東方酒迷録【完結】   作:puc119

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他の作者さんの作品を読めせていただいて気づきました

作者さんのテンションが高いと感想も多い。ということを
それを私も見習って、今回の後書きはテンション高めにしたいと思います

では、本編をどうぞ




第18話~本当の気持ち~

 

 

「こら、いい加減起きなさい!」

 

 うがっ。な、なんですか? もうちょっとゆっくり寝たいのだけど……

 

 疲れていたということもあり、昨日は夕飯を食べた後そのまま博麗神社に泊まった。う~……まだ、寝たい。

 

「もうっ相変わらず、朝に弱いわね。ほら顔を洗って来なさいよ」

 

「……うん」

 

 のそのそと布団から出てなんとか動き出す。朝ちゃんと起きられるって人、すごいよね。

 俺には無理です。

 

 フラフラと覚束無い足で、なんとか井戸まで移動。もう夏だと言うのにしかっりと冷えた井戸水で顔を洗う。

 ……冷たい。太陽が眩しい。

 

 顔を洗ったおかげか、少しだけ目が覚めた気がする。行きよりもしっかりとした足取りで戻る。

 

 あ痛っ。

 柱にぶつかった。んもう、なんでこんな所に柱があるのさ?

 

 どうやら、まだ寝ぼけているらしい。

 

「何やってるのよ……朝食の準備はできてるから早く食べましょ」

 

 霊夢はえらいな。ちゃんと朝早く起きて朝食まで作ったのか。

 

「黒が朝に弱すぎるだけでしょ」

 

 そう?

 いつもは起きてから行動するまで、かなりの時間をかける。う~ん、ちゃんと食べられるかな?

 

 

 川魚の干物、味噌汁、ご飯と少しの漬物。それほど多くはない量の朝食を、一時間近くかけて食べた。

 途中で寝そうになった俺を霊夢に何度か叩かれながら……霊夢はとっくに食べ終わっていて、お茶を飲んでいる。流石に目は覚めた。

 御馳走様でした。

 

 食器などを洗って、食後のお茶の時間。

 

「この後、黒はどうするの? 家に帰る?」

 

 霊夢が聞いてきた。

 

「俺はこのまま博麗神社にいようかな。霊夢は? また出かける?」

 

「私もここにいるわ。もう全員倒したし」

 

 もしかして昨日、俺がボコボコにされたのって霊夢のせい?

 なんかそんな気がする。

 

「もう行かなくていいの?」

 

「多分だけど、ここにいるのが正解な気がするのよ」

 

 うん、それで正解だよ。流石です。

 

 そんな会話をした後は、布団を干したり母屋の掃除をしただけで、午前中は終わってしまった。こまめに掃除はしているらしく、最初からかなり綺麗だった。なんだ、ちゃんとやってるんだね。

 

 お昼を食べた後は、お茶を飲みながら二人で日向ぼっこ。ああ、暖かな日差しが心地良い。

 う~ん、眠くなってきた。隣にいる霊夢を見ると、欠伸をしていてやはり眠たいらしい。考えていることは同じだ。

 暖かな日差しと優しい風がなんとも良い感じ。お昼寝するのにはもってこい。

 

「霊夢、ちょっと寝るわ」

 

「ふあっ……私も寝ようかしら。黒、腕」

 

 また、枕ですか? 痺れるんだよね、腕枕って。まぁ、いいけどさ。

 

 意識はすぐに夢の世界へと旅立った。今日は朝早かったもんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

『なっ、体が、動かない?』

 

『「神便鬼毒酒」っていうらしいな』

 

『なにさ、それ?』

 

『……毒だよ。それもとびっきり強いやつ。まぁ、鬼に対してだけなんだけどさ。ほらこれでも飲んどけ』

 

『おい、貴様!! 何をしている!?』

 

『何って……友人を助けているだけだ。いくら正面から勝てないと言っても、このやり方はちょっとどうかと思うよ?』

 

