鳥達を狙ったのは、その場所を脅してでも探し出す為だろう。

 

 

急いでどちらかの援護に向かおうとして───瞬間。

 

 

 

「……………む?」

 

 

走り出した柳生の眼に、何かが写り込んだ。森林の合間にあったそれは、この場には似合わない程の異様な雰囲気のある建造物であった。

 

 

 

「………すまない、雲雀。気になるものがある」

 

「柳生ちゃん………?でも、飛鳥ちゃん達が……………」

 

「それでもだ。アレが無関係なものとは思えない、飛鳥達を襲った奴等に関係あるかもしれない」

 

 

最初は渋っていた雲雀だが、柳生の意見に納得を示すように頷いた。柳生は感謝の言葉を述べながら、先程見掛けた建造物へと接近する。

 

 

木々に遮られてよく見えなかったソレも、近づいた事で全貌が明らかになった。

 

 

 

「──────柱?」

 

 

それは、5メートルを優に越える一つの柱であった。柱の中心には何らかのエネルギーを溜め込んでいるのか、脈動するように心臓のような球体が組み込まれている。

 

 

柱自体の素材も古代の遺物のような神秘的な印象がある。しかし見た限りでは真新しいもので、到底雰囲気に近い年月の代物には思えない。

 

 

その素材が何なのか、柳生は手で触れて確かめようとする。指先を慎重に近づけた──────直後。

 

 

 

 

 

 

 

 

「───動くな」

 

 

冷徹な声と共に、柳生の真後ろに何か硬いものが押し当てられる。真横から雲雀が息を呑む音がした。どうやら彼女の方も同じ感覚なのだろう。

 

 

相手は間違いなく銃を此方へと向けていた。真後ろを確認できない柳生には相手が男である事しか分からない。

 

 

 

「大人しくしていろ、そうすれば手荒な真似はしない」

 

「………なに────」

 

 

口を開き、疑問を投げ掛けようとした瞬間。

通常では有り得ない、おかしな現象が起きた。

 

 

 

ブツン! と柳生の視界がズレた。ノイズが走ったような感覚を受けたが、柳生には更なる驚愕が襲った。

 

 

 

「何……ッ!?」

 

 

彼女がいたのは、柱から数メートル離れた場所だった。先程まで柱の前に立っていたにも関わらず、一瞬で移動したようであった。

 

 

戸惑いが彼女を支配するが、目の前に男が立っている事実に気付き、彼へと意識を向けることにした。

 

 

(…………なんだ、この男は?)

 

 

長身の男。色素が抜けたような真っ白な長髪に、同じように真っ白なロングコートを着込んでいる。

 

 

男は柳生に視線を向けると、一言。

 

 

「危なかったな」

 

「何?」

 

「アレに触れることは出来ない。容易く踏み込めば無事では済まないぞ」

 

 

しかし柳生は男の言葉に耳を貸しながらも、警戒を緩めない。信じられてない、と思ったのだろう。男は短く嘆息しながら、足元の石ころを拾い────柱に向けて投げつけた。

 

 

 

柱に当たっただけでは問題はなかった。そう思ったのも束の間。石ころはすぐさま凄まじい速さで切り刻まれた。パァン! と跡形もなく粉々にされた石が辺りに飛び散る。

 

 

「風の自動防衛……………踏み込んだ者を切り刻む暴風の結界だ。どれだけ高火力の攻撃を放とうが意味はない。たとえ、秘伝忍法であろうとな」

 

 

秘伝忍法と聞き、柳生は更に警戒を強める。やはりこの男は『裏側』の人間だ。

 

 

「───天星ユウヤに話を繋げたい。連絡できるな?」

 

「…………何故、貴様がユウヤを知っている」

 

「─────連絡できるな」

 

 

会話をする気など無いような異質感。一方的な要求しかされてこない。男の言う通りにする筈もなく、雲雀を背後に移動するように促し、仕込み傘を構える。

 

 

 

