真剣で私に恋しなさい! ~果て無き夢を追いかけて~ 作:ソモ産
ささ、では早速どうぞ( ・∀・)つ
SIDE 拓巳
あれからいろいろあったが、とりあえず今言いたいのは……
「なんだあれ……」
現在、学園のグラウンドに馬に乗った女の子がいる。
何を言っているのかわからねーと思うが俺も何が起こってるのかわからねー
今の日本に、馬に乗って現れる人がいるだろうか…否、いるわけが無い。だが、ここ川神ではそこまで不思議な事じゃない。その証拠に…
「おー、また派手な奴が来たな~!どう思うタク、ユーミン?」
「そうだな、この学園には九鬼がいるで候。今更驚きはしないで候」
「ははは、確かになー。しかもこのタイミングで九鬼英雄が登場したぞ」
「狙い済ましたかのようなタイミングで候」
「だな。実は、裏で示し合わせてたんじゃね?」
このように、日常的に人力車で登校とか白塗りで「~でおじゃる」とか言ってる人を見てるから
そこまで驚かない。まぁあくまでこのクラスは、だが。だって下の階からざわざわ聞こえるし改めて個性が強いんだな。Fクラスって。
「クリスティアーネ・フリードリヒ!!ドイツ・リューベックより推参!!この寺子屋で今より世話になる!!」
おお、かっこーい。時代劇見てるみたいだね。なんだっけ、暴れん坊なんとかみたいな。
でもあれ、後で後悔するんだろうなー。日本になれて常識を知ったら
「うぉほん、はーいみなさん前を見てくださーい」
「あ、先生いたんだった。忘れてた」
「おい、モモ失礼だろ。いくら先生の影が薄いといっても」
「おい、タク……何気にお前が一番ひどいぞ…」
「やれやれで候」
しまった、師範代や総代に注意されてるのに「思ったことを口に出しすぎだ」って。
俺としたことが、やってしまった。いやでもね、言い訳するとこの先生ほんとに影が薄いんだって。
具体的には、名前と顔を覚えられないくらい。
「はぁ…どうせ僕は影が薄いですよ。そんなことよりこの3年F組に転入生が入ります」
「おぉ、可愛い子ちゃんか?それともセクシーな姉ちゃんか?」
「モモ、お前の頭はそれだけなのか……」
「ふん、どうでもいいで候(イケメンの男の子だといいなぁー。でも別にいっか、津軽君がクラスにいるし)」
「はぁ…はい、それじゃ中に入ってください」
モモに矢場、おまえらが先生の話を聞かないから落ち込んでるじゃないか。
まったく…。先生、名前は覚えてませんが俺先生を応援してますよ。
さて、それじゃ早速、転校生にご対面と行きますかね
「はーい、皆さん始めまして西のほうから転校してきた松永燕です。目標は家名を上げること、一年と言う短い期間ですがよろしくお願いします」
「美・少・女キターーーー!!」
「モモうっさいっ!」
「イタッ!何すんだ、タク」
「はい、そこ騒がないでくださいよー。無駄な事だと思いますが……」
「……」
ああ、モモが騒ぐからまた先生落ち込んじゃったじゃないか。
転校生にいたっては、引いちゃってるし。ん?松永燕?なんか総代から聞いたことがあるような……
そんな考えを巡らせていると、モモが転校生、松永さんに質問をした。
「はいはーい、松永は武術とかやってるのか?」
「ん?武術?やってるよ。一応西の武士娘って呼ばれてるよーん」
「あっ!!思い出した!西で公式戦無敗を誇ってる松永燕さんだよね?」
「あら?もしかして私ってば有名人?」
そうだ思い出した、少し前までは西って言えば橘天衣さんだったけど確か武者修行中に誰かに負けて四天王の資格を剥奪。その後ぐらいから頭角を現した、って言ってたっけ。
しかし、そんな人がどうして急に東に乗り込んできたんだ?
