「シルバーとアビスが、分かれてる?」
彼の予測を聞いた雪泉が繰り返すように呟いた。
シルバーの第二人格たるアビスとの戦いの途中、明かされた事実に全員が動きを止めている。それが普通、理解しがたい事実でもあるからだ。
「シルバーと私が分離してる、か………………その通りだ。このアビスがここにいる間にも、シルバーは別の場所に存在している」
地面につく程の長さを持つローブの埃を払い、アビスは説明口調で話す。ハッと顔をあげる雪泉たちに、だが、と付け足して、
「それを知ってどうするのかね?深淵の力を使わずとも、私が負けることはないのだよ」
高らかに、嬉しそうに、周りを浮遊する複数の武器をちらつかせる。血をペッと吐き捨て、現状を確かめたユウヤはゴギリィッ!と奥歯を鳴らす。仲間である彼女たちだけは逃がそうと立ち上がった─────その瞬間、
「えぇ、無理でしょう」
「ククク、そうだろう?誰も私には───────?」
おかしい、この場の全員が思った。
その声は丁寧に優しく告げていた。声は一般男性のより高いが、男のものだと理解できる。だが、男性は今ユウヤとアビスの二名しか存在していない。
彼らの目の前で鮮やかな赤色の飛沫と共に、杖と剣を持ったままの二本の腕が宙に舞った。
「……………………、は」
両腕を失ったアビスは絶叫をあげることも、詠唱するこたも許されなかった。無防備な彼の胴体を身の丈以上の大剣が深く食い込み、服ごと貫いた。
大人しそうな金髪の青年は巨大な剣をぐっと押し込む。それに連動するようにアビスの傷口と口元から鮮血が吹き出る。
苦しそうに呻き声をあげるアビスに対して、金髪の青年はにこやかに笑いかけると、
ザンッ!!と突き刺さった大剣を勢いよく上へと振り上げた。目を見開いたまま倒れ込んだアビスに、ユウヤたちは戸惑いを見せる。彼の体は白く輝き発光すると、黒い銀色の結晶を残して消失した。
「…………うそ、消えた?」
ユウヤに肩を貸されて、起き上がった飛鳥は目の前で起きた出来事に震え上がっていた。その隣で、ユウヤは目を細めて金髪の青年を睨む。
(あいつの感じ、何処かで)
「お見苦しいところをお見せしました」
後ろを振り向こうとせずに、剣に付いた赤黒いシミを拭き取りながら謝罪をした。何処と無く丁寧な口調と態度で。
「彼と同じように貴方も失う訳にもいかずに、手を出してしまいました」
体ごと向き直った青年はキチンと腰を折り曲げる。鎖の巻かれた大剣を肩に乗せながら、礼節を忘れないように。
「──────な」
近くから声が上がる。どうしたのかと全員が振り返ると、般若の面を付けた少女 叢が立ち尽くしていた。
「…………いや、なんで────そんなッ」
「叢さんっ!」
般若面が落下したことにも気付かない程、錯乱している叢に雪泉たちが駆け寄る。
青年も叢の様子に眉間をしかめる。背中まで伸びた金髪を払いながら、ふーっと息を吹く。
一連の行動を終えると、青年はユウヤに向かって、
「挨拶が遅れましたね、『世界の鍵』よ」
「…………あ?」
彼の言葉を聞いたユウヤは地面を踏みつけ青く輝く電流を起こした。威嚇の意思を込めたものに、青年は飄々とした態度でいる。
肩に乗せられていた鋼鉄の刃が柄から乖離する。ガシャンッ、ガシャンッと変形すると同時に、彼は大剣を大きく横に振り払う。
空気を裂くほどの強靭な刀身のジグザグに折れ曲がった剣を見せながら、金髪の青年は言葉を紡いだ。
「私の名前は、
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