それを眼にした男は嘆息し、自身のコートの内側である胸元を晒す。あるのは一つのマークであった。

 

 

 

七つの星が一つの星座のように並ぶその紋様。『七つの凶彗星(グランシャリオ)』を代表するものだ。

 

 

それを見せつけながら、男は柳生へと告げる。

 

 

 

 

「時崎零次と候補生が加勢に来た、そう言えば問題ないだろう」

 

 

「時崎………?それは────」

 

 

 

ユウヤから聞いていた、No.2を冠する男。

組織の始まりである創設者の一人であり、滅多に姿を見せない正体不明の人間。

 

 

その一人が目の前にいる、その事実に柳生達は言葉も出なかった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

ズドンッ!! と。

 

 

満面の笑みで飛天は地面を踏み抜く。大地を揺るがす程の震動を与えた時には、自身の敵目掛けて飛び出していた。

 

 

「でぇぇええ、やッ!!」

 

 

身の丈を越える大剣を大振りに振るう飛天。飛鳥は咄嗟に右手の刀で斬りかかるが、凄まじい力に弾かれてしまう。幸い、何とか軌道を逸らすことは出来るが─────

 

 

 

「おらッ!はァッ!うゥゥゥゥゥゥゥゥらァァァァァァァァァッッ!!!」

 

 

弾かれて少しずつ後に退がってしまう飛鳥に追随するように迫る飛天は大剣を躊躇いなく振り払っていく。その一撃を防ぎ切ることも出来ず、弾かれていってしまう。

 

 

(………重い!何とか防ぐのが精一杯になっちゃう!ならっ!)

 

「はぁっ!!」

 

自分の身体を無理矢理動かし、両手の脇差を交差させ、飛天の一撃を何とか防ぐ。そんな飛鳥に、飛天は咆哮をあげながら大剣を真上から叩き込んでいく。

 

 

 

少しずつ拮抗していく事を理解しながら、飛鳥は全力を込めて刀を振り上げる。予想外の力に瞠目する飛天の大剣が大きく弾かれ、先程までの猛攻が止まる。

 

 

追撃と、刀で斬りかかろうとする飛鳥だが、それよりも先に飛天がドンッ!! と強く踏み込んだ。このままいけば彼が体勢を戻すよりも先に、飛鳥の刀が飛天に斬り込まれる。

 

 

 

だが、そうはならなかった。

突っ込んだ飛鳥の視界が一瞬ブレると共に飛天の姿が消える。勢いよく空振ってしまったので飛鳥はバランスを崩し、倒れ込みそうになって────ようやく気付く。

 

 

 

飛天は飛鳥の真下にいた。あの凄まじい踏み込みで地面を掘ったのか、と思ったが、すぐにそれが違うことが判明する。

 

 

 

「もしかして────地盤を持ち上げたの!?」

「当たりだ!勘が聡いな!存分にやり合えるッ!」

 

 

自分が、盛り上がった地盤の上にいる事に気付き、言葉を失う飛鳥。それが単なる膂力によるものではない事は、明白であった。

 

 

 

 

彼は、異能使いなのだ。

飛鳥のよく知る青年とは違い、人造によるものらしいが、それでも異能を扱うのは間違いではない。

 

 

 

「オレの異能は、大地(グランド)。土や砂、地面を操るもんだ。ま、オレは『雷神』とは違って、後天的なタイプだが─────今はどうだって良い事だったな!悪かった!続けようかッ!!」

 

 

飛天はニカッと笑いながら、大剣を振り上げる。飛鳥も対応する二刀を握り、飛天へと突撃する。

 

 

 

「はぁぁぁっ!」

「─────ふっ!」

 

 

斬撃が接触し、交差し合う。常に大振りで威力の高い一撃を放つ飛天に、飛鳥は手数を以て挑む。二本の刀により、何回も斬りつけ、飛天に攻める暇を与えない。

 

 

 

「やるじゃねぇか!なら───ッ!!」

 

 

