東方酒迷録【完結】   作:puc119

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このお話を書くのに四ヶ月かかりました

なんとなくの閑話です
本編とは何の関係もありません

イラッ☆っときたらブラウザバック推奨です

それでは始めます




第閑話~たまには二人で~

 

 

 暖かな日差しに眠気を誘われながら、博麗神社の縁側に座ってゆっくりとした時間を過ごす。今だ桜は満開のままで、何とも幸せな気分です。

 

「ああ、平和だ」

 

 毎日がこんな感じなら良いのに。最近は守矢の神々が、しょっちゅう店に来ては騒いでいるせいで、こんな時間はなかなか過ごせない。

 

「……年寄り臭いわね」

 

 隣に座って一緒にお茶を飲んでいた霊夢が言った。実際、年寄りだしね。仕様が無いね。

 

 

 時刻はまだお昼前。

 珍しく朝に目を覚ましそのまま博麗神社へ。

 

 さてさて、それじゃ……

 

「よし、そろそろ行くか」

 

 随分と遅れてしまったけれど、いつまでも待たせるわけにはいかない。

 

「えっ……どこへ?」

 

 きょとんとした顔で霊夢が聞いてきた。

 

「一緒に出かけるって約束を果たしにさ」

 

 まぁ、何処へ行くかは決めてないのだけど。とりあえずは人里でお昼でも食べようか。その後何処へ行くかは……まぁ、のんびり考えるとしよう。

 

 

 飲んでいたお茶を片付け、霊夢の準備を待ってから二人仲良く出発。

 

「歩いていくの?」

 

 霊夢が聞いてきた。

 

「たまにはこういうのも良いだろ?」

 

 決して、時間を稼ぎたいだとか、人里以外に行く予定がないとかそんなことは思ってない。

 

「まぁ、良いけれど」

 

 うん、それじゃあ、春でも探しながらのんびり行きましょうか。

 

 

 

 

 

 

 獣道にしか見えないような道を歩きながら、人里を目指す。

 

「この道も荒れてるなぁ。ちゃんと整備しないと参拝客が来ないよ?」

 

 石や倒れた木なんかで道はボコボコ。歩き辛いったらありゃしない。昔はここまで酷くなかったと思うけど……

 

「それは困るけれど、面倒臭いわね」

 

 そんなんだろうと思ったよ。このやろー。

 

 守矢神社はちゃんと立て看板もあって整備されていると言うのに……まぁ、あちらも人間の参拝客は少ないそうだが。

 

「てか、霊夢はまたその服なんだな」

 

 おめでたい色したいつもの巫女服。

 

 なんだよその袖。どうやって止めてるんだよ。

 

「これしかないもの。そういう黒だっていつもと同じ金色の洋服じゃない」

 

「そんな服着てねーよ。いつも通りの黒色の和服だわ」

 

 読者が誤解するでしょうが、今まで積み上げてきた俺のイメージが壊れるでしょうが。

 

 全く……ん~、それにしても霊夢がそんなボケを言うなんて珍しい。俺が思っているより機嫌は良いのかな?

 

「……なによ。そんなに人の顔を見て」

 

 いつもと変わらない仏頂面。きっと初対面の人から見れば、機嫌が良いとは思わないんだろうな。

 

「いんや、何でもないよ」

 

 自然と笑が溢れた。やっぱり楽しみにしていてくれたのかな。そうだったら嬉しいよ。

 

 な~んてね。

 

 

 

 

 

 楽しそうに遊び周る妖精や、いつか見た黒色の球体何かを横目に、霊夢と雑談しながら歩き、漸く人里に着いた。

 山を降りるだけだし、思っていたよりは早く人里へ着けたと思う。けれども、まぁ帰りは飛んで帰ることにしよう。

 今の時刻は正午と言ったところだろう。お昼の時間です。

 

「お昼にしようと思うけど、霊夢は何か食べたいものある?」

 

「別に何でも良いわ」

 

 むぅ、何でも良い、か。どうせなら春っぽいものを食べたいけれど、春っぽい食べ物ってなんだろうね。

 

 

 行く宛てもなくフラフラ歩いていると、山菜蕎麦と書かれた看板が目に付いた。

 

 山菜か……うん美味しいそうです。

 

「ちょうど目の前にあるし蕎麦でも良い?」

 

 お蕎麦の季節ではないけれど、新緑の季節に山菜は良いかもしれない。

 

