閃乱カグラ ケイオス・ブラッド   作:虚無の魔術師

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主人公四人の絵を描いてみました。手書きですが、良ければ見てみてください。


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天星 ユウヤ



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紅蓮



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シルバー



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常闇綺羅/キラ


今現在はこの四人だけです。ご要望があれば、是非お願いします。


五十一話 超越の速さ・悪竜/■■

振るわれるのは強靭な刃。剣の技の特徴の無さから我流と判断した斑鳩は歯噛みをする。

 

 

(相手がどういう風に動くのか分からない以上、無闇に攻撃は出来ない・・・・・)

 

 

彼女は本来、抜刀術を得意とする忍。そもそも抜刀術とは、鞘に収めた状態で帯刀し、鞘から抜き放つ動作で一撃を加えるか相手の攻撃を受け流し、二の太刀で相手にとどめを刺す形、技術を中心に構成された武術。

 

 

そして、彼女は不安定な剣術を使うスロウの出方が読めずにいる状況である。だが、見たことのある構えをスロウがとった。

 

 

直後、重い一撃により力を込めた剣が横一閃に凪ぎ払われる。それを読んだ斑鳩は腰に納めた愛刀、飛燕の柄を握り、勢いよく鞘から放った。

 

 

 

「はぁっ!!」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・む」

 

 

兜の隙間から少し驚いた声が漏れた。視線の先には甲冑についた小さな切り傷があった。愛刀を鞘に戻した斑鳩は兜の隙間にあるモノアイを見詰めた。

 

 

 

「・・・・・少しですが、読めてきました。貴方の剣」

 

 

「ふむ、ならばペースを上げてみよう」

 

 

直後、スロウは一瞬で消えた。何処に行ったか目で追えなかった斑鳩は飛燕の柄に片手を添えた。何時でも迎撃できるようにしていたのだが、

 

 

 

 

 

 

「──隙だらけだ。簡単に首を取れるぞ?」

 

 

ゾッ!と背筋を冷えつかせる言葉が耳元で囁かれる。すぐに姿勢を崩し、地面に倒れ込むようになった斑鳩は自身の鼻の先、立っていた場所が刀剣で薙ぎ払われたのを目視する。

 

 

 

一撃を回避した斑鳩はすぐに身体を無理矢理捻り、二撃目をすれすれで避けた。安心するもつかの間、地面に叩きつけた剣を自然な動きで下から斑鳩を斬ろうと動かす。

 

 

 

(────ッ!この一撃は防がなければ、急所を!)

 

 

ゆっくりと振るわれた斬撃がどう動こうと致命傷に至ることに気付いた斑鳩は僅かに歯噛みするも、すぐに最善の行動を取ることにした。

 

 

下から斬ろうとする刀剣を勢いよく抜刀した飛燕で防ぐ。ぶつかり合う時に発生する金属音が鼓膜を叩き、斑鳩は手首が鈍く痛むのを感じながら、何度も素振りをしているスロウから目を離さずにいた。

 

 

 

 

 

よくは見えなかったが、その刀剣が残像のように揺れていたのが確認できる。甲冑の剣士はその剣の持ち方を変え掲げると、静かに告げた。

 

 

 

「一ノ太刀 無影瞬斬撃。其の磨きあげた剣技の一つ、避ければ避けるほど切れ味を上げ半永久的に斬りつける・・・・・貴公に耐えられるかな?」

 

 

 

薄い青色のオーラを籠めた剣の刀身をちらつかせる。剣士は余裕の様子だったが、静かに飛燕を構える斑鳩を見て驚いた声を甲冑の隙間から漏らす。

 

 

 

「ふむ、ふむふむ、人間だからといって慢心していたのかもしれないな。貴公も其と同じ剣士だ、本気を出さねば侮辱になる」

 

 

(かぶと)の顎を擦りながら、何度も頷く。明らかに気の抜けた態度だが、斑鳩は余り構うべきではないと考え込み、一度鞘に納めた飛燕を抜刀するために踏み込んだ。

 

 

だが、気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・遅れを取らない方がいいぞ?まぁ、無理なのだが」

 

 

いつの間にか、自らの懐に滑り込むように放たれた斬撃。それは防御する時間も与えずに、彼女の胸元を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・くっ」

 

 

だが、彼女自身に傷はなかった。先程とは別の剣術と察した斑鳩は後ろに飛び退いていたのだ。スロウの剣は斑鳩の服を斬るだけで止め、彼女を傷つけるまでにはいかなかった。

 

 

今度こそ、刀剣を地面に押さえたスロウは何度も首を降る。習慣のように何度も頷くのをやめると、兜から声を聞かせた。

 

 

「ふぅむ、よく避けたものだ。先程から僅かに能え続けている其の『本命』を受けてもなお、戦えるとはなあ」

 

 

「・・・・・・・『本命』、ですか?」

 

 

そうとも、と肯定するスロウを前に斑鳩は疑問が浮かんでいた。自分は何もおかしい所はない、一体何をされたのか?という謎が頭の中を駆け巡っていく。

 

 

ブォン、ブォンと風を切る音を響かせながら、素振りをしたスロウは剣の刀身を撫でる。そして、甲冑のラインを光らせて、挑発の意思を見せつけるように剣先を彼女に向けた。

 

 

 

「世界そのものを越える速さ、その秘密が分からないのならば、貴公に勝ち目はあるまいよ」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

各地から響く轟音に葛城は飛鳥たちの事を心配していた。ユウヤも心配するべきかもしれないが、自分よりも強いのでする必要はないと心で決めつける。

 

 

 

 

「よそ見してる、場合かぁァ!!?」

 