「いやいや、まさかこっちの方まで知られてるとは、びっくりだ。ところでさ、そちらの貴女と君が川神院の川神百代さんと津軽拓巳くんかな?」
「ああ、そうだ。いかにも私が川神百代だ。それより…おい、タク!何でお前だけ松永ちゃんの事知ってんだよ!」
「お前がいつも総代のお話を聞かないでどっか行くからいけないんだろうが!!あ、そうです。俺が津軽拓巳です。よろしく」
「はぁー、やっぱり!二人ともすごい練りこまれた気だもんね。さすが武神、川神百代に総代候補、津軽拓巳だ。」
まさかの事実に驚きなんだが、モモはともかく俺まで有名だったとは……
公式戦とか決闘とかはほとんどしてないんだけどな……。いやー世間て狭いなぁー。
ん、待て?この流れあいつがこのまま黙ってるわけが……
「なぁ♪♪松永ちゃん?お願いがあるんだが」
「ん?何かな川神さん?」
「私と、決闘してくれないか?」
あぁ……やっぱりかモモ。お前はいい意味でも悪い意味でも期待を裏切らない奴だよ。
先生も、もう好きにしろって感じで近くの椅子に座っちゃったよ。
先生、わからないでもないけど先生は放棄しちゃいけないんじゃないですか?
「うーん、ごめん遠慮しとく。勝手にできないし」
「なんだよー、勝つ自信がないのか?」
「まぁ、それもあるんだけど。私としては君、津軽拓巳くんに興味があるからかな?」
「は?俺?松永さん、モモじゃなくて俺に?」
「うん、そうだよ」
き、キタァァァ!!ついに俺にもモテ期が来たか
なんだ、今日が初対面だぞ。もしかしてこれが一目惚れって奴か?
どうしよう、俺ぜんぜん松永さんのこと知らないしとりあえずお友達から互いの事を理解して…
「あ、あの川神さん?津軽くんはどうしちゃったのかな?」
「あぁ…気にするな。いつものことだ。大方松永ちゃんの私よりタクに興味があるって言葉を勘違いしちゃったんだろ」
「えっと、ほっといていいの?」
「ん、まぁほっといてもいいんだが…ムカつくからこっちに引き戻すかっ!!」
「がはっ!?」
何やら首の辺りに鋭い衝撃が!?誰だ!俺の未来設計の邪魔したのは!!
あと少しでプロポーズの返事が聞けそうだったんだぞ、そんなことする不届きものは出て来い!
俺が成敗してやる。そう意気込み振り返ると……
「いつまでもふざけてると、もう一回殴るぞ、タク」
「はい、すみません…」
笑ったモモがいた。はい、すみませんでした。
今回は俺が悪かったです。申し開きもありません
「あはは……。それより津軽くん、私ね、君と組み手をしてみたいんだけどいいかな?」
「え?俺と組み手?うん、俺でよければ喜んで」
「ホントに!?やった、ありがと。それじゃ早速いこー♪」
―――――――――――
と、言うわけで。やってきました、グラウンド
今回は組み手ということで、川神学園名物の決闘としてではなくてオリエンテーションとして行われる。
3-Fのみんなは、グラウンドに出てきて今か今かと待っている。一人を除いて…
「何で、私じゃなくてタクなんだよー。ってかなんで決闘じゃなくて組み手なんだよー」
モモ、いくら自分が選ばれなかったからってそんなに気を俺にぶつけてこないでくれるか。
それだけで結構疲れるからな?やめてくれ。それとは別に今モモも言ってたけど何で組み手なんだろ?
俺は、思ったことをそのまま準備運動中の松永さんに訊いた。
「ねぇ、松永さん?」
「んー、何かな。津軽くん?」
「あのさ、何で組み手なの?決闘じゃなくて」
「さっきも言ったじゃん、勝手に決闘とかはできないの。それでも戦いたいから組み手」
「なるほどー」
納得した。やっぱり武人なんだな、松永さんも。
でも、勝手に決闘とかできないって、もしかしてそれに公式戦無敗ってのが絡んでくるのかな?
