東方酒迷録【完結】   作:puc119

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本編と直接関係することはありません
飛ばしても大丈夫っぽいです

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では、はじめます




第閑話~紫とデート(笑)~

 

 

「けほっ」

 

 重い空気、澱んだ風、そしてどことなく湿ついている。やはりこの匂いは慣れない。

 この感じは、たぶん外の世界だと思う。ほとんどの時間を、幻想郷で過ごして来たからな~

 外の世界は久しぶりだ。

 

 さて、さてさて……

 

「なんで、俺は此処にいるんでしょうね?」

 

 昨日は確か……珍しくお客さんが来たと思ったら紫で、仕様が無いけど一緒にお酒を飲んで……えと……ああダメだわ、そこから記憶がない。

 なんだろう? 何があったのだろうか?考えても思い出せない。

 仕方がないね。

 

 周りを見渡す。目の前に建つ、石でできた立派な鳥居と、山の上へと続く一本の道。どこかの参道の入口かな?

 そして、『諏訪大社』と鳥居の横にそう書かれた碑があった。ああ、諏訪だったのかここ。

 

「ご機嫌よう。黒」

 

 いつの間にか紫が後ろにいた。

 

「や、紫。なんで俺はここに?」

 

 ま、コイツのせいだよね。

 それくらいわかっていた。

 

「昨日、言ったでしょ? それに黒だって快く協力してくれるって言ったし」

 

 クスクスと笑いながら紫が答えた。あの、昨日の記憶がないのですが……

 しっかし、協力ねぇ……何を手伝うんだか。

 

「ホントに俺そんなこと言った?」

 

 荒事は嫌ですよ?

 

「ええ、言いましたわ」

 

 紫はまだクスクス笑っている。

 

「神に誓って?」

 

「神に誓って」

 

「ん~……萃香に誓って?」

 

「それじゃあ、行きましょうか」

 

 おい、コラ。

 俺、言ってないんだな? 言ってないんだろ。無理やりか? 無理やり連れてこられたのか……

 

「それで、ここには何の用事があるのさ?」

 

 どんな、用事なんでしょうね。

 とりあえず、昨日の俺が断る程度の用事ではあるわけだけど。

 

「何って……デートに決まっているでしょ?」

 

「…………」

 

 そりゃあ、断るわけだ……すごく、帰りたいです。

 なにこれ。何の罰ゲーム?

 

「……何よ、その顔は」

 

 ジト目の紫が言った。ジト目で見られても嫌なものは嫌なのだ。「どうせだったらフランちゃんとか、魔理沙ちゃんとかもっと若くて可愛い娘とデートがしたかった。それだのに、何だって紫なんかとデートをしなければならないのか、勘弁して下さい」

 

「おい、途中から口に出てるぞ」

 

「ハンッ。鼻で笑うとは正にこういうことを言うのだろう。デート? 紫が? 笑わせてくれる。しかし、こういう時に限って紫は鋭い。少しでも顔に出したらカメラが止まる。落ち着け、落ち着くんだ、俺。まずは冷静n「おい、カメラ止めろ」……冷静に今日の天気でも確認しておこうか」

 

 誰だよ、「」付けた奴……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~テイク2~

 

 排気ガスなんかの科学物質で覆われているとは言え、外の世界の空も綺麗だった。何時だってそう。

 コイツらは誰にだって平等だ。

 

 

 パーだった、グーよりはマシだと思っていたけど、そんなことはなかった。

 

 季節は夏。紅く染まった一枚の葉。小さな秋の兆しは俺の頬で見つかった。

 

「ほら、いつまでも寝てないで行くわよ」

 

 むう、もう少しこの大自然を満喫したかった。まぁ、のんびりしていても仕様が無い、そろそろ行くとしよう。

 

「フフッ、だらしないわね。ほら手を貸してあげるから起きなさい」

 

 そう言って紫が手を出してきた。

 おお、ありがと。紫の手を掴んで起こしてもらう。

 すまないねぇ、婆さんや。

 

「……今度は左側ね」

 

「じょ、冗談だって、ほら、進もうぜ?」

 

 話だって進めなきゃ行けない。いつまでも入口にいるわけにはいかないのだ。

 

 手を掴んで起き上がると、そのまま紫に腕を組まれた。

 

「……暑いんだけど?」

 

「ホント、失礼な男ね。こういう時、男は黙っていればいいの」

 

 むぅ、そうなの? それなら、ここは我慢するとしよう。

 

「んで、ここには何しに来たの?」

 

「だから言ったでしょ? デートよ」

 

 と言って紫は笑った。

 ……なんだかなぁ。

 

 

 

 

 

 山の中の参道を歩くこと数分。漸く拝殿が見えてきた。昔と比べると、かなり小さくなっちゃったね。これも時代の流れなのかな。それは少し悲しいな。

 

「それじゃあ、ここからは少し自由行動にしましょ」

 

 ――バーイ、また後で。

 

 なんて言って紫は消えてしまった。

 

 ……え?

 これ、俺が来る意味あった?

