閃乱カグラ ケイオス・ブラッド   作:虚無の魔術師

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今日から新元号、令和ですね!


皆さん、これからもこの小説をよろしくお願いします!


四十五話 殲滅・烈光

【シャァァァァァァァァァァァァッ!!!】

 

 

白い翼を回転させ、奇怪な円陣に戻した『神の器』は先程の姿にはなかった口を開き、高速の勢いで地上へと突っ込んだ。

 

 

狙いは結界の奥にいる柳生と雲雀。その二人を始末せんと結界を破ろうとする『神の器』を止めようと飛び掛かった斑鳩と葛城。

 

 

 

その二人はゆっくりと動く時間の中、確かに目にした。

 

 

 

 

二人へと目の代わりに光のラインを向けながら口先を歪め、笑っているかのように見える『神の器』。

 

 

 

 

そして、視界外から迫る四枚の刃。

 

 

 

空中で二人は身体を捻り、斑鳩は宝刀で、葛城は足甲で飛来した刃を弾いた。刃は回転しながら逸れて行き、そのまま『神の器』の腕────その小さな穴へと収納された。

 

 

 

先程の戦い方と違うと、全員が理解する。最初に彼女たちが戦った時は、機械のように優先する敵への攻撃を行っていたが、今の形態は違う。

 

 

普通に暴れ狂ってるように見えるが、他人の知覚を騙して仕掛けてくる。

 

 

 

【ギギ、ギギギギ!!】

 

 

 

地面付近へと降り立った『神の器』の行動は単純なものだった。四本の腕を地面へと突き刺しながら、彼女たちへと近づいていく。

 

 

見る人には虫のような動きで嫌悪感を抱かせるが、その動き方が何の意図なのかはすぐに感づいた。

 

 

 

「クソッ、近づけない!」

 

 

そう、乱雑に暴れるように動き回る為、動きが予想できない。だが、それが動く度に瓦礫が周りに飛び散るので回避に集中しなければならない。

 

 

 

「もう一度、隙を見て、攻撃しないと!」

 

 

このままではいけないと避けながら飛鳥は考える。まずは避けながら移動しようと距離を置こうとした。

 

 

──残念ながら、飛鳥は知らなかった。その行動こそが、アレの狙いだったのだ。

 

 

 

 

サクッときれいに切れた音がした。飛鳥はその音のした方に首を向ける。

 

 

胸と腹部の間、あばら骨がある部分。そこにあったのは白い槍。

 

 

 

顔をあげて槍の先を目で追いかけると、槍と同じ色のした細長いものが『神の器』の口から出ていた。ニヤリと裂いたデコボコの口から無機質な音声が漏れた。

 

 

 

【──標的、一人、弱体、排除】

 

 

勢いよく、槍が引き抜かれる。それに引っ張られ、飛鳥の身体は吹き飛ばされ、瓦礫へと叩きつけられる。地面へと落下した飛鳥は遅れて液体の感触を感じた。

 

 

 

「………う……ぁ」

 

 

口から赤いものが溢れるのを感じながらも、飛鳥はポッカリと身体に空いた穴を右手で押さえた。だが、彼女の手からドロドロとナニカ大切なものが垂れ落ちていく。

 

 

「──飛鳥ちゃん!!」

 

 

突然、身体が担ぎ上げられたのを感じる。飛鳥は顔を動かしてよく見ると、隣にいたのは結界内にいた雲雀だった。雲雀は飛鳥を抱えあげ、結界内へと連れてきたのだ。

 

 

 

【瀕死、重体、一人、排除、逃走、邪魔、拒絶、殲滅、殲滅、殲滅、殲滅、殲滅、殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅】

 

 

だが、それを許さない。『神の器』が狂ったように音声を再生し続け、彼女たちへと牙を向く。瀕死の飛鳥に止めを指すつもりか、もしくは飛鳥を助けようとするのを妨害するつもりかは知らないが、どちらであろうと一人を殺すのには変わらない。

 

 

「させませんっ!!」

 

 

「邪魔すんなよ!!」

 

 

前線で戦っていた二人が前に立ち塞がり、押さえ込んだ。金属の装甲を切り裂かれ、蹴り飛ばされた『神の器』は二人を見てはいない。裂けた口をより引き裂きながら、同じ言葉を繰り返す。