ガッ!! と、飛天が空へと手を伸ばす。すると周囲の土や砂が浮かび上がり、徐々に一塊へとなっていく。

 

 

球体となった土の塊に向けて、飛天が伸ばした手を強く握り締める。すると、球体の表面から土が盛り上がった。無数の突起物が勢いよく展開される。

 

 

モーニングスターの鉄球のように、巨大な凶器が造り出される。

 

 

 

「ブッ砕けろォ!!」

 

 

眼を見開いて驚愕する飛鳥目掛けて、飛天が握る拳を振り払う。彼の動きに連動するように、土の鉄球は浮遊しながら飛鳥に突撃してくる。

 

 

 

「っ!なら!」

 

飛鳥は後方へと飛び退き、鉄球を回避する。強度はそんなに強くないのか地面に当たった瞬間に粉々に砕けた。飛び散る砂に視界を遮られた飛鳥の目の前で─────、

 

 

 

 

「異能忍法ォ────!」

 

 

そう唱えた飛天が大剣を地面へと突き立てる。ザン! ザン! ザンッ!! と、徐々に力を強めて大剣の剣先を打ち込んでいく。

 

 

嫌な予感を感じ取った飛鳥は足元からの違和感に気付いた。地面から震動が響いてきてるのだ。内側から、爆発のような力が蓄積されているようであぅた。

 

 

 

「───【地盤崩壊爆砕牙】ッ!!」

 

最後の一突きを、渾身の力を込めて叩きつける。瞬間、地面に亀裂が走ると共に、内側から膨大な火花が散り────、

 

 

 

 

 

──────ド、ドドドドドドドッ!!!

 

連鎖するような爆発が、周囲に響き渡る。単なる爆発ではない。地面そのものが爆弾のように、辺り一帯を吹き飛ばす。

 

 

飛び退いた飛鳥は、その場に膝をつく。自身の身体に出来た少なからずの傷に顔を苦痛に歪める。先程の爆発を直に受けた訳ではないが、砂や石の破片を受けたので怪我が大きい。

 

 

そんな彼女を見つけた飛天が煙の中から出てくる。彼女の姿を見ると嬉しそうに笑顔を刻み込む。

 

 

「よく避けたな!今のを避けるたァ、本気で誉めてぇよ!やっぱり強ぇな!お前も!!」

 

 

自信満々というか、戦いを楽しむように飛天は笑っていた。その様子が、飛鳥には理解できない。

 

 

「…………どうして」

 

 

だからこそ、飛天へと問いかけた。何故、戦うのか、と。

 

 

「どうして、かぐらちゃんを狙うの……?世界を、滅ぼそうとするの!?そこまでする理由があるの!?」

 

 

 

 

「気に入らねぇのさ」

 

 

答えはあっさりとしていた。しかし、違っていたのは態度であった。その吐き捨てた飛天から笑みは消え、不機嫌そのものであった。

 

 

「力のある奴が迫害される社会。何の特徴もない覚悟もなければ意思もない、そんな奴等が自分より下の奴を貪り食う──────強くもないくせに、強く振る舞って他人を踏み台にする。まるでそれが当然って言う風にな!」

 

「………」

 

「異能を与えられた子供が、何の力もない凡骨な大人どもに石を投げられる。それを助けることも許されない。何故ならこの世界は力ではなく、(ルール)で成り立ってるからだ!」

 

 

大剣を振りかざし、近くの岩を吹き飛ばす。怒り任せの一撃でも彼は落ち着けなかったのか、激情を剥き出しにし始めた。

 

 

「人を傷つけてはいけません、殺してはいけません!弱者を守るための法律(ルール)が強者を縛り、弱者が好き勝手する盾になる! そして、弱者はそれを盾にして力を持ってる奴を踏みにじる!!