 

 紫が消え一人ぼっち。う~ん、どうしよう……とりあえずお参りくらいはしておこうかな。

 

 拝殿までポテポテと歩いて行き、幻想郷のお金で申し訳ないけどお賽銭を入れ、鈴を鳴らす。

 そして二礼二拍、美味しいお酒が作れるようにお願いしながら、最後に一礼。

 

 お参りを済ませ後ろを振り返ると、巫女さんがいた。おお、本物の巫女さんだ。

 

「こんにちは、お参りですか?」

 

 巫女さんが聞いてきた。緑色の髪、年は霊夢より少し上くらいかな。

 

「はい、こんにちは。そだね、美味しいお酒が作れるようにね」

 

 俺がそう言うと『お酒?』と言って巫女さんは首を傾げた。ああ、そ言えば、外の世界は二十歳未満は飲酒禁止だっけかな。

 もったいないね、お酒美味しいのに。

 

 さてさて、この後はどうしようか。う~ん、せっかくだし神奈子や諏訪子に会いたいな。

 

「巫女さん巫女さん。ここの神様たちが今はどこにいるかわかる?」

 

 本殿の中とかだったらどうしようか。流石に入れてはくれないよね。

 

「ふふっ、神様でしたら貴方がいると思う場所におられますよ」

 

 ああ、いや……そういう話じゃなくてさ。ん~もしかしたら、この巫女さんには見えていないのかな? 流石にそれはないと思うけど……あの二柱かなりの力があったし。

 

「そかそか、んじゃあ探してみるよ」

 

「えっ? あっ、はい。お気を付けて」

 

 どこにいるのかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神様を探して、フラフラと歩いていると、湖に着いた。そっか……こんなのあったよね、懐かしい。

 

 湖に近づくとヘンテコな帽子を被った一つの人影。

 

「はい、整列してー、あ、コラちゃんと並んで……って、待て待て、逃げちゃダメだよ。あーうー、ケロケロだけじゃ何言ってるのかわかんないよ」

 

 ……蛙相手に何やってんだコイツは。諏訪子に近づき、肩を叩いて声をかける。

 

「何やってんの?」

 

「うひゃぁっ、え? え? 私に触れ、え?」

 

 滅茶苦茶、驚かれた。何を混乱しているんだろうか?

 

「って、あれ? う~……もしかして、黒?」

 

 諏訪子が聞いてきた。

 

「うん、そうだよ。久しぶり」

 

「わぁーー、ホントに久しぶりだねっ! え? え? どうしたの今日は?」

 

 嬉しそうに燥ぐ諏訪子。

 

「デートらしいよ」

 

「何それー、意味わかんないね」

 

 そう言って諏訪子はケロケロと笑った。うん、俺もよくわかんない。

 

 その後は諏訪子と仲良くお話。俺は幻想郷のことを、諏訪子は外の世界のことを話した。

 俺がお酒を作っていることを言うと『飲ませてっ!』と目を輝かせながら言う諏訪子。ごめんな~、今日は持ってきてないんだ。

 

 千数百年ぶりの出会い。全てを語りきってしまう前に終わりの時間は来た。

 

「あら、ここにいたのね。そろそろ帰るわよ」

 

 紫がいきなり現れて言った。

 

「ええ? もう帰っちゃうの? 今日は泊まって行けば?」

 

 神奈子にも会いたいし、俺はそれでもいいけど、なんて思いながら紫を見る。

 

「大丈夫。また、すぐに会えるようになりますわ。ですので、今日は帰りましょ」

 

 と、紫が言った。ん? どういう意味? 諏訪子も紫の言葉に首を傾げていた。

 

「う~ん。よくわかんないけど、また会えるのなら、また来るよ」

 

「そっか~、まぁ残念だけど待ってるよ。あ、今度来る時はお酒もお願いね」

 

「おう、任せろ、一番美味しいのを持ってくる。じゃあな諏訪子。また」

 

 俺はそう言って諏訪子に手を振った。

 

「うん、またね!」

 

 諏訪子はそう言って俺に手を振ってくれた。

 

「では、また」

 

 紫はそう言って、俺ごとスキマの中へ。次はいつ会えるのかね? うん、楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 紫のスキマから出る。

 空気は未だに重いままだった。

 

「おろ? 幻想郷に帰るんじゃなかったの?」

 

 隣にいる紫に聞いた。

 

「せっかくのデートですし、ちょっと呑んで行きましょ? 外の世界のお酒も美味しいのよ」

 

 デートって言う設定はまだ続いてるんだね……

 

「まぁ、それはいいけど俺、外の世界のお金なんて持ってないよ?」

 

 そりゃあお酒は呑みたいけどさ……

 

「それくらい知っているわよ。私が払うから大丈夫。さ、中へ入りましょ」

 

 え、マジで? いいの? 奢ってくれるの?

 わー、ありがと!

 

 

 最初はどうなるかと思ったけれど、たまにはデートも悪くないかも。

 

 

 なんてね。

 

 






永夜抄、飛ばしていいですか?


と、いうことで閑話でした
第21話にしても良かったのですが、なんとなく閑話に

永夜抄とか書ける気が……頑張ります


では、次話でお会いしましょう
次話はようやっと、終わらない夜が始ま……らないかもしれません



質問・感想は特にお待ちしておりませんが、書いていただければ作者が踊ります


10000UAありがとうございました
お気に入りの数も増え、嬉しい毎日です
これからも頑張っていくので、読んで頂ければ嬉しいです

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