なるべく温かな目で見てくれると嬉しいです。
俺の小さい頃の記憶といえば父親に習って修行の日々、それと母親には勉学を教わっていたぐらいだ。
それが俺の鮮明に覚えている一番古い記憶だ。 この時の俺は三歳である。
両親の教えは厳しいものだったが、俺の為と思って必死にくらいついた。
そして時は過ぎ去り、現在の俺に至る。
今の俺は十歳、一年前に俺は両親が事故にあって息を引き取ったと知った時世界が暗くなるのを自分自身が感じ取っていた。
後で分かったことだが両親を殺したのは組織の連中らしい。そんな連中を憎く思ってはいたが、一番憎かったのはその時に俺が戦える状況にあったら両親を助けられたかもしれないという自分自身に腹を立てて憎いとすら感じていた。
いつまでもへこたれていても強くはなれないわけで。
そんな自分が嫌で俺は修行に明け暮れた。
近しい親族なんていなかった為に俺は1人色々な所に修行という名目の元移動生活するようになった。
幸い知識と力はあったので生きて行く上では不自由ではないと言えば嘘になるが、こんな生活を一年も続けていれば慣れている自分がいるのも事実だ。
なんとなく立ち寄った河原で物思いに耽っていると土手の方で元気な男の子の罵声のようなものが聞こえてきた……
ん?罵声?
そう思い横になっていた躰を起こす。
そこには奇妙な光景が映し出されていた。
だって一人の女の子を十数人で囲んでリンチにしようとしているではないか。
見たところ俺と同い年か年上のように見える。
これは止めなくてはと躰が勝手に反応し集団の中へと向かっていく。
そして近くに着いて一言
「お前ら一人の女の子を大勢で虐めようとして男として恥ずかしくないのか?」
「あぁん? それは俺達に言ってるのか? てめぇ、ぶっころすぞ!?」
「いやいや、お前ら素人になんて殺されたら来世まで恥だわ」
「おい」
ちょっと男どもと口論している時に中心にいた女の子が俺に向かって話しかけてきた。
「何だい御嬢さん? あぁ自己紹介がまだだったね。 俺は伊達出雲、まぁ日本中を旅している者だ」
「いや、別にお前の名前なんかに興味はない。 お前邪魔だからどけてろ、危ないぞ?」
「御忠告どうも、でもこんな所に女の子を置いてなんていけないかな?」
「まぁ私の邪魔しなければいいや」
「何二人で話盛り上がっちゃってんの? おらぁ!」
痺れを切らした馬鹿なガキが俺に向かって殴りかかろうとしていた。
そんな光景を見た俺は拳が当たるすれすれで左に半歩避けて攻撃を回避する。
その時そいつの勢いを殺さずに足を引っ掛けて転ばしておいた。
「なんだ、お前武術の心得あるのか?」
「まぁ、多少はだけどな?」
そんな会話をしながらも二人で襲ってくるガキどもを捌いていく。
といっても俺は受け流しているだけで、女の子の方は一方的な暴力なんだが……
「そういえば何でアンタはこいつ等に襲われているんだ?」
「アンタじゃない。 私は川神百代だ。 襲われている理由だったな、それはこいつ等が寄ってたかって子猫を虐めて殺したからだ」
「あぁ~なるほど、それは怒るわな。 久々に俺も怒りそうだが怒りに任せても勝てるものも勝てないしな。 しかも、アンタが川神鉄心の孫娘か……」
まさかこんなところで武神の孫娘に会うことになろうとはな。
しかも相当怒ってらっしゃる。これは悪ガキ共は災難なことになるのかな?
「ほう、うちのジジイを知ってるのか?」
「そりゃあ知ってるさ。 あれだけ武神と有名な爺さんだぜ?武術家としてはワクワクが止まらないものさ」
「じゃあ私とも闘ってみるか?」
口元を少し吊り上げて不適に笑う百代。
その周りにはさっきまで威勢のいい声を出していた小学生のガキどもが全員その場に倒れているという光景を目にしたときの俺の第一印象は地獄絵図だった。
だけど俺は自分の力が今の百代にどれだけ通じるのか試してみたかった。
両者が一定の位置につき、百代が左半身を前に、右半身を後ろに下げて構えを取る。
出雲はというと、正面に体を向け拳を軽く握り構えて立つ。
その二人が構えを取ったとき、先に仕掛けてきたのは百代だった。
「じゃあまずはこれだ!!川神流!!無双正拳突き!!」
そう言って百代は素早い動きで突進し出雲めがけて鋭い突きを出してきた。
その突きは只の突きではない。 拳に気を纏わせて出してきた突きだけあって十一歳の女の子とは思えないほどの速さと力強さを感じさせる一撃だった。 ・・・・・・のだが・・・・・・
「まだまだ慢心があるな・・・・・・っふ!」
出雲は自分に当たる紙一重の所で突き出された拳を自分の手で逸らし攻撃をかわす。
それと同時に自分の拳を百代の目の前まで素早く突き出し、顔寸前で止める。
顔寸前で止まったはずの拳からは一瞬だけタメがあり直ぐに百代が吹き飛ばされた。
「っつ!うわー!!!」
「ふぅ、始めてやったにしては上出来か・・・百代!倒れたままで良いから聞いておけ! お前はまだ強くなる。もう一度会ったとき、今のお前よりも強くなっていたらまた闘ってやる。それまで修行に励め!!」
そう言って俺はその場を去った。
その去った姿をあの人が見ているとは知らずに・・・・・・
はい、というわけで初投稿の作品です。
まさかの一話から転生の内容が出てこないとは・・・・・・
ま、まぁ次の話でしっかり出しますから!
では、次の話を待っていてくださいまし。