 

 

直後、鋼の槍が大地を削りながら殺到する。土を突き破り出てきた鋭い槍の矛先を葛城は横へと飛び退いた。

 

 

 

ザシュッ! と彼女の頬を槍が通り抜けた時に耳に入る。槍の横についた刃が彼女の頬を浅くだが切ったのだ。

 

 

「おっ、せェ!!」

 

 

 

バランスを崩した葛城の眼前に鋼色の鱗が帯びた手、五本の指先にある鋭い爪がファフニールの怒号と共に迫り来る。切り裂こうとするのではなく、押し潰す為の攻撃に葛城は避けようとしない。

 

 

 

「──おらぁぁ!!」

 

 

逆に脚甲で蹴り上げた。ゴギィィ!!と凄まじい音に二人は飛び退いた。音は葛城の脚からした訳ではない、ファフニールの腕からだった。

 

 

歪に曲がった右腕をぶらんと垂らしたファフニールは笑う。苦痛などもろともしないという表情を浮かべ、先程出てきた槍、否細長い先端が尖った尻尾をくねらせて。

 

 

 

「クカカッ!やり甲斐があるぜぇ、オイ!このファフニールとここまで戦えるとはなぁ、人間にしては中々やる方じゃねぇかァ」

 

 

「ヘッ、そっちこそ!アタイもこんなに強い奴と戦えるとは思えなかったからな!」

 

 

ファフニールは、おう?と首を傾げ、心底分からなさそうな顔を浮かべる。そして葛城に指差してきた。

 

 

 

「一応聞くぜ?・・・・・テメェ、本当に人間か?」

 

 

「意外に失礼じゃないのか?」

 

 

「いや、冗談じゃねぇさ。何かおかしいんだよなぁ」

 

 

突然の言い分に呆れた葛城にファフニールは頭を抱える。どういう風に説明すればいいか、悩んでいるようだったが、クシャクシャと髪をかきむしると疑問を問いかけてきた。

 

 

 

 

「テメェからなんつーか・・・・・・・・・俺たちと似た感覚があんだよ(・・・・・・・・・・・・・)。よく分からねぇが、そーいうのは感じるんだぜ。お前は心当たりねーのか?」

 

 

ん?と葛城は深く考え始めた。ファフニールに言いたいことが分かっている訳ではない以上、何を伝えたいのかよく分からないが、一つだけ分かることがあった。

 

 

(・・・・・つまりアタイ、いや他の皆もファフニールって奴と同じ何かがあるのか?)

 

 

それが何を指し示しているのかは、考えるつもりはない。だが、葛城は引っ掛かった所があるのだ。

 

 

前にあった。確かに、ファフニールの言葉の真意に気付けるような事が。だが、決定的な何かを思い出せなかった。

 

 

真剣な空気が嫌になったのか、ファフニールは溜め息を漏らしてボサボサとした髪をかきむしる。あー、うん。 と呟いた彼は申し訳なさそうに(訂正。コイツ、顔と声からして反省すらしてない)葛城に語りかける。

 

 

 

「・・・・・・やっぱ止めるか、俺にはそーいうのは向かねぇわ。こーいう、戦いが一番だな!」

 

 

「そっちから言い出したってのに・・・・・・まぁ、アンタの言う通りだな!」

 

 

────こんな風に対応できるのは、半蔵学院の中でも葛城くらいだろう。ユウヤとかだったらジト目で呆れたりはするから。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ついでに、宣言しとくぜ?」

 

 

「・・おいおい、今度は何だ・・・・・よ」

 

 

流石に鬱陶しいと思ったのか、眉をひそめる葛城は目の前の状況に言葉を失った。ビキ、ビキビキビビキビキィ!!と曲がっていたファフニールの右腕が蠢く。

 

 

 

そして、何事も無かったかのように戻った腕を見せつけ、ファフニールは首をゴキリと鳴らし、葛城にこう告げた。

 

 

 

「悪竜の俺でこの程度なら、■■の俺には勝てねぇよ。それが現実だ、って所だなァ」

 

 

 

───ブォォッ!

 

 

ファフニールの背中の影が肥大化した。しかし、その表現はやはり正確ではない。巨大な翼、鳥などのものではなく、コウモリのような翼。

 

 

 

神話などに存在するドラゴン。それにシンクロするような姿のファフニールは空高く飛翔する。はためかせた翼を広げ、

 

 

 

「────クカ」

 

 

大空からジェットの如く吹き飛んでくる。流星に並ぶ破壊力と戦闘機以上の駆動力を重ねて、ファフニールは飛来する。

 

 

 

もはや今のファフニールに使命など関係ない。ただ自分を高揚させる戦いの為に暴れ回る、それがファフニールが自分自身で決めた事だった。

 




スロウ。


全身が西洋の甲冑である謎の武人。一人称は()二人称は貴公。刀とも剣とも言えるデカイ刀剣を使う。


避ける度に威力が上昇し、半永久的に切り続けられる剣技を持つが、他にも強力な剣技を使える。


斑鳩も反応できなかった位の速さを持ったりしていますが、意外なトリックが隠されてます。暇な時に考察してみてください。



ファフニール。


竜人のような男。割と戦闘狂な方で、命をかける程の戦いの果てに、自分が望んだものがあると信じていたりします。


葛城に興味を抱いているのは、彼女の秘伝忍法が龍であるからでもあり、もう一つの理由があったりします。


そして何より、今回の話で一つの伏線を示してくれました。ファフニールの言った言葉、難しいと思いますが、第一章を全部読破してくれた方なら気付けるかもしれません。



次話は他の五君帝がまとめて出てきます(予定)

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