『……貴様は本当に人間か?』

 

『少なくとも鬼ではないだろうね。んで、どうするよ人間の四天王さん方。いくら1対4だと言っても、あんたらみたいなただの人間なら俺一人で倒せるよ?』

 

『くっ……この罪は重いぞ?』

 

『これくらいの罪どうってことないさ。友人が殺されるよりはマシだよ』

 

 

 

 

 

 

 

『ああ、やっと帰ってくれたか。ん~「神便鬼毒酒」ってあまり美味しくないね。これなら俺の作るお酒の方がよっぽど美味しい』

 

『……助かったよ黒。本当にありがとう』

 

『ん、どういたしまして。それにしても流石は萃香だね。他の鬼は皆、気絶しているっていうのに……あ、勇儀も起きてるっぽいか』

 

『私たちは――騙されたのかい?』

 

「まぁ、そう言うことだね。別にさ、わかってやれなんて言わないけれど、彼らだってこうするしかなかったと思うよ。鬼と人間じゃ差がありすぎる』

 

『そっか……うん、この恩は必ず返す。私たちが生き続ける限り、この恩を絶対に忘れないことも此処に誓うよ!』

 

『ふふっ、良いって別に、また一緒にお酒を飲もうよ。それだけで俺は十分だからさ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

「なに仲良く二人で寝ているのよ」

 

 む、誰かの声がする。

 って、紫か。ふあ~、ん~良く眠れた。

 

「ん……あら、紫じゃないの。まだ宴会には早いわよ? というか紫って呼ばれてた?」

 

 霊夢も起きたらしい。うー、腕が痺れる。今度お昼寝する時は枕を用意しよう。

 

 太陽は赤くなり始め、そろそろ夕方かな。風も穏やかだ。

 

「あら、呼ばれていたわよ」

 

 絶対に呼ばれてないな。呼んでくれる人いないもんね。友達少ないもんね。

 

「そこ、黙りなさい」

 

 紫が睨んできた。何も言ってないじゃん……

 

「それで? 霊夢はこの異変の犯人がわかったかしら?」

 

「わからないわよ。紫が犯人?」

 

「フフッ、私は関係ないわ。これは全部あいつの遊び」

 

「誰よ『あいつ』って」

 

「あら、黒は教えていなかったの?」

 

 うん、まあね。霊夢もヒントはいらないって言っていたし。

 

「そうね……じゃあ、私に弾幕ごっこで勝てたら教えてあげる。大丈夫、しっかりと手を抜いてあげるわ」

 

「相変わらず、何考えているのかわからないけれど、食事前の運動にはちょうど良さそうね」

 

 

「それじゃあ始めましょ、博麗の巫女」

 

「終わらせてあげるわ、妖怪の賢者」

 

 

「境符『二次元と三次元の境界』」

 

「神霊『夢想封印』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、あいつって誰? 教えて」

 

 紫も手を抜いていただろうけれど、弾幕ごっこは霊夢が勝った。滅茶苦茶強いな……

 

「う~ん、ここまで強いとは……少し驚いたわ。はぁ、しょうがないわね。ほら。貴女にも見えるようにしてあげる」

 

 紫はそう言うと、持っていた扇をフワリと振った。

 

 

 

「……あんた、誰?」

 

 神社の屋根を見ながら霊夢が言った。

 

「あっれ~? もしかして見えてる? 何やってるのさ紫。黒も止めてよ」

 

 残念、バレちゃったね。

 

「なに? 黒とも知り合いなの? よくわからないけど、あんたがこの異変の犯人ね」

 

「さあて、どうかな?」

 

「いや、今更惚けたってダメだろ……うん、そこにいる小さな妖怪が犯人だよ」

 

 ――小さいって言うな!!