 

 

 

 

 

ハッキリ言って気持ち悪ぃとは思わねぇかよ!? 何の努力も、強くなろうともしねぇ愚図どもが!! 今まで努力してきて、やっと強くなれた強者を!!力を持ってただけつー理由でぇ!!! 踏みつけて嘲笑うなんつー光景がさぁ!! それが正しいことだって罷り通るこの世界がさぁッ!!!」

 

 

 

単なる戦闘狂、ではない。

戦うことに悦を見出だした青年が、不愉快そうに怒鳴り散らす。彼が語る光景とは、この世界というものは、弱肉強食という強さを絶対視してる飛天にとっては吐き気を催す程のものだった。

 

 

 

異能使いが何故希少か、その理由は滅多に生まれないという理由ではない。むしろ普通に存在する場合もある。ユウヤ達のように属性に特筆した異能使いが少ないだけで。ならば、何故異能使い達の数が少ないのか。

 

 

ただ異能を身につけた子供達が迫害され、どうしようもなくなってしまった現状。誰もが味方すらせず彼等に対して一方的に罵声や暴力を浴びせる者達の姿に嫌悪し失望し────その結果、飛天は己の考えを変えることにした。

 

 

 

「だからオレ達は、それはブッ壊す」

 

 

そんな異常が罷り通るのであれば、こんな世界など存在しない方がいい。そんな法則が正しいのであれば、壊れてしまえばいい。

 

 

そんな弱さに縋り付く醜い人間も、全て死ねばいい。

 

 

「弱肉強食ってよく言うだろ?何なら強さを掴みとってみろよ!オレ達の目指す新世界は強さの持つ者───異能使いだけが存在を許される!力がねぇから姑息な手を使う人間なんざいねぇ!!なんせそんな奴に異能は与えられねぇ!!

 

 

 

 

異能使いだけに許された世界!その為に異能使いになれる奴を選別ってのも悪かァねぇ!!弱い奴が強い奴を踏みにじり、利用して切り捨てるような、こんなクソみたいな世界よりかは!幾分かマシだろうぜッ!!」

 

 

それが、彼にとっての弱肉強食であった。

異能使いだろうが、ただの人間であろうが関係ない。力を持つ強者が笑えるような世界であればいい。

 

怒鳴り散らしていた飛天だが、ふと異変が起きた。大剣を掴む手、強く握り締められていた腕が………震え始める。

 

 

「─────ご、ぐッ」

 

 

吐くように、飛天が呻き出す。膝をついて倒れ込む彼の身体には禍々しい黒が紋様のように浮かび上がっていた。

 

 

「チッ、タイムオーバーかよ………ッ!こんな良いタイミングでぇ………!」

 

 

恨めしそうに愚痴ると飛天の身体を禍々しい黒が飲み込んだ。まるで彼を喰らうように、黒そのものが彼に覆い被さると、その場から消え去った。

 

 

「………何が、あったの?」

 

 

戸惑う飛鳥であったが、すぐに近くへと歩き出す。飛天が倒した忍達、彼女達の傷も大きいものだった。早く治療をしよう、と彼女は重体のままで進む。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「チッ!手強い!!」

 

「…………」

 

 

一方で。

葛城は銀色の青年と拮抗状態であった。いや、どちらかと言えば葛城の方が不利かもしれない。

 

 

斬撃を固定し、飛ばすことが出来る青年の能力。上手いように使われて葛城も渾身の蹴りを放つことが出来ない。

 

 

そうしてる最中、二人が再びぶつかろうとした瞬間。葛城と斑鳩、そして二人の少年少女の前に一人の女性が飛び出してきた。

 

 

「何!?」

 

「ッ!誰だ!!」

 

 

現れたのは、ピッチリとしたスーツを着た金髪の少女であった。歳としては飛鳥達と同じくらいだと思われる。鷹のような鋭い目つきに、背中には無数の武器を円陣のように備えている。

 

 

彼女は少年達を見据え、

 

 

「─────退け、賊。負け犬の背中は追わん」

 

 

見下すようにそう吐き捨てた。その言葉に奥歯を噛み締めた少年が食いかかる。

 