「ええ、良いわ」

 

 了解。

 

 霊夢の返事を聞いてからお店の中へ。お昼時と言うこともあってか、中の様子を賑やかだった。

 

 ちょうど空いていた二人がけのテーブルに座ると、店員の人がお茶を持ってきてくれた。

 お茶からふわりと蕎麦の香りがする。む、蕎麦茶ですか? 大好きです。

 

「いらっしゃい……ってなんだい、黒じゃないか。あんたは相変わらず成長しないねぇ」

 

 そんな声を店員さんがかけてきた。

 

「おろ、久しぶり。今はここで働いているの?」

 

 あと、成長しないのは仕方がないんです。そういう体質なもので。

 声をかけてきた店員さんだけど、昔は団子屋にいたと思った。何年も前のことだけどさ。

 いや~、貴女も歳をとりましたねぇ。

 

「10年ほど前から看板娘をやってるよ」

 

 看板詐欺も良いとこですね。

 

「それにしても黒は見る度、違う女の子と一緒にいるねぇ。今度は巫女さんかい? ちょいと前は違う巫女さんだったし、天狗の娘とも一緒だったらしいじゃない」

 

 コラ、その話はやめなさい。霊夢さんの機嫌が悪くなるでしょうが。

 

「そ、その話はいいから。俺は山菜蕎麦で。霊夢は」

 

「……私もそれで」

 

「はいよ。山菜2つー!」

 

 そう店員さんは厨房の方へ叫んだ。

 

「それで……黒はいつになったら籍を入れるんだい? あんた何歳さ。もう良い歳なんでしょ? どうせなら私が紹介してあげようか?」

 

 ま~た嫌な話を……早く何処かに行ってくれませんかね? 居心地が悪いったらありゃしない。全く、これだから人里は……

 

「する予定はないよ。これから先もね」

 

 俺がそう答えると、店員さんは――

 

「もったいないねぇ」

 

 とだけ言って違うお客さんの所へ行ってしまった。はぁ、やっと行ってくれたか。

 

「えと……そんなに俺を見つめてどうかしましたか?」

 

 そしてさっきから霊夢の視線が痛い。

 

「……早苗のことは知らなかった」

 

 だって言ってないもん。言えるわけがないもん。

 

「い、いや、別にあれだぞ? ただちょっと早苗ちゃんに人里がどんなところか教えていただけで、そんなやましいこととか」

 

「何慌ててるのよ」

 

 ホント何慌てているんでしょうね。

 

 出された山菜蕎麦の味はよくわからなかった。

 

 

 

 

 

 蕎麦屋を出たあとは、人里をぶらぶらしながら大道芸や出店を冷やかしたり、天ぷら用に山菜を買ったりしながら歩いた。ちゃんと味わって山菜をいただきたかったんです。

 けれども霊夢の服が目立つせいか、何処へ行っても

 

『おい、ま~た黒が違う女の子連れてるぞ』

 

 とか

 

『前の女の子とはどうなったんだい?』

 

 とか主に大人達から言われ続けた。

 

 放って置いてもらえませんかねぇ……何? 俺って意外と有名だったの? 霊夢の機嫌の方は……どうなんだろうか、よくわからなかった。

 

 

 

 

 

 身も心も疲れ、とりあえず団子屋で一休み。お腹が減っているわけでもなかったから、7本出された団子は1本を残してあとは霊夢にあげた。

 

「知ってはいたけれど……」

 

 霊夢がぽそりと呟いた。

 

「うん?」

 

「黒って本当に知り合いが多いのね」

 

 まぁ、そりゃあ長く生きているしね。人里も広いわけではないから、自然と顔も覚えてくる。

 

「霊夢ももっと人里に顔出したら?」

 

「嫌よ。遠いもの」

 

 相変わらずだな~。気持ちはわからんでもないけどさ。

 

「……本当に黒は籍を入れたりしないの?」

 

 おろ、霊夢にしては珍しい質問じゃないか。

 

「うん、入れることはないと思うよ。何より相手がいないしね」

 

 それにほら、俺って不老不死だから相手が可哀想でしょ? な~んて言い訳してみたり。

 

「そう……私もいつか結婚するのかしら?」

 

 そう言った霊夢の表情は少しだけ真剣に見えた。

 

