閃乱カグラ ケイオス・ブラッド   作:虚無の魔術師

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エイプリルフールなんで投稿しようと思いました。



本編出せよ、オラと石投げられる気もしますが(投げてくれる人がいればいいけど)適当に見ていただければ幸いです!


番外編 焔紅蓮隊

街から離れた静かな山、その中でも垂直に切り立った崖に人が通れる程の大きさの洞窟があった。

 

 

奥に進むと、通路よりも何倍を広い空間が存在した。

 

 

 

 

「………………よし、これでいいかな」

 

 

グツグツと煮込む鍋を前に一人の青年が座り込む。伸びに伸びきった灰色の髪を束ね、ジャージを身に纏った青年は小皿に移したスープをゆっくりと飲み干す。

 

 

 

「……………あっつ」

 

 

…………凄い淡白、いや簡素な評価である。そんな評価を下した青年、紅蓮は鍋を煮えている火に更に薪を投げ入れた。

 

 

 

 

 

 

焔紅蓮隊、

 

 

ホムンクルスの紅蓮をリーダーとした悪忍の選抜チームであり、最高権力者カイルの私兵でもある。しかし、神の遺品とされる『聖杯』を求めたカイルの暴走により、彼等はカイルを殺したとして蛇女に命を狙われているのだ。

 

 

 

『困っているなら、僕に言ってくれ。知り合いが蛇女にいるから、なんとか頼んでみるけど』

 

 

 

 

当初、瀕死だった紅蓮を治療し蛇女の追っ手から匿ってくれた子供のような容姿をした医師 桜木にそう声をかけられたが、迷惑をかけられないと断り、今はこの洞窟に隠れ住んでいる。

 

 

 

リーダーである紅蓮はここで食事を作ったり、洗濯をしたりなど基本的に家事を優先的に行っている。

 

 

 

山奥の洞窟に住んでいるのだから、家賃はいらないのだが、食費や生活のための家具などが必要となるだろう。

 

 

「ただいまー」

 

 

「おかえり、皆。バイトどうだった?」

 

 

洞窟に入ってきたのは五人の少女。彼女たちは紅蓮の仲間である焔紅蓮隊のメンバーである。

 

 

紅蓮はちゃぶ台に六つの皿を置くと、背中を伸ばし少女たちに食事について話した。

 

 

「今日のご飯は野菜入りのシチューとモヤシ炒めだ」

 

 

「おっ、待ってました!」

 

 

「まぁ!今日は久々のモヤシ料理ですね!」

 

 

今日もだろ、と付け足す紅蓮はちゃぶ台の前に座り食事をし始めた。他の五人と共に楽しく談笑をしながら。

 

 

 

「ねぇ」

 

 

「ん、どうした」

 

 

「前々から思ってたんだけど、最近追っ手が少なくない?」

 

 

焔紅蓮隊の女子の中でも貧に───身体的に幼い未来がそう指摘をする。

 

 

当時は十数回くらい善忍や悪忍との戦いもあったが、最近は何一つ変化がない。それに彼女たちも違和感を抱いていたのだ。

 

 

「こないなら、別にいいんやけどなぁ」

 

 

「確かにそうね……………何かあったのかしら」

 

 

日影と春花も心情を吐露する。それが幸せなのだが、逆に不安を感じたりもするのだ。

 

 

 

「追っ手がいつ来るかは分からないだろう!だからこそ、修行が必要だろ?紅蓮」

 

 

「戦いたいだけだろ、おいコラ。こっちは残りのシチューを戴きたいんだぞ」

 

 

肩を掴んで外に連れていこうとする焔に皿から手を離そうとせずに紅蓮は抵抗する。

 

 

 

「仲良いなぁ、ほんま」

 

 

 

やめろ、まだシチューが、離せぇぇぇぇぇっ!!!と真夜中の山奥に反響した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅蓮や焔たちが洞窟の中で楽しく騒いでいる中、

 

 

 

 

「ひぃっ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 

生い茂る草木をかき分けるように、一人の男が走っていた。見た目からして二十代くらいの容姿をした男は、顔を恐怖に歪ませている。

 

 

右手で小刀を握り締め、腰には鞘に入った何本もの短刀がちらつく。明らかに只者ではないこの男は忍、そのなかでも精鋭と呼ばれる実力者だ。

 

 

 

その実力者である忍が戦うこともせず、ただひたすら逃げていたのだ。

 

 

 

(なんで、……………どうしてこんな事にぃ!)

