真剣で私に恋しなさい! ~果て無き夢を追いかけて~   作:ソモ産

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第五話 譲れないもの

SIDE 拓巳

 

あれから、いろいろあったわけだが

一番大きなことはあれだな、ファミリーにまた新しいメンバーが入ったことかな?

それはまゆっちこと黛由紀江。歓迎会の日に俺が呼びに行ったすごく面白い子だ。

今回は俺たちから誘ったんじゃなくて向こうから入れてくれって言われた形だった。

 

うん、まぁ。そんなもんかな

あとは、クリスが秘密基地で空気の読めない発言して、他の奴らに怒られたり。燕が大和を自分の弟にしようとして、モモと争ってたり

まぁ、たいしたことじゃないかな

 

んで、俺たちファミリーは旅行に来てる。それは…

 

「きたぜ!箱根ーーーーー!!!!」

「いえーい!」

「拓先輩、キャップ頼むからやめて。こっちが恥ずかしいよ」

 

なんだよ、モロ、ノリ悪いなー。

その点翔一は、ノリいいなー。そういうとこ大好きだぜ。

というわけで、俺たち風間ファミリーは翔一が商店街の福引で当てた箱根の温泉に来ている。

もちろん新しく入った、クリス、燕、まゆっちも一緒だ。

 

「やれやれ、あの二人は置いといて。弟ここからは何で移動だ?」

「えっと、旅館は山の上だからバスで移動かな?30分くらい」

「ねぇねぇ、大和。それって旅館まで走っていけるの?」

「ああ、道なりに走っていけばつくと思うが……」

 

お?ワン子の奴が面白いこと聞いてるな。

ここから走って旅館まで……いいじゃねーか、のった!

 

「それなら、私は走って旅館まで行くわ!勝負よクリ!!」

「おい、ワン子。今日のノルマはもう終わらせたろ?」

「自分ももう今日の分は終わっているから。やらんぞ」

「なんだ?クリス、もしかしてワン子に負けるのが恐いのか?ちなみに俺も走る!」

「なぁ!?拓先輩。ふっふっふ、いいだろう!このクリスティアーネ・フリードリヒ。

そこまで愚弄されて引き下がるわけに行かん!犬、拓先輩勝負だ!」

 

ふっ、クリス単純だな。俺はそんなお前が好きだぜ……

さてさてそんじゃ仲良く三人で行くかな?

軽く体をほぐしていると、燕が声をかけてきた。

 

「ね、タク。私も行っていいかな?」

「燕!?おま、そういうタイプじゃないだろ!!」

「あ!、モモちゃんその言い方だと私がノリ悪いみたいに聞こえるじゃん。失敬な!」

「ん?別にかまわないぞ。それじゃ俺たち4人は走っていくから」

「ええ!?え、えっと」 アワアワ

「しょーもない……。まゆっち、行こ」

「ふーん……おい、行くぞー。私はもう眠い。」

 

京、モモの順番でバスに続々乗り込んでいく、他のファミリー。

しかし、モモの奴なんか変な感じだったな。なんだろ?

みんなを乗せたバスが出発し俺、クリス、ワン子、燕の4人の準備が完了した。

 

「さって、そんじゃ第一回チキチキレース開催と行きますか」

「そだね、そこで私に提案があるんだけど、聞いてくれる?」

「いいぜ、な?」

「うん!」「自分も聞くぞ」

 

なんだ?急に、そういえば今回のレース負けた奴には何させようかな?

ここは無難に、何か奢ってもらうとかだな。お土産を代わりに買ってもらうとかね

あ、でもそれだと俺と燕かなり有利じゃないか?うーん……

 

「ありがと。えっとね、今回のレースみんなで勝敗を競うんだよね。でもそれだと、ぶっちゃけ私かタクの勝負になると思うんだ」

「そ、そうね」「悔しいが、異論を挟む余地がないな」

「それで、ここで提案みんなで一斉に走るけど競争相手を決めないってこと。要するに一子ちゃん対クリスちゃん、私対タクってことだね」

「私はさんせーい。クリはどうなの?」

「自分も異論はない。賛成だ」

 

なるほど!それなら公平になるな!

よしこれなら、さっきの奴を罰ゲームにしても大丈夫だな

 

「俺も賛成!それじゃ燕、負けた奴は勝った奴に何か奢るってのはどうだ?」

「おお、いいねそれ。さーって、タクに何かってもらおうかなー」

「ほーう?燕なかなか強気じゃないか……。絶対、負けねー。んじゃみんな準備は良いか?」

「バッチリよ!」「自分も問題ない」「おっけー」

「よし、スタートは俺たちの前を車が通ったらだ」

 

さてそれじゃあ全力でいくか!!

