お気に入りも30超えて、自分の小説を見てくれてる人がいると思うと、泣けてきました。
どうか、この小説をよろしくお願いいたします!!
二十一話 闘いの予兆
蛇女学園での闘いが終わり、いつも通りの生活をしていたユウヤ達。しかし、また新たな闘いの予兆があった。
「おいお前ら、今日客が来るって言ったろうが」
部屋に集まった飛鳥達に、ユウヤは苛立ち気に声をかけた。
「いや、お客って聞いてないよ!?」
「あ?俺、一昨日葛城に伝えとけって…………」
戸惑う飛鳥にユウヤは、詳しく話そうとしてた口を閉じて、ゆっくりと葛城に振り向いた。
「…………なぁ、葛城。俺は一昨日伝えて欲しいと言ったよな?」
「…………あぁ!すっかり忘れ…………イタタタタタタ!!ちょっ、悪かったから!無言で掴まな……イタタタタタタ!!」
アハハと笑いながら、誤魔化そうとする葛城の頭にユウヤのアイアンクローが炸裂している。ユウヤは葛城の言葉に耳を貸さず、それどころか無言で力を強めていた。
「あの、そのお客とは一体………」
「ん?あぁ、そうだな」
ようやく葛城はアイアンクローから解放され、地面に突っ伏す。その様子を無視して、斑鳩にユウヤは答えた。
「死塾月閃女学館、半蔵学院とは違う善忍の育成機関だ」
「えぇ、その通りです」
直後、部屋の中に白い粉、雪が舞った。空中を舞う雪は勢いよく部屋を白銀へと包み込んだ。雪が晴れると、五人の少女が立っていた。
「私の名は雪泉、死塾月閃女学館の忍学生です」
「アタシは四季で~す。よろしく~♪」
「夜桜じゃ」
「美野里はねっ、美野里って言うんだよっ」
「…………叢だ」
リーダー格と思われる黒髪の少女、雪泉が自己紹介すると、他の四人も自己紹介を行った。個性的な方々が多いな、とユウヤは小さく呟く。
「今日、貴方達の所に来たのは、頼みがあるからです」
「頼み?」
雪泉の言葉に飛鳥は首を傾ける。えぇと雪泉は頷くと、ハッキリと告げた。
「先日、私達のいない間に死塾月閃女学館が襲撃されました」
その言葉に飛鳥達は驚いて目を見張る。だが、対称的にユウヤは静かに聞いていた。
「私達がいない間の襲撃でした。すぐさま戻ってみると他の忍学生が傷だらけで倒れ込んでいて、襲撃者は既にいませんでした」
(…………いない間?)
眉を顰め、ユウヤは悔しそうに両手を握り締める雪泉を見た。何故か、そこの部分が引っ掛かったのだ。
「恥を忍んで頼みます。どうか、私達の学校を守っていただけないでしょうか?」
雪泉はそう言うと、ユウヤ達にペコリと頭を下げた。
「…………協力する前に、一つ質問がある」
頭を下げてお願いする雪泉にユウヤはそう声をかける。
「お前らがそこまで頼み込むほどの奴等か、その襲撃者は」
ユウヤの言葉に雪泉は黙り込むと、ハッキリと答えた。
「襲撃者の正体は、
聞き慣れない単語に飛鳥達は首をかしげる。だが、その単語に反応する者がいた。
「な!?」
ユウヤが目を見開き、少しの間硬直する。そして、すぐに頭を抱え込んだ。
「馬鹿なっ!?あいつらが、動いたのか!?…………何の為に!」
クソッ!と悪態をつきながら、頭を掻きむしったユウヤに飛鳥は混乱しながら、問う。
「ちょっと待って!その『でぃーぷ・ばろーる』ってなんなの?」
飛鳥の問いにユウヤはフーッと息をついて座り込む。
「『
忍を殺す、その言葉に飛鳥達は顔を歪める。一人前の忍になろうとしている彼女達には良い印象が受けないだろう。
「忍達が国家に逆らった時の為の対応策。いわば、抑止力だな」
「えぇ、彼らに始末された忍の育成機関は少なくは無いです」
ユウヤと雪泉の説明に飛鳥達は、なるほどと頷く。だが、飛鳥はとある疑問を呟いた。
「でも、何で雪泉ちゃん達の学校に襲撃してきたんだろう?」
ユウヤも同じ疑問を抱いていた。何故、月閃女学館を襲撃したのか。それが分からない限り、奴らへの対処法も分からないままだった。
「心当たりはあります」
雪泉はハッキリと口にした。全員の視線が彼女へと集まった。彼女は閉じていた目をゆっくりと開き、続きを話した。
「私達、月閃女学館に眠る宝物、『白銀の欠片』。それが彼らの狙いです」
夜になり、空は暗闇へと変化する。この夜中に歩き回る者は少ない。
パスッ!
無機質な建物の中で、小さな音が響いた。ドサッと黒ずくめの兵士が倒れこむ。
「かっ、ひゅ────」
地面に蹲った黒ずくめの兵士が喉から溢れる赤い液体を押さえようとする。
ゆっくりと口元を隠すような服装の青年が歩み寄る。そして、右腕に持つ黒く光る銃の先を向ける。兵士が青年の顔を見て、喉を押さえた腕とは反対の腕を伸ばした。
パスッ!パスッ!パスッ!
青年は容赦なく、兵士の体に弾丸を何発も撃ち込んだ。兵士は悶えると、その場動かずに大きな血の池をつくった。
「失敗は許さない、そう言ったぞ」
青年は動かぬ亡骸に告げる。だが、亡骸が答える筈もなく、青年はため息を吐くと、サッと腕を上げる。同じような黒ずくめの兵士達が亡骸を運び出した。
「先日の
淡々と感情の感じない声で青年は伝える。残りの兵士達も顔色を変えずに頷くと、部屋の外へと出ていった。
青年が窓を開け、夜空を見上げる。暗い夜を照らす月の光が青年の顔を照らした。
「────」
悲しそうに何かを呟く。だが、その言葉は誰にも届かない。
「…………もう二度と」
「もう二度と、あの悲劇を起こさせない」
銀色の髪が光に照らされ、輝きを見せる。強く拳を握ると、青年はコートを翻し、部屋から出ていった。
次回『深海の魔神』
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