「さぁ、それは霊夢次第じゃないか? まぁ、歴代の巫女でも結婚したのは……あ~、まぁ、ほとんどいないけどね」

 

 そのせいか紫が俺に毎度毎度、愚痴を言っていた。次代の巫女を探すのが面倒なんだと。俺に言うなよ。

 

「誰のせいだか……」

 

 霊夢からそんな言葉が聞こえた気がした。

 

 博麗の巫女と言う役のせいで、人里の女性と比べれば、異性との出会いはかなり制限されてしまうだろう。今まで途中で巫女をやめたりする人はいなかった。幻想郷のため犠牲となってもらってきた。

 

 歴代の彼女たちは――どんな思いだったんだろうね。

 この霊夢だって……。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな会話をした後は、今までどんな巫女さんがいたのか、なんて昔の話をした。いくら日が長くなり始めているとは言え、流石にのんびりしすぎたせいか、日は沈み始めている。

 

「そんじゃそろそろ帰ろっか。酒飲もうぜ。酒」

 

 暖かいお酒が飲みたいです。

 

「そうね。寒くなってきたし。それで何処で飲むの? うちにはお酒がほとんどないわよ」

 

 宴会があったばかりだしね。まぁ、それなら俺の店で飲めば良いさ。

 

「俺の店でって……」

 

 そこでふと、霊夢の髪が気になった。

 

「うん? どうしたの?」

 

「随分と髪伸びたんだな」

 

「あ~、そう言われれば最近切ってなかったし、これじゃあ邪魔ね」

 

 邪魔呼ばわれとは……髪は女の命とも聞いたことがあるけど……

 

「ああ、ちょうど良いか。ちょいと待ってて」

 

 そう言えばさっきの出店にあったよね。

 

「なんなのよ……」

 

 霊夢をあまり待たせすぎないようにしつつ、急いで先ほどの店へ。店仕舞いを始めていたけれど、なんとか買うことができた。

 そして買ってきた物を霊夢へ渡す。

 

「なあにこれ?」

 

「髪紐かな。せっかく綺麗な髪なんだし切るのはもったいないだろ」

 

 桜の装飾品が付いた桃色の髪紐。俺には女性のおしゃれとかはわからないけれど、気に入ってくれれば嬉しいです。

 

 霊夢も最初はよくわからなかったみたいだけど

 

 

 ――ありがとう。

 

 

 そう言って霊夢は笑ってくれた。

 だからたぶん、悪くはなかったんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 その後、人里から俺の店へと移動して、茹でたコゴミやふきのとうやタラの芽の天ぷらなんかをお摘みにしてお酒を飲んで夜を明かした。外は明るくなり始めている

 

 むぅ……流石に眠い。霊夢なんか今にも寝そうだ。

 

「流石に眠いし。そろそろ帰るわ」

 

 お酒もなくなり、ちょうど良い頃合。

 

「了解」

 

 朝日を浴びながら霊夢を博麗神社へ続く道まで送る。

 

「ああ、そうだ。どうだった今日は?」

 

 一応聞いておかなければいけないんだと思う。これで、つまらなかったとか言われたらショックだけど。

 

「そうね……黒がどんな生活を送っていたのかわかった気がするわ」

 

 むぅ、なんか言葉に棘があるんですが……

 

「けれども……うん……楽しかったわ。それに髪紐も嬉しかったし」

 

 そんな言葉を落とし、俺を見ながら霊夢は笑ってくれた。

 

「そっか。それなら良いんだ。いつになるかわからないけど、また遊びに行こっか」

 

「そうね。楽しみにしているわ。それじゃ、また」

 

「うん、また」

 

 そう言って霊夢は帰って行った。

 

 なんだ、仏頂面ばかりかと思っていたけれど、ちゃんと笑っているじゃないか。きっと、俺が気づいていなかっただけなんだろう。

 

 最初はどうなるかと思っていたけれど、霊夢は笑ってくれたし良かったんじゃないかな。そう思います。

 

 






漸く……漸く書くことができました
一応こんなんでも霊夢さんとのデートをさせているつもりです

これ以上のクオリティは無理です
だってデートとかしたことないもん

鼻で笑ってあげてください


と、いうことで第閑話でした
なんとなく閑話にしましたが特に意味はありません

それでは次話でお会いしましょう
次話は相も変わらず未定です


感想・質問はそれほどお待ちしておりませんが、書いていただければ作者がにやけます
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