みんなが互いに力をためる。あ、そういえばこのメンバーってあのときの決闘のメンバーじゃん。

ははは、みんなどこか似てるのかもな、っとそろそろか?

遠くから車の音が聞こえる。みんな音を聞いた途端、走る体勢になる。

そして、俺たちの前を車が……通った。

 

――――バッ!!――――

 

みんな一斉にスタートを切って、ゴールの旅館を目指す。

 

――――――――――――――――――

 

「いえーい!私の勝ちだね!、さぁーてタクに何を奢ってもらおうかな~」

「ぐぬぬ、チクショー。あと少しだったのに」

 

勝負の結果、俺は燕に負けた。

こいつ、勝てる自信があったから仕掛けて来やがったな。

まさか、ゴール直前に抜かれるとは……。

 

「へへっ、トップスピードにするのはタクの方が早いけど、トップスピード自体は私の方が早いからね」

「にゃろ、今度は絶対に負けないからな」

「ふふ、いつでも挑戦待ってるよーん!っと一子ちゃん達が来たみたいだよ?」

 

ん?ホントだ。まだ姿は見えないけど気でわかるくらいの距離に来たな。

さぁて、どっちが勝つかな?うーん……あ、そうだ

 

「俺はワン子に500円」

「じゃあ私はクリスちゃんに500円で」

 

よし!ワン子がんばれ!!俺はお前に期待してるぞ

クリスに負けるなよ。

そして、二人の姿が見える。二人は横に一列で並び、こちらに近づいてくる。

 

「行けー!ワン子!!日頃の成果を見せろー」

「クリスちゃん、がんばれー!一子ちゃんに負けるなー」

 

やんや、やんや二人でワン子、クリスを応援する。自分のために

そんなことは露ほども知らず二人は、力の限りラストスパートをかける。

二人はスピードを一気に上げ、ゴールを目指す。

 

「「ゴール!!」」

「お疲れ、二人とも」

「いやー、二人ともいい勝負だったよ」

「はぁはぁ、それで、拓兄勝ったのはどっち?」

 

しかし、まさかこんな結果になろうとは

ワン子の質問に俺は公正な判断を下した。

 

「それは、引き分けだ。な、燕?」

「うん、私も驚いたよ!まさかまったく同時にゴールするなんてね」

「引き分けかー。なかなかやるわねクリ」

「犬もなかなかではないか。しかし自分は全力を出していなかったからな、全力を出せば犬になど負けないぞ」

「そんなの私だって一緒よ!私も本気出してなかったもの、本気出せばクリなんか敵じゃないもの」

 

ホントだよ、まさか引き分けるとは……

それにしても、ワン子こんなに早くなってたんだな。感慨深いぜ

ぶっちゃけ、クリスがこんなに速いと思ってなくて内心ヒヤヒヤだったなんてことはない。絶対にないぞ!

さって、そろそろ行くかな。

 

「ほい、二人ともそんな子供みたいなことやってないでみんなのところ行くぞ!」ワシャワシャ

「あぁー、タク兄わかったからやめてー。」

「わぷっ、拓先輩やめてくれ。わかったから~」

「ふふ、二人とも可愛いなー」

 

ぽふっ、とクリス、ワン子の頭に手を置き、わしゃわしゃと撫で回し喧嘩を仲裁する。

燕はそれを笑顔で見守っている。

その光景は傍から見てもほほえましいのか周りを歩く通行人の人たちも燕と同じように笑顔だ。

……なんだか恥ずかしくなってきたぞ。さっさとみんなの所に行こっと。

それはみんなも同じようで俺たちは早足で、他のファミリーのもとへと向かった。

 

――――――――――――――――――

 

無事俺たちは皆と合流し、思い思いの時間を過ごしている。

そして、時刻は午後9時、ファミリー男子の部屋である計画が、始まろうとしていた……

 

「さて、大和準備は大丈夫か?」

「もちろんさ、自由時間のうちにカメラの位置はすべて把握した。」

「流石だぜ、大和。帰ったら俺様のプロテインを一つやろう」

「いや、それガクト以外もらってもうれしくないよ!!」

 

モロの言うとおりだぞ、絶対に嬉しくない。

こんなセリフから始まった、ファミリー男子全員参加(翔一を除く)の、のぞき計画。

誰を標的するか、だが

 

「それより一つ聞きたいんだけどもしかして、モモ先輩たちを覗くの?、それだったら僕は反対だよ!」

「その点は安心しろ、岳人頼む」

「おう、分かったぜ。拓先輩!覗くのは下の宿に泊まっている女子大生たちだ」

「って、さっきも思ったけど拓先輩も乗り気なのね。」

 

当たり前だろうが!男足るもの女の体をみたいものよ!