 

 

石ころに引っ掛かりながら、悪忍の男は悪態をつく。そしてどうにもならい過去を悔いるように

 

 

 

 

 

────蛇女を抜けた抜忍の殺害、捕縛と最重要秘密の排除。

 

 

本部から出されたそれを彼等は簡単な依頼だと思っていた。抜忍が全員女だと聞いた仲間の一人が汚ならしく下品な笑いをして引いたりもしていたが、それほどまでに簡単だと思っていたからだ。

 

 

仲間たちと共に報酬の配分を考えながら、詳しく調べようともせずに、彼等は依頼の為に山奥へと向かっていった。

 

 

 

だが、彼等は知らなかった。

 

 

その依頼を受けた結果、約六十人の忍(・・・・・)が意識不明もしくは重症を負っていることを。

 

 

そして何より、紅蓮たちが撃退したのは十数人の忍(・・・・・)だけだということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標が隠れているとされる場所はすぐに分かった。洞窟の中に六人ともいるらしく、談笑を続けていると見える。

 

 

(こりゃあ、早く済みそうだな)

 

 

「俺が合図をしたら突撃しろ…………………オイ」

 

 

仲間からの反応が無いことに少しずつ苛立っていたが、我慢の限界だと振り返ると、

 

 

 

 

仲間たちが地面にひれ伏していた。いや、表現が少し違う。鮮血で滲んだ泥に押さえ込まれるように倒れていたのだ。

 

 

 

「ッ!!!?」

 

 

 

男は小刀を抜き取ると全方位に神経を集中させた。隙を出せば狙われる、そう理解していた男の耳に、

 

 

 

「ぅ…………………ぁあ」

 

 

死にかけた仲間の呻き声に硬直した。よく見ると両手と両足の首の部分が有り得ない方向に捻れている。手の平に打ち込まれように生えた氷の杭が溢れ出る赤い液体を凍らせ、雪化粧が舞う世界を作り出す。

 

 

 

「…………………は、」

 

 

 

だが、そんなことなど男にはどうでもよかった。彼等は自分にも引けを取らない精鋭たちだ。それが、その仲間たちが、自分の見ていない間に無力化をする者がいたとしても自分には──────、

 

 

 

 

 

─────本当にそうだろうか?

 

 

 

「………………………ひっ」

 

 

スーッと背筋に感じる悪寒に声が裏返る。もしかしたら、襲撃者は自分たちを遊んでいるのではないか?殺すなら殺せる筈なのに無力化を選んだのは、自分の反応を楽しんでいるのでは?

 

 

 

その場にへたれこみ、ガチガチと歯を鳴らす彼の心は崩壊寸前に達していた。

 

 

 

つんざくような冷気が肌を刺激する。ピキピキと周りの空間が凍り始める。そして、彼の靴ゆっくりと凍りついたその瞬間、

 

 

 

 

目に見えない恐怖に心が支配された男がとった行動は簡単なものだった。

 

 

 

 

 

「はひっ、ひぁぁぁぁぁああああああっっ!!!」

 

 

威厳やプライド、誇りまでもを棄てて来た道を逃げるように走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今の状況に至る。

 

 

震える身体を押さえるように男は周りを見渡す。何もないと感じてホッとするが、

 

 

「………………は、」

 

 

その直後、視界の隅に残像が映った。人の姿をした残像はすぐにかき消えるが、頭の中に鈍い音が響く。

 

 

そして、消え行く男の意識は前に立つ人物の姿を目にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両腕に付けられた義手が印象的な黒髪の男、それを見た瞬間に男の意識は完全に消えた。






今回の補足、紅蓮さんは料理が得意です。理由は二つあります。

一つ目は焔紅蓮隊の中でもまともな料理を作れるのは紅蓮のみだからであり、

二つ目は本人も食事が好きだからです。



そして、精鋭として出てきたのに呆気なく退場なさったこの男………………多分原作にもいるけど大道寺さんとか鈴音さんの二人に並ぶくらい強いんですよね。



その男たちを倒した人物は──────誰でしょうね

♪~(・ε・ )

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