 

 

【殲滅、邪魔、殲滅、撃退、殲滅、排除、殲滅、殲滅、殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅sssssssssssssssssssss─────────!!!!】

 

 

ボゥン!!と円陣が爆裂する。十対の白い模様が徐々に伸びながら、乱雑にも周りの残骸を吹き飛ばし、破壊し続ける。

 

 

複数の紋様が結界へと傷をつけ、何度も破ろうと叩きつけてくる。

 

 

「柳生、奴を撹乱しに行け!あの二人が倒れると次の狙いは僕たちだ!」

 

 

「言われなくても分かってる!」

 

 

志藤の指示に答えると柳生は結界の外へと出ていった。そして仕込み銃を使い、二人を援護している。

 

 

 

「志藤さん、飛鳥ちゃんは!?」

 

 

「駄目だ!出血の量が多すぎる、血が足りない!」

 

 

 

落ち着いた様子を失い、戸惑いながらも志藤は自らの能力で血を止めようとする。傷口は少しずつ塞がっていくが、少しだけ───溢れだす赤い液体はどうしようもなかった。

 

 

 

「くそッ!なんでだよ!どうして、僕はこんなことも出来ないんだよ!」

 

 

「……………ぁ」

 

 

「死なせないぞ、君は僕の仲間の信頼する人だ。そんな君を死なせたら、アイツにどう顔を会わせればいいんだ!!」

 

 

自分を鼓舞するように志藤の言葉に薄れ始めた意識に一人の青年が思い出される。

 

 

(ユウヤ、……………くん)

 

 

口や素行が悪かった青年は、結局自分以外の誰かの為に動いていた。どれだけ自分が傷つこうと関係なく、ただ他人を守ろうとしてきた青年。

 

 

考えていく内に叫ぶような声が遠退いていき、意識が消えて───────、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「間に合ったとは言えないな。だが、良くここまで頑張ってくれた」

 

 

 

 

 

飛鳥の耳に聞こえたのは、聞き覚えのある男性の声。途端、瀕死の状態の飛鳥を仄かな光が包んだ。少しずつ、飛鳥の意識が覚醒し始めると同時に傷が塞がり、そのまま消えてなくなった。

 

 

元の元気を取り戻した飛鳥は、起き上がった拍子に近くにいたその人物を目にした。

 

 

 

 

 

 

白みのある灰色に見える黒髪。藍色の瞳。ロングコート。そして、両腕が義手の男だった。飛鳥たちにはその人物は知っていた。

 

 

「詳しく説明したいが…………時間が無いみたいだな」

 

 

そう言った男は結界から出ていく。そして、今もなお暴れる『神の器』の前へと歩んでいく。

 

 

「………貴方は」

 

 

「………マジかよ」

 

 

「彼を助けるためには外装(アレ)を剥がせばいいんだな?」

 

 

ギョロリと光のラインがその人物を映す。非武装だと思い警戒をしていなかったが、その思考を一瞬で打ち消した。

 

 

【危険、個体、確認、重要、戦況、反転、排除、撃退、殲滅、排除、撃退………………】

 

 

目の前にいる男に対して、『神の器』は怯えていた。全神経が警報を出しているを理解する。だからこそ、答えが出た。

 

 

 

【─────────殲滅!!】

 

 

四本の豪腕を振るい、『神の器』は目の前の男への攻撃を行った。叩き潰すだけではなく、捻り、ちぎり、抉り、砕き、刻むために。

 

 

 

 

 

 

 

だが、男はどこにもいなかった。

 

 

一瞬で消えた男に全範囲への警戒を行う。そうしなければ捉えられないと思ったのだ。

 

 

 

そんな中、近くで声がする。そう、すぐ近くで。

 

 

 

 

 

「協力しよう、このオレでもそれが許されるのならば」

 

 

光の異能使い カイルはそう言うと、光の速度で『神の器』の目の前へと移動すると、勢い良く頭部を蹴り飛ばした。




カイル「待たせたな」


悪役だったカイルさん、満を持しての登場!


こんな登場の仕方はヤバすぎる……………ヤバすぎるだろ、オイ。

この作品のオリキャラで好きな人は誰ですか?

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  • 紅蓮
  • シルバー
  • 常闇綺羅/キラ
  • カイル
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