これぞ、人間の神秘!え?翔一は違うじゃないかって?あいつがおかしいだけだ。けして俺たちが特別エロい訳じゃない!断じてない!!

 

「さて、話がまとまったところで早速俺から皆に作戦を伝える」

「おう!任せたぜ!軍師」

「なんか、大和も乗り気だし!僕はいかないからね!」

 

なんだ、モロの奴怖じ気付きやがって。後悔しても知らないからなー。

さて、それじゃ俺、岳人、大和の三人で作戦を実行するとするか。

大和が、調査したところによると旅館近くの森には警報装置、監視カメラはなくさらにそこから目当ての風呂まで一直線にいけるらしい。

 

「と言うわけで、今回はこの地点から向かう。異論は?」

「俺様はないぜ」

「俺もない、ただこの事は女性陣にはばれない方がいいだろう。特にモモにはアイツのことだ間違いなく私も行くとか言い出すからな」

「了解!それに気をつけつつ、早速作戦開始!」

 

――――――――――――――――――

 

そんな事を思っていた時期が俺にもありました。

あり得ないだろ!部屋から出たとたんモモにばれるとか!まさかモモがあんなにうまく気を消せたなんて、不覚。

 

「よーし、それじゃ三人とも、いざ行かん、ねーちゃん達が居る桃源郷へ!」

「「「おー……」」」

 

あぁ、結局モモも来たよ。お前女なんだから、一緒に入ればいいのに

別に、モモの奴の気配に気づけなかったから拗ねてるわけじゃないから。違うから

 

「ん?タクーどうした?」

「別に、何でもない……」

「何だあいつ、弟なんか知ってるか?」

「わかんないよ、さっきまではあんな感じじゃなかったけど」

「おい!みんな静かに。そろそろだぞ!」

 

おっと、もうつくのか。ふふっふ、気を取り直して桃源郷を見に行くか!!!

さーて、目の保養♪目の保養♪

そして、気分を入れ替え浴場に一歩近づくと

 

「さぁーて、行くぜー」

 

―――ビー、ビー、侵入者!侵入者!―――

 

「ちょ!オイ岳人!お前何してんだよ!」

「俺様何もしてねーぞ」

「まさか、昼間は警報を切ってるなんて……」

 

―――――おい!こっちだ!急げ!!―――――

 

優秀だな警備、おい!まさかそこまで周到に罠を仕掛けているなんて……

さすがの大和も読み違えるわけだ。

っと、そんなことより今は逃げること考えないと、みんながばれずに逃げるには……これしかないかな?

 

「さてみんなどうする?ちなみに俺のアイデアなら姿を見られずにすむ」

「なに!?拓先輩それはどんなアイデアなんだ?」

「俺とモモはお前ら二人を担ぎ上げる。んで、お前らを」

「俺様たちを?」

「わかったぞ!川に投げるんだな?ここなら大丈夫だろうし」

「ああ、俺はそれしかないと思う」

「ちょっと待った!!今なんて言った!?俺たち二人を川に投げるって言わなかった!?」

 

ははは、当然の反応だな。

しかし、もう時間がないんだよ、大和。時間は待ってくれないんだ……

 

「モモ!大和を!すまんな、岳人。そーい!」

「わかった。いくぞ、大和!耳はふさいどけよー」

「「うわぁぁぁぁ」」

 

―――――バッシャーン―――――

 

無事に、川に落ちたようだな。

さて、それじゃ俺たちも逃げるとするか。

ちらりと、モモとアイコンタクトをとり全速でこの場から離脱した。

 

―――――――――――――――

 

旅行2日目。

昨日の騒動で川に投げ入れた二人はとりあえず元気そうだったのでよし

本日は川にて魚釣りを行っている。

 

「すっげー釣れたから、下流のほうに行って売ってくるぜ!」

 

相変わらずの翔一をみんなは苦笑いしつつ、見送った。

何を持って帰ってくるかなぁ?

そんなこと考えながら、俺も釣りをしていると後ろから視線を感じた。

 

「なんだ?クリスにまゆっち」

「あぅ、松風なんて言えばいいのでしょう?」

『まゆっち、普通に、私に釣りをお・し・え・て。って言えばだいじょぶだぜ!』

「はい!わかりました、松風。拓先輩、私に釣りをお・し・え・て。」

 

………。え、えっとどう反応したらいいんだ?

