本編と直接関係することはありません
飛ばしても大丈夫っぽいです
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では、はじめます
「けほっ」
重い空気、澱んだ風、そしてどことなく湿ついている。やはりこの匂いは慣れない。
この感じは、たぶん外の世界だと思う。ほとんどの時間を、幻想郷で過ごして来たからな~
外の世界は久しぶりだ。
さて、さてさて……
「なんで、俺は此処にいるんでしょうね?」
昨日は確か……珍しくお客さんが来たと思ったら紫で、仕様が無いけど一緒にお酒を飲んで……えと……ああダメだわ、そこから記憶がない。
なんだろう? 何があったのだろうか?考えても思い出せない。
仕方がないね。
周りを見渡す。目の前に建つ、石でできた立派な鳥居と、山の上へと続く一本の道。どこかの参道の入口かな?
そして、『諏訪大社』と鳥居の横にそう書かれた碑があった。ああ、諏訪だったのかここ。
「ご機嫌よう。黒」
いつの間にか紫が後ろにいた。
「や、紫。なんで俺はここに?」
ま、コイツのせいだよね。
それくらいわかっていた。
「昨日、言ったでしょ? それに黒だって快く協力してくれるって言ったし」
クスクスと笑いながら紫が答えた。あの、昨日の記憶がないのですが……
しっかし、協力ねぇ……何を手伝うんだか。
「ホントに俺そんなこと言った?」
荒事は嫌ですよ?
「ええ、言いましたわ」
紫はまだクスクス笑っている。
「神に誓って?」
「神に誓って」
「ん~……萃香に誓って?」
「それじゃあ、行きましょうか」
おい、コラ。
俺、言ってないんだな? 言ってないんだろ。無理やりか? 無理やり連れてこられたのか……
「それで、ここには何の用事があるのさ?」
どんな、用事なんでしょうね。
とりあえず、昨日の俺が断る程度の用事ではあるわけだけど。
「何って……デートに決まっているでしょ?」
「…………」
そりゃあ、断るわけだ……すごく、帰りたいです。
なにこれ。何の罰ゲーム?
「……何よ、その顔は」
ジト目の紫が言った。ジト目で見られても嫌なものは嫌なのだ。「どうせだったらフランちゃんとか、魔理沙ちゃんとかもっと若くて可愛い娘とデートがしたかった。それだのに、何だって紫なんかとデートをしなければならないのか、勘弁して下さい」
「おい、途中から口に出てるぞ」
「ハンッ。鼻で笑うとは正にこういうことを言うのだろう。デート? 紫が? 笑わせてくれる。しかし、こういう時に限って紫は鋭い。少しでも顔に出したらカメラが止まる。落ち着け、落ち着くんだ、俺。まずは冷静n「おい、カメラ止めろ」……冷静に今日の天気でも確認しておこうか」
誰だよ、「」付けた奴……
~テイク2~
排気ガスなんかの科学物質で覆われているとは言え、外の世界の空も綺麗だった。何時だってそう。
コイツらは誰にだって平等だ。
パーだった、グーよりはマシだと思っていたけど、そんなことはなかった。
季節は夏。紅く染まった一枚の葉。小さな秋の兆しは俺の頬で見つかった。
「ほら、いつまでも寝てないで行くわよ」
むう、もう少しこの大自然を満喫したかった。まぁ、のんびりしていても仕様が無い、そろそろ行くとしよう。
「フフッ、だらしないわね。ほら手を貸してあげるから起きなさい」
そう言って紫が手を出してきた。
おお、ありがと。紫の手を掴んで起こしてもらう。
すまないねぇ、婆さんや。
「……今度は左側ね」
「じょ、冗談だって、ほら、進もうぜ?」
話だって進めなきゃ行けない。いつまでも入口にいるわけにはいかないのだ。
手を掴んで起き上がると、そのまま紫に腕を組まれた。
「……暑いんだけど?」
「ホント、失礼な男ね。こういう時、男は黙っていればいいの」
むぅ、そうなの? それなら、ここは我慢するとしよう。
「んで、ここには何しに来たの?」
「だから言ったでしょ? デートよ」
と言って紫は笑った。
……なんだかなぁ。
山の中の参道を歩くこと数分。漸く拝殿が見えてきた。昔と比べると、かなり小さくなっちゃったね。これも時代の流れなのかな。それは少し悲しいな。
「それじゃあ、ここからは少し自由行動にしましょ」
――バーイ、また後で。
なんて言って紫は消えてしまった。
……え?
これ、俺が来る意味あった?
