「………………はっ」
全方位に飛ばされた捻れた刃はキラの体を切り刻まんと迫り来る。その黒い刃は影に溶け込むようにして、襲い掛かった。
「………《
桜木はただ静かに発する。影の刃は無数に無抵抗の青年の体を引き裂いた。
「───────流石だ、やはり噂は現実か」
その筈なのに。キラの体には傷一つもついていない。だが、キラは笑いかけると顔半分に突き刺さった刃を引き抜いた。
「……………」
「良いことを教えてやろうか」
抉れた箇所からは血が出るどころか、真っ黒な闇がそこにある。闇は蠢き始めると顔半分を元に戻した。
「俺様はなぁ、生れつきこの力『異能』を持っていた。この力は俺様を死なせようとしない、死なせてくれないのだ」
捻れた刃を片手で弄ると、自身の首を裂いた。切れ口から大量の鮮血が吹き出す。周りを赤く染めあげ、変化を見せた。
切り口を包み込むように、闇が現れた。桜木は異常すぎる光景に喉を鳴らす。闇はキラの首の傷を完治させると、右腕へと移動した。
「俺様はこの力を、『
ズバッ!と話を聞かずに桜木は歪んだ短刀を一瞬で振るった。隙を付いた一撃にキラは立ち尽くし、
「…………話は最後まで、聞くものだぞ?」
闇を纏った右手で短刀を押さえつけていた。少し力をいれると、短刀の先が真っ二つにへし折れる。
桜木は舌打ちをすると、すぐさま飛び退いた。一瞬で影と同化した彼に語りかけるようにキラは腕を広げる。
「その動き、殺気、センスといい、不確定な噂は真実と化した」
無論、影に潜む桜木は答えはしない。彼は音を立てずに、捻れた刃を回収する。今もなお話を続ける青年の背中へと移動する。
「『カグラ』の名を冠する忍、その忍の弟子の一人、『
息が止まった。
その言葉を聞いた桜木は息どころか心臓までが止まったように錯覚する。激しく取り乱し、焦りを見せる。
だが、その行為は戦場では許されない。
「ある理由で忍をやめたようじゃないか、腕が鈍ってるぞ?」
右腕が歪に変形する。真っ黒な闇がボコボコと音をたてて、一気に後ろの桜木の腹部に直撃する。一撃を受けた桜木は口から血を吐き、砲弾のように吹き飛んだ。
ガシリッ
くの字に吹き飛ばされた桜木は受け止められた。その様子を見たキラは口を三日月のように歪める。
「……………」
戦えるとは言いにくい状態の桜木を地面へと寝転がし、ユウヤは電気を放出しながら、漆黒の闇と相対する。
怪物。
色んな二次創作物でも登場したりする人ならざる存在。もしくは、力などを恐れられる者などはそう呼称される。
シルバーも妖魔などと戦ったことがある。まぁ、楽には倒せたが。
だが、今シルバーの前にいる存在に比べれば、怪物なんてまだ優しい子供だった。
「そぉんなにぃ、怯えなくてぇ、いいんだよぉ?」
ボロボロのフードの中から、ニッコリと笑った仮面を見せる凶悪な存在 カオス。その凶悪性を理解したシルバーは試行錯誤を行った。
(今、自分が奴に勝てる可能性は不明。まずは、戦略を)
「………そぉ言えばぁ」
腕と足をブランッと振り回しながら、首を回転させる。あまりの異常さにシルバーはゴキリッ、と停止した。仮面の隙間から避けた口を見せて。
「あの子達の育て親の黒影っていたじゃぁん?
あれさぁ、僕がぁ痛めつけたのぉ」
………………………。
「ボコボッコにしてぇ、滅茶苦茶に苦しませてぇ、生かしてやったのさぁ。でぇぇもぉぉ、あいつぅ死んじゃたぁ。でも、良かったなぁ、
あの子たちのぉ、悲しんでぇ、泣いてる姿がぁ見れたからさぁっ!」
─────殺す
シルバーは何一つ躊躇をしない。目の前の邪悪がどれだけ異常だろうが関係ない。
彼女たちを嘲笑ったこいつを楽には殺さない。銀髪の青年の使命は確定し、行動は決定された。
割と切実に思ったこと。
天性の異能使い多くない?って考えるんだよ。
(ユウヤ、シルバー、カイル、キラ以下の数名)
紅蓮?
彼、ホムンクルスですから。
次回『混沌の悪意』
この作品のオリキャラで好きな人は誰ですか?
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天星ユウヤ
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紅蓮
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シルバー
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常闇綺羅/キラ
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カイル