これは普通に返せばいいのか?それとも突っ込んだほうがいいのか?

わからん。未だにまゆっちと松風にどんな風に絡んだらいいかわからない

こういうときは……俺は視線をクリスに移し、問いかけた。

 

「んで、クリス。お前ら、なんのようだ?」

「はぅあ!!松風、普通になかったことにされましたよ!?」

『どんまい、まゆっち。そんな日もあるぜ、気にすんな』

「あ、ああ、実は自分もまゆっちも釣りをあまりやったことがないんだ。だから拓先輩、教えてくれないか」

「そんなことか、ならぜんぜんいいぜ。こっち来いよ」

 

そう言って、俺は隣をぽんぽんと叩き二人に隣へ座るように促す。

俺の合図を理解して、二人は隣に座り、俺は座ったのを確認してから二人に話を振る。

 

「んで?二人は俺に何を聞きたいんだ?」

「その…実は餌をつけられないんです」

「なに!そこからなのか!?おいおい、あまりとかそういうレベルじゃ……」

「違うんだ、ドイツではルアーで釣りしてたからやり方がわからなかっただけなんだ!だから、釣りはやったことあるんだ!!」

 

まさか、そのレベルだとは……。しかし何で餌もつけられないのに

『ふふん、自分は釣りには自信があるぞ!』なんて言えたもんだ。

ま、だからと言って教えないわけにはいかないんだが……

 

「わかった、わかった。そんじゃ、二人とも竿貸せ。つけてやるから」

「は、はい!ありがとうございます」

「ホントにわかったのか?」

「ああ、わかったよ。だから、な?」

「ふふん、わかればいいんだ。」

 

はぁ、ホントにクリスは子供なんだから。

ま、そこが可愛いんだけどさ、ペットみたいで。

2人から竿を受け取り、針に餌の虫をつける。

 

「ほい、2人とも。餌、つけたからそのまま出来るぞ」

「有り難うございます!拓先輩」

『流石だぜ拓先輩、そのツンデレっぷり。そこに痺れる、憧れるー!』

「ありがとう、拓先輩。なぁ、松風。つんでれってなんだ?」

 

可愛いな、おい!何も知らない子犬か!!

しかし、ワン子といい、クリスといいファミリーにはマスコットが多いな。

っと、そう言えば燕どうしたんだろ?モモと一緒だと思うけど。

 

SIDE OUT

―――――――――――――――

 

SIDE 燕

 

今日はみんなで来た箱根旅行二日目。

一日目の昨日は、自由行動で私はモモちゃん以外の女の子達といろいろ交流を深めてたんだ。

 

そして、二日目の今日はみんなで釣りをしに川に来てるんだ。

へへ、実は私釣りには自信あるんだよねー

タクに教えてあげようかなー、手取り足取り。

それじゃ、さっそく…れっつごー!

 

そう決め、私はタクのところに向け足を進める。

すると、モモちゃんが私の前に現れた。

 

「なぁ、燕。どこ行くんだ?」

「タクのところだよ?一緒に釣りしようと思ってさ」

 

私がそう言うと、モモちゃんの雰囲気が一瞬にして変わった。

例えるなら、猛獣が自分の縄張りに入った敵を威嚇するみたいな…

 

「え、えっと。モモちゃんど、どうしたのかな?」

「なぁ、燕…人のものにあんまりちょっかい出すなよ?そろそろ私も限界だぞ……」

 

モモちゃんが言葉を発した瞬間、私の肌がゾワリとした。

ふふ、スッゴい闘気だなぁ~、モモちゃん。

今は、まだ時期じゃないから、戦いたくないなぁ……

でもね……

 

「ごめんね、モモちゃん。私、自分が欲しいものは、絶対に手に入れるって決めてるの」

「そうか…燕。残念だ……」

 

さらにモモちゃんの、気が大きくなる。

ちょっ!まだ大きくなるの!?イヤだなぁ……

でも、絶対に曲げない。私、タクが欲しいんだもん。




はい!ソモ産です。
今回のサブタイ、「譲れないもの」ですが地味に前半ら後半すべてに共通する事だったりします

とまぁ、それはさておき最後に燕が気になることを言ってましたね
次回はどうなるのか?乞うご期待です

ちなみに、誤字報告や面白くねーよとかこうした方がいいんじゃない?とかありましたら感想などにお願いします
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