ま、今はそんなこといいか。ん?この気は……大和たちか?
「さぁー、クリ。勝負よ!ってあら?お姉様に拓兄?」
「はーイ、拓巳に松永待たせたネ。ん?」
「ルー先生、もしかして今から津軽と転校生が決闘をするのですか?」
「はい、似たようなものですヨ。もしかして、小島先生のクラスもですカ?」
まさかのダブルブッキングとは…こんな事ってあるんだ
小島梅子先生とルー師範代も慌ててるし、どうするんだろ?
「どうしましょうか、ルー先生?」
「うーン、そうですネ…やはりここはどちらかが中止するしかないかと…」
「フォフォフォ、その心配には及ばんぞルー、小島先生。」
「「総代!」」「学長」
「なんだよ、じじいか」
まさかの総代登場にグラウンド騒然。
しかし、モモ、おまえ失礼すぎだ。総代はお前にとって師匠でありお爺さんだろうに…
さて、総代はどんな考えがあるのだろうか。近くに近寄り注目する。
「学長と呼ばんかい、モモ!そんな事は言いわい。それよりどちらかを中止する必要もあるまい。同時にやればいいのじゃ」
「おお、確かにそれなら大丈夫ですね学長」
「それなら、ルールも変えなければいけないですネ」
「ねね、じいちゃん。タッグ戦てのはどうかしら?」
なに、ワン子が頭を使って意見を出しただと!?
珍しいにも、ほどがあるぞ。武の事となると全然違うな
しかし、ワン子の提案なかなか面白いんじゃないか?
あ、でもそれだと……俺は、総代の側から離れて松永さんの近くに行く。
「ねぇ、松永さん。話の流れでタッグ戦をする事になりそうだけど松永さんは大丈夫?」
「ん?なにが?」
「勝手に勝負しちゃいけないんでしょ?」
「あぁ、そのことなら大丈夫。変則的だから記録には残らないしね。」
なるほどね、これなら記録に残らないからいいと。
確かに流れ的にオリエンテーションみたいになりそうだしね。
俺の確認が終わったら、総代が決まったことを話し始める。
「では、今回は決闘が重なってしまったという事で特例として、タッグ戦をする事にした」
「それで具体的なルール、チーム分けはどうするんですか?」
松永さんが総代に質問する。
まぁ、当然重要だわな。ルールもそうだけど、やっばチーム分けは重要だよな。元々の相手が違うチームになるのは当然だけど組み合わせは、有利不利があるもんな
「ふぉふぉふぉ、安心せい。ちゃーんと考えてあるわい。ルールは簡単じゃ、武器無制限で相手チームの二人をノックアウト又はわしたちが勝ちと判断したら勝利じゃ。それ以外にルールはない、変に難しくしてもしょうがないしな。そしてお待ちかねのチーム分けじゃ」
なんて、わかりやすいルール。いいね、そう言うの。
考えるの嫌いじゃないけど、単純な方がもっと好きだし。
さてさて、チーム分けはどうなるかな?
「チームは、松永、一子ペア。拓巳、クリスペアじゃ。双方、何かあるか?」
「「「「……」」」」
「何もないようだネ。それではペアで顔合わせしたら早速始めるヨー」
まぁ、妥当かな?ワン子と俺がペアだと呼吸が読めてわかっちゃうし
その点このペアならどっちも初対面だし言い分だろ
さて、それじゃ顔合わせしますかね。
「さて、始めまして。俺は津軽拓巳、突然だけどペアとしてよろしく」
「こちらこそよろしくお願いする。私は、クリスティアーネ・フリードリヒ、気軽にクリスと呼んでくれ先輩」
「おお、わかった。よろしくなクリス。とりあえず簡単な作戦決めちまうか」
「わかった、で、どうするんだ?」
「それはな?―――――」
雰囲気から察するに曲がった事が嫌いそうだな。扱いやすくていいね
さてさて、そんじゃまいっちょ勝つとするか!