紫が消え一人ぼっち。う~ん、どうしよう……とりあえずお参りくらいはしておこうかな。
拝殿までポテポテと歩いて行き、幻想郷のお金で申し訳ないけどお賽銭を入れ、鈴を鳴らす。
そして二礼二拍、美味しいお酒が作れるようにお願いしながら、最後に一礼。
お参りを済ませ後ろを振り返ると、巫女さんがいた。おお、本物の巫女さんだ。
「こんにちは、お参りですか?」
巫女さんが聞いてきた。緑色の髪、年は霊夢より少し上くらいかな。
「はい、こんにちは。そだね、美味しいお酒が作れるようにね」
俺がそう言うと『お酒?』と言って巫女さんは首を傾げた。ああ、そ言えば、外の世界は二十歳未満は飲酒禁止だっけかな。
もったいないね、お酒美味しいのに。
さてさて、この後はどうしようか。う~ん、せっかくだし神奈子や諏訪子に会いたいな。
「巫女さん巫女さん。ここの神様たちが今はどこにいるかわかる?」
本殿の中とかだったらどうしようか。流石に入れてはくれないよね。
「ふふっ、神様でしたら貴方がいると思う場所におられますよ」
ああ、いや……そういう話じゃなくてさ。ん~もしかしたら、この巫女さんには見えていないのかな? 流石にそれはないと思うけど……あの二柱かなりの力があったし。
「そかそか、んじゃあ探してみるよ」
「えっ? あっ、はい。お気を付けて」
どこにいるのかね?
神様を探して、フラフラと歩いていると、湖に着いた。そっか……こんなのあったよね、懐かしい。
湖に近づくとヘンテコな帽子を被った一つの人影。
「はい、整列してー、あ、コラちゃんと並んで……って、待て待て、逃げちゃダメだよ。あーうー、ケロケロだけじゃ何言ってるのかわかんないよ」
……蛙相手に何やってんだコイツは。諏訪子に近づき、肩を叩いて声をかける。
「何やってんの?」
「うひゃぁっ、え? え? 私に触れ、え?」
滅茶苦茶、驚かれた。何を混乱しているんだろうか?
「って、あれ? う~……もしかして、黒?」
諏訪子が聞いてきた。
「うん、そうだよ。久しぶり」
「わぁーー、ホントに久しぶりだねっ! え? え? どうしたの今日は?」
嬉しそうに燥ぐ諏訪子。
「デートらしいよ」
「何それー、意味わかんないね」
そう言って諏訪子はケロケロと笑った。うん、俺もよくわかんない。
その後は諏訪子と仲良くお話。俺は幻想郷のことを、諏訪子は外の世界のことを話した。
俺がお酒を作っていることを言うと『飲ませてっ!』と目を輝かせながら言う諏訪子。ごめんな~、今日は持ってきてないんだ。
千数百年ぶりの出会い。全てを語りきってしまう前に終わりの時間は来た。
「あら、ここにいたのね。そろそろ帰るわよ」
紫がいきなり現れて言った。
「ええ? もう帰っちゃうの? 今日は泊まって行けば?」
神奈子にも会いたいし、俺はそれでもいいけど、なんて思いながら紫を見る。
「大丈夫。また、すぐに会えるようになりますわ。ですので、今日は帰りましょ」
と、紫が言った。ん? どういう意味? 諏訪子も紫の言葉に首を傾げていた。
「う~ん。よくわかんないけど、また会えるのなら、また来るよ」
「そっか~、まぁ残念だけど待ってるよ。あ、今度来る時はお酒もお願いね」
「おう、任せろ、一番美味しいのを持ってくる。じゃあな諏訪子。また」
俺はそう言って諏訪子に手を振った。
「うん、またね!」
諏訪子はそう言って俺に手を振ってくれた。
「では、また」
紫はそう言って、俺ごとスキマの中へ。次はいつ会えるのかね? うん、楽しみだ。
紫のスキマから出る。
空気は未だに重いままだった。
「おろ? 幻想郷に帰るんじゃなかったの?」
隣にいる紫に聞いた。
「せっかくのデートですし、ちょっと呑んで行きましょ? 外の世界のお酒も美味しいのよ」
デートって言う設定はまだ続いてるんだね……
「まぁ、それはいいけど俺、外の世界のお金なんて持ってないよ?」
そりゃあお酒は呑みたいけどさ……
「それくらい知っているわよ。私が払うから大丈夫。さ、中へ入りましょ」
え、マジで? いいの? 奢ってくれるの?
わー、ありがと!
最初はどうなるかと思ったけれど、たまにはデートも悪くないかも。
なんてね。
永夜抄、飛ばしていいですか?
と、いうことで閑話でした
第21話にしても良かったのですが、なんとなく閑話に
永夜抄とか書ける気が……頑張ります
では、次話でお会いしましょう
次話はようやっと、終わらない夜が始ま……らないかもしれません
質問・感想は特にお待ちしておりませんが、書いていただければ作者が踊ります
10000UAありがとうございました
お気に入りの数も増え、嬉しい毎日です
これからも頑張っていくので、読んで頂ければ嬉しいです