 

 何か聞こえたが知らん。

 

「ふーん。じゃあ、あんたを倒せばいいのね」

 

「もう、黒も紫も勝手だなぁ……う~ん、もっと宴会をしたかったんだけど仕方ないか」

 

「あんたは宴会にいなかったでしょ? 見たことないもの」

 

「私はずーっといたよ。あんたらが見えていなかっただけ」

 

「見えていないのなら、いないのと一緒よ。妖怪なら退治するだけ。さっさと始めましょ?」

 

「はっ、私を退治する? 面白いねぇ。今代の巫女は血の気も多い。そういうのは、嫌いじゃあないよ。見せてあげるよ鬼の力を!」

 

 

 ――萃符。

 

 萃香の声がする。

 

 忘れられた鬼退治。

 弾幕を放つ萃香は本当に楽しそうだった。

 

 

 って、おいコラ萃香。その大岩は誰が片付けるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、ごめん!」

 

 ハッハッハと笑いながら萃香が言った。立派な二本の角の間には大きなたんこぶ。

 皆の前で一言謝罪。それだけで十分かな。皆も特に気にしていないみたいだしね。

 

 そして、いつものように宴会が始まった。

 今年、最後のお花見だ。

 

 最後と言っても、普段と変わりはあまりない。新しい仲間が一人増えたってだけ。

 

 レミリアや魔理沙ちゃんは弾幕ごっこをしているし、妖夢ちゃんは酔って刀を振り回している。だから、誰か止めてあげなよ……

 魔女さんは相変わらず端っこで本を読んでいた。また、流れ弾が当たるよ?

 そんないつもと変わらない宴会。

 

 もう皆から見えるようになったというのに、相変わらず屋根の上にいる萃香の所へ。そんな萃香は、皆が騒いでいる姿を楽しそうに見つめていた。

 

「や、萃香。宴会は楽しい?」

 

「そりゃあ、楽しいさ。毎日でも良いくらいだね」

 

 それはやめてあげて……

 

「やっぱり一人は寂しかった?」

 

「ん~? なんのこと?」

 

 お酒を飲みながら萃香が聞いてくる。

 あ、俺にもそれちょうだい。

 

「他の鬼たちに帰ってきて欲しかったんでしょ?」

 

 うがっ、やっぱ鬼の酒は強いな。薄める物を持ってくれば良かったよ。

 

「……まあね。そりゃあ帰ってきて欲しかったけど、仕様が無いとも思ってるよ。地底も地底で良い所だしね」

 

 あ、おつまみも欲しいな。

 

「ここは、好きじゃない?」

 

「好きだよ。黒や紫が必死になって作ってくれたこの場所は好きさ。だから私もここにいる」

 

 そっか……うん、それなら良いんだ。

 

 ――黒ー! そんなとこで飲んでないでこっちに来いよ!!

 

 そんな魔理沙ちゃんの声がした。

 どうやら弾幕ごっこは終わったみたい。

 

 萃香の手を取る。

 

「萃香も行こうぜ?」

 

「ん~、私は見ているだけで十分だよ?」

 

 そんなこと言うなって寂しいじゃん。

 

「お酒は皆で飲んだほうが楽しいよ?」

 

「まぁ、そりゃあ……そうだけど」

 

「恥ずかしいの?」

 

「……少しだけね」

 

 そう言って萃香は照れくさそうに笑った。

 

 萃香を抱えて屋根から飛び降りる。何かギャーギャー聞こえたけど、無視。

 

 皆で飲むお酒はやっぱり楽しいな。ねぇ萃香、君もそう思うでしょ?

 

 






イヤッッホォォォオオォオウ!
おひょひょおおおおおおおおおおおおおお
ひぃゃやっっはーーー!!
カキフライ! カキフライ! カキフライ! カキフライぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
さいきんビールをぜんぜんのめてないよおおおおお!!



と言うことで第18話でした
萃夢想も終わり、次は永夜抄ですね
まぁ、その間に色々入ると思いますが……

では、次話でお会いしましょう

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