 

「嘗めた口を…………僕達が善忍相手に退くとでも!」

 

「…………ウェイン、もう時間だよ」

 

 

少女の一言に、少年は自身の身体に浮かぶ黒い紋様に気が付く。不愉快そうに周囲を睨み付け、彼は刀を戻した。

 

 

「………やはり、まだ上手く適応できてないのか。………運が良かったな善忍ども、そしてお前、この件は忘れないぞ」

 

 

「好きに吠えろ、小者め」

 

金髪の少女の一言に、二人は敵意を強める。しかし食いつくことはなく黒い液状の何かに覆われて、姿を消した。

 

 

 

金髪の少女は彼等から興味を失くしたのか、斑鳩と葛城に意識を向ける。少なくない傷を有した二人を眼にした途端、彼女は侮蔑の色を浮かべた。

 

 

 

 

「ふん、無様だ。何と情けない姿だ。あんな奴等相手にここまで苦戦するとは………半蔵の忍も堕ちたな」

 

「…………何だと?」

 

「半蔵は何をしていた?貴様の教師も何を教えていた?これでは半蔵の名もその程度と言う話か」

 

「お前!いきなり何のつもりだよっ!!」

 

 

 

自分達の悪口ならばともかく、尊敬する人でもある半蔵の事も侮辱する少女に、葛城は怒りを示す。黙って聞いていた斑鳩も、葛城と同じであるのか静かに激怒していた。

 

 

対して少女は侮蔑の言葉を取り消そうとしない。二人を格下と見下しながら更なる罵倒を口にしようとした途端、

 

 

 

 

 

 

 

「…………止めておけヨ、スカイフィーア」

 

 

トンッ と、突然現れた別の少女が金髪の少女───スカイフィーアの態度を咎める。

 

 

眼が見えないのか両目を隠すように目隠しをしたポニーテールの少女。彼女は腰に差した刀に手を添えながら、スカイフィーアに呆れたようであった。

 

 

「何のつもりだ、奏多?」

 

「まさか協力する相手に喧嘩を吹っ掛けるとは驚きダ、お前は偉そうな奴だからやるとは思ってたけどナ」

 

「…………ふん、私を止める気か?貴様風情が」

 

 

互いに敵意をぶつけ合う二人。しかし、奏多の方が退いた。やれやれ、と両肩を竦め、余裕のままで呟く。

 

 

「別に私は良いんだゾ?ただお前の事を気にしてるだけでナ」

 

「貴様が?私の事を、か?何の冗談─────」

 

「へぇ?この事をユウヤさんに知られたラ、どんな顔されるだろうナ」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、スカイフィーアは明らかに動じた。顔を青ざめさせ、小刻みに震えるその姿は先程までの傲慢さが見えず、見えない何かに怯えているようであった。

 

 

 

だが、一瞬にして毅然さを取り戻したスカイフィーアは悟られぬように気を引き締め、背を向ける。

 

「……………私は先に行っている。そいつらを連れて貴様も来い」

 

「やれやれ、私もこき使うとはナ」

 

 

奏多の愚痴に耳も傾けず、スカイフィーアは一瞬で姿を消す。はぁー、と嘆息する奏多は斑鳩達に声をかける。

 

 

 

「えぇっト、大丈夫ですカ?」

 

「……は、はい。私達は大丈夫です」

 

「─────ムカつきますよネ、アイツ。イヤ、私はアイツと無関係ナンデ。謝らないですケド、アイツ嫌な奴って思うのは当然ですヨ」

 

 

奏多は斑鳩達を心配しながらも、態度の悪かったスカイフィーアの事にイライラしたように愚痴を吐き出す。少し間愚痴を漏らしていた彼女は気付いたようにハッと立ち上がり、規律正しい動きで敬礼する。

 

 

 

 

「失礼しましタ。私達は候補生、『七つの凶彗星』正規メンバーの補欠でもあり、次期の筆頭。その一人の奏多、デス」

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