SIDE OUT
――――――――――――――
両ペアがグラウンド中央に向かい合って立っている。それぞれの得物はクリスがレイピアを、一子が薙刀を、拓巳は素手、燕も素手だが周りにはたくさん武具が立っている。
そしてそれを取り囲むように多数の生徒たちが決闘の開始を今か今かと待っていた。
そこに、ルーの開始を告げる声が響く。
「両ペア、準備はいいかイ?それでは、はじメ!!」
「「はぁー!」」
開始早々、両ペアの二年生、一子とクリスが激突した。
それを二人の3年生はじっと見つめている。
「あれ?津軽くん、相方の子助けなくていいの?」
「そっちこそ、ワン子を助けなくていいの?負けちゃうよ?」
「ははは、考えてる事は同じみたいだね、津軽くん」
「みたいだね、松永さん」
開始前の二人のペアの作戦それは……
「あなたはまずあの女の子を倒して、それから二人で津軽くんを倒しましょ?」
「クリス、まずはワン子を倒してくれ。それから二人で松永さんを倒す」
図らずも同じ作戦だった。
「うーんこれは…」
「作戦変更して……」
「「先にこっちの勝負をつける!!はぁ!」」
さらに二人も互いの力をこめてぶつかる。
二つのペアは互いに一進一退の攻防を繰り広げていた。
クリスは持ち前の素早さと正確さを武器に一子の懐に入ろうとするも、一子も自身の身軽さと体力を生かしてそれを防ぎ続ける。
一方、拓巳と燕の攻防はさらに熾烈を極める。
「はぁっ!」
「ほいっと!せいっ!!」
「ふっ!」
拓巳が一気に距離をつめ、燕の体に掌低を打ち込もうと打ち出すも燕は多彩な武具を使いそれを受け流す。
その逆に燕が攻撃を繰り出すも、拓巳はそれを受け流す。
それを高速で行っているため、周りにいるほとんど人たちには見えていない。
少数の武人たちを除いては
「ははっ!さすがだな二人とも。私も戦いたいな~」ウズウズ
「これモモ!そんなに気を撒き散らすでない!周りの者たちが冷や汗をかいてるであろうが!」
「そうだヨ百代。そんなに気を撒き散らしたらまわりにいる人が倒れてしまうヨ」
「なぁ、京。見えるか?拓兄の戦い」
「……ほとんど見えない。なんとなく動きはわかるけど何をしてるのかまではぜんぜん」
「おい、ワン子たちの勝負がついたみたいだぞ」
そんなことを、話している間にクリスと一子の戦いに決着がついた。
クリスのレイピアが一子の鳩尾へ、一子の薙刀がクリスの腹へ互いの得物がしっかり相手を捕らえていた。
それが互いに致命的なダメージを与え両者共にダウン。一子、クリス二人の勝負は引き分けに終わった。
「あらら、あっちは引き分けになっちゃったみたいだ、ねッ!!」
「っと、そうみたいだね。それじゃあ勝負の行方は俺たちにかかってるってわけ、だっ!!」
「よっと、ふう」
相方の行方を横目で見つつ、二人の戦いは続く。
燕が拓巳の腹へ薙刀を振るうも、拓巳はそれを体を傾ける事で避け、拳を放つ。
それを燕は大きく後方に跳ぶことで避け、大きく息を吐いた。
「さてさて、お互い体が温まって来たところで…!」
「二回戦と行きますか!」
一呼吸つき、二人は同時に駆け出す。
強さは、ほぼ互角。気を抜いた方が負ける、そんな綱渡りのような戦いは、まだまだ続く。
はい、ソモ産です。
今回は三話の前編という、形になります
さらに戦闘分が多いと言うことでうまく表現出来ているか自信がないですが、いかがでしたか?
後編の方もなるべく早めに上げますのでしばしお待ち下さい。
では、さらだば