数年の時が過ぎ2008年
「――ッフ!!」
「義経。まだまだ練り込みが遅いし斬撃も遅いぞ?」
「はぁっ!!」
「っ!弁慶は相変わらず力任せで動きが読みやすい」
ヒュオン!!
「おっと! 与一!良い所に射ち込んでくるがまだまだ甘いぞ!」
そろそろ休憩させてやるか。
適度にやらないと体を壊すからな。
「よし、ちょっと休憩!」
「うん」 「はい」 「おう」
全員三者三様の答えで俺の元に集まってきた。
俺たちはもう一人いる人の近くに行き木陰に腰を掛ける。
「やっぱりお兄ちゃんは強いな」
今ある現状の説明をしておこう
この五人の中で一番幼く見えるのが、かの有名な源義経・・・のクローンである。
性格は真っ直ぐで正直者。 常に他の人の見本となる様に努力を忘れない少女。
「全くだよ。いず兄は隙がある様に見せかけて全然ないんだもん」
天然パーマなのか髪の毛がわかm……みたいな奴が武蔵坊弁慶・・・のクローン
弁慶は基本のらりくらりとしているが主である義経には忠誠の意を示していつもじゃれている。
「兄貴には俺のソドムでさえ当たる気配をみせねぇ。全く只者じゃないぜ」
この中二病が絶賛発動中の男が那須与一・・・のクローン
与一は……俺の影響もあってかすっかり中二病になってしまった。
その点は俺も悪いと思っているがまさかここまで引きずっているとは・・・
「みんな、鍛練お疲れ様。今日もすごい戦いだったね」
最後に俺たちの一つ上の年の葉桜清楚・・・実際みんな誰のクローンなのか自分でも聞かされていない。
一応俺は候補はあるが何か嫌な予感がするから敢えて言わない。
名前に恥じない清楚さで天女的な女性。
「まぁみんな鍛練当初よりも大分強くなったから俺一人で三人を相手にするのはキツくなってきたよ」
「本当に義経たちは強くなっているのだろうか?」
「まぁある程度強い奴でも十分に対処は出来ると思うぞ? 鍛練自体が地味だからあまり気付かないかもしれないが」
言っている事は本当の事だ。
初めから鍛えなくても強い奴がいると聞くが、そんな奴は俺は敵とは思ってないし大抵底が知れている奴しかいないと思う。
川神院の人間を置いてな。
「兄貴との戦闘の儀は一人でしているよりは退屈しないから良いがな」
「
「弁慶ちゃん。あまり飲みすぎないでね?いくら川神水でも飲み過ぎは体に毒だからね?」
清楚がグビグビと川神水を飲んでいる弁慶に注意をしている。
そんな微笑ましい光景を楽しんでいたのも束の間危機感のような気配を感じ、その気配のする方に視線を送る。
そこには、見るからに手練れだと分かるぐらいの老獪な三人と若々しい女性がこちらに向かって歩いてきた。
「フッハッハハハハハ!!!!九鬼揚羽降臨である!」
「丁度休憩中の様ですね」
「ッフ、赤子が休憩とは…随分余裕があるものだな」
「みんな良い子にしてたかい?」
現れたのは、九鬼揚羽、ヒューム・ヘルシング、クラウディオ・ネエロ、マープルの四人である。
今回は何用だろうか? 様子見にしては全員で来るのは珍しいし……これは何かあるとみて間違いないだろう。
こちらも軽く挨拶を済ませ、要件を聞くことにした。
「要件というのはね、二つある。 一つ目は来年アンタ達には川神学園に通ってもらうことになった」
「川神といえば武道をやっている者が集まると言われている場所か?」
「そうだ、しかも川神には武神がいる」
武神……かあの時はまだ鉄心の爺さんが武神を名乗っていたが、今はあの百代が武神と世に知れ渡っているらしいからな。
それだけの力を付けたのだろう。
「そして二つ目、それは出雲ボーイアンタの事さ」
「……え?俺ですか?」
「そうだ、この事は我自ら説明しよう」
まさかいきなり俺の話題になるとは思わなかった。
だから揚羽さんまで来ていたという事か。
でも俺に何の用だろうか。
少なくとも悪い話ではないと思うが。
「出雲、お主にはこれから一年間川神院に行ってもらう」
「は?」
「貴様、揚羽様に向かって口のきき方がなってないんじゃないのか?」
いきなり背後を取られて思わず身構えてしまう。
そんなやりとりを見ていたクラウディオさんがヒュームの爺さんをなだめてくれている。
「いきなり何故川神院なんでしょうか?」
「うむ。 これはな百代の頼みなのだ」
「百代の?」
「そうだ。 百代がな、この前会った時にお前が九鬼にいることを知っていてな、それでお前との決闘を所望しておる」
そうか。まさか百代の方から俺に決闘を挑んでくるなんてな。
これはまさかチャンスなんじゃないか?
鉄心の爺さんにも門下生にならないかと誘われたこともあったし、今の実力を試してみたいとも思っていたしな。
だが俺の理想が叶ってしまったらここに戻ってくることもないだろう。
それが義経たちにとって良い事ではないのは分かっているが……
「行ってきなよ、いず兄」
「そうだぜ兄貴、これもまたヤツらの考えだ。乗ってやるのも悪くないだろう?」
弁慶と与一に促され、少し勇気をもらった気がした。
また一年後には会えるしな。
「決闘には応じても良いです。 ですが、俺からも条件を出させてください」
「よい、聞こう。 申してみよ」
「俺がもし百代に勝った暁には川神院の師範代にさせて貰えませんか? と川神鉄心さんに聞いて下さい。 もちろん師範代は百代のと言う事で」
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川神院
「何?出雲の奴はそんな生意気な事を言いおったのか?」
「ハイ、ソウらしいですヨ。どうしまスカ?総代」
「フォッフォッフォ、若いとはいいのう~。良いんじゃね?なんか面白そうだし」
「マタ適当な~。それほどまでにソノ伊達出雲という子はツヨイのですか?」
そう、今ここにいる川神院総代である川神鉄心がそこまで言う男なのだ。
強いに違いはないのだとは思うが出雲の強さを知らないルー師範代は疑問が浮かんでしまう。
百代に勝てるような人間が存在するのだろうか?
「まぁ初めて出雲に会ってから相当な時間が経っているからのぅ、正確な事は言えんが確実にあの子はモモにとってプラスとなるはずじゃ」
「ハァ、総代がお決めになった事なので文句は言いませんガ、正直なトコロ心配です」
「ん?何がじゃ?」
「その出雲という子の心が折れてしまわないかというコトです」
だが鉄心はルーの言葉に笑い「あの子なら大丈夫じゃ」と言って話を終わらせた。
side百代
やっとあの日の続きが出来る。
あの時は私が不覚を取ったが、今では敵なんていない位強くなった。
これが私の才能だろう。 トレーニングだって言われているメニューを最低限こなしているし、挑戦者も来るが私に勝てる奴なんて一人もいなかった。
「ふ、ふふふふ、あっははは!!」
楽しみだ。早く決闘の日にならないかと待ちわびすぎて、気が狂ってしまいそうだ。
sideOUT
次回はいよいよ百代との決闘!
自分は戦闘シーンとかって細かくとか書けるか今から不安でたまりません。
こんな駄文を読んで下さっている人がいると思うと感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも駄文で亀更新ですが、楽しく読んでくれると幸いです。
ではでは、次回にお会いいたしましょう。